バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【 #ゼノンザード 】魔力ケイラってなんだよ(哲学) 【魔力ザード】

ゼノンザードについてTwitterで検索してて気になる単語がある。

魔力ケイラが強すぎる」

魔力ケイラばっかで嫌になる」

魔力ケイラの対策には〇〇がいい」

魔力ケイラ対策に〇〇使ってるのに負けたからクソ」

「魔力ザード」

 

魔力ケイラ。

なんだかネガティブなイメージがある言葉らしい。

ケイラって聞くと僕はテーリアスに語られる収穫の神、ケイラメトラを連想する。

 

いやまあ、テーリアスはたぶん無関係だろう。

 

じゃあ一体、魔力ケイラとは何か。

 

魔力喰い」「ケイローン」「キマイラ」の3枚コンボのことだ。

(厳密には後1枚「3コスト以上のマジックカード」が必要な4枚コンボだけど)

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ケイローンで2コスト軽減した3コスト以上のマジックを唱えても

魔力喰いは「本来のコスト」を参照する。


例えば4マナのマジックである導きの紋章ケイローンでコスト軽減して2ターン目に2マナで使い、

それに対して魔力喰いが反応して0コストになる。

 

このシンプルなコンボを2ターン目に安定させるのが、キマイラによる無色マナの有色化だ。

 

0コストまで軽減…というのが碌なことにならないのはカードゲーマーの諸君は御存じの通り。

なにせ1コストのカードは2枚使うのに2マナが必要だが、

0コストのカードは3枚使っても0マナ…あっ…(察し)

 

2ターン目に3体の魔力喰いが出てくることすらあるという非常に強力な動き…

 

このコスト軽減からのコスト軽減というのが印象的だし

ドブンを食らえば抵抗の機会なく負けていくという凶悪さで印象に残っている…

 

多くのプレイヤーが魔力ケイラを使うとか、対策カードとして挙げられるボム・ウィスプなどを使ったのになぜか負けるだとか…

そういった環境から「魔力ケイラ」デッキへのヘイトが高まっているのだろう。

 

しかし私は「魔力ケイラ」デッキへのヘイトスピーチにとてもショックを受けている。

 

なぜか?

それは今日までいくつもデッキ紹介記事を書き、

僕はβテストを楽しんだ。

それではここまでのデッキを振り返ろう…!

 

【デメテーの村娘】デッキ

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村娘2人を展開できる導きの紋章。

撃つのが早ければ早い程強いカードなので、最速で撃つためにフォースにケイローンキマイラを採用しているぞ!

さらに、魔力喰いを移動権を行使してマナへ変換することで3ターン目に7マナへと到達することすら難しくはない。

 

超加速したベースから9マナのヤクーツォーク10マナのアラバスターなどの超大型ミニオンにつなげよう!

 

 

バインディングローズ】デッキ

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非常にトリッキーなようで脳筋、それでいてテクニカルなマジックカード、バインディングローズ

本来4コストのこのマジックを2ターン目に撃つことで相手のフォースを縛ることで序盤の展開を大きく妨害するなど、うまぶれる小技が詰め込まれたデッキ。

コスト軽減のためのケイローンキマイラによる安定発動で使いたい時、かゆいところに手を届かせるのがこのデッキの肝だろう。

ただしバインディングローズを撃って相手を1回休みにする間に、自分も休んでいたのでは意味がない。

2ターン目ローズからの展開妨害をしている間に自身の盤面に繰り出せるミニオンである魔力喰いは、このデッキの陰の立役者だと言える。

 

 

 

【4カラットビート】デッキ

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1カラットラットの強さに触れる上で、その「地味ながら強いところ」をいくつか挙げた。

それらすべての地味強ポイントを活かせるデッキとして

キマイラによる4色デッキ」

「ベースミニオンすら攻撃に動員するアグレッシブなデッキ」を作ることにした。

せっかく多色化したので、それぞれの色の強力なカードを利用したいが3コストや4コストのカードを使うとベースを攻撃に回すという当初の目的が達成できなくなってしまう。

そこで目をつけたのがマジックカードを2コストも安くしてくれるケイローンだ。

軽減による2マナ=ベースミニオンを攻撃に回す余裕を生み出すため、

このデッキに実質的な「打撃力」を与えているフォースだと言い換えることができる。

そうそう、3コストや4コストのマジックカードが多用されるので魔力喰いを採用することで相手の壁に除去を打ち込みながら戦力を供給したり、

場に出してすぐベースに送り1マナミニオンを戦場に送り出したあと、

次のターンにベースから引き出してダイレクトアタックできるなどアグロデッキにはうってつけの組み合わせだ。

 

 

 

…さて。

もうぶっちゃけ分かったと思うけどはっきりと書いてしまおう。

全部「魔力ケイラ」じゃねーか!!

 

 

そう。

魔力ケイラなのである。

方向性の違うアプローチからデッキを組み立てたはずなのに魔力ケイラになってしまっているのだ。

 

なぜか?

 

答えは簡単で実際のところ「魔力ケイラ」はデッキタイプではないのだ。

 

魔力ケイラのパーツのうち2枚はフォースである

 

そしてケイローンを使うようなデッキは3マナや4マナのマジックが積まれるので、

当然相性がいい魔力喰いが入ってくるのは自然なことだ。

 

つまるところ、デッキづくりの起点としてあるいは過程として…

フォースはケイローンキマイラだ!と決めた瞬間にデッキは超高確率で「魔力ケイラ」ギミックが入るのだ。

 

なぜ魔力ケイラばかり見かけるのだろう?

もちろん魔力ケイラギミックは強いので使用者が多いということは当然あるだろう。

しかし「キマイラフェニックス」とかならどうだろうか?

例えばアオバを切り札とするカナタナデッキではフォースを「キマイラフェニックス」にするのはよくあることだ。

相手ターンにマジック除去を撃ちながら、自分のターンにはトークンを並べて戦うゴーレム・アグマならば、フォースが「キマイラフェニックス」になるのは納得できる。

 

他にも「キマイラ・フェニックス」をフォースに選択するデッキは数あれど、

それらを「キマックス」とか呼んだりはしないだろう?

 

同様にミノタウロス・キマイラはミイラとか呼ばれたりしないし、

ウロボロススフィンクスボロスフィとか呼ばれたりもしない。

 

フォースの名前をデッキ名にすることは普通ないのだ。

それなのに「魔力ケイラ」は多くのデッキを含んでしまっている。

だから「魔力ケイラ」と当たる回数が多く感じるようになるのだ。

 

さらに「魔力ケイラ」に対策が効かないのも当たり前だ。

なぜ魔力ケイラは対策カードであるボム・ウィスプを食らっても普通に勝つとか言われるんだろう?

もうわかったかな?

ボム・ウィスプ魔力ケイラの対策カードなんかじゃないからだ。

 

 

魔力喰いのBPが400なのにBP300を破壊するボム・ウィスプが魔力ケイラに刺さるわけがないだろ!!!

当たり前だよなぁ…!!



ボム・ウィスプアグロ型のデッキへのメタ」としては優秀なので、

アグロ型の魔力ケイラには非常に突き刺さる。

 

 

だが、ランプ型魔力ケイラにはあまり関係がない。

 

これが魔力ケイラの対策カードを入れてるのに魔力ケイラに勝てない」という事象のからくりだ。

もちろん、これは大げさな例ではあるが、

基本的に「魔力ケイラ」などという括りは情報量がほとんどない虚無のアーキタイプなのだ。

 

グーやチョキやパーがそれぞれに戦うじゃんけんという環境で「指を使う手は強い」とくくるようなものである。

たしかに「指を使う手」が勝者になる確率「グー」が勝者になる確率よりも高いが、その括りは虚無だ。

 

魔力ケイラは確かに強いギミックではあるが、ヘイトを過剰に受けている気がする。

それは単純にその言葉が示す範囲がやたら広いからだ。

 

例えば「アグロ型の魔力ケイラ」が魔力喰いを引かずに3ターンキルしたりするわけだけど、それって本当に「魔力ケイラ」が攻められるべきなのか?

 

不要なヘイト発言を広範囲に向けてはいないだろうか?

 

3色アグロが憎いなら、そ憎しみは3色アグロに…

高速ランプへの怒りは高速ランプに向けるべきなんじゃないか?

フォースが「ケイローン・キマイラ」であるデッキすべてにヘイトを向けることはやめてほしい…私は切実に願う…

 

魔力ケイラ」ばかりデッキレシピを書いた私のちょっとした愚痴である…。 


 

【 #ゼノンザード 】1カラットラットのススメ【初心者向け】

 ゼノンザードのススメ。前回

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今回は僕がデッキに入れる時にまず最初にこれを3枚積んでからデッキに合わせて枚数調整する、それくらい気に入っているミニオンを紹介するよ。

 

そのカードは…1カラットラットだ!

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この愛らしいネズミさんは一体何が強いんだろう?

 

《1カラットラット》は場に出した時にカードを1枚引くことができるベース・ミニオンだ。

他に言うことはないってくらいそこに強さのすべてが詰まっている。

 

まずは他のベース・ミニオンについて考えよう。

ベース・ミニオンは1ターンに一度マナフェイズに手札から場に置くことができるカードだ。

なにもしなくても毎ターン無色マナが1つ生えるゼノンザードだが、

有色カードを使うためにはベースに色マナを用意する必要がある。

 

この色マナを出して有色カードを使えるようにするのがベース・ミニオンの役割だ。

 

一般的にベース・ミニオンは入れる量を減らしたいけど入れないと事故るから入れざるを得ないものとして扱われる。

(このブログだと最初に紹介したのがベース・ミニオンである《デメテーの村娘》軸のデッキだったので、いまいちその辺が伝わってないかもしれないけど)

 

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デメテーの村娘は緑のマナを出してくれた。

では1カラットラットは何色のマナを供給してくれるんだろうか?

 

答えは無色である。

1カラットラットが提供してくれるマナは無色なのだ。

 

これが1カラットラットがパッと見で「何が強いのかわからない」と言われる原因だ。

本当は入れたくないタイプのカードなのに、色マナが出るからわざわざ使う…あるいは村娘のように名前指定のサポートがあるわけでもない。

 

じゃあなんで無色なのに1カラットラットは強いんだろう?

 

それを知るにはそもそも「なぜベース・ミニオンを減らしたいのか?」から考える必要がある。

 

 

なぜベース・ミ二オンは減らしたほうがいいのか?

 

ベース・ミ二オンは手札から使えるミニオンだが、手札から使えないミ二オンだ。

どういうことか?

ベース・ミ二オンは自分のターンのスタンバイフェイズにベースにおくことができる。

だが、それ以外の方法で手札から出す方法はあまりない。

つまり手札に複数枚のベース・ミニオンを抱えることは「このターン使えない手札」が増えてしまう。

(逆に言えば村娘は手札から出すサポートがあるので、そこが強みだ)

 

さらにベース・ミニオンを使わずに無色のマナを加えることを選べば手札の消費なしでマナが増える。

しかし、ベース・ミニオンは手札から出さないといけないので無色マナの供給と違い「手札を消費する」のが弱みである。

 

ん?

手札を消費するのが弱み…?

 

どうやら1カラットラットの強みが見えてきたようだね?

そう、無色マナを獲得する場合は手札消費がなく、ベース・ミ二オンは手札を消費する。

だが、1カラットラットは手札を消費しないベース・ミニオンなのである。

 

有色マナを出すような強みがない代わりに、弱みもない。

弱みがないので純粋に「ミニオンである」という利点だけがそこには残る。

 

手札から1カラットラットを場に出してカードAをドローするのと、

手札にカードAを握っていてベース・ミニオンがないので無色マナを獲得する方を選ぶのとでは、手札の差は一切ない

 

 

ベース・ミニオンである利点

 

ではベース・ミニオンだと何が強いんだろう?

手札での差はないが、「盤面」では大きな差があり、「デッキ」にも小さな差がある。

 

・無色マナは攻撃できない、1カラットラットは攻撃できる。

1カラットラットは移動権を行使することで攻撃手段に変えることができる。

DPが0でなく1なので攻撃によりちゃんとダメージが発生する。

 

・無色マナや他のベースはブロックできない、1カラットラットはブロックできる

ここ一番の謎。

なんと1カラットラットは「メリットはないがデメリットを打ち消してるカード」みたいな空気を醸し出しつつ、実際には同じくらいのパワーレベルのカードが持つ共通デメリット能力を持たない…

いわばプラス方向の補正がかかっているのである。

多分「デッキに好きな枚数入れられる」という能力の代わりなんだと思う。

こんなの何枚も入れられてたまるか

 

・デッキ圧縮のおまけがある

カードAを引いて、無色マナをセットするのと

1カラットラットをセットしてカードAをドローすることに手札の違いはないと書いた。

だが、デッキは前者より後者の方が1枚薄くなっていることに気づいただろうか?

つまり(ごくわずかにではあるが)デッキ内の「強いカードの割合」が高まっているのだ。

誤差だろうがなんだろうが採用するカードに、わずかにでもプラス要素が追加であるのは嬉しいものだ。

 

というわけで基本的には1カラットラットは入れ得だ。

雑に3枚積もう。

ただし、常に3枚が最適とは限らない。

例えば他の色ベースを出す手番が必要だったり、どうしても序盤のターンに引きたいカードがある場合。

 

1カラットラットを3枚積むと逆にキーカードが引ける率は下がる。

手札でベースが渋滞する場合には動きが鈍るのだ。

なので例えば前に紹介した【バインディングローズ】のデッキ。

 

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このデッキでは2ターン目に引きたいカードが多い。

そこで1カラットラットの枚数を1枚減らして事故率を軽減しつつ、

2枚による圧縮でわずかにでもキーパーツが揃うように…という考えから採用枚数を絞った。

 

基本的には1カラットラットは3枚。

序盤にどうしてもしたいコンボがありその妨げになる場合は2枚。

そもそも無色のベースを許容できないなら0枚。

 

たぶん1枚指す理由は「1枚しか持ってない」だけだと思う。

 

 

さて1カラットラットにはもうひとつ、他のベース・ミニオンに対する特殊な強みがある。

それは「無色が出る」ことである。

おいおい、なんだか変なことを言い出したぞ。

 

デメテーの村娘は緑が出るけど1カラットラットは無色で色がでないから弱いんじゃなかったのか?

 

実はそれを覆す強力な理由がある。

フォースカード「キマイラ」がその理由だ!

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キマイラが貼ってあるときに無色は4色に変わるのだ。

つまりキマイラ選択時には村娘は緑しかだせないが、1カラットラットは緑も黄色も白も赤も出せる。

 

キマイラ軸の多色デッキでは、他のベース・ミニオンよりもむしろ使い勝手があがるのだ。

というわけで1カラットラットがもっとも輝くデッキがあるとすれば…

「キマイラ軸の多色で」「ベースミニオンを攻撃に回したり」「BP300のミニオンを防御に回したい状況がある」デッキだろう。

 

というわけでその条件を満たす4色デッキを作ってみた。

4カラーの1カラットラットビートダウン…

4カラットビートとでも名付けようか…

 

サンプルデッキレシピ

【4カラットビート】

フォース 2枚

キマイラケイローン

ベース 9枚

3 1カラットラット

6 デメテーの村娘

フィールド 19枚

3 スパイクリザード

3 ジャックナイフスワロウ

3 モルフェオ「ラビィ」

3 ファイアービートル

1 「箱を抱く者」パンドリア

2 グレイグ・スマッシャー

1 雷竜ライトニングフォール

3 魔力喰い

マジック 11枚

1 ウォークライ

1 バインディングアイヴィ

2 メガトンハンマー

3 バインディングローズ

3 導きの紋章

2 サテライトビーム

 

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【 #ゼノンザード 】《バインディングローズ》のススメ【初心者向け】

今回は「トリッキーな効果を使いこなしてくれよな!」と見せかけて、実のところ脳筋…でも実はテクニカル…。

 

そんな奥深い特徴を持ったカード。

バインディングローズ》をススメます。

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悪いことは言わないから緑なら必ず1枚は入れておいたほうがいい

私は3枚積んでます。

 

さて、ではこのカードはどう使うのか?

相手をレストさせるフラッシュタイミングのカード

しかしフラッシュタイミング攻撃宣言したミニオンをレストした直後なので、

相手の攻撃に対して使っても攻撃を止めることはできない

(後続のミニオンの攻撃は抑えられるけど)

 

しかし、このカードは自分のターンにも使用できる。

しかも、その場合は強力な「アクティブにならない」という制限をかける。

 

アクティブにならない期間は使用した自分のターンと次の相手ターンの「スタンバイフェイズ終了時」

つまりこれは攻撃を止めるカードでなく「相手の防御を崩す」ための攻めの魔法なのだ。

 

スタンバイフェイズ中レストされたカードがアクティブに変わるため、バインディングローズに縛られると次のターンの最初に起きない。

 

つまり自分のターンに使うことで相手の壁を2体排除しつつ、

更にその次のターンの攻撃と、さらに次のターンの防御にも使わせない。

 

という雑に強い脳筋ゴリラのための防御突破呪文なんだウホ。

 

膠着状態。

特に白いデッキとかの群れて互いに全体強化をかけあう布陣。

それを突破して盤面を崩すことができる強力な突破札になりうる。

注意白い悪魔ことホーリークエイドル布陣の突破には役立ちますが、ホーリークエイドルは再起(ターン終了時にアクティブになる)を持つのでどかせるのは1ターンのみです、ここぞという時に使いましょう。

 

というわけでトリッキーに見せかけたとんでもない脳筋魔法だった…で終わらないから

バインディングローズはヤバいのだ。

 

このカードには隠されたもうひとつの使い方がある。

それは対象にフォースを選べることである。

 

フォースを寝かせて何の意味があるんだろう?…とそこで思考を止めてはいけない。

ゼノンザードのルールブックPlaymanualには以下の記述がある。

 

フォースはレスト状態の間、フォース固有の能力は発揮しなくなります

 

いや、さらっと飛んでもないこと書いてあるな、オイ。

あっ、赤字の強調は原文になく私が勝手につけたものです。

じっさいは

特に強調とかなくさっと流されてる。

 

例えば相手の壁ミニオンを寝かせる時に一緒に相手のミノタウロスを寝かせる。

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するとミノタウロスこのターン、相手プレイヤーへのダメージを軽減しない

 

さらに、次のスタンバイに起きないため、次のターンに攻撃するときもミノタウロス適用されないままである。

 

ミノタウロス「ライフの底上げ」として用いるデッキの場合、これによりライフの計算は大きくずれこむだろう。

 

それだけじゃない。

他にも序盤の組み立てを崩すのにも使える。

 

例えばケイローンの効果で序盤に撃ったバインディングローズだ。

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相手のキマイラを縛ればキマイラ便りのマナベースは崩壊する

その隙にキマイラを叩き壊すことで相手の計算は大きく崩せるかもしれない。

キマイラ頼りの3色系のデッキも出てきているようなので試す価値はありそうだ。

ただし割ったときに色ベースを1つ供給してしまう点は注意だ。

 

あるいはフェニックス対策。

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飛来フラッシュと組み合わせて実質2倍のマナベースを扱う戦術が強いが、

相手の攻撃のフラッシュタイミングで使用し、後続の攻撃を止めつつ、次の防御に回す戦力も削り…なおかつフェニックスを寝かせることで飛来も牽制する。

 

この使い方でスキをつくり素早くフェニックスを割ればカナタナデッキは大きくペースを乱されるはずだ。

 

これが実際のプレイ。

TURN3(2ターン目)にバインディングローズで牽制。

キマイラを抑えたことで相手の挙動が「出したミニオンをベースに下げて色を確保」の方針になり盤面が手薄に…

TURN5(自分の3ターン目)でのフェニックス破壊を実現している

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フェニックス破壊自体は速攻デッキなら当然実現できるが、

緑の重量デッキでのサブプランとして持てるというのは自分でもちょっと驚いた。

 

バインディングローズトリッキーな技に見せかけた脳筋に見せかけてトリッキーな使い方もできるカードだったのだ。

 

ケイローン系デッキでは2ターン目の展開という選択肢も持てるが多分4マナで使って

カナタナの飛来前提の動きに水を差す使い方もできるだろう。

 

そうそうケイローンといえば、ケイローンから紋章を撃つデッキに対して使うことで

相手を大きく遅延させることもできる。

 

 

バインディングローズの可能性は無限大だ。

複数ブロックプランのアオバへの牽制や詰めにも使える(逆に攻めのアオバに弱いのでそこは他のカードでライフを大きく削り「アオバをブロックに回さざるを得ない」盤面の形成が別途必要。)

 

まだまだ私のしらない使い方も眠っていそうだ。

試したことはないが多分他にも刺さりそうなフォースにウロボロスサイクロプスに対してフラッシュでうって計算を狂わせたりとかもできるんじゃない?

 

よくわかんないと思って使っていなかったそこの緑使いの君!

バインディングローズを試してみよう!

 

サンプルデッキレシピ

【レスト軸ケイローン

フォース2枚

ケイローンキマイラ

ベース9枚

5 デメテーの村娘

2 1カラットラット

フィールド25枚

3 モルフェオ「ラビィ」

3 「盲目の風読み」メリエルナ

3 パウルツォーク

1 パワーアップル

2 「神樹の守り手」ミリュイ

1 ファーツォーク

2 「鉄壁の作り手」リヤーボ

2 「愛花」アルルーナ

1 「千年杉」ヤクーツォーク

2 スノーラット

2 ベルダMK-4

1 盾持ちゴブリン

3 魔力喰い

 

 

マジック8枚

3 バインディングローズ

3 導きの紋章

1 パワーアップル

1 ウォークライ

 

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 次回のススメ

 

 

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続・ゼノンザードをべた褒めする

 

βテスト前の絶賛記事はこちら。

 

 

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さて今回はβテストに参加できるようになり、新しく追加された絶賛ポイント。
「バトルレポート」について話そう。

戦闘終了後に表示されるグラフ、それが、バトルレポートだ。

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何らかの基準でAIが数値化している「ゲームの優勢度」の推移だ。

これを見るのが思いのほか気持ちがいい。

自分の今の戦いを振り返って「序盤に優勢度を稼いでそれを維持する」のか
「優勢度が低い状態で耐え続けて切り札で一気に逆転するのか」を視覚化してくれるのだ。

 

詳細を表示することで
「自分の優勢」「相手の優勢」「総合した優勢度合」の3つを確認できるのも嬉しい。

自分の想定したグラフを描けているか?
あるいはそうじゃない場合、君のデッキには「別の勝ち筋」が潜んでいたことが分かる。

そして、興味深いのはそもそも「別の勝ち筋」なんてものはプレイ中に自分で気づいたなら後から気づける要素は必要ないし、
プレイ中にそもそも気づかなければ「勝ち」につながらないのでそもそも最後まで気づかないだろう。

 

えっ? じゃあいつ気づくの?
そこでAIクロスバトルだ!

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おさらいしよう。
ゼノンザードのマッチング戦「AIクロスバトル」ではプレイヤーAとプレイヤーBがマッチングした場合、
対戦は並列して2つ行われる。


プレイヤーA VS プレイヤーBのパートナーAI
プレイヤーB VS プレイヤーAのパートナーAI

 

そう、君が対戦している間にAIも君と同じデッキで戦っている。
そしてAIの試合のレポートも見ることができるのだ!!

 

君の想定していない形のグラフを描くバトルレポートがAI側から手に入った場合、君はその詳細な試合運びのリプレイを見ることもできる。

 

例えばこんなグラフ。

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「え!? そこから負けるの!?」という驚きのグラフだ。

 

グラフにタッチして「指定したターン」とかから観戦できるので、

1からリプレイを再生しなくてもいいというのは神機能だ。

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敗因になってそうなグラフの急落ポイントの少し手前から再生…なんてことができる。

 

どうやらこちらのライフは最大値の10相手はライフ1だ。

もはや勝ちは確定しているように見えるが、ここから負けるのか(困惑)

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ここで迂闊に攻撃を仕掛けた結果、相手のフラッシュタイミングのマジックによって一方的にこちらの切り札を戦闘破壊されて一転攻勢からの敗北者。

 

ゼノンザードの戦闘は防御側が有利なので盤面がほぼ膠着し、

自分の方が圧倒的にライフ有利なので、ここは勝負を焦らずに相手の攻撃を止める方向で動いておくべきだったかもしれない。

 

こうした立ち回りをAIの敗北から学びプレイヤーは上達する

上達したプレイヤーの立ち回りAIが模倣し、強くなる

 

このサイクルが回ることでプレイヤーはAIと共に強くなっていく。

AIと共にAIと戦うというコンセプトが「なんか新しそうなこと」ではなく、

このゲームを面白くするための一貫したテーマになっているのだ。

 

気づかなかったデッキのカード同士の相互作用や、特定の対戦相手に有効な動きをするカードの発見など、AIが君のデッキを動かす様子から得られる知見もあるだろう。

 

ゼノンザードはAIと戦うゲームだ
君のパートナーAIとうまくつきあいゼノンバトルを楽しもう!

【 #ゼノンザード 】《デメテーの村娘》デッキを組んでみる【初心者向け】

 

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さて、ゼノンザードはリリース前のキャンペーンとして無料で紙のデッキをプレゼントするキャンペーンをしていたのはご存じだろうか?

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僕はその時のキャンペーンで手にした森の国デメテーデッキがとても気に入った。

 

その時に「これ使ってみたい!」と強く思ったのが《デメテーの村娘》を主軸にしたデッキだ。

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《デメテーの村娘》はMTGに例えると《ドライアドの東屋》のようなカードである。

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ゲームが違うので異なるところはあれど、イメージとしてはそんなカードだ。

 

僕は《ドライアドの東屋》のファンだし、絵柄も愛らしいエルフの村娘をぜひ使ってみたくなった。
というわけでこの《デメテーの村娘》を使ったシナジーを紹介しよう。

 

さて、このカードの強みは何かというとゼノンザードでは珍しい「名前指定サポート」が豊富だということが上げられる。


《ドライアドの東屋》が森タイプを参照するカードと相互作用するのと同じように、彼女は緑のベース(緑マナを生む土地)のサポートも受けられるし、
それはDP1の(つまり相手に最低限のダメージを与えられるパワーを持つ)戦闘ユニットでもあるのだ。

 

《ドライアドの東屋》緑であり1/1の森・ドライアド・土地・クリーチャーという豊富なサポートを持つのと同じく、
《デメテーの村娘》緑でありBP300/DP1のエルフ・ベース・ミニオンなのである。


まずは一番基本的なシナジーから。

 

フィールド・ミニオン

 

モルフェオ「ラビィ」》

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「あなたが村娘をプレイするたびにライフを回復するミニオン」である。
名指しで指定しているこれを使わないわけがない!

ゼノンザードはデッキ構築によって「初期ライフ」が変動するゲームであるが
普通に組めばだいたい5~8点の範囲におさまる

いずれにせよゼノンザードの「ライフを1点回復」がもつ意味が比較的大きいゲームなのが分かるだろう。
これが1マナで呼び出せるのは驚愕だ。


注意点として、当たり前のことだが《デメテーの村娘》をセットし、それをコストにして出しても手遅れだ。
1点のライフ回復は発生しない。そのため何か他のカードを組み合わせない限り、
2ターン目にラビィの回復を最速誘発させるためには手札にラビィ村娘2人が必要になる。


《「盲目の風読み」メリエルナ》

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緑であるベース・ミニオンのサポートカード。
緑のベース・ミニオンである村娘もサポート対象となる。
こちらも「手札から村娘を出す」という都合上、村娘以外の緑ベースがない場合は基本的に村娘2人が必要
このカード自体、ベース移動ができる(土地に変換できる)ので2ターン目メリエルナから村娘を呼ぶと、3ターン目に5マナが確定する

 

《ペルチャルシー》

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ベースが5つあるとき…ではなく緑5マナでステータスアップするミニオン
無色ベースはカウントしないのでこれを使うなら緑マナ・ベースはしっかりデッキに入れたい。
直接的には村娘関連ではないが、村娘の能力「このカードはデッキに何枚でも入れられる」の恩恵をうけると言えよう。
3マナBP500/DP2は破格のステータス。

 

モルフェオ「トイプー」》

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村娘指定サポート。
メリエルナより重いがメリエルナと違いデッキから村娘が出るので、手札に左右されずに使える上にデッキの圧縮にもつながる。
コスト5なのでさっき書いた最速メリエルナから入ると4ターン目の7マナが見えるので相性いいよね。

 

マジック

 

《導きの紋章》

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MTGで言うところの《爆発的植生》

デッキから村娘2体が出てくる
そこそこの圧縮効率とマナ域のジャンプが魅力。
4マナで撃って次のターン7マナが出るのもまあ強いんだけど、これの本質は別のところにある気がする。

 

フォース

 

ゼノンザードの重要なシステム「フォース」
選んだ二つのフォースを配置してゲーム開始できるのでフォースの選び方次第でデッキに多様性が生まれる。

 

例えばキマイラなら多色デッキの潤滑油になり、ミノタウロスなら防御的に立ち回れる…など。

直接村娘とシナジーするわけではないが上記関連カードとのシナジーが強いフォースを紹介しよう。

 

《キマイラ》 

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さっき多色で使うって言ったじゃん! 緑単で強力そうな村娘デッキとどうシナジーするんだよ!って感じだが、
キマイラには隠された能力がある。
これは単に「緑マナ赤マナとして使える能力」なのでなく無色マナ着色することもできる」のだ。

 

どういうことか?

 

このゲームでは毎ターン、「手札からベースを置く(土地を出す)」か「無色ベース1つが無から生えるか」を選べる。
ハースストーン的なマナが毎ターン供給されマナスクリューに苦しむことのないシステムと、色事故リスクの低い単色か色事故リスクの高い多色か? というデッキ構築の面白さを両立する独自のマナシステムを持つ良いシステムだと思う。

 

さてラビィを使うためには
「ラビィをだす緑マナを出す村娘」と「ラビィを誘発させる村娘」の2枚が必要だということを書いた。 f:id:omamesensei:20190511091022j:plain

仮にこれがキマイラを使ってる場合、どうなるだろう。
第一ターン、まず「無色マナ」を起き、キマイラで着色し、ラビィを出す。
次のターンに村娘をだせば誘発する。

 

コンボパーツであるラビィ、村娘、村娘キマイラ(確定)ラビィ、村娘となり
安定性が増す。

同じくメリエルナのために手札に握る村娘も一人減る。

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そう、例え単色の村娘デッキでもキマイラが無色を緑に変えてくれる恩恵がはっきりと存在するのだ。

 

もうひとつ、おススメのフォースはケイローン

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こいつはやばいよ。
マジックカードの使用コストが2減る」のだ。

勘のいいカードゲーマー諸君はもう気づいただろうか?

 

4マナで2マナ加速する《導きの紋章》が2マナ安くなり最速2ターン目に使えるのだ!!

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…は?

2ターン目にマナを2つ伸ばせる呪文が撃てるのだ!!!

…は??

 

つまりうまいこと回れば3ターン目に5、6マナに手が伸びるのである。
はやい! マナきた! もうついたのか!

 

例えば「ライフがある間は異常なコスパになる」という特徴がある6マナの《「鉄壁の作り手」リヤーボ》が3ターン目に出てくるのも夢じゃない!

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(ちなみにライフ7あれば3ターン目にこの流れで決めたリヤーボは襲撃(速攻)で3ターン目にBP800/DP2顔面パンチできる

 

ケイローンやばいカードの香りがするぜ…

ただしケイローンを入れるなら他にも強力でそこそこ重いマジックを入れたくなるのが人間のサガ。

都合よくには超強力なカード、バインディングローズとかがあるので
ケイローン型のデメテーには期待している。

 

そうそう、これらの4コストスペルを2コストにする動きに絡ませたいのが
無色のミニオン《魔力喰い》だ。

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これは支払ったコストでなく元々のコストが3以上かをチェックするので
2ターン目に撃った4マナの《導きの紋章》に続けてそのまま0コストで場に出る優れものだ。

コストが0になるカードは悪用されるってはっきりわかんだね。

 

ゼノンザードβテスト2は始まったばかり、ぜひ君も自分の好きなカードを活躍させるデッキを組んでみよう。
正式リリースが始まり攻略wikiとかが出来てデッキレシピが上がる前がなんだかんだデッキメイクの楽しみを味わえる時期なのだから。

 

というわけで一応レシピも載せておく

 

村娘軸ケイローン

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フォース

ケイローンキマイラ

 

ベース 11枚

8 デメテーの村娘

3 1カラットラット

 

フィールド 22枚

3 モルフェオ「ラビィ」

3 「盲目の風読み」メリエルナ

1 「神樹の守り手」ミリュイ

 

3 モルフェオ「トイプー」

2 「鉄壁の作り手」リヤーボ

2 「愛花」アルルーナ

1 「千年杉」ヤクーツォーク

1 「箱を抱く者」パンドリア

3 魔力喰い

1 ドリンキング・バニー

2 九神龍「闘」アラバスター

 

マジック 7枚

1 パワーアップル

3 バインディングローズ

3 導きの紋章

 

 

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【 #ゼノンザード 】フィードバックしていこう 【第2回βテスト 】 

ゼノンザードをべた褒めする記事を書いて早1か月。

遂に念願の第二回βテストが始まった。

 

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ゼノンザードβテスト 1日目雑感

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楽しみにしていた第一回ゼノンザードβテスト落選の傷も癒えて、
第二回βテスト当選
第二回のテストプレイヤー人数を倍にしてくれた運営に感謝しつつ、
カードシステムを見て絶賛したゼノンザードについて、また書いていきます。

注:まだ1日目なので雑感です。あとで手のひら↻SWIPEがあるかもしれない。

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とりあえずざっくりまとめると
「やっぱりゼノンザードはおもしろい! でも不満がないわけじゃあない」

 


ゼノンザードのルールがスマホで遊ぶ時にストレスを感じるテンポの悪さを排除する」ことに長けている。
ここが絶賛ポイントだったし、実際に遊ぶと「そこは」非常にテンポが良く好感が持てる。


問題は…ユーザビリティUIデザインとか言われるやつだ)

 

テンポのいいゲームを目指したゼノンザードだが、既存のデジタルカードゲームに比べてボタンを押す回数が多くない? というのが気になった。

 

ルール上のテンポは良いのに操作テンポが「スワイプ」だけで感覚的に操作できるのでなく、
「タッチ」→「タッチ」→「決定」
「スワイプ」→「決定」
みたいに決定ボタン押す時に若干テンポ阻害がある。


MTGアリーナのような一斉攻撃型のゲームなら
攻撃に参加する奴らをドラッグし、最後に1回決定を押せばいい

 

ところがゼノンザードは1体ずつ順番に攻撃する
攻撃→決定。攻撃→決定。攻撃→決定

決定をそのたびに押すことになるのでどうしてもテンポが悪い

 

あとフラッシュタイミング
始める前に絶賛した部分なんだけど、実際にプレイすると気になる点が…ひとつ。
それはずばり「パス」なのだ。

 

例えば「相手ターンのフラッシュタイミング」で使いたいカードを握っている場合。
あなたのターンに使用前のベースがあれば、「使いますか?」と伺いを立ててくる。

いや、今は使うべき時ではないから「パス」を選択する。

うん。ここまではいい。

 

問題はフラッシュタイミングは攻撃のたびに発生することだ。


「うーん、またパスを押さないと…」っていうことを繰り返す。

パスだけでなく「このターンの間、以降のフラッシュタイミングは何もしません」みたいなボタンも欲しい…

 

掲げた理想に対してまだまだ実装が追い付いていない状態だ。

だがしかし!
それは決してゼノンザードが「悪いゲーム」だということではない。


だってまだβテストであり、βテストはそういう「改善点」を探すためのものなんだ。

もし「気になるところ」があったなら積極的に公式に伝えて、
「正式版ゼノンザード」がデザイナーの掲げた理想に近づくように応援しよう!


じゃあそのフィードバックのための意見ってどう送ればいいの?っていう部分なんだけど。
ざっと公式のお知らせを見たけど「βテストの遊び方」の告知で手いっぱいで、
βテストでのフィードバックの仕方」についての周知がされてないように見える。

 

ゼノンザードのβテストβテストアプリ「Test Flight」を使っているので、
多分、そちらからフィードバックを送信すればいいと思うんだけどTest Flightを使ったβテストを自分はやったことないので自信はない。

→送ったところ公式からメールの返信がありました。

 

公式lineアカウントから「メニュー」→一番右の「SPECIAL」→「ご意見・ご感想」を選んで送る…という方法でフィードバックを送れるようです。

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というわけでβテストのフィードバックはLINEアカウントから!

 

気になった部分はどんどん伝えてβテストを遊ばせてもらっている恩に報いよう!

 

 

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トライナリーと「コスティキャンのストーリー」

 前回

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さて、実は前回本当に語りたかったことについては尺の問題で削っている。
というわけで今回はそちらにふれていこう。

 

前回コスティキャンのゲーム」について触れた。

でもそれはまだまだ触りだけだ。
ちょっとばかりトライナリーにおけるトークンと感情移入について語っただけだ。

 

それはコスティキャンのゲーム論のコラムのひとつに過ぎない。
コスティキャンのゲーム論はもっと語るべきところが多い。

 

というわけで改めてコスティキャンのゲーム論に触れよう。

ああ、そうだ。
その前に…

 

今回扱っているコスティキャンのゲーム論」1994年版だ。

書いている途中でネットの邦訳版と英語版を読み比べて違和感を覚えていたのだが、
邦訳は1994年版の邦訳。僕が読んでいた英語版は2002年版だった。

 

時代に合わせてアップデートされてるので本来なら2002年版を参照するべきなのだろうが、
邦訳も存在し読みやすい1994年を今回は引用させてもらう。

2002年も既に10年以上前だし

 

コスティキャンのゲーム論こと I have no words & I must design(1994)

http://classes.dma.ucla.edu/Winter16/157/wp-content/ihavenowords.pdf

 

その邦訳版

コスティキャンのゲーム論

 

 

さて、コスティキャンはそのゲーム論の中でストーリーについても触れている。
拡張少女系トライナリーストーリーの部分こそがコスティキャンのゲームだ」という主張を語るわけだから、
やはりコスティキャンが原文でストーリーに対してどう語っていたのかを参照しないわけにもいかないだろう。

 

では該当部分を読んでみよう。

 

It's Not a Story.
(ゲームはストーリーではない)

 

コスティキャンはゲームと何かを定義するために「ゲームではないもの」を次々に挙げていく。
そしてまさにその部分で「Storyが『ゲームではないもの』の例として挙げられている」のだ。

……。

もう一度読み直そう。

Itは前の話を受けてゲームを指している。
ゲームとはストーリーではないもの。

なんてこった。
トライナリーのストーリーがコスティキャンのゲームである。
それを示す以前にそもそもストーリーゲーム定義から外されてしまっている

 

まずトライナリーのストーリーコスティキャンのストーリー」が違うものであるということを示さないことには本題に入ることすらできないみたいだ。

というわけで今回はトライナリーのストーリーコスティキャンが言うところのストーリーではないことをつまびらかにしていこう。

とりあえずコスティキャンのゲーム論の続きを読んでいこう。

 


邦訳版:
ゲーム関連の話をしているとき、「ストーリー」なるものが話題になる機会は非常に多い。
やれインタラクティブ小説のストーリーがどうした、RPGリプレイのストーリーがこうした、などなど。
どうやらゲームデザイナーの頭には、「ゲームとストーリーには何か関係があるに違いない」という発想が染みついているようだ。
しかし、これは本当だろうか。
少なくとも、この点についてはもう一度よく考え直してみる必要があると思う。

原文:
Again and again, we hear about story. Interactive literature.
Creating a storythrough roleplay.
The idea that games have something to do with stories has such a hold on designers' imagination that it probably can't be expunged.
It deserves at least to be challenged.

 

というわけでコスティキャンは「ゲームとストーリーが密接に関わる」という論に飽き飽きしているように読み取れる。
そしてこの後、Storyはゲーム定義ではないのだと彼はバッサリ切り捨てていくのだ。

 

邦訳版:
ストーリーは、もともと直線的なものである。
登場人物が厳しい選択に直面し、苦悩のあげく決断を下すシーンがあったとしよう。
しかし、実はその決断は作者によってあらかじめ定められたものであり、
読者が何度ストーリーを読み返しても変化しない。
その決断によって生ずる結末もまた変わらない。

原文:
Stories are inherently linear.
However much characters may agonize over the decisions they make,
they make them the same way every time we reread the story,
and the outcome is always the same.

 

ストーリーはリニア(直線的)だとコスティキャンは指摘している。
そしてその選択によって結末が変わらないことゲームStoryを隔てているというわけだ。

注意してほしいのはこの文章はコスティキャン四半世紀近く昔に書いた記事である点だ。


つまり、現在我々が知るようなストーリーやゲームの在り方はコスティキャンから見れば未来のゲーム形式であるということだ。

 

リニアな物語コスティキャンの言うストーリーだということは、
選択肢を選ぶことが結末を変えるようなストーリーコスティキャンのストーリー」ではないのだろうか?

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実は聡明なるコスティキャン先生は既にそこへ話を転がしている。
エッセイを先へ読み進めよう。

 

 

邦訳版:
こういう観点からすると「ハイパーテキスト」という新しいフィクションの形態はとても興味深い。

原文:
The hypertext fiction movement is interesting, here.


参考:英語版ウィキペディアにおける「 hypertext fiction」

en.wikipedia.org

 

 


ハイパーテキストフィクションというのはゲームブックなどに見られる物語の形式だ。
一塊の文章でなく文章の塊から文章の塊へと飛び移る


29
「君が分かれ道を左に折れると、そこには一匹のトロールが待ち受けていた」
「そいつは君をみると口の端から汚らしくよだれを垂らすと、右手に持った棍棒を振り上げて突進してきた」
「君がもし、この敵を迎え撃とうとせず、逃げ道を探して駆け出すのなら→14へ行け」
「勇敢にも立ち向かうというなら→97へ行け」

 

こんな感じで番号付けされた文章の塊を飛び移り、物語を読み進め、話が分岐していく。
こういった物語の断片を飛び移る形式がハイパーテキストフィクションだ。


邦訳版:
ハイパーテキストの作者だって、伝統的な作家と同じく実存的苦悩といったテーマを表現しようとしたりするわけだが、
伝統的な作家と違うのは、それを複数の視点でとらえたり、プロットをあちこちに飛ばしたり、全体的な流れを読者に決めさせたりすることである。
ハイパーテキストの作者がやっている作業は、伝統的な作家の仕事とゲームデザイナーの仕事を合わせたようなものだが、
本人が意識する以上にゲームデザイナーとの共通点が多いような気がする。
ともあれ、もしハイパーテキスト小説が文学的な高みに達したら
(もっとも私が読んだ限りでは、そういうレベルの作品は全く無かったけど)、
それは新しい物語叙述手法、もはや「ストーリー」と呼ぶことは出来ない何か別のものを生み出すに違いない。

原文:
Hypertext is inherently nonlinear, so that the traditional narrative is wholly inappropriate to hypertext work.
Writers of hypertext fiction are trying to explore the nature of human existence,
as does the traditional story, but in a way that permits multiple viewpoints, temporal leaps, and reader construction of the experience.
Something -- more than hypertext writers know -- is shared with game design here,
and something with traditional narrative;
but if hypertext fiction ever becomes artistically successful (nothing I've read is),
it will be through the creation of a new narrative form, something that we will be hard-pressed to call "story."

 


さて、トライナリー経験者のBotさんはもうおわかりいただけただろうか?


トライナリーは決して「文学的な高み」ではないかもしれないが、『もはや「ストーリー」と呼ぶことは出来ない何か別のもの』にかなり近い。

 

ただし、トライナリーは小説でなくアプリゲームの文脈に載る作品だ。
「文学的な高み」でなく「ゲーム」として、『何か別のもの』を昇華したひとつの形こそが拡張少女系トライナリーのストーリー部分」なんじゃないだろうか?


前回紹介したように拡張少女系トライナリーではあなたが選択肢形式で示される文章をLINEWAVEに書き込む形で物語が進む。
当然選んだ台詞に応じて相手の返答が変わっていく。

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そしてそれらの選択肢によって物語がどう進むかは誰にもわからない。
いや、作者である土屋さんはわかっていただろう? というのは当然の疑問だ。
これは結果論であるけれどサービス終了の決定などにより実際のところ結末は作者も想定していなかった方向へと進んだ。

これについては次回深堀していくとして…

 

ここまでのまとめ
トライナリーのストーリーゲームスト―リーではない」コスティキャンが言うところのストーリーとは違う。
(ので『トライナリーのストーリー』がコスティキャンのゲーム定義にあてはまるゲームである可能性がある)


しかしそれは直接「トライナリーのストーリー」コスティキャンのゲーム」であることの証明をしたわけではない。

 

今回はここまで。
次回はコスティキャンのストーリー」ではないトライナリーのストーリーコスティキャンのゲーム」であるかの話をしよう。