バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【スタンダードPauper】青黒赤デッキ製作過程【グリクシス】

グリコン制作過程
 
久しぶりのスタンダードPauper記事だ。
 
Twitterでどういう風にデッキを作っているか教えろという要望があったので、
今回はどのようにして糞デッキを思いついて、それをカタチにするか
その過程を公開する。
糞デッキじゃなくてガチデッキを教えろ?
ガチデッキは糞デッキのブラッシュアップから生まれることもある。
必ずガチデッキにしたいならガチデッキを使う人のリストをまるまるコピーするといい。
この記事は「オリジナルデッキ」の制作過程だ。
 
土地の枚数を決める
 
土地の枚数は大事だ。
私の場合は25枚を起点にして調整する。
速くて軽いデッキでは減らし遅くて重いデッキでは増やす
 
今回組むのはグリクシスカラー)のコントロールデッキだ。
コントロール「遅くて重い」デッキになる。
相手の攻め手を捌いて、疲弊した相手に重たい勝ち筋をガツンと当てて勝つ。
 
「遅くて重い」は土地を増や
 
1枚増やして土地枚数は26枚にしよう。
 
土地の内訳を考える。
まずは特殊地形(2色以上の色が出たり効果の付いている土地)を突っ込んで、そのデッキがどの程度多色化しやすいかを探る。
 
使える特殊地形をリストアップ
 
スタンダードPauperで使える赤黒青の2色地形は
《高地の湖》
《イゼットのギルド門》
《水没した骨塚》
《ディミーアのギルド門》
《燃え殻の痩せ地》
 
それからフェッチランド(土地をデッキから探してくる土地)も大事だ。
 
《進化する未開地》

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5色地形の《ギルド門通りの公有地》もある。

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さて、どれを入れようか。
少し悩んだが、《進化する未開地》を4枚。
これは「次のターンに出せる色マナ」を考えた時に、
未開地と公有地のみ3色すべてにアクセスできるからである。
 
のような3色デッキでばかり出て、
手札の青い呪文を唱えられない状況はそれだけで負ける危険があるのだ。
 
その危険を避けられる土地には大きな価値がある!
 
公有地は場に出すのに1マナを要求する。
タップインであることも鑑みて2マナ分の動きが遅れることになる。
(こういう『動きが遅れる』ことをテンポロスとか言ったりする。テンポが良いのテンポを失う=ロスする)
 
優先度は未開地4、公有地2だろう。
 
またこの3色では2色土地は青に偏っている。
そして赤黒の多色カードはまだ今のスタンダードPauper環境に存在しない。
(2018年12月現在。次のセット【ラヴニカへの献身】で出るのが約束されているのであくまで現在の話だ)
 
となれば、デッキは自ずと「青のみダブルシンボルを採用」「他の色のダブルシンボルは避ける」という呪文の採用になるだろう。
 
2色土地を4枚ずつ詰めたくなるが、
大量に2色土地を入れるとテンポが悪くなり動きが重くなる。
 
さらに基本土地が足りないと未開地を活かしきれない。
『基本土地を探せる未開地よりも先に、基本土地をすべて引いてしまいました』
なんてことになれば、未開地は手札で腐る。
 
タップインデュアルランド各2枚、ギルド門3枚といったところか。
 
ちなみにデッキに赤のダブルシンボルと黒のダブルシンボルが同居するなど
ダブルシンボルを多く使うなら未開地のような瞬間的に色を選ぶカードでなく
複数色を出し続けられるタップインデュアルランドに寄せる方が良いだろう。
 
 
というわけで、
 
土地 26枚
4 《進化する未開地》
2 《ギルド門通りの公有地》
2 《高地の湖》
2 《水没した骨塚》
2 《燃え殻の痩せ地》
3 《イゼットのギルド門》
3 《ディミーアのギルド門》
8 基本土地
 
土地はこんな感じになるだろう。
基本土地8枚の内訳はデッキが組み立ってからになる…と言いたいところだが
実のところ答えは見えている。
 
山が1枚、沼が2枚、島が5枚だろう。
 
恐らくこのデッキは青が主体になりタッチカラーで2色を使うことになる。
赤はダブルシンボルのカードでデッキタイプに合うものはないと判断して、
未開地から1枚引ければ十分。
黒にはダブルシンボルの除去があるのでいざという時に
(具体的にいうと黒のタップインランドを引けず沼が1枚のみある時に)
進化する未開地から沼を探してこれると、次のターンに黒のダブルシンボルが出せるようになる土地は14枚
これは沼が1枚だけの場合の時の9枚よりも遥かに多い。
沼は2枚にしよう。
 
デッキのメインは青になる。
残りの基本土地は島で固めて、青のダブルシンボルを出やすくしておこう。
 
土地 26枚
4 《進化する未開地》
2 《ギルド門通りの公有地》
2 《高地の湖》
2 《水没した骨塚》
2 《燃え殻の痩せ地》
3 《イゼットのギルド門》
3 《ディミーアのギルド門》
5 《島》
2 《沼》
1 《山》
 
さあ、ここからが本題。
デッキづくりだ!
 
まずは「あー、これはこのデッキに入るー」っていう気になったカードを片っ端から入れていく。
環境のコモンを順番にチェックしてはぶち込んでいく。
枚数は気にしてはいけない。
 
どんな感じで選定するのか…を知りたいという意見が寄せられたので、ちょっとメモを公開しよう。
1マナ域と2マナ域のカードを探しながら作ったメモだ。
 
 
 
《工匠の助手》、1マナ1/1飛行。歴史的呪文を唱えると占術。
アーティファクトデッキならアリ。だが今回その予定はない。
 
《骨の障壁》1マナ0/3。諜報。
コスパは悪くない壁。諜報はスタンダードPauperでは強力。
諜報シナジーを優先し、飛行していない2/2が仮想敵になるなら。
…パワー3の敵は多く、飛行も少なくない。惜しかったが落第。
 
《立ち枯れの守り手》、1マナ1/1飛行。重いが強い4点ドレインつき。
起動型能力はコントロールの留めの一撃としては悪くないが、本体があまり向いてない。
 
《眩惑の光》、パワーダウンと諜報を行うインスタント。
諜報型なら検討の余地あり。基本的には除去を優先するだろう。
 
《死の重み》、マイナス2点修整のオーラ。実質的なタフネス2以下への除去。
インスタントでないため相手の速攻などに対応しづらい。気にならないなら検討。
 
《抜去》、クリーチャーかアーティファクトを捨てさせる。
スタンダードPauperの華はクリーチャ―。なかなか悪くない。いれるなら4枚。
 
《両手撃ち》、2体に1点ダメージ。同じ対象に2回当てて2点にならないのがネック。
タフネス1の流行り具合による。検討。
余談だが、このカードを見るたびに誤訳に切なくなる。
最初はうまい意訳をしたカード名だったのに、原語では両手の意味はなかったため
再録で片手で撃ってる絵になって名訳から誤訳になったのかわいそう。
 
《強迫》、抜去の逆。クリーチャーじゃない呪文を落とす。
予言系カードをうまく落とせれば強いが…相手を選ぶ。優先度は落ちる。
プレインズウォーカ―のような幅広いデッキで使われる神話レアの置物が環境柄いないのも逆風。
 
《火の祭殿の守り手》、1マナ1/1威迫。8マナと生贄で2体に3点火力。
本体は雑魚。8マナで2体に3点の呪文としてみるとコストさえ捻出できるなら悪くない。
この環境では2体を1枚除去できるカードは少ないのだ。
 
《菌類感染》、マイナス1修整と1/1の苗木トークン生成。
環境のベストオブ1マナ除去。攻撃クリーチャーに使ってトークンでブロックして2点の除去としても
1/1にオーラを付けるデッキに対して1/1を潰したり教導の計算を狂わせたりと使い方は無限大。
トークンを利用できるギミックがなくてもブロック回避能力のないクリーチャーのダメージを1度消せれば十分以上。
4枚。
 
《雇われた毒殺者》、1マナの接死クリーチャー。
一見除去に使えるが火力に邪魔されたり飛行には無力なのであんまり。クリーチャー主体にする理由があるなら。
最悪でも除去を切らせた分有利と言えるならいいが、タフネス1は環境上少ない「全体除去」「2体除去」が狙える部分。
例:全体に1点ダメージ・全体にマイナス1修整・2体に1点ずつ 等。
なので何かのついでで殺されるともったいない。接死のタフネスは2以上欲しい。
 
《反逆》、相手のクリーチャーを利用して別のクリーチャーを倒す。
多少状況を選ぶ上に、その状況はかなり劣勢。かなり苦しい。
 
《航海士のコンパス》、3点回復と色マナの安定をする呪文。
序盤を安定させる。3点の回復はおまけとしては馬鹿にならないがメインノン効果としては心もとない。
 
《選択》、占術1してドローするインスタント。
手札は増えないが質が上がる。シンプルだが強い。
カウンターを構えたけど撃たなかった時などに使えてテンポロスも少なめなのも追い風。4枚。
 
《シヴの火》、1マナ2点の火力除去or5マナの4点火力を選べる。
序盤中盤終盤隙がないよね。デッキに赤が薄いのが気になる。
 
《ショック》、プレイヤーに飛ぶ代わりに4点にすることを選べないシヴの火。
攻める方向性も含んだデッキなら最後の数点争いで使えるので評価は上がる。
 
《岸の守り手》、1マナ0/3。8マナで3ドロー。
1マナ圏の壁が欲しいなら悪くはない。ただ3ドローだけ考えるなら黄金都市の秘密という強敵が。
前述のとおり1マナ0/3が辛い環境なので落第。
 
《呪文貫き》、非クリーチャー呪文に2マナの追加要求。
強迫とどちらを取るか迷うところ。
 
《中略》、Xマナ追加要求の打消し。
実質的には2マナの追加1マナ要求打消し。追加マナ要求系はマナが余りだすと使えなくなるのが欠点だが、
自分で調整可能なXマナなので中盤以降も完全には腐らないのも◎ 4枚。
 
《吸血鬼の新生子》1マナ0/3の壁。2マナタップで1点ドレイン。
ドレインが馬鹿にならないかもしれないが壁としてはぎりぎり。落第。
 
 
《悪意ある噂》、すごく弱い効果…が4つもついてるいぶし銀。
相手が墓地利用なら向かい風だが「確実に1:1交換できる」上にライフに誤差レベルの優位がつく。
同じ1マナの強迫や抜去との比較が面白い1枚。
序盤から除去と手札破壊を連打して身動きを封じるつもりなら4枚。4枚入れないなら0枚。
 
《予期》、1マナ重くしたら見れる範囲が広がった《選択》。
特定の相手に刺さる…っていうカードがデッキに多いなら探せる範囲の広いこっち。
あるいは選択と両方を使いたい。1マナ重い差をデッキがどう見るか次第。
 
《一瞬》、単純な2マナのバウンスor4マナのバウンス&ドロー。
強い。スタンダードPauperの《差し戻し》と言っても過言ではない。
 
《泥棒ネズミ》、手札を1枚捨てさせるネズミ。
悪意ある噂を入れるタイプや生贄の追加コストを要求するカードが入るなら検討できる。
 
《カリゴの皮魔女》、2マナ1/3。追加コストで2枚手札を捨てさせる。
どちらも強くはないがどちらか使いたい方を選べる点は悪くない。
とはいえ2枚捨てたいなら3マナの2枚捨てさせるカード、2マナ1/3なら他にも候補多数。
残念だが落第。
 
《高くつく略奪》、クリーチャーかアーティファクト1つを生贄にして2ドロー。
コンパスのような使い終わった置物となら悪くない取引に見えるが気のせい。
青も入っているデッキなんだから素直にドロー呪文を。
 
《軽蔑的な一撃》、4マナ以上専用のカウンター
うまく使うとドヤれるがそんなにうまくは使えないだろう。
 
《ギトゥの年代記編者》2マナ1/3。追加コスト4マナで墓地からスペル回収
カリゴの皮魔女に近い。相手を詰めるか自分が得するか。使いまわしたい呪文次第。
マナカーブを埋めて2/2を止めれる点で類似のマーフォークと差別化可能。
 
《煌めく障壁》2マナ0/4。死んだら宝物トークン。
0/3の壁をここまでクビにし続けてきたが0/4は壁として高評価。
パワー3のアタッカーは少なくないがパワー4となるとぐっと減るのだ。
色マナを問わずに出せて、突破されても色マナを出す置き土産があるので事故に強い。
 
《ゴブリンの電術師》2マナ2/2。スペルのコスト軽減。
マナレシオ(マナコストとパワータフネスの比率)呪文主体ならぜひ入れたい。とくにドロー系スペルと相性よし。
 
《渇望の時》マイナス2修整。実質的な2点の除去。おまけで2点回復。
昔から「ライフ回復だけのカードは弱い」「おまけの回復は強い」と言われる。
これはおまけの回復だろう。
 
《否認》非クリーチャー呪文を打ち消す。
対抗馬多し。仮想敵が重たいほどこちらに分があるが、重たいほど別の対抗馬があがるなど環境的に不遇
 
《前兆語り》2マナ1/3。占術2。
シンプルだがそれ故に強い。
対抗馬の2マナ1/3たちが「重く唱えてアドバンテージを稼ぐ」のに対して
こちらは直接的なアドバンテージこそ発生しないが2マナで唱えてすぐに効果を得られるのが特徴。
序盤に出せると展開が安定し、終盤でも勝ち筋を探すのに役立つため完全には腐らない。
 
《切断された糸》生贄が必要な除去。おまけで回復。
おまけで回復は…といいたいが生贄が気になる。タフネスの高い生贄が用意できるなら。
おまけ付きでタフネス3~4の生物がいるなら。そういえばここまでにそういうのをクビにし続けてるな。
彼らの評価が少し上がるだろう。諜報が欲しいから骨の壁(0/3)を入れるなどした場合、これも検討できる。
 
 
《君主の一噛み》3点ドレイン。
案外コストパフォーマンスは悪くない。ミッドレンジ寄りなら延命と引導火力を兼ねられる。
 
《ぼろぼろのミイラ》1/2。死んだら相手に2点ダメージ。
死んだときのシナジーがあるデッキでも死んだとき能力を無条件採用できないという良い見本。
死んだとき…ではあるけど起きるイベントは2点ダメージといまいち。
サイズも悪し。当然落第。
 
《苦しめる声》手札を捨てて2枚ドロー。
予言と違って手札は増えない。墓地発動カードを捨てられるなら。
 
《原因不明の消失》バウンスして諜報。
一瞬と互換性がある。一瞬のキッカーをあまり使わなかったり諜報シナジーがあれば。
 
《ヴィーアシーの紅蓮術師》2/1で場に出た瞬間2点。
言い換えれば「出たターンのみブロックされない速攻クリーチャー」ライフを詰めるデッキなら。
ぼろぼろのミイラを入れようか一瞬でも考えたなら悪いことは言わない。こっちのがいい。
色が違うのでその場合土地を要調整。
 
《不純な捧げ物》マイナス2。追加で生贄を差し出すとマイナス5。
生贄を用意しなくても使えるのは高評価。生贄確保できるなら更に加点。
小粒の速攻デッキ相手なら回復のある《渇望の時》を。相手が中速の場合はこっち。
簡単にいえば赤白使いと緑使いのどっちが多いかだ。君の周りの環境に合わせて調整しよう。
 
《霧の壁》0/5の壁。
煌めく壁とどちらを選ぶか。生贄やファクトシナジーを意識しないならこちら。
パワー3を止められるタフネス4は強かった。パワー4を止められるこちらは更に素晴らしい。
奇妙な言い方になるがこのレベルの「壁」は「除去」なのだ。
 
 
 
とりあえず1マナ~2マナのカードのメモがこんな感じだ。
思ったより長くなってしまった…。
最初は検討したカードを全部載せようかと思ったけど長くなるのでここまでで割愛。
 
 
こんな感じで目についたカードをふるいにかけながら全てデッキに入れる。
 
 
クリーチャー 16枚
4 《急流の魂》
4 《泥棒ネズミ》
4 《霧の壁》
4 《煌めく壁》
 
 
スペル 64枚
4 《選択》
4 《中略》
4 《シヴの火》
4 《予期》
4 《悪意ある噂》
4 《菌類感染》
4 《不純な捧げ物》
4 《渇望の時》
4 《概念の雨》
4 《薬術師の眼識》
4 《高熱仮説》
4 《巧みな叩き伏せ》
4 《悪賢い隠蔽》
4 《一瞬》
4 《有毒ガス》
4 《致命的な訪問》
 
…当たり前だが60枚を超える。
てゆうか土地以外どころか非クリーチャー呪文がもう60超えてるじゃん。
 
 
というわけでここで枚数を調整。
 
土地から決めるデッキ構築の強みはここだ。
うっかりここで土地を減らしてデッキがうまく回らないというのがデッキ構築のよくある罠だ。
このデッキは土地を優先度高く配置したので60枚を超えるカードを「削る」なら土地以外からだ。
 
 
土地26枚が固定なので60枚デッキの残り枠34枚を決めていく。
 
というわけで今回はここまで。
次回。いよいよデッキの形にしていこう。

 後編はこちら↓

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