バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある  最終話「嵐はともに鳴く」

超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある
最終話「嵐はともに鳴く」

 1話

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 前回

 

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これまでのあらすじ
度重なるサブゲームを乗り越えた後攻第2ターン。
アオイの《嵐雲のカラス》23体によりほぼ勝ちが見えている状況だが…

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「私は《狡猾な願い》を唱えるよ」

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「あれはゲームの外部からインスタントを探すウィッシュ・サイクル!」


「私は《神秘の指導》をゲームの内部へ持ちこむよ」

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「神秘の指導? 弱いカードじゃないけれど何故ここで?」

「それこそインスタントが欲しいなら《狡猾な願い》で持って来ればいいのに…」

「いや、《狡猾な願い》はゲームの外部からカードを探せる」
「だが逆にゲームの内部のカードは探せない」
「きっとデッキの中に入っているカードを探すのが目的なんだ」

「私は《神秘の指導》を唱えてライブラリーからインスタント・カードを探すよ」

「手札に《納墓》を加えて唱えるよ」
「これはデッキからクリーチャーを1枚探して墓地へと送る呪文」

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「さあ、準備は整った。最後の手札を使うよ」

「アオイさんに残った最後の手札…!」

「一体何を使うんだろう?」

「《ヨーグモスの意志》!」

「このターン、私は自分の墓地にある呪文を唱えることができる」

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「ただし墓地へ送られるカードは追放されるので、この効果で1度使った呪文を再び使うことはできない」

「あれはアオイさんが《Time Walk》の代わりに入れたカード!」

「墓地から呪文を…?」

「それはつまり手札が切れてもまだ動けるいうこと!」

「私はサファイアから最後の青マナ2つを出す。無色4マナを足して、《納墓》で送った《墓地の世話好き》を墓地から召喚するよ!」

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「あれは!墓地を狙うS.N.E.A.K職員!」

「知っているのか、ミンメイ!」


「S.N.E.A.Kは銀枠世界バブロヴィアに存在する組織!」


「何かを『盗む』能力を持ったカードが多く存在するアル」
「あのクリーチャーは相手の墓地を盗み自分の墓地にする…!」


「ただし《墓地の世話好き》は墓地に『フレーバーテキストを持つカード』がなければ死んでしまうクリーチャー!」

「でも、フレーバーテキストのあるカードなんてここまでに使ったか?」
「再録版でフレーバーテキストのないカードや、効果が長くてフレーバーを書くスペースのないカードばかりじゃなかったか?」

「Storm crow lonely, boon for a birder.」
「Storm crows together, likely a murder. 」
嵐雲のカラスは孤独、鳥狩りの恵み。
嵐はともに鳴く、まるで殺し屋のように。 

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「《カラスの嵐雲》…!」

「ちょっと待てよ! このターンの間、アオイは自分の墓地のカードを好きに使える」
「つまり盗んだレイの墓地からもカードが使える?」

「レイちゃんの墓地から《ブラック・ロータス》!」

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「まずい…!」

「レイちゃん、投了はしないでね?」
「白マナを3つ生み出して、レイちゃんの墓地から《シェヘラザード》!」

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「…!」
「よく見破ったね…」

「どういうこと…? わかるように説明してくれよ」

「レイちゃんの表情、まだ何か隠してそうだったから。」


「サブゲームにダメージを持ち越すコンボは凄いと思った」
「でもそれはギャラリーが言ってるだけでレイちゃんは実行していない。」


「間にサブゲームばかり挟んだからわかりづらいけれど」
「レイちゃんは『《Double Deal》でサブゲームに勝つコンボ』を一番最初に披露できたはずなんだよ」

 

「ああ、確かに…」

 

「一番最初の《ダンジョン突入》の前に《Double Deal》と秘策を使えば…」

「ライフ5点のサブゲームに6点与えて勝てますわね」


「そういう凄いものを見せたがるレイちゃんが実行できるチャンスを逃してるのはおかしいと思った…」


「それに、極論でいえばサブゲームに残した《一石二鳥》をメインゲームから使って《Double Deal》を何回もコピーすればいい」

「6回コピーすれば次にやる『普通のゲーム』でも勝てる」

「実際、レイちゃんは前に似たようなことを試していた」

 

*無印第5話「思いは時を超えて」参照

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「そこで気づいたんだ」

「レイちゃんの狙いは《Double Deal》を蓄積することだって」

 

「蓄積?」

 

「《Double Deal》は『直前のゲーム』で使うと『次のゲーム』にダメージを与えるカード」

「だけど別々のゲームをまとめて『直前のゲーム』にする方法がある」

 

「ああ! そのためのサブゲーム…!」

 

「サブ・サブゲームで《Double Deal》を唱えてからサブゲームに戻る…これは新しいゲームの開始でなく、元のゲームの再開」

 

「だから《Double Deal》のダメージが発生せず、次のゲームに残される…!」

 

「サブ・サブ・サブゲーム、メインゲームを含めた4層構造のゲーム」

「あれは7発の《Double Deal》を蓄積させて21点ダメージ…」

「つまり初期ライフ20点を一瞬で消し飛ばすロマンコンボの下敷きだったんだね」

 

「そんな回りくどいことしなくても『刹那さみだれ撃ち』と同じやり方ですぐに蓄積できるだろ!」

 

「でもそれをやったら相手は確実に効果処理前に投了する」

「それじゃあ、いつまでたってもコンボが通らない」

 

「だから私はサブ・サブゲームを利用することにした」

「これならこっそりと7回積めるから投了もされないと思った」

 

「それだけじゃないでしょ?」

「思いついちゃったら試したくなる」

「子供の頃にお兄さんに7発撃った時と同じだよ」

「そのコンボを披露したかったんだよね?」

 

「アオイちゃんは何でもお見通しだね」

 

「でも実際には…サブゲーム連打の方がすぐ投了されたんでしょ?」

「ギャラリーにも何人かいたよ、勝ってるのは見たけど勝負してるのは見たことないって人」

 

「どうして私たち相手にやらなかったんだよ」

 

「今やってるじゃない」

 

「その前だよ! 他の奴らに付き合ってもらえなかったとき!」

「そもそも最初にあたしやアオイとやれよ…!」

 

「だって…」

 

「もうマジックで遊んでもらえなくなると思った?」

 

「うん…」

 

「バカだなあ」

「確かに始めたばっかのときにやられたら、やめてただろうけどさ」

 

「今はもう、そういう馬鹿なこと思いつくところも含めてレイが好きなんだからさ」

「やめるわけないだろ?」

 

「私たちはレイちゃんと遊びたいんだから、当たり前なのにね」

 

「それにコンボの話して笑ってそれで終わりでいいじゃん」

 

「そこはミドリちゃんはわかってないなあ…」

 

「デッキビルダーっていうのはね、思いついたら動いてるところがみたくなるんだよ」

「私もこのデッキ組んでそれがよく分かったし…」

 

「まったく…どうせ私はコピーデッカーだよ」

「コピーデッカーで、派手な効果が好きなティミー、それから…レイの友達だよ」

 

「ミドリちゃん、アオイちゃん…二人とも…」

 

「それはそれとして勝負は勝負だからね、負けられないよ!」

 

「負けないもなにもないだろう。20点受けてアオイの負けだ」

 

「ううん、それは負けじゃないよ」

「だってサブゲームだもん」

ミニゲームのコイン投げに敗けたり先攻後攻のじゃんけんに敗けてもゲームの負けじゃないでしょ?」

 

「別の試合に持ち越されたらそっちで負けることになるけど」

「サブゲームの負けは負けじゃないよ」

 

「ああ! アオイ、お前! そんなこと考えてたの!?」

「勝ちがほぼ確定してたのにわざわざレイの《シェヘラザード》を盗むために色々使ったのそういうことかよ!」

「…ほんと、負けず嫌いだよな。お前ら」

 

「さあ、結末の見えたサブゲームを始めようか」

 

第3サブゲーム

シェヘラザードによるライフ20点のゲーム

 

「ゲーム開始時!蓄積された《Double Deal》を7つ誘発させるよ!」

「アオイちゃんに21点ダメージ!」

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「うわあああ!」

 

第3サブゲーム

勝者 レイ

 

「もう…わかってるなら次の試合で受けてくれてもよかったのに」

 

「それだと負けちゃうから。私はこのゲームも勝ちたいし、次のゲームも勝ちたい」

 

「やれやれ。参ったな…でも、計画を邪魔されたんだから仕方ないか…」

「このゲームは私が勝つよ!」

 

「は…!?」

 

「《シェヘラザード》のサブゲームに敗けたアオイちゃんのライフは半分になる!」

「ライフ4点じゃ届かなかったけど…ライフ2点なら」

 

「残り2枚、最後の手札から《猿人の指導霊》でマナを出して」

「アオイちゃんを対象に《稲妻》! ブーンズでとどめだよ!

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「負けず嫌いはこっちも同じか…」

「これは一本取られたな、アオイ?」

 

「まったく…レイちゃんは…」

 

「レイちゃんならそういうことするって…」

「…私は読んでたよ!」

 

「ええ!?」

 

「本来挟まなくていい《神秘の指導》を噛ませたのはこのためだよ」

「墓地から《神秘の指導》で《稲妻》にスタックして対応!」

 

「でも青マナがもう出ないから唱えられないよね?」

 

「秘策公開! 《楽園の秘密》。指定は当然《嵐雲のカラス》」

 

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「これでマナが出るね」

 

「こ、このターンに出た《嵐雲のカラス》は召喚酔いだからタップしてマナは出せないんじゃ…?」

 

「知らないの、レイちゃん?」

「《嵐雲のカラス》は『そっこう』なんだよ」

 

「カラスからマナを出して墓地から《神秘の指導》」

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「デッキからインスタント・カードを探すよ」

 

「持ってくるのはどこかのサブゲームでお世話になった《精神壊しの罠》」

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「でも私はこのターンになってからは《稲妻》しか唱えてないから罠にはかからないよ?」

 

「しらじらしいなあ、わかってて言ってるでしょ」

 

「罠はコストが0になる条件であって、発動条件じゃないからね」

「重いコストで普通に唱えるよ」

 

「なにせ、23羽のカラスから1マナずつ出るんだから安いもんだよ」

「解決前の《稲妻》をゲームから追放して、ダメージは0」

 

「人生は迷路だ…行き止まりのひとつがこれだ…」

 

「それじゃあ、コストの支払いでタップされて攻撃できないカラスを補充しようか」

「墓地からもう一回《カラスの嵐雲》を唱えるよ」

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「ええっと…呪文の回数が増えてるから…うーん数えてないや」

「とにかくカラスの群れがいっぱい!」

 

「全員そっこうで攻撃ー!」

 

「うわーん!」

 

メインゲーム決着!

勝者 アオイ

 

 

「まさか最後まで投げ出さずに妹のサブゲームに付き合っただけでなく」

「メインゲームに勝てる子がいるとはな…」

 

「兄である あなたでさえ、優先権を放棄してただ眺めていたのでしょう?」

「勝ち負けがなければ勝負じゃない…」

「サンドバッグとやるのはゲームであっても勝負ではありませんね」

 

「ああ。今のあの子には勝負になる友達がいてくれるんだな…」

 

「長田(おさだ)さん! 私勝ったよー!」

 

「はいはい、見てたからわかりますわよ」

「まったく、《Time Waik》を入れてないなんて言い出した時はどうなることかと思いましたわ」

 

「ふふっ、でも勝てたよ!」

 

「ねえ、長田さんもこっちへ来て!」

「今のカラスデッキを調整するんだ」

 

「もう。そういうのはお友達のレイさんたちとやってなさいな」

「見ていて…正直 妬けましたわ」

 

「何言ってるの、長田さんだって友達じゃない?」

 

「…!」

 

「仕方ないですわね、とことん付き合ってあげますわ」

「まずは《Timewalk》の代わりに抜くカードを決めるところからですのよ!」

 

Storm crow lonely, boon for a birder.
Storm crows together, likely a murder.

 

嵐雲のカラスはひとりぼっち、かっこうの獲物

嵐はともに鳴く、まるで…

 

まるで…カラスが集まり、群れるように。

 

 

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Turn END.

 

 

過去シリーズ1話

 

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