バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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実写映画「がっこうぐらし!」は100点満点中A+

実写映画「がっこうぐらし!」は100点満点中A+

 

はじめに

各関係者について敬称を省略させていただきます。

 

*注意*

映画版及び原作のネタバレがあります。

未見の方こちら↓のリンク先へどうぞ

 

omamesensei2.hatenadiary.jp

 

気になる人は明日映画を見て、原作マンガを全巻購入するか漫画喫茶で読んできて。

気にならないか、履修を終えた人だけ先に進んで欲しい。

 

日本語をしゃべってくれ、意味が分からないというタイトルだろうけれど、

まずは簡単な紹介を。

これから書くのは実写映画「がっこうぐらし!」についてである。

映画『がっこうぐらし!』公式サイト

 

漫画版は

原作:海法紀光 & 作画:千葉サドル

アニメ版は

制作: Lerche 監督:安藤正臣

 

そしてこれから話すのが

監督・脚本:柴田一成 の実写映画版「がっこうぐらし!」だ。

 

まずは僕がこの映画に100点満点で何点をつけるかで言えばA+である。

頼むから日本語をしゃべれと思うかもしれないが、

オタクは凄いものを見ると語彙力を数時間から数日奪われることになるのだ。

 

さて、はっきり言ってしまえば僕はこの映画に数字で何点つけるかはあまり言いたくない。

多分それはあまり高くない数字だ。

 

原作に忠実な映像化としてはイマイチで、

ゾンビ映画にしては流血が足りなくゾンビも微妙、

アイドル映画としてはゾンビが邪魔だ。

 

だがしかしこの映画は「漫画のシーンの映像化」でも「ただのゾンビ映画でも「売名のためだけのアイドル映画」でもない

 

これは「映画版 がっこうぐらし!である。

 

映画作品「がっこうぐらし!」に対して僕はS~Fのうち、

A+に値すると感じたので、この映画について点数でなくアルファベットで表したい。

 

つまり…評価軸が違うのだ。

 

この映画は(もともと原作がそうであるように)様々なジャンルの複合だ。

各ジャンルにおいて、それほど強くはないだろう作品だ。

だがそれらを混ぜたがっこうぐらし!の映画としては文句なしのA+だ!

 

がっこうぐらし!」の漫画と同じエッセンスを有する新しい映像作品なのだ。

 

 

実写化改変改悪

 

漫画の実写化が叩かれる風潮のひとつとして

「原作と違う」という点を挙げるのはよく見かける。

 

映画がっこうぐらし!も原作と違う。

改変はいくつもある。

だがしかし改悪がほとんどない…!

 

改変される要素は非常に丁寧に扱われ、なにかしらの納得が得られる。

理由のある改変は改悪と違って叩かれるべきではないと思う。

メディアも尺も違うし原作は次巻で完結(=連載中・未完)だ。

原作に忠実な映像を仕上げるよりも、「原作のエッセンスを持つ映画」を作るべきだ。

 

そして「映画 がっこうぐらし!」はそれをした。

 

大胆な改変は本当に勇気がある変更だったかもしれないし、

原作ファンは引っかかるかもしれないが、僕は好きだよと胸を張って言いたい。

 

というわけで重大な改変ポイントについて。

 

主人公変更

 

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最初からクレイジーな爆弾を投げ込んでくるが、むしろ僕はここを一番評価したい

主人公は原作ではゆきという少女である。

(漫画版1巻表紙のピンク髪)

 

この子は荒廃しゾンビが徘徊する世界でなく日常が続いているという幻覚を見ている。

これこそががっこうぐらし!の構造の中核だ。

 

なので原作では主人公をゆきとしつつ長い連載の中でスポットを当てるキャラを変えていく。

 

一方で映画の尺は短い。

スポットを当てて主役にできるのは必然的に1人になる。

 

映画版がっこうぐらし!での主人公はくるみに変更される。

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(2巻表紙のスコップガール)

原作では比較的小柄ながらスコップを振るい敵を蹴散らすアタッカーだ。

 

映画という「動き」のある作品でスポットをあてるキャラクターとして納得できる。

 

主人公変更という賛否が分かれそうな変化ではあるが、

改悪ではなく、すっきりとした論理が見える。

 

加えて先輩との恋愛要素という直球なヒロイン要素もある。

主人公変更は叩こうと思えば、かなりの火種になるだろうが、

映画としてまとめるのにくるみのほうがゆきよりも主人公向きだと僕も思う。

この変更は英断だ。

少女たちたちの青春映画というアイドル映画らしい路線も後押しして、

この物語はくるみをストーリーの主人公にした方が上手くいく。

それでも変更を決めるにあたって色々な葛藤があったのではないか?

 

それらを超えての主人公変更、僕は高く評価する。

 

加えて言えば(ゆきという役の難しさもあるだろうが)演技は

ゆき役の長月翠よりもくるみ役の阿部菜々美のほうがうまかった。

 

うまかったというか役にハマっていた。

 

ここで興味深いのが何の役にハマっていたかということだ。

 

原作とは違うくるみ

 

主人公変えたうえでキャラの雰囲気も変わるの!?

え?

お前それを絶賛してるの???っていう問題の部分だ。

 

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キービジュアル。中央がくるみ

みーくんやりーさんに比べて長身

 

いや、確かに僕も字で書いてると「そこ駄作要素じゃない?」という部分なんだけど

実際のところくるみというキャラのキャラ性が変わっているというよりは、

アナザーくるみ…異聞帯くるみ…くるみオルタ…

まあなんかアレだ。

表現の仕方や側面の違いなんだと思う。

くるみというキャラのイデア的なもの(ほんとうにがっこうぐらしの世界があったら?)という「生き生きとしたくるみ」のうち、

どのような部分にスポットを当てるかという違いなのだ。

 

漫画のくるみ映画のくるみは違うキャラだが同じ概念の延長線上にあり、

「映画のくるみ」に要求される要素を阿部菜々美はかなり上手く演じていたのではないか?

 

だから「映画がっこうぐらし!」は原作のエッセンスが入っているが、

それでも「映画という作品」を完成させるためにライトの当て方を変えていて、

阿部菜々美さんというアイドルはそれに全力で答えようとした。

その結果できた「阿部菜々美」の要素を付加した「映画のくるみ」が、

あの映画の主役だったんだ。

 

 

 

可愛らしさの表現

 

正直これに関しては僕は部分的には「嫌だなあ」と思うけれど、

総合的には良かったと思う。

 

原作は非常にかわいらしいキャラデザをあえてゾンビもの突っ込ませるギャップがある。

映画でこの「かわいらしさ」を表現する。

でも二次元と三次元は違う

 

二次元のかわいらしさを三次元のかわいらしさに落とし込むのは難しい。

なので、映画がっこうぐらしはそこを捨てた。

「漫画的な可愛さ」の部分はかなり削っている。

(結果的に残した少しが逆に違和感を生んでいるのは一長一短)

 

かわりに「アイドルの可愛らしさ」を入れようという構成になっている。

 

二次元的な髪色などに染めず、「不足」したカワイイはアイドルの魅力で埋める。

僕は二次元のオタクで「三次元は顔の区別がつかない」みたいなことを言う奴だが、

そんな奴でもカワイイを要所要所で感じる。

 

もっと直接的なことをいうとお腹のえっちい感じとかだ。

キモいこの話はおしまい。

 

 

 

卒業のきっかけ

 

多分ここがこの映画の決定打でありターニングポイントだ。

原作ではヘリが落ちて一騒動起きる。

そして結果、学校を出て外の世界へ…

アニメもここまでだし、切るならここだという判断は絶対に正しい。

 

学校を出て外の世界へ、というのは外せない。

だけどこのヘリがネックなのだ。

 

いや、このヘリとヘリが落ちる経緯は正直映画の中で物語を完結させるのには

めちゃくちゃ邪魔なんだ。

 

だから代わりにチャッカマンにした。

 

…僕は正気だ!!

ヘリの代わりにチャッカマンなんだよ!!

 

そしてこのチャッカマンをどう見るかが分水嶺だ。

チャッカマンを笑ったり、あるいはチャッカマンの合理性に深く感心するオタクくんは

ここでもう映画の見方が変わり欠点は打ち消されてひたすらおもしろくなる。

 

ここが受け入れられない人がこの実写に文句をつけるツイートも見てしまったけど、

それはまあ感受性の違いなので仕方ない。

 

この映画をなんらかのジャンルのものとして点数をつけるなら…60点…それでも高すぎるかだ。

 

だがしかし、原作がっこうぐらしきらら系×ゾンビだ。

それはジャンルとして異質だ。

そして映画もジャンルは異質なものだ。

B級ゾンビ×アイドル映画×青春劇×漫画原作」みたいなジャンルだ。

「○○として見ると××要素と△△要素が邪魔だなあ」

それぞれの記号に任意のジャンルが入るだ。

 

そしてその評価軸では50から60点だろう。

 

だがが映画がっこうぐらしはそのどれでもなくどれでもあり、

B級ゾンビ×アイドル映画×青春劇×漫画原作」映画としての評価はA+だ。

 

この映画は漫画「がっこうぐらし!「映像化」でなく、

がっこうぐらし!「実写映画化」なのだ。

 

低予算映画というメディアにおいて、見事に「実写映画化」できているこの作品は、

各ジャンルの点数が低いのになぜか総合評価が僕の中で高い。

 

それは多分、僕の趣味だ。

B級映画を笑って楽しんだり、

アイドル映画は見ないが本作で阿部菜々美さんの魅力にやられたり、

原作がっこうぐらし!のファンだったり、

色んな側面を持つ僕にとって総合評価A+。

 

万人受けはせず各ジャンルのオタクのウケも悪いかもしれない。

それでもそのすべてを包括する作品を楽しめるなら…

文句なしにおもしろい映画であり、監督を絶賛するだろう。

 

だから実写映画「がっこうぐらし!」は100点満点中A+なのだ。

 

 

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