豆猫さんと学ぶ
MTGの基礎用語
第一回「パーマネント」編はこちら↓
さて、MTG基礎用語講座の第二弾。
今回の言葉は…「呪文」だ!
おっと、ソーサリーとインスタントのことだろ?
そう考えたデュエルマスターズや遊戯王のデュエリスト諸君。
実はその認識は間違っている。
例えば遊戯王カードの《デーモンの召喚》を知っているかい?
このカードの名前は明らかにおかしい。
「《デーモンの召喚》を召喚!」などのネタは誰もが一度は言ったことがあるだろう。
実はこれ、デーモンの召喚の元ネタがマジックにあるからなんだ。
カードの真ん中あたりを見てほしい。
ちゃんとデーモンの召喚とあるだろう?
このようにモンスターカード…もといクリーチャー・カードは、
過去には「○○の召喚」という表記がされていた。
デーモンを呼び出す召喚呪文という意味だ。
ただ、前回のパーマネントの話じゃないが「クリーチャーを破壊する」というカードを見た初心者が「ところでクリーチャーって何? 」ということになるので、
○○の召喚の代わりに「クリーチャー」と書かれることになったんだ。
さて、召喚呪文なので「クリーチャー・カード」を唱えている時、それもまた呪文だ。
同様にアーティファクト(魔道具)を取り寄せるのも、
エンチャント(結界)を張るのも、
プレインズウォーカ―(次元渡りの魔法使い)に救援を要請するのも、
すべて呪文によるものだ。
《取り消し》はそれらすべてを打ち消せるのだ。
ではすべてのカードが呪文として唱えられるのか?
そういうわけではない。
プレイヤーは世界からマナを引き出して呪文を唱える。
世界を表す土地カードは基本的に呪文じゃない。
さあ、ここから少し難しくなってくるぞ。
土地以外のカードはすべて呪文だとして…
《本質の散乱》で戦場のクリーチャーを墓地に置けるだろうか?
残念ながらそれはできない。
クリーチャーは呪文ではないからだ。
は?
さっきクリーチャーも呪文だって言ったじゃん!
そう思うのも無理はない。
まずはイメージから。
召喚呪文は呪文を取り消す呪文で妨害できる。
だが、すでに呼び出された熊は召喚呪文を打ち消そうとも、
既に世界に存在しているので残念ながら手遅れだ。
場に出た《灰色熊》はもはや生物であり、呪文ではないのだ。
じゃあルールではどうなっているか?
これを説明する伝統的な表現を紹介しよう。
呪文があるのは「場と手札の間の空中」のイメージだ。
例えばあなたがソーサリー呪文を唱える。
それに対応して相手があなたの手札を捨てさせるような呪文を使ってきたとしよう。
この時、唱えている最中の呪文を捨てることはできない。
それはもう手札にないからだ。
ではあなたが《駆り立てる僧侶》を唱えた時、あなたが唱えている最中のクリーチャー呪文を《分散》で手札に戻せるか?
それもできない。
なぜならそのクリーチャーはまだ戦場には出ていないためだ。
一度場に出ないと僧侶はパーマネント(場のカード)にはならない。
だから場のカードを手札に戻す呪文は場に出るまで待たないといけない。
(相手が場に出てすぐに《分散》しても場には出ちゃったのでライフは回復できる)
さて、このように「戦場」と「手札」には「間の空間」があるらしい。
この「間の空間」のイメージをルールにしたものが「スタック領域」だ。
このスタック領域についても話したいが今回の記事に収まりそうにない。
また別の機会にスタック領域の説明をしよう。
今はなんとなく「机と手札の間の空間」がルールに書かれていると思ってくれ。
「手札と机の間」と書いたけど墓地から唱えられるカードも同じ「手札と机の間」に持ちあげて唱えることになるぞ。
ルールによると呪文は「机と手札の間の空間にあるカード」を指す言葉だ。
ただし、土地だけはこの空間を通らず手札から場に直接おくので呪文に含まれない。
土地以外のカードは「呪文の書き方が示された魔導書」だと思ってほしい。
(山札を表すライブラリーと言う用語は図書館…つまり魔導書が集まっている場所だ)
土地の魔力を引き出して魔導書の呪文を唱えることでその力を発揮させる。
唱えている間、その物理的なカードが表すものは呪文になるし、
場に出た後はそのカードは召喚呪文で呼んだクリーチャー(生き物)になるのだ!
今回のまとめ
「土地は唱えずに場に出せる」
「すべてのカードは唱えると呪文になる」
「呪文になるのは『手札と机の間』にいるあいだだけで場に出ればもうそれは呪文じゃない」
さて、次回は「手札と机の間の空間」の話…と思ったけど複雑になるし先約がある。
スタック領域に関する話はちょっと待っていてもらおう。
代わりに「プレインズウォーカ―」について話す回にしようと思う。
それじゃあ、その日まであなたが上手に呪文を唱えられますように!
おまけ
カードの中には「呪文のコピー」を創るカードがあるよ。
言ってみればトークンと同じカードモドキの呪文版だね。
トークンが「場に出ているカード」じゃないけどパーマネントなのと同様
呪文のコピーは「唱えられているカード」じゃないけど呪文だ。
《取り消し》で打消すことができる。
「呪文のコピーは呪文である」