バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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MTGデザイナー公募試験を解いてみる。その3

マジックのデザイナー公募試験の過去問に挑む記事シリーズも三本目だ。

第一回はこちら↓

 

omamesensei2.hatenadiary.jp

 

さて、以下のリンクはマジックのデザイナー公募試験についての公式の記事だ。

デザインを読む|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

この記事の中でマローが青白コモンインスタントをデザインしている。

*マロ―…主席デザイナーMark Rosewaterのニックネーム。


興味深いので私も挑戦してみよう。

というわけでカードデザインの時間だ


条件は以下の通り。

それは青白2色呪文である。(混成ではない)
・シンプルな青の効果1つ白の効果1つの少なくとも2つの効果を持つ。
その2つの効果は関連していると感じさせるものがよい。

既存のセット固有のキーワード能力や能力語を利用してはならない
・新しいキーワードやメカニズムを作ってはならない

レアリティがコモンであるような効果にする必要がある。

 

マローがさらに追加の縛りをかけている。
既存の青白は「打消し・ドロー・バウンス」に偏っている。
これらは使わない

なるほど。ではさらに掘り下げよう。
マローがこれを受けてデザインしたのは
「クリーチャーを破壊し、そのパワー分相手のデッキを破壊する呪文」

 

では私はそれも縛ろう。


・既存の青白コモンインスタントに加えクリーチャー破壊ライブラリー破壊も禁ずる

 

さて、制限こそが想像の母だ。
この状況からカードをデザインしよう!

と言う記事を書こうとしたときには既に私の頭にはアイデアが思いついていた。
では紹介しよう。

 

《不屈の意思》

インスタント
タップされているクリーチャー1体を対象とし、それをアンタップする。
このターン、それは好きな数のクリーチャーをブロックできる。

 

クリーチャーが立ち上がり、仲間を守るために攻撃を引き受ける!

 

カードが出来たら、条件を満たしているか確認する必要がある。


だろうか?  問題なし。

複数のクリーチャーを引き受けてブロックするのは白だ。


だろうか? 問題なし。

クリーチャーをアンタップさせるのは青だ。


インスタントだろうか?  問題なし。

これは相手のターンに唱える必然性がある。


コモンだろうか?  うーん。
自分に厳しく判定するなら恐らく「違う」だろう。


多分これはアンコモンだ。
「クリーチャーを好きなだけブロックできる」のはアンコモンのカードに多い。

(ただしコモンにも追加ブロックは存在する)


コモンにするためにブロックできるのは「追加で1体」にしておこうか。

 

 《不屈の意思》

インスタント
タップされているクリーチャー1体を対象とし、それをアンタップする。
このターン、それは追加で1体のクリーチャーをブロックできる。

 

さて、これでこのカードはマローがチェックした条件をすべて満たした。
でもひとつだけ気になるのは「これは青白のカードか?」という点だ。

 

青のカード白のカードだったじゃないかって?
ああ、でももしかしてこのカードは白単色のカードなんじゃないか?

基本的にクリーチャーアンタップは白の得意とすることではないが、白にできないことではない。
探してみたところ実際に白単色のアンタップ&追加ブロックが存在した。

《英雄的行動》だ。

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しかもこっちの方が強いじゃん…

 

このカードが収録された『破滅の刻』というパックでは
自分のクリーチャーに「次のアンタップ・フェイズに起きない」というペナルティを与えることで大きな力を引き出す督励メカニズムがあった。

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督励は通常のアンタップを阻害するが、効果によるアンタップはできるので
《英雄的行動》は「2ターン連続で督励をできるようにする」という効果をそれとなく違う形に見せかけて差し込んでいる。

 

開発部はこういう「隠された効果」を持つカードを『レンズ状のデザイン』と呼んでいる。
レンズ状のデザインは、ぱっと見た時に初心者にもわかるシンプルな効果だが、
上級者は他の使い方を見出せるカードを指す。

 

初心者は「不意打ちでブロックする」カードだと思うので迷うことなくこれを使えるが
経験者はより効果的な「督励」とのプチコンボを楽しめるのだ。

 

というわけで僕のデザインも《英雄的行動》の下位互換にならないよう調整しつつ、レンズ上のデザインにしよう。

 

《さえぎる翼》

インスタント
タップされているクリーチャー1体を対象とし、それをアンタップする。
ターン終了時までそれは飛行を得て、このターン 追加で2体のクリーチャーをブロックできる。

 

自信作だ。 これは何か?
翼を大きく広げて敵の行く手を阻むのだ!

飛行を持つことは白でも可能だが飛行を与えるインスタントとなると青の分野だ。

これで青白らしくなった。

ブロック追加を左右の翼で2体止めるものにしたのでフレーバー面も充実し、

パワータフネスに修整のある《英雄的行動》に見劣りしなくなった。


そして、これはレンズ状のデザインのカードだ。
相手の飛行クリーチャーの群れを地上の大型生物で防ぐ以外にどう使えるだろうか?

 

 


答え
このカードは自分の攻撃指定ステップに使うことで以下のカードとほぼ同じ挙動を示すことに気付けただろうか?

 

《セラの恩恵》

インスタント
「対象のクリーチャー1体はターン終了時まで飛行と警戒を得る」
(警戒を持つクリーチャーは攻撃してもタップされない)

 

ふむ。
レンズ状のデザインっぽくてフレーバーもよい。
強いていうならアンタップ状態にしか使えない部分だ。
このテキストがこのカードを少し弱くしているが、同時に文章を長くし過ぎている気もする。

 

テキストはシンプルな方がよりいいだろう。

とりわけコモンではそうだ。
コストを重たくすることはシンプルさを損なわない調整のひとつだ。
タップ状態に限定するテキストを削除して1マナ重くしよう。

 

というわけで完成形を披露しよう…

 

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それではまた次回…

今度はそろそろ本選に挑むべきだろうか…?

 

 

前回へのリンク。

 

omamesensei2.hatenadiary.jp