プレインズウォーカ― is 何?
例えば《稲妻の一撃》というありふれたカードがある。
この何の変哲もないカードに書かれたテキスト。
「クリーチャー1体かプレインズウォーカ―1体かプレイヤー1人」
待って!
クリーチャーは場に出ているモンスターだ。
プレイヤーは私と相手だ。
プレインズウォーカ―って何?
それについて知るために、まずは背景世界の話をしよう。
MTGの世界観は複数の異世界が存在し、それらの異世界を次元(プレイン)と呼ぶ。
この異世界を渡り歩ける魔法使いを次元渡り(プレインズウォーカー)と呼ぶ。
生命の危機などで人々の中に眠っているプレインズウォーカ―の灯に火が付いたとき…
覚醒したプレインズウォーカ―は世界を渡り歩けるようになる。
メタいことを言おう。
君がMTGを始めた時に君はプレインズウォーカ―になる。
最近のマジックでは同じ世界をテーマにしたパックを2つくらい出すと次の世界に物語が移る。
別々の世界の呪文が記されたカードを束ねてデッキにし、
世界の魔力(マナ)を土地から引き出すことができる存在…つまりプレインズウォーカーになるんだ。
もっとざっくり言えば、他のゲームで言う「デュエリスト」を思い浮かべてくれ。
さて、つまりプレインズウォーカ―カードとは「デュエリストカード」だ。
プレイヤーがプレインズウォーカ―に助力を求める呼び出し呪文を唱えた時、
プレインズウォーカ―が駆けつけてくれる。
彼らにもライフポイントのようなもの(忠誠度)がある。
多分プレイヤー同様ライフが20点だったり、あるいはライフ40点ありそうなタフな存在もいるけれど、彼ら彼女らはプレイヤーのために命までは賭ける気はないらしく、
ライフ数点分だけを持ってやってきて、それ以上の痛手を受けると撤退していく。
(ゲーム的には忠誠度カウンターが0になると、プレインズウォーカ―カードは墓地に置かれる)
実際にカードを見てみよう。
基本的な構成のプレインズウォーカ―は
「プラス効果」「小マイナス効果」「大マイナス効果」を持つ
(もちろん例外がいくらでもいるのがカードゲームだ)
まずプレインズウォーカ―を呼び出す呪文を唱えると彼や彼女は場に駆けつける。
(ああ、前回呪文について話したね。これも呪文だ)
場に出る時に右下の数字分の忠誠度カウンターを持って出る。
これがそのプレインズウォーカ―が君のためになら受けてもいいかなあ…と思うダメージだ。
そしてプレインズウォーカ―は自分の各ターンに1度だけメインフェイズで能力を使える。メインフェイズは1ターンに2回ある。どちらで使ってもいいが、どちらか1回でしか使えない。
(この能力は召喚酔いに影響されない! 場に出したターンからすぐに動けるぞ!)
これが彼らの唱える魔法だが、ゲーム的には一度場に出たプレインズウォーカ―が動くのは呪文ではなく起動型能力なので呪文を打ち消す効果では消せない。
《ラノワールのエルフ》でマナを生むのが呪文じゃないのと同じだ。
「プラス能力」は君と共に戦うことで絆を深めて「こいつ相手ならもう少しダメージ受けてもいいかな」とデレる。
「マイナス能力」は「この魔法は割と疲れるんだよなあ…これ使うなら早めに引き上げよう…」ってなる能力だ。
その分、マイナス効果の方がプラスより強力なものであることが多い。
この時、自身の忠誠度より絶対値が大きい数字のマイナス能力は使えない。
初期忠誠度以上のカウンターを要求する大マイナスはプラスを何度か使うことで初めて使ってもらえるようになる。
通称「プレインズウォーカ―の奥義」だ。
その分だけ効果はド派手で「使ったら勝ち」レベルのものも存在する。
さて、忠誠度はライフのようなものなのでダメージで減らすことができる。
プレインズウォーカ―にダメージを与える火力呪文は分かりやすい例だ。
他には?
クリーチャーでの戦闘だ!
アリーナの戦闘画面で「すべて攻撃」ばかり選んでいないかい?
そうではなく個別にクリックして攻撃指定する場合、
相手がプレインズウォーカ―を呼び出していると攻撃先としてプレイヤーかプレインズウォーカーのどちらにするか聞かれる。
ここでプレインズウォーカ―を選べば彼らを攻撃できる。
紙のマジックなら各クリーチャーごとに「プレイヤーとプレインズウォーカーのどちらを攻撃するか」を宣言して攻撃しよう。
ただしプレイヤーを攻撃されたとき同様、戦闘時はクリーチャーでブロックできる。
もしブロックされなかったりトランプルがあればダメージを与え…
与えたダメージ分だけ忠誠度を減らせるんだ。
忠誠度がなくなったプレインズウォーカ―・カードは墓地に置かれる。
これは一時的な撤退で、そのプレインズウォーカーが死んだわけではないので、
もし同じカードが相手のデッキにるならもう一度出てくることはあるだろう。
そうそう、同じプレインズウォーカ―と言えば…プレインズウォーカ―は伝説のカードだ。
伝説のカードは同じ名前のカードがあなたのコントロールで場に2枚並ぶと、どちらか1枚を墓地に送る必要がある。
逆にいうと同じ人物でも名前の違うカードなら2枚並ぶことがありえる。
(昔は同じキャラなら名前が違ってもダメだったので少しだけマジックから離れてたって人は知らないかもしれない)
基本的なプレインズウォーカ―の話はこれでおしまい。
ああ、そうだ。
最後に「紋章」について話しておこう。
一部のプレインズウォーカーは奥義で「紋章」を生み出す。
この「紋章」というのはカードとしては扱われず戦場にも出ることはない。
もし相手が紋章を出して来たらどうすればいいのだろう?
ああ、残念なことだが紋章への対処法は存在しない。
紋章はそもそもカードではなく戦場に出ない=「紋章はパーマネントではない」
その上、紋章を破壊する効果も存在しない。
一度出された紋章そのものへの対処は不可能だ。
紋章を出されないように頑張るか、紋章の効果が表れないように頑張るかしかない。
(クリーチャーを強化する紋章ならクリーチャーを場に出させないように打ち消すとか)
(ダメージを与えられた時に誘発するならブロックするとか)
逆にいえば自分が使う側ならば「紋章を得る」のは1つの目標になる。
紋章さえ得てしまえば残りのゲームはかなり楽になるはずだ。
時には次のターンに紋章が得られそうなら、犠牲を払ってでもプレインズウォーカーを守るべき時がある。
あるいは逆にどう守ってもプレインズウォーカ―が倒されるのを避けられないなら…
無理してブロックして自陣を崩すよりは「囮役」として十分働いたものとして無情にも見捨てる決断が必要な時もある。
プレインズウォーカ―と上手に付き合おう。
それではまた次回。
それまであなたが異世界の友人を仲間に迎えられますように!
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