今アツい少年漫画! マテリアル・パズルとは!
さて、今もっとも僕の中でアツい少年漫画『マテリアル・パズル』について話すよ。
2002年に連載が始まり、掲載紙を変えて未だに連載中の少年漫画だ。
なんで今、熱心に布教するかというと第4章が始まり…
先日、4章1巻の発売日を迎えたからだ。
*追記(9/22)
先日、4章4巻が発売した。
さて、この記事ではそんな4章単行本化祝賀ムードに呑まれずに1章の話をしよう。
何事もきっちり初めからがいいという人の気持ち、僕にはわかるよ。
さて、まずはジャンル。
独特のスタイルの漫画だが一般的な表現としては能力バトル系の少年漫画だろう。
ジャンルはハイファンタジー(昔風のファンタジーでなくオリジナル世界のファンタジーの意)
マテパはいわゆる「ひとり1能力」系の異能バトルだ。
この世界にはマテリアル・パズルと呼ばれる魔法が存在する。
既存の法則に捕らわれない魔なる法則、魔法。
例えば「炎を変換して氷に作り変える」「笑いを変換したエネルギーの塊を飛ばす」などと言った通常の物理法則ではありえない「A→B」の変化を起こすのが魔法(マテリアル・パズル)だ。
基本的に1つの魔法が「何を何に変えるか」が決まってるので、
「ひとり1能力」系の異能バトルになる。
(魔法は習得が非常に大変なので2つ以上の魔法を覚えられるものは普通はいないのだ)
マテパってどんな話?
主人公3人組と語り部の少年を中心とした物語。
主人公3人組は「不老不死の魔法使い」だと言われていて、
1つの肉体を三人で共有している。
(多重人格のようなものでなく、基本的に精神が変わるときは肉体ごと その人物に変化する)
3人は100年前に起こった「ある出来事」の代償に、そういう謎の不死を得てしまった。
元の体に戻りたいけれど戻れない理由があり、それは自分たちが「罪人」だから…などという。
思わせぶりなことばかり言って物語が進むまで主人公たちの全容は見えないが、
語り部役とも言える少年ミカゼが読者同様に「置いてけぼりにされる」ので、
ミカゼに感情移入する形で物語を楽しめるようになっている。
さて本編のメインのストーリーラインはこうだ。
主人公である「不老不死の魔法使い」の3人組は不死を捨てて、元の体に戻りたい。
でも、戻れない理由がある。
それは敵が「不死の力」を狙っているから。
なので主人公たちはまず敵との決着をつけ、
不死の力を狙うものたちがいなくなってからでないと
元の体には戻るわけにはいかない…と思っている。
そういうわけでマテリアル・パズルでは「敵」と主人公たちの戦いが描かれる。
さて、敵となる組織は「女神の三十指」と呼ばれる集団で
『「魔王と戦いそれを鎮めた女神様」と30人の仲間たち』という伝説を自分たちになぞらえた集団だ。
(実際に組織がその女神と仲間たちなのではなく、名前を借りてるだけ)
敵は不老不死を唯一殺せる手段である「魔法(マテリアル・パズル)」を使ってくる。
本来なら才能あるものが数十年かけて身に着けるような力だが、
女神は『過去に誰かが使った魔法』を、大地の記憶から呼び起こして再現したマジックアイテムを作る。
このアイテムを適性があるものが使うことでインスタントに魔法使いを生み出せるのだ。
さて、それでは次は魅力あるキャラクター達を紹介しよう。
主人公たち
ティトォ
炎の魔法使い。少年の姿のまま成長が止まり100年を生きている。
記憶力や計算力を鍛えた頭脳戦担当。
得意技の「千里算総眼図(せんりざんそうがんず)」は相手の性格や周囲の地形を情報として取り込み、
十数秒だけ行動の先読みをする能力。
(この独特なネーミングセンスもマテリアル・パズルの魅力のひとつだ)
使用する魔法『ホワイト・ホワイト・フレア』は「炎を変換し生命エネルギーに変える」魔法。
ティトォが出ると物語はうっすらジョジョの奇妙な冒険っぽくなる。
たぶん能力バトルに頭脳戦の要素が加わることや、ティトォの立ち位置がジョジョ4部や5部に見られる
「主人公が回復担当」みたいな空気になるからだろう。
大魔王アクア
破壊の魔法使い。幼女の姿のまま(略)
つまり今風に言えばロリババアってことになるのか…当時はまだそういう用語はなかった気がする。
使用する魔法『スパイシー・ドロップ』は「飴玉→爆破などの破壊エネルギー」の変換という純粋なアタッカー。
ティトォに比べて応用力がなく「破壊することしかできない」魔法だが、
その破壊力は作中トップクラス。
達観したババアのメンタルと肉体年齢相応の幼さが同居する非常に魅力的な暴君。
プリセラ
不死の魔法使いの3人目。
セクシーなお姉さん。
彼女の登場は1章の後半なのでネタバレを避けるために多くは語らない。
君の眼で確かめてくれ!
ミカゼ
第二の主人公とも言える語り部の少年。
ケモ系のキャラではない。
アクアによってかぶせられた「外せないお面」のせいでケモ顔系キャラのように扱われるが実際は単なる人間。
身体能力は非常に高く、魔法は使えないが序盤の魔法戦には彼の存在が欠かせない。
ティトオにエネルギーを供給してもらって前衛をつとめたり、
アクアの魔法攻撃の「タメ」の時間を稼いだり…。
彼は主人公たちの過去に関して知らない状況から物語が始まるので、
読者は思わせぶりなことを言う魔法使いたちに置いてけぼりにされるミカゼに感情移入して読むといい。
物語の魅力
マテリアル・パズルの最大の魅力は物語の構成の上手さだと思う。
非常に熱い少年漫画的な要素とギャグが織り交ぜられ…その奥になにやら伏線や謎がある…
「炎の魔法使いVS水の魔法使い」というベタな要素に加わる炎が回復主体で水が攻撃型戦闘員…というヒネリ。
バトル中でも挟まるギャグやギャグの中に伏線が仕込まれたり…
「先が読めない展開」と「ベタな展開」の緩急が読者の予想を裏切り、期待を裏切らない。
癖になる独特なネーミングセンス
一体何を考えてそのネーミングを思いつくの???っていう独特でインパクトがある魔法の名前の数々。
例えば「炎を変換して白色の生命エネルギーを生み出します!」みたいな魔法。
名前は「ホワイト・ホワイト・フレア」
凄くシンプルだけどシンプルゆえに気になる「なぜ2回言った??」っていうホワイト。
この辺の絶妙な「頭に残る名前」のセンスが光る。
音の魔法「ヘルキルデスベル」なんて「地獄」「殺」「死」というありふれた凶悪ワードにベルを合わせただけなのに歌うようなごろの良さが音の魔法っていうのに噛みあってて凄い。
あと多分デシベル(音量の単位)ともかかってるはず。
何食ったらこんなアイデア出てくるんだ…。
かと思えば突然「三獅村祭(さんしむらまつり)」とかいう名前からはさっぱり効果もわからないし、初見で読めない魔法が出てきたりする。
まさか村祭が本当にむらまつりって読むとはな…。
こういうのがシリアスなシーンでも平然とぶち込まれるのも独特な味を生んでいる。
オタク特有の「○○は実質××」なんて言いまわしがあるけれど、
マテリアルパズルの読み味は他の何かで代替するのが難しい。
とにかく伝えたいのはマテパを読んで得られる面白さは他で代替するのが難しいのだ。
そして独特な分、刺さる人と刺さらない人の間で評価が分かれる。
熱心なファンがいる一方で本誌の表紙を飾ったことがないという「人気のなさ」みたいなのが同居しているのだ。
ぜひ2巻までは読んでみて「刺さるか」「刺さらないか」を判断してほしい。
刺さらなければそれ以上押し付けようとは思わない。
ただもしあなたが「刺さる方」の人なら4章1巻の出ている今が旬なのだ。
ぜひ読んでほしいと心から願う。
ところでなんとそんなマテパ1章の試し読みがある。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07918MQPH?ref_=dbs_pwh_calw_0&storeType=ebooks
なんと今なら3巻まで無料だ。
*9/22追記
再び3巻無料キャンペーンが始まっている!
3話無料じゃなくて3巻無料という太っ腹っぷり。
刺さるか刺さらないかチェックの2巻から先まで読めちまうんだ!
さあ、こんなブログを読んでいないで早くマテパを読むんだ!
https://twitter.com/studionekot/status/1175670253914705920?s=21