MTGのテキストを読んでもわからない謎の用語を解説するシリーズ。
今回は「コピー」だ。
さて、このコピーという用語には2つの使い方があり、それらが混乱を招いているので
まず最初に2つを分けてしまおう。
「パーマネントのコピー」と「呪文のコピー」だ。
(実は他にも「カードのコピー」って言うのがあるんだけどスタンダードにはないので省略…)
*追記*
灯争大戦でスタンダードにもカードのコピーを持つ《永遠神、ケフネト》が登場してしまった。
まあ、でもこの記事では触れないことにする。
そちらについて書いた記事はこちら
https://omamesensei2.hatenadiary.jp/entry/2019/04/18/105155
パーマネントのコピー
何らかのパーマネントを他のパーマネントのコピーとして扱う能力。
《鏡像》とか。
このコピーはイメージとしてはコピー機にかける感じだ。
コピーしたいカードを印刷機に読み取らせて、《鏡像》の上にコピーしたいクリーチャーを印刷するイメージだ。
(イメージなので絶対にやらないでね)
《鏡の行進》のようにコピー・トークンを出す場合もある。
この場合もコピー用紙に印刷したものを「カードもどき」としてトークンにするイメージだ。
例えば上に+1/+1カウンターが載ったクリーチャーのコピーを作ってみる。
カウンターは印刷されないので、コピーした《鏡像》にはカウンターは載っていない。
自身の能力でパワーを上げた《シヴ山のドラゴン》のコピーを作る。
これもそのまま印刷するのでパワーが6のドラゴンになったりはしない。
コピーされたドラゴンのパワーは5だ。
オーラや装備品をつけたクリーチャーをコピーしてみると…。
オーラや装備品は印刷されないのでコピーはそれらをつけていない。
さて、応用問題。
《シヴ山のドラゴン》をコピーした《鏡像》Aをコピーした《鏡像》Bはどんなカードになるか?
さきほどの「イメージの世界」では《鏡像》Aには既にドラゴンが印刷されている。
なのでそれを印刷機にかけると《鏡像》Bにもドラゴンが印刷されて出てくるのだ。
さらに応用問題。
君が《魔学コンパス》のような変身するカードをコピーした場合、変身はどう扱われるのだろう。
答えは変身しない。
変身カードは両面印刷されたカードで、オモテ側が変身するとウラ側になる。
コピーは片面印刷なので、ウラ側の変身した面がないことになる。
《破滅の龍、ニコル・ボーラス》を《鏡像》でコピーした場合。
まずレジェンド・ルールでどちらかを墓地に置く。
例えば「本物」を墓地に置くとボーラスを印刷された《鏡像》が残る。
さて、能力を起動するとどうなるだろう?
追放するところまでは「できること」なので行う。
変身させて戦場に出すのは「できないこと」なので無視される、
結果として《鏡像》が追放されたままになって終わる。
かなしい…。
もし《鏡像》でボーラスをコピーしたら、《鏡像》の方を墓地に置いたほうがいいだろう。
呪文のコピー
さて、以前すこし触れたことがある呪文のコピー。
呪文のコピーは少しばかり違う。
こちらは何かに印刷されるわけではないし、印刷できるものだけをコピーするわけじゃない。
簡単に言えば呪文のコピーは「呪文トークン」のようなものを生み出す。
それらはトークンのようにカードが存在せず、何かの効果で生み出される存在だ。
クリーチャー・トークンがクリーチャーであるように「ソーサリー呪文のコピー」はソーサリー呪文だ。
さて、こちらはパーマネントのトークンとはいくつか違う挙動がある。
《原初の水源》でインスタントやソーサリーを唱えてコピーした場合を考えてみよう!
・対象
《稲妻の一撃》などの対象をとる呪文をコピーした場合、コピー元が狙っているやつを同じように狙う。
…というのが基本のルールだ。
ただそれだと使いづらい
(同じクリーチャーに破壊呪文を2度つかっても意味がない)
なので、《原初の水源》にはわざわざ「新しい対象を選んでもよい」という効果があるのだ。
この追加の文が書いてない場合、同じ対象を狙わなくてはいけない。
・Xマナ
《苦悩火》のようなXマナの呪文をコピーした場合、
コピーにはマナを払っていなくてもXはコピーされる呪文の値と同じになる。
水源を含む土地8つから8マナでX=7のコピーが生まれる。
そしてコピーも「Xが5以上」なので打消されない。
違いはこんなところだろう。
さて、謎のテキスト「コピー」について少しはわかっただろうか?
助けになれば幸いだ。
感謝の気持ちを表したいならぜひURLを「コピー」して、Twitterなどで広めてほしい。
*追記*
スタンダードにはないため説明を省略した部分がある。
なんと、灯争大戦で追加されてしまったので、改めて記事にした。
↓
解説記事はこちら
*さらに追記*
新パック「イコリア 巨獣の棲処」で登場する新メカニズム『変容』は、
これまでにない特別な処理をするカードでコピー処理とも奇妙な作用をする。
気になる方はこちらの記事で確認してほしい。