【MTGMTG初心者のためのルール講座
今回はテキストを読んでもわからないMTGのルール説明。第…5回?
ちょっとカウントを覚えてないけどまあいいや。
今回、解説する用語は2つ。
「サイドボード」と「ゲームの外部」だ。
サイドボードとはデッキとセットになる15枚以下のカードの束だ。
2本先取ルールだと、1本目と2本目の試合の間にデッキを改造するためにサイドボードを使える。
たとえばあらかじめサイドボードに「エンチャントを破壊するカード」を入れておけば…
1戦目で相手が切り札としてエンチャントを使ってきた場合、
2戦目の時はサイドボードからデッキにエンチャント破壊を加えることで対策できるのだ。
さて、ここで2つ目の用語解説。
僕のお気に入りの切り札を紹介させてほしい。
《首謀者の収得》だ…!
うん。まあ上の効果は別に普通だね。
強いけどコストが重いカードだし、それほどでもない。
それよりも下の効果である。
ゲームの…外部…?
ゲームの外部とはつまりそのゲームで使用していないものを指す。
例えば君が自分の部屋で友人と紙のMTGをプレイしていて、このカードを使ったとしよう。
君は「ちょっと待ってて」と言って立ち上がり、引き出しを開けて別のデッキを取り出す。
「あったあった」と言って君はその中から禁止カードである《暴れまわるフェロキドン》を取り出す。
「いやあ、フェロキドンは禁止されてたからこのデッキは使えなかったんだけど、これで使えるね」
…は?
そんな話が合っていいのだろうか?
実はこれは適性なプレイだ。
君自身が法律上の持ち主で(今のゲーム中に使っているカードじゃないなら)どんなマジックのカードだっていい。
引き出しを開けて取り出したデッキケースの中の禁止カードであってもだ。
もちろん、そんなふざけた処理は大会では非現実的だ。
そこで公認大会(およびMTGアリーナ)では、
「ゲームの外部」=「サイドボード」と定義している。
先ほど説明した「組換え用の15枚」のことだ。
このサイドボードからカードを持ち込める…というのがアリーナにおける《首謀者の収得》の効果だ。
もし君が1本勝負を楽しんでいるなら通常サイドボードは用意していないだろう。
だが、もし黒を使うデッキで《首謀者の収得》を入れるなら…1本勝負でもサイドボードを作ろう!
というわけで今回はサイドボードを作る時のルールについて書いていこう。
アリーナでは1つのデッキケースには60枚以上の「メインデッキ」と15枚以下の「サイドボード」が詰め込まれる。
もし君がサイドボードを用意したことがない場合、今までずっと「0枚のサイドボード」を用意していたことになる。
メインのデッキは60枚「以上」だが、サイドボードは15枚「以下」なので、
0枚のサイドボードでも問題なく遊べたのだ。
さて15枚のサイドボードにはどんなものが入れられるだろう?
さっきの《暴れまわるフェロキドン》みたいな禁止カードは?
もちろんダメだ。
デッキ構築のルールに従う。
スタンダードで禁止されているカードはスタンダードのサイドボードに入れられないし、
スタンダード落ちしたカードも、サイドボードには入れられない。
《ラノワールのエルフ》は?
大丈夫だ。ただし、デッキに4枚入ってるなら別だ。
デッキ構築のルール、基本土地以外のカードは4枚だけというのはこちらにも適用される。
デッキに4枚入れているなら入れられないし、デッキに3枚だけならサイドボードに1枚入れられる。
PWデッキ限定カードは?
デッキビルダーズ限定カードは?
両方初心者導入用の製品だね。
それをサイドボードに入れる価値があるか、という問題を脇におくとして
ルール上、それらはスタンダード使用可能カードだ。
サイドボードに入れるのもアリだ。
《しつこい請願者》や《ネズミの群棲》は?
大丈夫だ。好きなだけ入れるといい。
これらのカードのデッキに何枚でも入れていい能力もまたサイドボードで有効だ。
15枚のサイドボードすべてを《しつこい請願者》にすることもできる。
・サイドボードとはゲームの間にデッキに加えられるカードである。
・サイドボードには15枚までカードを入れられる。
・4枚制限はサイドボードも含む。
・「ゲームの外部」とはサイドボードのこと
「ゲームの外部=サイドボード」を用いるカード
MTGアリーナでは《首謀者の収得》の下の効果は
「サイドボードから1枚を手札に加える」能力になる。
そしてこれは非常に凶悪な能力だ。
通常、1本勝負では3本勝負よりも「初見殺しデッキ」が強くなる。
都合のいい対策カードがこちらのデッキに入っていることは稀で、対策カードがデッキにないことの方が多い。
仮にいろんなデッキの対策カードをデッキに入れたとして…ピンポイントの対策カードは効かない相手との試合で引くと事故要素になる。
だから初見殺しは強い。
そして、それに対応できるのが《首謀者の収得》なのだ。
なんならデッキのメインカラーと合わせる必要すらない。
例えば5色出る土地か宝物トークンを生むカードを入れておけば青白コンと戦って、
カウンターの隙を狙い《首謀者の取得》を使う。
赤いカードをメインデッキで使わないデッキでも、
ゲームの外から持ってきた《苦悩火》をX=10で唱えて打消されない直接火力で勝てる可能性がある。
ああ、そうだ最後に…
紙のマジックでフェロキドンを持ってこれると言ったけどアレは半分嘘だ。
ルール上、公式での対戦でない場合は確かにあなたの所有カードを好きにデッキに加えられるが、
一般的なプレイヤーはアリーナなどと同じようにカジュアルプレイでも「ゲームの外部はサイドボード」だとすることが多いからだ。
もしゲームの外部を参照するカードを使うなら対戦前にサイドボードを指すのか自分のカードならなんでもいいのかの確認を取っておこう。
さあ、君も《首謀者の収得》を使って楽しくゲームの外部から持ち込もう!
相手の場にマーフォークの大群や野茂み歩き、フェロックスが待ち構えている?
《覚醒の太陽の化身》の出番だ。
《殺戮の暴君》をはじめとする恐竜クリーチャーには無力なのでメインからは使いにくいカードだが、
サイドボードから使えるなら話は別だ。
《飢えた聖騎士》を使った無限コンボのパーツが見えた?
《漂流自我》で《飢えた聖騎士》をデッキから根こそぎ引き抜くのはどうだい?
相手がデッキ破壊戦略をとってくる?
《ガイアの祝福》を持って来れば手軽にライブラリーを再生できるぞ。
《ネズミの群棲》などの同名カード積み込みデッキ?
《イクサランの束縛》が非常に強力だ。
既に並べられてしまっているなら《拘留代理人》なんて手もある。
相手のライフが残り3点なのに防御用のトークン・クリーチャーを並べられて削り切れない?
《君主の一噛み》で直接ライフを狙うのはどうかな?
デッキの外からカードを持ち込むなんて ズルい!と言われたら、こう返そう。
「限られたルールの中で勝利条件を満たしただけ」
いにしえのナイトの名言だ。
さあ、君も《首謀者の収得》でゲームの外部から勝利を持ち込もう!