「増殖を行う」というキーワード処理は実にワクワクする。
カウンターを用いるカードに大きな革命を起こす効果は多くのプレイヤーの心をつかんで離さない。
いや、プレイヤーだけではない。
開発部にも多くのファンがいることは間違いない。
例えばカラデシュで増殖を再録する動きがあった。
エネルギー・カウンターという特殊なカウンターを使うメカニズムや製造というキーワード能力、それから亢進するサイクルに巻き付き蛇!
たくさんの楽しいカウンターメカニズムがあり…
増殖はそれらを容易にぶっ壊すだろう…という判断を下されセットから消えた。
つづく霊気紛争やアモンケットで調整版のカードが作られた。
ああ、僕は彼らの能力で《自然に仕えるもの、ニッサ》の忠誠度を増やすのを楽しんだよ。
それでも開発部は満足しなかった。
彼らはラヴニカの献身でシミック連合の能力を考えるにあたり
過去のメカニズムを再録するなら何がいいか考え…増殖を真っ先に検討した。
それは同じセットの暴動とよく噛みあい…よく噛みあい…よく噛みあい過ぎた。
更にこのデザインのタイミングでは青白の優位メカニズム(仮)でも+1/+1カウンターを扱う機会が多かった。
赤緑 緑青 青白
暴動 増殖 優位
つまり緑青デッキは緑の暴動クリーチャーと青の優位クリーチャーが乗せた+1/+1カウンターを簡単に増殖で増やせた。
あまりにも完璧で強すぎたので結局は増殖は没になった。
ああ、だが素晴らしいことに遂に!遂に増殖は帰ってきた!
最新の増殖カードがこれだ!
さて。ではこちらの最新の増殖カードを使ううえで気を付けてほしいことがある。
あなたの場にギデオンがいるとしよう。
そしてそのギデオンにはなんらかの効果で‐1/-1カウンターがのせられているとしよう。
あなたがここで《キオーラの堰破り》を召喚してギデオンの忠誠度を増やそうとする。
ちょっとストップ!
以前のルールでは、ギデオンの上の忠誠度カウンターだけを増やせた。
だが新しい増殖のルールでは違うんだ。
注釈分を見てほしい。
ギデオンを選んで、その後に乗っているカウンターを選ぶことができた昔の増殖と違い
新しい増殖ではギデオンを選んだ時点で決定は終わる。
その後、ギデオンの上のカウンターすべてが増える。
つまりマイナスカウンターも増えてしまうんだ。
どうして変わったんだろう?
恐らくMTGアリーナなどのデジタルマジックで「クリック数を減らす」のが目的の変更だと思う。
ほとんどのカウンターは増やしたいものなので手間を省く目的での変更のはずだ。
だが一部のカウンターは増えることがデメリットになる。
デメリットのあるカウンターに注意して扱おう。
ただし、基本的にはこれは強化されたと言ってもいいかもしれない。
例えばさっきと逆に+1/+1カウンターの乗ったギデオンなら…
増殖によってどちらも増やせるのはいいことだ!
そうそう、これは新しい能力でなく増殖の再録とルール変更なので
過去の増殖カードをモダンで扱う場合も「灯争大戦」発売に伴いこれらも同じ処理になる。
それじゃあ対戦相手の感染に気を付けて楽しい増殖ライフを!
2019/05/28追記
ああ…!
ついに彼が、いやアイツがカード化された。
それも増殖を伴って…!
ヨーグモスは昔からいるキャラクターだけど、ルールはもちろん最新のものだ。
この鬼畜外道の登場に歓喜して復帰する人は増殖のルール変更を忘れないように…!