バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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ゼノンザードをべた褒めする

ゼノンザードというカードゲームを知っていますか?

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https://www.aicarddass.com/zenonzard/

 

「AIと共に、AIと戦う」というキャッチコピーの対戦カードゲームです。
そろそろクローズドβテストが始まるのでアドバンスドプレイヤーの私はとても楽しみにしています。

*もう始まってます。 βテスト落選しました。



*この記事はゼノンザードの絶賛記事です*
*発売前のデジタルTCGをバカにする殴り棒が欲しいならこの記事は全く逆の結論になるのでブラウザバックしてね*

 

とはいえ、私はこのゲームのアプリリリースに懐疑的でした。

というのもゼノンザードのアプリは「致命的な欠点」があると感じたからです。
ところが昨日、ゼノンザードのアプリにおける対戦システムを知ったとき…
私は手のひらを反すことになりました。

「ゼノンザードのシステム考えた人、神か…?」


私が意見を変えたのはなぜか?
まずは「ゼノンザードが抱えている(と思われた)致命的な欠点」について語るところから始めましょう。

 

 

致命的な2つの欠点

 

さて、私はリリース前のアプリに対して何の情報もなく批判しようと思ったわけではない。
実はゼノンザードでは「紙のカード」を配布したりするなど既に体験できる場を設けている。

そういったキャンペーンの中で私もゼノンザードを実際に遊んでみて、「致命的な欠点」を2つ発見した。

 

・フラッシュタイミングの存在
・敗北の理由が比較的はっきり出ること

 

 

フラッシュタイミング

 

さて、では1つ目の欠点について。

ゼノンザードがウリにする要素のひとつに「フラッシュタイミング」というものがある。
早い話、「対戦相手の手番に自分が行動できるタイミング」だ。

こう言った「相手のターンでの行動」は一般的に「紙のカードゲーム」に多く「デジタルカードゲーム」では少ない。
なので「デジタルゲームをメインのマーケットとして想定しているTCG」で、
フラッシュタイミングを設定するゲームは非常に珍しくウリにしようというのもわかる。

こういった相手のターンでの行動は「駆け引き」を生み勝負を盛り上げる逆転の要素になりカタルシスを生むのだ。


うん、確かにこのフラッシュタイミングの存在はゼノンザードを「珍しい」ものにしているのは事実だ。
だが多くのデジタルゲームがそれを行わないのにはちゃんと理由がある。

 

世界最初のTCGを現在も販売しているWoCが開発コラムとしてこんなことを語っていたことがある。


「失敗をやり直すことはできる。魅力的なことをすることはできる。それまで手がけたことのなかった発想を掘り下げることはできる。成功を繰り返すことはできる。そして、それまで破ったことのないルールを破ることはできる。

しかし、そのどれも、デザインの始点とすべきではない。それらは、個別に精査し、そしてそれにふさわしい場所が来るまでどこかに持っておくべきものなのだ。

これらを使うのは、そのゲームにおいて有機的に収まる方法があるからであって、何かを証明したいから、あるいは挑戦として、ではないのだ。」

 

これはつまり「何か真新しいこと」あるいは「自分なら上手くやれると思った、誰かが失敗していること」をゲームデザインにいれることを咎め
「それがそのゲームにとって必要だ」という時にこそ取り入れるべきだという戒めだ。

 

ゼノンザードのフラッシュタイミングはまさにこれだ。
「対戦相手の手番に動けるデジタルカードゲーム」は少ない。
だが少ないのにはちゃんと理由がある。


デジタルゲームに置いて「相手のターンに動ける」というのはゲームの利点ではなくウリにはならないのだ。
ゲームの方がそのデザインを求めていないのに「我々ならやれる」と組み込むのは大局的に見てゲームを悪くするのだ。

 

なぜ相手のターンに動くDCGは少ないのか

さて、ではなぜ相手のターンに動けるDCGは少ないのか?
それはずばり不快だからである。

相手のターンに行動し相手の計算を崩すのはカードゲームの楽しみや駆け引きを生む。
なのでこれはいわゆる「コントロールデッキは卑怯」という話とは全く異なる。

単純に「待ち時間」が不快だという話なのだ。

アプリ系のゲームでは「あっ、ちょっと待って今のところ巻き戻して」という処理をしづらいのだ。

 

例えば君が遊戯王カードゲームを紙で遊んでいる。
そして君が相手のターンに使いたい伏せカードを構えているとしよう。
相手が処理を進めようとして君がカードを仕えるタイミングを飛ばして戦闘に入ろうとした。
君は「ちょっと待って、これを使うから」と少しだけ処理を巻き戻してメインフェイズに戻ってもらう。

これがデジタルTCGではできない。
「処理を巻き戻す」というようなことができるシステムを僕は寡聞にして知らない。


できないので、ゲームは確認を行いながら進める事になる。

「カードを使いますか?」という質問があなたが行動するたびに、相手プレイヤーに問われる。

「使わないよ」「こいつを使うよ」と相手が答えて始めて先に進める。


通常、デジタルTCGで「相手のターンに動ける」場合、いちいちそこで「待ち時間」として相手の応答が挟まる。

相手が「カードを使うかどうか考える」時間はあなたのターンなのにゲームの進行が止まるのだ。


この「待ち時間」のストレスは実際に遊ぶとなかなか不快であることがわかるだろう。
言ってみればゲームのプレイ中にローディングが挟まるような感じになるのだ。

「自分の番」なのに「相手が動くか考えてる間、ゲームの進行が止まる」のは非常に不快なのである。


さらにもう一段階話を進めようか。

そこまでして「駆け引き」のカタルシスを生むことはできるか?
という第二の問題が迫る。

不快な時間を短縮するための施策として「相手のターンにできる行動がない」場合、
レスポンスのタイミングをスキップするゲームで顕著な欠点がある。

「スムーズに進むなら待ち時間がない」というデジタル特有の利点が、
「相手が何かの罠をしかけているのか」を読み取れるサインになってしまうんだ。


相手が本来行動できるタイミングで待ち時間なく次のステップに進めた?
きっと相手には何も こちらのターンに使えるカードがないのだろう。

何か構えてるように見えるても、それは9割方見せかけのブラフだ。

(もしかしたらそう思わせるためにキャンセルボタンを連打してたかもしれないけど)


この「待ち時間がない事でブラフだと判明する」問題により結局は駆け引きのカタルシスが失われる。


もし完全な形で駆け引きを残そうとするなら「使えるカードがなくても一旦 止める」ようにするぐらいしか現実的な対応はない。

これでは不快な「待ち時間」を増大させることになり本末転倒となる。

 

多くのデジタルTCGで「相手のターンに動ける」要素を入れない理由が、この「待ち時間問題」なのだ。


というわけで 

致命的な欠点1
フラッシュタイミングがアプリと相性が悪い」


もうひとつの致命的な欠点の理由となるのは、

このゲームの独自要素「フォース」「移動型マナシステム」だ。

これらについてはまた機会があれば細かく書くとして、
結論から言うとこれらは「ゲームのうまさ」が非常に濃くでるシステムだ。
玄人好みな感じ、とでも言うのだろうか。


この2つのユニークなシステムはゲーム慣れしているプレイヤーが好むとされる「運をテクニックでカバーできる要素」なのだが…

裏を返すと下手な場合、はっきりとそれが出てしまうのだ。


僕が紙でゼノンザードを初プレイして負けた時に思ったのは
「いやぁ、引きが腐ってたなあ」とかでなく、
「あっ、あそこのプレミまずかったな…」という部分だった。

そう、このゲームは「負けた原因」が己の実力だということが比較的わかりやすいゲームなのだ。

 

例えばじゃんけんというゲームで考えてみよう。
君がグーを出して相手がパーを出したので君は負けた。
君の敗因は「グー」「チョキ」「パー」という選択肢からグーを選んだことだ。

だが実際には多くの人がじゃんけんを「運ゲ―」だと認識する。
それは「相手の手」という自分に干渉できない部分が存在するからだ。

こういった「自分の選択」以外に敗因を見つけられるゲームは実はストレスがたまりにくくなっている。


「自分にどうにもならないこと」で負けるのは一見理不尽なように思えるが、
長期的なプレイでのストレスを自分以外の何かのせいにできることで全体としてストレスは軽減されるのだ。

 

しかしゼノンザードは「敗因が自分である」ことを認識しやすい。

 

序盤の立ち上がりに問題があった?
多くのゲームではその場合の問題は初手の事故だ。


だがゼノンザードの場合は違う。


君が序盤の立ち上がりが原因で負けた場合、フォースの選択ミスの可能性が高い。

 *フォース

ゲーム開始時に場における2枚のカード。

フォースカードには永続的な効果があるため、初動の助けとなる。


マナが足りなくて切り札を出せなった?
土地事故だろうか?
いいや、移動型マナシステムを上手く使えていないからだ。

*移動型マナシステム

いわゆるモンスターやクリーチャーにあたるカードをマナゾーンに移したら、逆にマナゾーンから場に出すことができるシステム

 

フォースと移動型マナシステムは「不運」を実力でフォローできるシステムだ。
それは逆に「フォローできず負けたのはキミが弱いからだ」という事実を浮き彫りにしやすい。


「負けた理由」を押し付ける先がないことは「カジュアルゲ―ム」であるスマホアプリとは非常に相性が悪い。


というわけで
致命的な欠点2
「フォースと移動型マナシステムはあなたに自分の弱さを思い知らせる」


さて、というわけで以上2点が僕が紙のゼノンザードをプレイして
これが「アプリゲーム」をメインで展開するのに致命的だと思った2つの欠点である。


こんなのぜーったい失敗すると思った。


大きく上げたのがこの2つであり細かい要素は他にも出てくる…
カジュアルゲームっぽいのに初心者にとって難しい要素が多いとか、無色カードの妙な強さとか)

 

さて、でもこの記事はゼノンザードをほめたたえるために書いている
何が私の意識を変えてゼノンザード記事を書くように駆り立てたのだろう?

 

ゼノンザードのキャッチコピーを思い出してほしい。
ゼノンザードは「AIと共に、AIと戦う」ゲームなのだ。


僕の中でゼノンザードの評価が大きく上がったのはファミ通の紹介記事だ。

ゼノンザードのメインとなる対戦システム「AIクロスバトル」について知ったことで僕の評価は逆転する。


「このゲームのデザイナー…神か…?」

 


AIクロスバトル

 

さて、このゲームでは君はAIをパートナーにして遊ぶ
AIはキミのプレイにアドバイスを与え、君のプレイ傾向を学びプレイスタイルを模倣する。


AIクロスバトルという対人システム…いや対AIシステムはそこに焦点を当てている。


このゲームでは「君VS他のプレイヤー」ではなく、
「君」VS「他のプレイヤーのAI」
「君のAI」VS「他のプレイヤー」の形でランク戦などが行われる。


具体的にどんな感じでランクが上げ下げされるかは蓋を開けてみるまでわからないが…この発表は衝撃的だ。

 

それではこれを踏まえて改めて「致命的な欠点」について改めて見ていこう。

 

致命的な欠点1
「フラッシュタイミングがアプリと相性が悪い」

 

この欠点は対人戦では相手もプレイヤーである前提での「待ち時間問題」だった。

「発動できるフラッシュタイミングのカードを使うかどうか?」の思考時間が原因だ。


だが対戦相手がAIなら?


AIの場合では思考時間がほぼ存在しない。
対戦相手のレスポンスは常にノータイムで行われると思っていい。


思考時間がないことで駆け引きが損なわれることもない。
仮に相手が「使える札がある」けど「このタイミングでは使わない」ことを学習したAIであればノータイムで「パス」してくるからだ。


待ち時間によって相手の手を知るような興ざめが起こらない。


致命的な欠点1の前提である「対プレイヤー戦」というものがそもそもゼノンザード のゲームシステムとは違うものだったんだ!


あなたが他のプレイヤーと戦う時、それは「対AI戦」になるのだ。

 

 

では致命的な欠点2はどうだろうか?

致命的な欠点2
「フォースと移動型マナシステムはあなたの弱さを思い知らせる」

つまるところこの欠点を構成するのは2つの理由だ。

「初心者には難しい部分が出てくる」
「敗因が自分だとわかってしまうストレス」

 

それぞれをAIと共に戦うという視点で考えよう。


AIはキミのプレイに指針を与え補助してくれる。
初心者にアドバイスをくれるよき友になる。

カジュアルアプリゲームっぽいのにシステムが以上にストイックである部分は、キミを支援するAIにとっての「魅せ場」になる。

 

君が敗北した時、それが君のせいだという「事実」は変わらない。
だが感覚としては大きく違うだろう。


君は負けを「AIのせいにできる」のだ。

AIはキミのストレスのスケープゴートになりうる。
君が負けたのは「AIのせい」なんだと感じることでストレスが軽減されるのだ。


ストレスが減ったので繰り返しプレイでき、

プレイは君の実力を高め…君のプレイをAIが覚えて、

AIもより君のデッキにあったプレイスタイルになる。


改めてTCGデザイナーの訓戒を読み直そう。


「失敗をやり直すことはできる。魅力的なことをすることはできる。それまで手がけたことのなかった発想を掘り下げることはできる。成功を繰り返すことはできる。そして、それまで破ったことのないルールを破ることはできる。しかし、そのどれも、デザインの始点とすべきではない。それらは、個別に精査し、そしてそれにふさわしい場所が来るまでどこかに持っておくべきものなのだ。これらを使うのは、そのゲームにおいて有機的に収まる方法があるからであって、何かを証明したいから、あるいは挑戦として、ではないのだ。」


この文章の意味は最初に解説したね。


ゲームのデザインは「珍しいこと」「他の人が失敗したことを自分ならやれると示すこと」でなく「ふさわしい場所」を見つけた時に「有機的に収める」べきなのだ。

 

ゼノンザードは「AIと共に、AIと戦う」ゲームなのだ。

フラッシュタイミング、フォース、移動型マナシステム。

この3つはどれも真新しかったり珍しかったりして大きな欠点がある。


だが、それら全てがAIにより解消される。

AIによって短所から利点へと変わるんだ!


つまり3つのシステムは「AIと共に、AIと戦う」ゲームでこそ採用できるシステムであり、
まさに「ふさわしい場所」に「有機的に収まっている」

 

ゲームデザイナーの手腕にただただ感心するばかりだ。

ゼノンザード。
それは「AIと共に、AIと戦う」ゲーム。

βテスト、そして正式リリースが待ち遠しい。


*追記

第一回 βテスト落選しました。

アドバンスプレイヤー(招待優先)だからとタカをくくっていたが、ゼノンザード の人気はアドバンスプレイヤーだけでβテスターの募集人数を軽く上回ったらしい。

ゼノンザード アプリをいち早く遊べるチャンスだっただけに悔しい。

第二回βテストを待とう。


*更なる追記

βテスト募集人数が拡大され、

第二回βテストの当選人数がドーンと2倍になった。

このキャンペーンのおかげで無事に筆者は第二回βテストに参加できるようになった。

ありがとう…プロデューサー様…


第二回βテストは5月初旬!

また何か記事を書くかもしれない。


www.youtube.com