ゼノンザードのススメ。前回
今回は僕がデッキに入れる時にまず最初にこれを3枚積んでからデッキに合わせて枚数調整する、それくらい気に入っているミニオンを紹介するよ。
そのカードは…1カラットラットだ!
この愛らしいネズミさんは一体何が強いんだろう?
《1カラットラット》は場に出した時にカードを1枚引くことができるベース・ミニオンだ。
他に言うことはないってくらいそこに強さのすべてが詰まっている。
まずは他のベース・ミニオンについて考えよう。
ベース・ミニオンは1ターンに一度マナフェイズに手札から場に置くことができるカードだ。
なにもしなくても毎ターン無色マナが1つ生えるゼノンザードだが、
有色カードを使うためにはベースに色マナを用意する必要がある。
この色マナを出して有色カードを使えるようにするのがベース・ミニオンの役割だ。
一般的にベース・ミニオンは入れる量を減らしたいけど入れないと事故るから入れざるを得ないものとして扱われる。
(このブログだと最初に紹介したのがベース・ミニオンである《デメテーの村娘》軸のデッキだったので、いまいちその辺が伝わってないかもしれないけど)
デメテーの村娘は緑のマナを出してくれた。
では1カラットラットは何色のマナを供給してくれるんだろうか?
答えは無色である。
1カラットラットが提供してくれるマナは無色なのだ。
これが1カラットラットがパッと見で「何が強いのかわからない」と言われる原因だ。
本当は入れたくないタイプのカードなのに、色マナが出るからわざわざ使う…あるいは村娘のように名前指定のサポートがあるわけでもない。
じゃあなんで無色なのに1カラットラットは強いんだろう?
それを知るにはそもそも「なぜベース・ミニオンを減らしたいのか?」から考える必要がある。
なぜベース・ミ二オンは減らしたほうがいいのか?
ベース・ミ二オンは手札から使えるミニオンだが、手札から使えないミ二オンだ。
どういうことか?
ベース・ミ二オンは自分のターンのスタンバイフェイズにベースにおくことができる。
だが、それ以外の方法で手札から出す方法はあまりない。
つまり手札に複数枚のベース・ミニオンを抱えることは「このターン使えない手札」が増えてしまう。
(逆に言えば村娘は手札から出すサポートがあるので、そこが強みだ)
さらにベース・ミニオンを使わずに無色のマナを加えることを選べば手札の消費なしでマナが増える。
しかし、ベース・ミニオンは手札から出さないといけないので無色マナの供給と違い「手札を消費する」のが弱みである。
ん?
手札を消費するのが弱み…?
どうやら1カラットラットの強みが見えてきたようだね?
そう、無色マナを獲得する場合は手札消費がなく、ベース・ミ二オンは手札を消費する。
だが、1カラットラットは手札を消費しないベース・ミニオンなのである。
有色マナを出すような強みがない代わりに、弱みもない。
弱みがないので純粋に「ミニオンである」という利点だけがそこには残る。
手札から1カラットラットを場に出してカードAをドローするのと、
手札にカードAを握っていてベース・ミニオンがないので無色マナを獲得する方を選ぶのとでは、手札の差は一切ない。
ベース・ミニオンである利点
ではベース・ミニオンだと何が強いんだろう?
手札での差はないが、「盤面」では大きな差があり、「デッキ」にも小さな差がある。
・無色マナは攻撃できない、1カラットラットは攻撃できる。
1カラットラットは移動権を行使することで攻撃手段に変えることができる。
DPが0でなく1なので攻撃によりちゃんとダメージが発生する。
・無色マナや他のベースはブロックできない、1カラットラットはブロックできる。
ここ一番の謎。
なんと1カラットラットは「メリットはないがデメリットを打ち消してるカード」みたいな空気を醸し出しつつ、実際には同じくらいのパワーレベルのカードが持つ共通デメリット能力を持たない…
いわばプラス方向の補正がかかっているのである。
多分「デッキに好きな枚数入れられる」という能力の代わりなんだと思う。
こんなの何枚も入れられてたまるか
・デッキ圧縮のおまけがある
カードAを引いて、無色マナをセットするのと
1カラットラットをセットしてカードAをドローすることに手札の違いはないと書いた。
だが、デッキは前者より後者の方が1枚薄くなっていることに気づいただろうか?
つまり(ごくわずかにではあるが)デッキ内の「強いカードの割合」が高まっているのだ。
誤差だろうがなんだろうが採用するカードに、わずかにでもプラス要素が追加であるのは嬉しいものだ。
というわけで基本的には1カラットラットは入れ得だ。
雑に3枚積もう。
ただし、常に3枚が最適とは限らない。
例えば他の色ベースを出す手番が必要だったり、どうしても序盤のターンに引きたいカードがある場合。
1カラットラットを3枚積むと逆にキーカードが引ける率は下がる。
手札でベースが渋滞する場合には動きが鈍るのだ。
なので例えば前に紹介した【バインディングローズ】のデッキ。
このデッキでは2ターン目に引きたいカードが多い。
そこで1カラットラットの枚数を1枚減らして事故率を軽減しつつ、
2枚による圧縮でわずかにでもキーパーツが揃うように…という考えから採用枚数を絞った。
基本的には1カラットラットは3枚。
序盤にどうしてもしたいコンボがありその妨げになる場合は2枚。
そもそも無色のベースを許容できないなら0枚。
たぶん1枚指す理由は「1枚しか持ってない」だけだと思う。
さて1カラットラットにはもうひとつ、他のベース・ミニオンに対する特殊な強みがある。
それは「無色が出る」ことである。
おいおい、なんだか変なことを言い出したぞ。
デメテーの村娘は緑が出るけど1カラットラットは無色で色がでないから弱いんじゃなかったのか?
実はそれを覆す強力な理由がある。
フォースカード「キマイラ」がその理由だ!
キマイラが貼ってあるときに無色は4色に変わるのだ。
つまりキマイラ選択時には村娘は緑しかだせないが、1カラットラットは緑も黄色も白も赤も出せる。
キマイラ軸の多色デッキでは、他のベース・ミニオンよりもむしろ使い勝手があがるのだ。
というわけで1カラットラットがもっとも輝くデッキがあるとすれば…
「キマイラ軸の多色で」「ベースミニオンを攻撃に回したり」「BP300のミニオンを防御に回したい状況がある」デッキだろう。
というわけでその条件を満たす4色デッキを作ってみた。
4カラーの1カラットラットビートダウン…
4カラットビートとでも名付けようか…
サンプルデッキレシピ
【4カラットビート】
フォース 2枚
キマイラ・ケイローン
ベース 9枚
3 1カラットラット
6 デメテーの村娘
フィールド 19枚
3 スパイクリザード
3 ジャックナイフスワロウ
3 モルフェオ「ラビィ」
3 ファイアービートル
1 「箱を抱く者」パンドリア
2 グレイグ・スマッシャー
1 雷竜ライトニングフォール
3 魔力喰い
マジック 11枚
1 ウォークライ
1 バインディングアイヴィ
2 メガトンハンマー
3 バインディングローズ
3 導きの紋章
2 サテライトビーム