激変必死! Pauperのネズミデッキを楽しもう!
さて、Pauperというフォーマットを知っているだろうか?
コモンカードだけで遊べるマジック…というゲームなのだが
これについて公式からとんでもないお知らせがあった。
簡単に言うと非公式ルールだったPauperが公式フォーマットに採用。
それを受けて今まで「グレーゾーン」だった使用可能カードに明確なラインを引く。
→「公式使用可能カード」が増える!
→同時に強すぎるのは解禁と同時に禁止
というわけで、新ルール(仮)でのPauperでのデッキの叩き台。
ちょっととてもじゃないけどカードプール把握できないので多分直せるところはたくさんあるけどとりあえずはこんな感じで。
果たしてこんなフォーマットが許されるのか…?
不安と期待でいっぱいだけど、組めるうちに楽しもう!
多分速攻で禁止にぶち込まれるから。
【ネズミ1キル】
クリーチャー
29 ネズミの群棲/Rat Colony
ソーサリー
4 海賊の獲物/Pirate's Prize
4 動員/Mobilize
インスタント
4 劇的な逆転/Dramatic Revercal
4 みなぎる活力/Vitalize
土地
14 沼/Swamp
サイドボード
1 ブレイゴの好意/Brago's Favor (指定:ネズミの群棲/Rat Colony)
3 ブレイゴの好意/Brago's Favor (指定:海賊の獲物/Pirate's Prize)
1 即応行動/Immediate Action (指定:ネズミの群棲/Rat Colony)
1 楽園の秘密/Secrets of Paradise (指定:ネズミの群棲/Rat Colony)
4 ムッツィオの準備/Muzzio's Preparations (指定:ネズミの群棲/Rat Colony)
1 雇われ夜盗/Hired Heist ((指定:ネズミの群棲/Rat Colony)
*2019/7/2追記*
リストにアンコモンの《一同集結!》が含まれていましたので取り除きました。
どう動くデッキ?
自分の最初のターン、《沼》1枚と《動員》1枚と《ネズミの群棲》が3枚以上でコンボスタート。
沼を場に出して《ブレイゴの好意》を公開し《ネズミの群棲》のマナコストを変更。
(1)(黒)から(黒)に軽減される。
更に《ムッツィオの準備》4枚と《即応行動》と《楽園の秘密》で強化。
ネズミは実質、黒1マナで出せる6/5で、ネズミの数だけパワーが増える、速攻とタップして好きな色の1マナを出せるスーパークリーチャーになる。
1匹目のネズミが場に出たら、そいつからマナを出して2匹目のネズミ…3匹目のネズミ…と並べる。
この時点で1匹当たりのパワーはなんと8点。
3匹のフルアタックで1キルができるが…あいにく2体はタップされている。
ここで《動員》の出番だ。
このカードは自分のすべてのクリーチャーをアンタップする。
3体目のネズミから緑マナをだして動員を唱えることで、3体がアンタップ。
速攻なのでそのまま8/5が3体で24点ダメージ…先行1キル。
というデッキだ。
そもそもこれは何?
与太話記事のつもりで書いたわけだけど、改めて読むと文章も短く「マジで書いてる」と思われてることが発覚したので一旦整理。
そもそも何でこんな1キルデッキが組めてしまうのか?
まあ、お察しの通り悪いのは策略カードである。
まず大前提として「今までのPauper」ではこれらは使えないカードだった。
しかし今回のルール整備で使えるようになるのではないか?
ということで検証していこう。
1.そもそも何故これまでは使えなかったか。
もしここで「禁止カードだから」という答えが出ようものなら話はおしまいだ。
カードプールが増える改定があったからといってそれで禁止カードが釈放されるわけではない。
Pauperの禁止リストを見ると…
禁止カード
フェアリーの大群/Cloud of Faeries
雲上の座/Cloudpost
頭蓋囲い/Cranial Plating
目くらまし/Daze
巣穴からの総出/Empty the Warrens
大あわての捜索/Frantic Search
ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe
ぶどう弾/Grapeshot
噴出/Gush
激励/Invigorate
流浪のドレイク/Peregrine Drake
時間の亀裂/Temporal Fissure
宝船の巡航/Treasure Cruise
策略カードは含まれていない。
これには理由がある。
そもそも草の根の非公式のPauperは電子ゲーム版であるMagic On-lineで始まった。
それ故に電子ゲーム版未実装のカードは使用できなかった。
策略カードは電子ゲーム未実装なのでそもそも禁止するまでもなく使用範囲外のカードだったのだ。
スタンダードの禁止カードリストにわざわざBlack Lotusと書くようなことはしない。
だから策略カードはPauperで禁止されていないんだ。
2.今回使用可能になるカードの条件を満たしているか?
パウパーで使用可能なカードの範囲を、「テーブルトップとデジタルのいずれかのセットでコモンとして収録されたことがあるカード」に拡大します。収録されたセットは問わず、Gathererにコモンとして掲載されていればパウパーで使用できます。これにより、Magic Onlineでサポートされていた頃より使用できるカードが増える見込みです。
参照:パウパーがペーパーにやって来る|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
これが今回の公式フォーマット化で解禁されるカードの条件だ。
つまり
・テーブルトップで収録され、これまでデジタルになかったコモン
が使用可能になる。
策略カードはテーブルトップ専用のカードとして作られている。
つまりこの文章によると解禁の余地がある!
しかし、次にチェックするべきはコモンかどうかだ。
例えば《権力行使》は凶悪な策略カードだがアンコモンである。
こういったカードは使うことができない。
Gatherer(公式のカードデータベース)にコモンとして掲載されているかもチェックする必要がある。
例えば今回出てきた《ブレイゴの好意》は…
ブレイゴの好意 (Magic: The Gathering—Conspiracy) - Gatherer - Magic: The Gathering
よし、条件を満たしているぞ!
3.新たに禁止されていないか?
今回の改定で使用可能となるカードの一部は、
強すぎるので解禁前の時点から禁止することが定められている。
また、使用可能なカードが増えることを受けて、パウパーの禁止リストに以下の3枚を加えます。
《トーラックへの賛歌》
《陥没孔》
《High Tide》
参考:パウパーがペーパーにやって来る|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
うん、禁止されたのはフォールン・エンパイアでコモンとしてテーブルトップに収録されたものから3枚が選ばれているね。
逆に言うとこのリストに策略は追加されていないんだ!
4.策略自体の禁止
策略カードもまた解禁と同時に禁止されたことがあるカード群だ。
内容を明確にして混乱を避けるため、以下の13枚のカードがヴィンテージとレガシーの禁止リストに追加されることをお伝えします。
〈好都合な宣言〉
〈代替案〉
〈ブレイゴの好意〉
〈一石二鳥〉
〈即応行動〉
〈反復分析〉
〈ムッツィオの準備〉
〈権力行使〉
〈秘密の召喚〉
〈楽園の秘密〉
〈歩哨の出動〉
〈予想外の潜在力〉
〈世界編み〉
参考:策略禁止|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
ここではヴィンテージとレガシーと統率者戦でこれらのカードが禁止されることが書いてある。
レガシーで策略を使用できない理由がこれだ。
ここで注目したいのがPauperが指定されてないことである。
これは過去の決定なのでまだPauperは公式フォーマットでなく、
公式故に言及する必要もなかったというわけで漏れてしまっているのだ。
(あるいは先述のようにそもそも使用範囲外だから…ということもある)
5.総合ルール313.1案件
総合ルール313.1
策略・カードは、リミテッドのプレイ、特にコンスピラシー・ドラフト 変種ルール(rule 905 参照)下でのみ用いられる。策略・カードは、構築のプレイでは用いられない。
この条項を元に使用できないという判断もあるだろう。
しかし、僕は懐疑的である。
というのも、もしそれが理由ならばわざわざレガシーの禁止リストに策略カードを書く必要がないからだ。
つまり、レガシーの使用可能なカードを定義する
レガシー・フォーマットは一部の禁止カードを除き、これまでに発売された全てのカードセットが使用できる構築フォーマットです。
という指定が、総合ルール313.1より優先される…
されてしまうので、それよりさらに優先される部分である禁止定義で記入したのではないか?
以下のカードは、レガシー・フォーマットでは禁止されています。
「策略」のカード・タイプを持つ25種類のカード。
(略)
ここで改めて禁止していると考えるべきではないだろうか?
参考: レガシー
というわけで、現状パウパーではコモンの策略カードが使用可能である!
Q.E.D.(証明終了)
んなアホな。
常識的に考えて使えるはずがない。
何か見落としがあるはずだ。
実はここまで参考として提示してきた公式のルール文書の中に
ルール文書ではないものがある。
それは…この記事だ!
この記事は「パウパーは公式フォーマットになる」ということを告知するページである。
パウパーを公式フォーマットとして認定するに際し、以下の更新を行う予定です。
言い換えればこれ自体は公式ルールでない。
こういう公式ルールを実装するよ…という予告ではない。
つまり、策略について触れられているのは「告知漏れ」や「常識的にわかるだろうからあえて書かない」という判断から生まれたセキュリティホールのようなものであり、
今後正式で小難しくて長い条項が発表されたときに、
策略禁止も組み込まれるか、あるいは7月9日のGather更新で、
策略のレアリティが特殊なものに変更されるか…だと思う。
とうわけで現状の判断では
「公式フォーマット化したPauperでは策略は使えるかのようなルールが告知されている」
「恐らく正式に実装されるときに排除される」
ということになるんじゃないかな。
ルールを守って楽しくデュエル!
この記事を読んで公認大会やグランプリ用に《ブレイゴの好意》を買い込んだりして損害を受けても、僕は一切関知しないし責任もとらないので策略の購入は自分の判断で!
というわけで楽しい公式Pauper(仮)を楽しんでね!