バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【映画感想】ドラゴンクエスト ユア・ストーリーと雷雨

さて、これは僕の物語だ。


なんだか意味深な書き出しで初めて見たわけだけど、
ドラクエの映画を見てきたよ」っていう日記だ。

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本当は昨日、見てすぐ書きたかったけど、

スマホの電源は切れそうだし、家に帰ったら雷雨の影響で停電してた。

なので今日やっと感想記事を書いている。

 

とりあえず今回の記事ではユアストーリーの悪いところとか気にいらなかったところは脇に置いて、それらに怒りを表すことはしない。

 

あれを見たドラクエVのファンが「カレーを食いに行ったらウンコ喰わされたんだけど?」と怒るのは至極当然だけど、僕はもう完全に後乗りしているので事情が違う。

 

例のラストへのネタバレを踏んだ上で怖いものみたさで劇場に行ってきたのだ。
「あの店、ウンコ出すらしいぜ?」って言われて確かめに行っている以上、
ウンコ出されたことに怒るのは筋違いだと思うんだ。

 

そういうわけで今回は単なる日記であり、僕の物語だ。

 

さて、まずなんでドラクエ映画を見に行こうと思ったのかと言うと、
元々最初は見に行く気だったんですよ、ドラクエ映画。

 

他の映画(天気の子やジオウOQ)を見に行った時に冒頭の映画CMで流れるドラクエ映画が本当に良かった。映像美が凄いし、音楽も凄い。
是非ドラクエ映画は見ておきたいと思った。

 

そう思ったのがドラクエ映画公開日の…前日だった。

見たかったし、面白そうだったのにタイミングが悪い。

僕は2日連続で映画館に行くほど映画に入れ込んでいる人間ではないのだ。

 

というわけでニアミスからドラクエ映画は僕の中で「見たかったけどタイミングが合わなかったの後回しにする映画」になった。

この時はまだ、タイミングが合えば見に行こうと思えたんだ。この時は。

 

その後、TwitterのTLでユアストーリーの話題が荒れたのはきっとみんなご存じのとおり。

余りにも荒れたので何が炎上しているのかネタバレを調べて「うわあ…」と思い、

ドラクエ映画は「見に行くことはもうないだろう映画」になった。

 

でもあまりにも荒れが激しくなって来たので、逆に「おっ、これはネタ映画体験として見に行っておいたほうがいいかも」と思うようになった。
最低な観客である。

 

で、昨日。
一昨日は3時に寝て、昨日は6時前に起きてふらふらしたまま会社に行って、
寝ぼけまなこで午前の業務と会議を乗り越えて、心身共に疲れ切ってしまった。


このまま会社にいてもまともに仕事できない体調だったので早退して帰ることにした。
外はひどく蒸し暑かった。

でも家には家族がいる時間なので、会社早退は居心地わるいなあ、と思った。


だからどこかで時間を潰してから帰りたいと判断力が低下するなかで思ったので…

ドラクエの映画、見に行くか」と決めたわけだ。

 

 

さて、実際に映画を見ている最中に思ったのは「映像の出来が本当にいい」ってことだ。

これはお世辞とかでなくマジ。
ピクサーとかの映画とかなら多分「普通」なのかもしれないけど。
「日本映画ってこのレベルの質の高いCGできるんだ!!」とか。
「キャラデザの翻訳が凄く上手いな」とか。

映像は凄く良かったと思う。

 

 

 

で、問題のラストシーンが始まる。
まさかドラクエ映画未視聴でネタバレもまだ知らない人がこの記事を読んでいるとは思わないけど、
もしそういう人がいたらこれから致命的なネタバレがあるよ、と警告しておく。

 

 

警告はしたのでネタバレ部分に触れていくよ。

 


事前に聞いていた通り、ラストの「問題のシーン

 

世界全てが静止した中で、主人公だけが動ける。
ここは「ドラクエVのリメイクVR体感ゲームの世界」だったのだとウイルスから知らされるという驚きの展開が提示される。


音の力、音楽の力って凄いなっていうのをこのシーンで改めて感じる。
ドラクエの馴染み深い音楽が消えた「無音」がこんなにも不安を掻き立てるなんて…!

 

正直なところ、凄く興奮していたと思う。
ネタバレを踏んでから見に行けば不快感はなくなると思ったんだけど、
このシーンは後の展開のために凄く意図的に「不快」に作られているパートだった。

ネタバレを踏んでいてもこんなにも心がざわつくんだ。
「凄いものを見れたな」と思った。

 

そして現れるミルドラース(YS)!

 

ミルドラースのポジションを乗っ取ったウイルスプログラムを名乗る悪役が出てくる。

 

こいつのキャラデザに思ったことは2つ。
ミルドラースを乗っ取ったと言いつつキャラデザが全然ミルドラースじゃないのがすげえな…」っていうのが1つ目。

「最近の鳥山明っぽいデザインだな…」っていうのが2つ目。

 

明らかに「ドラクエには異質」な存在をそれでも世界の中に位置付けるために鳥山明風宇宙人っぽいデザインのキャラを使うって
よく考えたなあ…と感心する。

 

そして始まる「大人になれ説教パート」
正直な話、説教するキャラ自体が「製作者がそういってるから~」みたいなスタンスで話すので他人事感が強いのと
「単なる暇つぶしでこの世界は壊されるのだ」の圧倒的子供っぽさには「大人になれ」がブーメランでぶっ刺さりまくって笑いそうになる。

 

とはいえ。
とはいえだ。
流石にここで終わるほどドラクエ映画はクソではない。
そういう「大人になれ」の説教をするミルドラース(YS)を主人公が倒してその主張を否定して終わる…というところまでもうネタバレで読んである。

 

ただ気になるのはロジックだ。
一体どんなロジックでリュカの中の人はミルドラースに反論するのか?
その辺りのロジックが僕のTLには流れてこなかった。
「大人になれだんていう脚本はクソ!」派も
「大人になれはそのあと主人公が否定するから」派も見たけど
どう否定するかは見かけなかった。

 

「お前にも、お前を作った者にもわからないだろうな!」

来た! 反論パートだ!
その時である…!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

画面が暗転し、ぶちっと切れたような音がして無音になった。


何が起きたのか分からなかった。
無音の中で隣の部屋なのか外の音なのかわからないゴゴゴゴっという音が響く。
訳が分からない。
ただ、薄暗い部屋に緑の非常口ランプがついているだけだった。

どれくらいそのまま待っていただろう?
時計もなくスマホは電源を切って鞄の中、正確な時間は全く分からない。
10分くらいな気もするし、実際にはもっと短かったかもしれない。

 

何が起きているのかわからない。
演出でまさかそこまでするのか?
そんなわけがない。
正直言ってパニックだった。
パニックと言う言葉を使うと大騒ぎをイメージするかもしれないが、
頭が混乱して身動きが取れなくなるパニックというものもあるんだ。

劇場内の他の観客(5人)も静かだった。

それから笑いがこみあげてきてニャニヤしてしまった。

 

ああ、凄いな。これは映画で感じた以上のメタだ。
結局、「この世界がゲームなのだ」という展開をネタバレされることで
僕は「突然メタ的な要素でぶち壊しになる」ことを受け入れられた。
しかし、更にその一つ上のレイヤーから「これは映画だぞ」という分かり切っているはずだったことを突き付けられ、

冷や水を浴びさせて現実に戻るような体験をしたことで、
逆に直前まで自分が映画にのめり込んでいたことに気づくことになったんだ。

 

映画館のスタッフが入ってきて『落雷による停電』だと伝えられ、
しばらくそのままお待ちくださいという指示に従う。

待っている間、薄暗闇の劇場で予想外の状況を楽しむ僕がいた。

『「これはゲームだ」という映画』を見ている僕の世界もまた別の何かなんじゃないか?という妄想が頭をよぎる。

 

突然ミルドラースYSが世界の動きを止めたように…
突然スクリーンが暗転し闇が覆ったように…
突然なにかが自分の世界を止めてしまうんじゃないかという漠然とした不安。


薄暗い部屋が静まり返り外から雷鳴が聞こえる中でそんなことを考えていると、
先ほどの係員とは違う別の人が入ってきて明かりをつけ、
謝罪と「止まったところから2分巻き戻して再開します」というアナウンスが入る。

 

明かりが落ちて再開…するのだが、
それは先ほど見た場面でなく少し先…
恐らく係りの人が「止まった」と思ったタイミングと実際に僕らの見てる映像が止まったタイミングがずれていたのだろう、映像は2分前どころか少し先から始まり、


突然スライムが山寺宏一のイケボで「自分は監視プログラムでワクチンを作ったぞ!これで君の冒険をやりとげろー!」みたいなことを言い出し、
剣神ドラゴンクエスト(専用の剣型コントローラーをテレビの前で振って遊ぶドラクエの古いゲームだ)を思わせる剣でトドメの一撃をリュカ…いや主人公のゲーマーが振るいミルドラースYSを倒す。

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剣神ドラゴンクエスト


そしてゲームと認識したままリュカゲーマーはエンディングを迎える。

あれ?
大人になれへのカウンター部分は?
大人になれに対するカウンター部分、よりにもよって落雷でスキップされてない???

 

結局、僕はもやもやしたまま映画館を出ることになる。
(そして、正直に言えば『よっしゃー、ブログに書くのに美味しい体験ができたぜ』と思っていた)


さて、あのミルドラースYSは何だったんだろう?

 

家に帰ってご飯を食べていたら落雷で自宅も停電した。
充電切れ間近の携帯は充電できなくなり、連絡用に残しておく必要が出たし
パソコンも使えない。つまりブログを書くことができない。

 

部屋の明かりも落ち、近隣の家が復旧してもウチは戻らない。
電力会社の方を呼び暗い部屋で待つことになりすることもなく、ただただ真っ暗な部屋にいる。


映画館で見たものを思い返し反芻する。

奴はなんだったんだろう?

そしてひとつの解釈に気づいた。

ミルドラース(YS)とは 「ついかキャラクター 1」なのではないか?

 

さて、改めて状況を整理しよう。
ラストシーンでミルドラースの復活を阻止して終わりにはならず、ゲマがミルドラースを復活させる。
ところが出てきたのはミルドラースでなく、そのポジションを乗っ取ったコンピュータウイルス。


ウイルスであるミルドラースYSは世界を停止させる。

ウイルスは世界のテクスチャを解除し景色は漂白され、重力も適用されなくなり世界法則を壊していく。
それに対して監視プログラムである「スラりん」が作った「『剣神ドラゴンクエスト』を思わせる剣」でズバッとプレイヤーがミルドラースYSに切りかかることで
ミルドラースYSは倒される。


まるでショーみたいだ(映画だからな)

 

主人公がミルドラースYSによって「ゲーム外の記憶」を取り戻し回想する短い現実シーン。

その中で示される「VR体験ゲームであるドラクエV」の機能説明。

スタッフの「このゲームは自動で新しいプログラムを組むんですよ」という説明が入り、
実際に主人公は意図せずに新しいプログラム「じこあんじ」を作成し、
ビアンカ好きの自分がフローラを選ぶように自己暗示をかける。

「は?」って言いたくなるシーンだが、そこをぐっと堪えてこのシーンを読み解いてみよう。

 

ここで説明された「ドラクエVRは勝手に自動で新しいプログラムを組む」ことと直後に挿入される「ついかキャラクター1」という謎の表記。

 

つまりミルドラースYSとは無意識にプレイヤーである彼が「VR体験ドラゴンクエスト」に追加したキャラなのではないか?

 

「大人になれ」と言いつつ下らないウイルステロを暇つぶしに行う天才プログラマーなんて奴は最初からいなくて、
ただただ「周りから、社会から、大人にならずにゲームに心を捕らわれている」と言われるコンプレックスから無意識に彼が生み出した追加キャラこそがミルドラースYSなのではないか?

 

なぜ監視プログラムの「スラりん」が作ったご都合ワクチンプログラムは剣神ドラゴンクエストのような見た目で、スラりんではなく主人公であるサトウタケル(仮名)が振るうのか?

 

そういうシナリオのVRゲームだからだ。

 

「自動で新しいプログラムを無意識に組んでしまう」という謎にハイテクで一見必要のない挙動の紹介は、
単に「じこあんじ」だけにかかる話でなく、ミルドラースYSが「ウイルスだという設定のゲームキャラ」として追加されたことを指しているのではないか?

 

主人公がカタルシスを得るために生成されたストレッサーである追加キャラ。
変な矛盾する言説となんだかぼんやりとした「創造者がそう言うから」みたいな曖昧な話をするのも、「悪意ある創造者」なんていうのがそもそも実在しないからなんじゃないか?

 

主人公はこのバーチャル体験ゲーム以前にもドラクエを遊んできた現実の人間だ。
もしかしたら彼は「剣神ドラゴンクエスト」を遊んだことがあるのかもしれない。

 

「自分」が直接剣を振るい、「大人になれ」と言ってくる存在を倒す。
そういうラストを彼自身が演出したのではないか?

 

そして自分自身が手に持って振るう剣としてイメージするものとして
実際に剣型コントローラを振るう「剣神ドラゴンクエスト」の剣コントローラーはふさわしいものではないだろうか?

これが「ワクチンプログラムの剣」がドラクエVに登場しないロトの剣だったことの理由だと僕は解釈した。


つまり本来の「VR体感ゲーム ドラクエV」はミルドラースは存在せず、
ミルドラースの封印を持って大団円になるのが基本シナリオであり、
それに主人公がオプションとして付け足したのが「あのラスト」なんじゃないだろうか?


ユアストーリーのラストを「素人の作る『ぼくがかんがえた驚愕のラスト』だ」と非難する人がいたりする。

 

しかし、実際にはプロの書いたシナリオである。何か意図が、強い意図があるかもしれない。

もしかしてそれは本当に「素人である主人公くんが付け加えたラスト」としてプロの脚本家が書いたものだったら?


さて、最初に言った通り。
これは僕の物語で、僕が映画を見た日の単なる日記だ。


「これが真実!」「世間のドラクエ批難は間違い!」とかそういう主張はないし、
同じようにあなたたちが映画館に行っても嘘みたいだと思うような停電に巻き込まれることはないだろう。

 

だから、あの薄暗い非常口の緑だけが照らす暗い劇場や、停電した真っ暗な自宅での振り返りもまた僕だけのものだ。

でも、この閃き、解釈は僕の中ではパズルが解けた時のようにすっきりとした感覚をくれた。

監督が「なんだこいつ…そんな話を私は書いてないぞ…キモっ…大人になれよ」と言って僕を肯定してくれなくてもいい。

 

だって、僕が実際に体験した出来事であり、これが「僕自身のドラクエV映画体験」だったからだ。
その事実は誰にも覆すことができない。

 

世界が静止してテクスチャが離れる、その時までは。

あるいはあの映画を見たことで「仮にそんなことが起こったとして、自分の人生は意味のないものだったか?」を問われようなことが起こったとして
「それでもあの世界は現実だった」とこの世界を振り返る時に役に立つかもしれない。


いや、やくそうでもキメてらっしゃる?

 

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