第1話 ルール説明パート リンク↓
第1話はチュートリアルなので ドラフトについて知っている場合は読み飛ばし可。
前回までのあらすじ
パックを開けて即席デッキを作り戦うルール、ドラフト。
「達人のようにドラフトせよ!」がテーマのパックからデッキを組み上げる。
果たしてドラフト初心者ミドリはTYPE/Zeroの猛者たちに勝てるのか!?
超次元MTG対戦TYPE/Zero あいこにっく
第2話
「負けられない戦い」
「それじゃあ対戦組み合わせを発表するねー」
「私の一戦目は…と」
「わたくしですわ!」
「おっ、あんたか」
「Type0四天王の力…見せてもらおうか!」
ミドリ 第一試合!
VS 長田クロミ
「先手後手はコイントスでいいかしら?」
「じゃあ表を選択…」
くるくる…
「裏、ですわね」
「それじゃあ先手はあんたからだな」
「では、こちらから行きますわ…!」
決闘…!
「私のターン」
「《沼》から《ただれたイモリ》を召喚し、ターンを終了」
(あのイモリは取るカードを選ぶ時に見かけたな…)
(効果文章によると《泥沼煎じの魔女》とコンボするらしいけど)
(肝心の《泥沼煎じの魔女》のカードを見かけないから取らなかったんだよな…)
(逆に考えて、イモリの入ったデッキを組んでるってことは…)
(確実に《泥沼煎じの魔女》も入っている…!)
(魔女がどんなカードかはわかんねーけど、組み合わされると厄介だな…)
「ドローして、こっちは緑の基本土地《森》を出してターンエンドだ」
「このゲームスピードの遅さにちょっと感動してるよ」
「マジック:ザ・ギャザリングしてるって感じがする」
「アイコニック・マスターズは特に『マジックらしい』パックですからね」
「それじゃあ私のターン。ドローして…《イモリ》で攻撃」
「1点のダメージを受けてもらいます」
「このターンも《沼》をさらに1枚増やしてターンエンド」
「ドロー、《森》を置いてエンド…」
(こっちはまだ何も出せないな、重いクリーチャーを入れすぎたか?)
「ドロー、再び《イモリ》で攻撃し3枚目の《沼》を追加しエンド」
「よし、3ターン目。 やっと私もクリーチャーを出せる」
「《森》を置いて3マナ…《木彫りの女人像》を召喚してエンドだ」
「こいつは防衛に専念しているから攻撃には参加できない」
「その分、高いタフネスを持つクリーチャーだ」
「これでイモリの攻撃は牽制できるな…」
「確かにイモリで攻撃しては一方的に倒されてしまいますわね…」
「ですがここで、私の切り札をお見せします!」
「深淵より出でし悪魔の力、とくとご覧あれ!」
「《沼》タップして黒の4マナを生み…」
「《深淵の迫害者》を召喚!」
「4マナで6点のパワー/タフネスと飛行を持つデーモン!?」
「飛行しているクリーチャーの攻撃は地を這う私のクリーチャーでは止めることができない…ッ!」
「ミドリさんは名前の通り森を使った緑デッキ…!」
「MTGに緑のクリーチャー数あれど、飛行している緑単色のクリーチャーは ほぼ存在しない!」
「くそっ…イモリによって削られた分が…残りライフは18点」
「パワー6のデーモンの攻撃を受け続けたら後3ターンで負けちまう」
「あっ、ごめんなさい。そうはならなくてよ」
「えっ?」
「迫害者の効果テキストを読んでくださいまし」
「えーっと何々…」
あなたはこのゲームに勝利できず、
対戦相手はこのゲームに敗北できない。
「???」
「えっと、こいつが場にいると私は負けない?」
「はい」
「例えばこのまま行くと3ターン後に私のライフは0になるよな?」
「はい」
「そうするとどうなる?」
「ライフ0になったミドリさんが敗北しそうになりますが、《深淵の迫害者》がそれを認めないのでゲームが続きます」
「もし次のターンも迫害者の攻撃を通したら?」
「迫害者は死体蹴りが好きなので、ミドリさんのライフがマイナス6になります。」
「ライフ0以下になったミドリさんはやはり敗北しそうになりますが、《迫害者》がそれを認めないのでゲームが続きます」
「……」
「……」
「じゃあドローして私もエンド…」
~3ターン後~
「ライフが0になったな」
「なりましたわね」
「このままだと、どうなる?」
「《迫害者》の効果は場に出ている間のみ有効ですから、《迫害者》をどかせば私の勝ち」
「もし残ったままターンが過ぎて私がデッキのカードを引き切ったら山札切れ(ライブラリアウト)で私の負けですわね」
「《女人像》の効果でドローしたから、先にデッキ無くなるの私の方じゃないか?」
「《迫害者》はデッキ切れでの負けも認めませんの…」
「……」
「……」
「なんか違うゲーム始まったんだけど!!!」
「誰だよ、普通のマジックのセットとか言ったやつ!!」
「『コストに比べて破格の性能と引き換えに大きなデメリットを持つ悪魔』は黒の象徴的(アイコニック)なカードですわ?」
「あまりにもデメリットがデカすぎない?」
「ですが、私のデッキは黒」
「黒デッキにとって、クリーチャーの破壊はお手の物。このデッキなら容易に自爆できると思いませんこと?」
「最初にカード取るときに見たけど、このセットにある確定除去って《破滅の刃》だよな?」
「うっ…」
「そのデーモンの色は?」
「黒ですわね」
「つまり長田さんは自分でそのデーモンをどかせないんじゃ…」
「そ、それはまだわかりませんわね…」
(実際、このデッキには自分で《迫害者》をどかせるカードが1枚しかない…)
(本来なら《忌呪の発動》あたりを拾って、自分自身に向けて撃つことで 《迫害者》をどかすつもりでしたのに)
(何故か最後まで《忌呪の発動》が回っているのを見かけなかった)
(《忌呪の発動》のレアリティはコモン。最も多くパックから出るレアリティ)
(となれば誰かがかき集めているはず。)
(大方、ドラゴン・ボーナスを目当てに、このパックの定石のひとつ【赤黒ドラゴン】デッキを組んだ誰かに持っていかれたのでしょう)
(予定は狂いましたが、それでも《迫害者》を能動的に処理できるカードは1つ取れています)
(加えて、その処理カードの専用サーチカードまで集められれました)
(小粒なクリーチャーなら《破滅の刃》や《迫害者》のブロックで止められる)
(それを乗り越えるような緑特有のファッティならむしろ《迫害者》で止めて自爆させればいい)
*ファッティ … パワー/タフネスの高い大型クリーチャー
(一見、勝てないように見えて 完全に勝ちましたわ!)
「やばいな…」
「この手札じゃ何もできない…」
敗北しないという強烈なテキストと裏腹に絶体絶命のピンチに陥ったミドリ。
果たしてこのままデーモンのサンドバックになってしまうのか!
次回、TYP/Zeroあいこにっく
第3話「三位一体!魔女とイモリと大釜(カルドロン)」