マジックについての記事は今まで何度かブログで扱ってきた。
でも それらの記事は「マジックの基本は知っている人」に向けた見落としがちなルールの解説とかだった。
そこで今回は初心に帰って、マジック:ザ・ギャザリングを振り返ろう。
まずは総合ルール文書の1枚目を…えっ? 何?
ルールブックに書いてあることが難しすぎる?
うん。マジックのルールは非常に細やかなブロックの積み上げでできている。
法律文書とかを読んで「隙がない素晴らしい条文です!」とか言いそうなマジックのキャラもいないではないが、少数派だ。
きっとマジックのプレイヤーそしてプレイヤー候補として読んでくれているあなたも、
そんな細かい文章を読みに来たわけじゃないだろう。
というわけで、この記事では割とざっくりとフレーバーを重視して進めていくことにする。
それじゃあ、準備はいいかい?
マジックってどんなゲーム?
マジック:ザ・ギャザリングの基本の設定はこうだ。
君たちプレイヤーは異世界転移ができる魔法使いだ。
そんな魔法使いが集まって力比べの呪文合戦をするゲームだ。
何を競うゲームなの?
このゲームではプレイヤーはゲームの初めにライフ(生命点)を20点得る。
先に相手のライフを0以下にした魔法使いが勝者だ!
どうやってライフを減らすの?
1つ目に効果で減らす方法。
たとえば《溶岩の撃ち込み》という呪文を見てみよう。
プレイヤーにダメージ(損傷)が与えられると、その点数分のライフ(生命点)が失われる。
20点のライフは溶岩の撃ち込みによって17点になる。
このように、ダメージを与えたりライフを失わせる効果でライフを減らすことができる。
そもそもどうやって呪文を唱えるのかって?
そういう話はまた今度ゆっくりやろう。
ルールを説明する時に「スタートから説明する方法」と「ゴールから説明する方法」がある。
このシリーズ「マジック、基本のキ」ではゴール…すなわちライフを減らして勝つ!という部分から説明をしていく。
もし「スタートから説明を聞く」方が向いている場合、
公式の簡易ルール解説やルールブックは大体は初めから説明をしている。
そちらを参考にしてほしい。
さて、「《溶岩の撃ち込み》を7回撃てばゲームに勝てる!」(3点×7=21点!)というのは1つの考え方だが、ライフを減らす方法はもう1つある。
それはクリーチャー(生き物)で攻撃することだ!
君が召喚魔法で呼び寄せた魔物や原住生物。
あるいは協力的な人型種族。
彼らに相手の魔法使いを攻撃してもらうことでもダメージ(損傷)を与えることができる。
そこで「マジック、基本のキ」シリーズ記事では、
クリーチャーカードと戦闘の基本ルールについて説明しよう。
まずはクリーチャーカードの一例として《ケンタウルスの狩猟者》を見てみよう。
注目するのは右下の2つの数字だ。
左の数字が「パワー」で、右の数字が「タフネス」だ。
クリーチャー(生物)が相手に攻撃することで左のパワーの分だけ相手にダメージを与える。
真ん中に大きく長々と書いてある文章は「フレーバーテキスト」と言ってこの召喚呪文にまつわる物語とかが記される。
(ゲーム上の意味はない。人間を食べるとフレーバーテキストに書いてあっても相手プレイヤーを食べたりできない)
ただし、こんなにしっかり「物語」が書かれたクリーチャーカードは稀だ。
多くのクリーチャー(生物)はここにゲーム中に意味のある効果が書かれている。
効果の書かれたクリーチャーでも、余白がある場合には《ケンタウルスの狩猟者》同様にフレーバーテキストが書かれることがある。
右側のタフネスと言うのはパワー(力)に比べて聞きなれない英語かもしれない。
ただ「彼はタフな男だ」とか「タフガイ」なんて言葉は聞いたことがあるんじゃないかな?
あのタフの名詞形だ。
頑丈さ、丈夫さ…などと訳される。
クリーチャー(生物)のタフネス(頑丈さ)は言ってみれば、
そのクリーチャー(生物)の「最大HP」だ。
1ターンの間にタフネス(頑丈さ)以上のダメージ(損傷)を受けると、そのクリーチャーは死亡する。
面白いことに「死亡する」という言い回しは正式なルール用語なのである。
一部のカードには死亡した時に効果が発揮されるというのが効果として書かれている。
老いた女騎士が死亡して、孫の騎士を一回り強くする…!
こういう効果文章の言い回しの面白さや、効果から読み取れる物語もマジックの魅力のひとつだ。
マジック語で書かれた「ちいさな1ページの絵本」なんだ。
さて、ではいよいよマジックの戦闘システムについて触れよう。
マジックでは君が召喚したクリーチャー(生物)たちに戦闘を行ってもらう。
しかし戦闘システムが少し特殊で遊戯王やデュエルマスターズなど類似のカードゲームを知っているほど、逆に混乱するかもしれない。
ここでしっかり覚えておこう。
召喚酔いルール
一般的に召喚酔いと呼ばれるルールだ。
「クリーチャーは場に出したばかりのターンは攻撃できない」という解釈をしておけばおおむね問題ない。
実際にはもう少し難しいけれど。
召喚酔いについて詳しいルールが気になる人は下のリンクから召喚酔いの詳しいルールを解説するので読んで欲しい。
特に気にしない人は先へ進もう。
攻撃は「一斉攻撃」
攻撃を行う時、君の場に召喚酔いが解けたクリーチャー(生物)がいるとする。
遊戯王やデュエルマスターズでは1体ずつ攻撃を宣言するが、マジックではそうではなく一斉に攻撃する。
攻撃に参加させたいクリーチャーを選び、タップ(横向きに)する。
例えば3体のクリーチャー(生物)のうち2体で攻撃するなら…
攻撃しないクリーチャーはそのままにして、
攻撃するクリーチャーだけをタップ(横向きに)する。
もし相手が何もしなければそのままダメージ(損傷)の計算に入る。
クリーチャー(生物)のパワーの分だけ相手のライフ(生命点)が一気に減る。
例えば君がパワー3の《ケンタウルスの狩猟》と
パワー10の《ギガントサウルス》の2体で攻撃した場合、
相手のライフ(生命点)は一気に13点減る。
ライフの初期値は20点なのでこれは大打撃だ!
とはいえ相手が何もせずに見ていることは稀だ。
それでは次回、クリーチャーの攻撃で受けるダメージを抑える方法「ブロック」について教えよう。
今回はここまで…と終える前に、常盤木キーワード能力紹介のコーナー!
マジックのカードには「キーワード能力」と言って短い単語だけカードに書いて、
それがどのような効果なのかはルールブックに書く…という形式の効果がある。
その中でも、ほぼ毎回、どのパックにも収録されるような効果がある。
それらを一年中、葉が緑のまま落ちない樹にかけて常盤木キーワードと呼ぶ。
キーワード能力はたくさんある。
これらは何度も出てくる効果を同じ言葉でまとめることで、中級者が効果を理解する助けになる。
しかし、初心者にとっては逆に覚えることがたくさんあって大変かもしれない。
少しずつ覚えられるように、「マジック、基本のキ」では関連する常盤木キーワードを紹介するコーナーを設けたい。
今回のキーワードは「速攻」と「警戒」そして「防衛」だ。
「速攻」
場に出たターンは攻撃できない…という召喚酔いルールを無視して、すぐに攻撃ができる能力だ。
これについては途中で挙げた記事で扱っているので気になる人はそちらも参照してほしい。
改めてリンクを張っておく。
「警戒」
攻撃する時にクリーチャーをタップ(横向きに)する…というルールを無視する。
休むことなく戦う訓練をされた兵士や、油断せず常に気を張っている野生動物などが持つことが多い。
通常、タップして攻撃するか、タップして起動する効果は1ターンにどちらかしか行えない。
いわばRPGで「こうげき」か「とくぎ」かを選ぶようなものだ。
魂癒し人は1点の攻撃をするか、1点の回復を使うかのどちらかだ。
しかし、他のカードで警戒を持たせることで両方を行うことができるようになる!
また、次回紹介するルール「ブロック」を行うためにはアンタップ状態(縦向き)である必要がある。
「タップする必要がある攻撃」と「タップされていない状態でできるブロック」もまた、本来は両立できない。
だが警戒のキーワード能力を持つクリーチャー(生物)であれば、攻防一体の動きができるのだ。
「防衛」
これは持っていることで不利になる能力だ。
防衛を持つ場合、攻撃クリーチャーを指定するときに 選ぶことができず、攻撃に参加できない。
積極的には動かない植物の壁だったり、水槽から出られない人魚姫…そう言った自分からは動けないクリーチャーがこの能力を持たされる。
じゃあ、今度こそ本当におしまい。
次回、ブロックについての記事でお会いしましょう!