みんなこの週末は【エルドレインの王権】のプレリリースを楽しめたか?
自分は引きがめちゃくちゃ強くて、「あっ、これ優勝狙えるな…」っていうレベルの強いカード・プールだったよ。
なお、結果は1勝2敗でボロ負けだよ。
いやあ、強いカードを引くだけで勝てるほどシールド戦は甘くないね。
コンバットの練習頑張らないとな。
でも、まあ負けたけど最高に面白かったよ。
また機会があればその辺の話もするとして…。
今回はそんな【エルドレインの王権】のカードを使った新しいスタンダード・フォーマットのデッキを考えようっていう記事だ。
デッキを組む時にはまずレアの土地!っていうのは何度か、このブログで触れてきた。
強いデッキは必ずといっていいほど土地の配分が上手い。
だから私のデッキ記事では土地をいつも重視している。
さあ、まずはレアの土地をデッキに…
え? 土地にお金を使いたくない?
そんな! 今はとっても強力なレアの土地が豊富にある環境なんだよ。
よっぽどの理由がない限りそれらを使わずに強いデッキを組むなんてことはできないよ。
え? 土地が高い…?
そうなんだよね。
新スタンダードで使えるレアの土地サイクル「ショックランド」はモダン・フォーマットなどでも使われる。
だからとっても高いんだ。(1枚で野口超えたり越えなかったり)
そこで今回は土地の値段を抑えて組んでみよう。
幸いにも『エルドレインの王権』は多色セットが3つ続いた後の揺り戻しで単色を意識したカードが豊富にある。
ここは1つ全ての土地がコモンで済む単色デッキを組んでみよう!
1.まずは土地から
さて、ではいつも通り土地から組もう。
とはいえ今回の縛りにより選択肢は多くない。
それでも、コモンにだって特殊な土地があるんだ。
そう、エルドレインならね!
《お菓子の小屋》はシンプルながらも手堅い土地だ。
起動に2マナを要するとはいえ土地1枚がライフ3点を提供してくれる。
条件として森を3つコントロールしている必要があるけれど、
他の土地が全て《森》なら問題はないね。
4枚入れると立ち上がりの事故が怖いけど2枚引いてもそれほど悪くはないので、
投入枚数は3枚。
基本森は…そうだな、とりあえず20枚入れて23枚から始めようか。
2.アドベンチャーの時間
さて、緑単色デッキと言えば、1ターン目の森から《ラノワールのエルフ》を出して、
ビーストにまたがるエルフのせんし、《鉄葉のチャンピオン》へとつなげる動きが強力で…
え? どっちも『エルドレインの王権』の発売と同時にスタンダードから去ってしまうの…
緑と言えばマナレシオ(マナコストの重さに対するパワー/タフネスの比率)が良いクリーチャーが売りだ。
3マナ5/4という屈強なボディを持ったエルフのせんしの脱退はつらい。
エルドレインに似たようなマナレシオのカードはないものか…
《恋煩いの野獣》「オッス、お願いしまーす」
なんだ、このカード枠!?
クリーチャーの中にソーサリー呪文が埋め込まれているのか!?
これは『エルドレインの王権』で新しく登場したメカニズム「当事者カード」だ。
インスタントとソーサリーを抱き合わせて「分割カード」などは今までにも存在したけど
「当事者カード」はそれらとは違った働きをする。
知らない人のために解説するので「もう知ってるよ」って人も念のために読んで欲しい。
*当事者カード*
当事者カードは従来の分割カードと違い、「クリーチャーとソーサリー」あるいは「クリーチャーとインスタント」の抱き合わせになっている。
まず、分割カードとの一番の違いとして、唱えられていない時(手札や場や墓地などにある時)はクリーチャーとしてのみ扱う。
「インスタントとソーサリー」の分割カードは墓地のインスタントを手札に戻す効果で選べる。
しかし当事者カードは墓地のインスタントを手札に戻す効果で選ぶことはできない。
唱える時にはクリーチャーとして使うか出来事・呪文として使うかを宣言し、唱えている間は選んだ方の性質をもつ。
例えば出来事を《否認》で打消せるがクリーチャー側は《否認》では打消せず、
《本質の散乱》では出来事を打ち消すことが出来ず、クリーチャー側なら打ち消せる。
点数で見たマナコストは「合計」でなく、ほぼ常にクリーチャー側を用いる。
例外は出来事として唱えている最中だけだ。その時は出来事側のマナコストを使う。
例:《豆の木の巨人》は《軽蔑的な一撃》で打消せるが、出来事として唱えた時は3マナ扱いなので打ち消せない。
出来事ソーサリー(インスタント)の最も特徴的な挙動は唱えた後である。
そのカードを追放領域へ送り、「第二の手札」として使うことができる。
本当の手札ではないので「手札を捨てる」時に代わりに墓地に送ったりはできないが、
手札にあるかのように、クリーチャー側を唱えることができる。
つまり出来事は「クリーチャーで唱える」か「出来事で唱えてから、後でクリーチャー側も唱える」かを選らべる。
両方使えるなら常に出来事を使った方が得に見えるが、戦況によってはそうとも限らない。
どんな状況なら出来事を使い、どんな状況なら素出しするのか…それは対戦する中で経験して覚えていってほしい。
* * * *
というわけで、改めて《恋煩いの野獣》を見てみよう。
つまり「3マナで攻撃に条件のある5/5クリーチャー」として使うか、
「条件をクリアするためのトークンを出したうえで、5/5を出すか」を選べる。
めちゃくちゃ強くないか?
1ターン目に《森》から緑1マナで人間・トークンを出して、
3ターン目に追放領域から野獣貴族を呼び出すことができれば1枚で綺麗に完結する。
1枚で2度美味しいカードと言うわけだ。
そんな美味しいカードに加える過激なスパイスがこちら…!
《幸運のクローバー》
1枚で2度おいしいカードを3度おいしく頂こうというわがままアーティファクトだ。
(コピーの方はクリーチャーにならないので4度美味しいとは言わない程度にはわきまえている)
というわけで勝筋として提示するのがこちら。
《亜麻色の侵入者》
ゴルディロックスの物語は知っているかな?
3匹の熊さんの家を金髪の少女ゴルディロックスが荒らしまわる話だ。
「不法侵入ですよ、不法侵入!」
このカードはその童話をモチーフにしていて《おかえりなさい》の出来事・呪文では3匹の熊・トークンが出てくる。
これを《幸運のクローバー》で2倍に増やせば、熊トークン6匹がドバーッと出てくる。
あとは平成のバーランこと《超克》で強化して敵陣に乗り込めば勝ちっていう寸法よ
(バーランは平成のカードなんだよなあ…)
とはいえ《おかえりなさい》のような重い出来事をちんたら唱えられるのか?
それを実現させるのが《豆の木の巨人》の持つ出来事《肥沃な足跡》である。
これをクローバーで2倍にして土地をジャンプアップさせよう!
とはいえ、これらはクローバーが前提の動き。
なんとかしてクローバーを引き込むためのカードが欲しい。
そこで採用したいのが出来事持ちのクリーチャーをキャントリップ(カードを1枚引ける呪文)にする《エッジウォールの亭主》だ。
この気前のいい宿屋のおやっさんと出来事クリーチャーを合わせてカードを引き込む。
1/1というサイズも魅力的で《ショック》で恋人を焼かれて立ち尽くす野獣貴族に新しい恋をさせてくれる。
ウホッ良い男
とはいえそれだけでは心もとない。
このデッキにはもう1つのギミックを仕込みたい。
それがお菓子の小屋などが生む食物トークンを使う動きだ。
お菓子の家を探すヘンゼルとグレーテルの物語をモチーフにした《パンくずの道》がその中心となる。
復習しよう。
出来事を持つカードは山札ではクリーチャー側の性質を持つ。
つまりパーマネント・カードであるクリーチャーなんだ。
パンくずの道で出来事を持つクリーチャーカードを持ってくることは可能なんだ。
あわせて採用したいのが《知りたがりの二人》だ。
リミテ向けのコモンカードじゃないか!と思うかもしれないが、
食物を生む効果をクローバーで倍にしたり、エッジウォールの亭主からドローにつなぎつつ
速攻デッキの2/1などを足止めできる。
見た目以上に活躍できるぞ。
でも結局はコモンなので予算が溜まったら《金のガチョウ》とかに変えたいよね
食物シナジーを受けて切り札になるのが《貪るトロールの王》だ。
自分に対してデッキ破壊効果を撃ち込んで、
蘇生を利用して早出しするプランを軸にした【フード・ドレッジ】なんかで使われているクリーチャーだ。
このデッキではそのようなプランも組み合わせるのは単色では難しいので、
土地を伸ばして素出しして、除去耐性つきのフィニッシャーとして使うことになるだろう。
あと童話には付き物の悪い狼さん。
このデッキは相手の盤面のクリーチャーに触れる手段が皆無と言ってもいいので
少しぐらい除去をできるようにしよう。
後は適当にリミテ向けのコモン出来事で埋めて…しばらく回す。
《超克》がパンくずで探せないことに若干の苛立ちを覚える。
そこで見つけた(というか見落としてた)のが《オークヘイムのレインジャー》だ。
一見、緑白の多色カードに見えるが、このマナコストは混成マナシンボルと言って、緑と白の好きな方で支払える。
つまり緑クアドラプル・シンボルとして緑単でも使用可能。
そのうえ効果は「プチ・おかえりなさい」と「プチ・超克」なのでシナジーもばっちり。
カードリスト検索する時に緑単色だけを見てるとこうなりがちなので注意が必要だ。相性抜群なので4枚積もう。
それから超克を打ちたい盤面では大抵マナが溜まっていることから、
超克よりも重くていいからパンくずから探せるパーマネントで、
もっとパワフルなのが欲しいなあ~と思った。
おっ《終末の祟りの先陣》くんがいるじゃないか!
でもレアだしなあ…
正直、土地を低予算にするところから始めてレアを追加するのは…
いいよ、来いよ!
それからリミテ用だと思ってたのにいい感じの仕事してたので正式雇用することにしたのが《薔薇棘の見習い》だ。
このエルフは単なる色マナフィルターなので単色デッキでは無意味と思いきや、
クローバーがあると何故かマナが増えるし、出来事を持つので亭主のドローの種になったりと意外とかゆいところに手が届く。
採用しよう。
さあ、これで比較的安くスタンダードのデッキが完成だ!
そうそう【エルドレインの王権】のパックからは稀に同じカードでも絵柄違い(ショーケース枠)になることがある。
このデッキのカードは多くのカードに絵柄違いや、枠無しの拡張フレーム版が存在する。
もし、運よく手に入ればそちらの絵柄を試してみるのもいいだろう。
きっと凄く雰囲気あるデッキになると思うよ。
【緑単ラッキー・クローバー】
デッキレシピ
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土地 22枚
19 《森》
3 《お菓子の小屋》
置物 6枚
4 《幸運のクローバー》
2 《パンくずの道標》
クリーチャー 32枚
4 《エッジウォールの亭主》
4 《亜麻色の侵入者》
3 《知りたがりの二人》
4 《恋煩いの野獣》
4 《薔薇棘の見習い》
4 《オークヘイムのレインジャー》
2 《意地悪な狼》
4 《豆の木の巨人》
1 《貪るトロールの王》
2 《終末の祟りの先陣》
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