MTGアリーナでブロールを楽しんでいるかな?
ブロールは伝説のクリーチャーや伝説のプレインズウォーカーをリーダーにして、
60枚同名カード1枚縛りで作るテーマデッキで戦う対戦形式だ。
今回、話題にしたい統率者は《王冠泥棒、オーコ》!
このカードは非常に強力で、スタンダード形式の対戦でも大変な大活躍を残している。
トップ8のうち7人のデッキに彼が限界枚数の4枚までフル投入されていた…というニュースも耳に新しい。
当然、スタンダードのカードプールから選んでデッキを組むブロールでもきっと大活躍してくれるはずさ!
では彼のその凶悪な性能を一緒に見てみよう!
まずは1つ目の能力。
食物トークンを作る能力だ。
そのまま食べてもライフ3点が得られる上に、食べ物を作るとオーコのライフである忠誠度が+2点される。
つまり実質5点ライフを得られるのさ。
MTGアリーナのブロール対戦はライフ25点の1対1対戦なので、
実質的にこれだけでライフの20パーセントを回復できる強力なアビリティ(能力)だ。
だが使い方はそれだけじゃない。
最新パック「エルドレインの王権」にはコストとして食物を要求するカードがある。
そういったカードと組み合わせることで強みを発揮したり、ルール上はロボットや装備品と同じアーティファクト(魔道具)扱いなので、それらのタイプを参照するカードともかみ合う。
2つ目の能力。
クリーチャーかアーティファクトを1つ選んで大鹿に変えてしまう。
大鹿は3/3で特殊な能力は一切持たない。
これがもうハチャメチャに強い。
例えば相手の5/5飛行に対して使えば実質的に-2/-2して地上に引きずりおろすデバフ(弱体化)になり、味方の0/3に使えば+3/+0のバフ(強化)として機能する。
また、アーティファクトに対しても使用できるため、対戦相手の強力な神話的アイテムを単なる動物に貶めることもできるんだ。
一方で1つ目の能力で作った食物のような直接戦闘に参加できない自分のアーティファクトを戦闘員として頭数に入れられるようになる能力でもある。
しかし、それはスタンダードで彼が強い理由でしかない。
Brawl(ブロール)のオーコの「鹿に変える魔法」は非常に危険な能力だ。
この能力は彼の背景ストーリーでの役割を示している。
偉大なる王、アルジェナス・ケンリスというアーサー王をモチーフにしたキャラクターがいるのだがオーコが彼を魔法で鹿に変身させてしまったため、
王国の人たちは「王が行方不明になった!」と心を乱している。
女王リンデンがその地位を奪うためにケンリス王を殺したと噂するものまで現れ、
人心は荒廃した。
このエピソードを忠実に再現した「鹿に変える魔法」は統率者への強烈な妨害行動となる。
Brawlでは《殺害》などで破壊された統率者は墓地に送らずに再利用できるルールがある。
統率者は何度だって場を離れても戻ってこれるんだ(ただし、戻るたびにペナルティがある)
だがしかし、オーコは違う。
オーコは「鹿に変えてしまう」のだ。
場を離れていないため「再使用」することができないのだ。
鹿として場にある限り、デッキの中心となるカードが使えない。
これより恐ろしいことが他にあるだろうか?
たいてい、こういう文章は「ほかにあるだろうか?いやない」という反語表現だ。
でもすまない、今回は違う。
デッキの中心となるカードが使えないより恐ろしいことが他にあるだろうか?
あるのだ。
多くのプレインズウォーカー・カードは俗に「奥義」と呼ばれる強力な能力をもつ。
規定回数、ほかの能力を使ってからしか使えないという縛りこそあるものの盤面を大きく変えるものが多く、中には勝ったも同然の能力や、本当に対戦相手を敗北させるものまである。
ではオーコの奥義は何だろう?
コスト「忠誠度を5点消費する」
効果「自分のクリーチャーかアーティファクト1つと、相手のパワー3以下のクリーチャーを交換する」
ふむ。面白そうな効果に思える。
だが、その考えは甘い。
まず1つ目。圧倒的なコストの軽さ。
「忠誠度を5点消費する」というが、オーコを場に出したターンに食物をつくれば、
オーコの忠誠度は一瞬で6になる。
つまり「場に出した次のターンにはもう気軽に打てる」のだ。
次に効果。
「交換」なので一見カード枚数は変わらない取引だが、
こちらはさっき作った食べ物とかを渡すだけでいいのだから安いものだ。
では代わりに得られる「パワー3以下のクリーチャー」だが…
ブロールの統率者になれるクリーチャーはパワーが高いものだけではない。
むしろデッキの核になれるような強力な能力を持ったカードほど、
カードパワーを調整するためにパワーが3点くらいであることは少なくない。
特にブロールでは統率者の色は重要な要素となる。
3色の統率者を選べば3色の強力なカードを使うデッキが組めるので
3色統率者はなかなか人気だ。
ここで基本セット2020でブロールを見越して投下されたかのような
「3色で統率者に指定可能な5体の伝説のクリーチャー」のシリーズのパワーを見てみよう!
あっ…(察し)
これらはわかりやすく固まっているが他に単色デッキ向けの統率者などにも効果が強力なパワー3以下の統率者は多い…。
赤単デッキを組む原動力となるドワーフの族長も、
黒単デッキを推してくる黒エルフの女王も…パワーは3に及ばない…。
王国を率いる潔白なる女王 リンデン陛下…
青き知性の老魔導師、ガドウィックはどうだろうか?
やはりパワー3以下に収まってしまっている…。
不死身のはずの統率者が帰還しないで鹿に変えられるよりひどい状況があるだろうか?
ある。
統率者が寝返ってオーコの仲間になることだ。
邪悪な妖精オーコは君の相棒たる統率者を『忠犬』として手元に置いて、『ご主人様』と呼ばせることだろう。
背景ストーリーでは彼はそうして斧使いの大男 ガラクを操っていたが、
カードではそれは幸いにも再現できない。
ガラクのようにプレインズウォーカーである統率者を使うことをオーコ対策の1つとして強く検討するべきだ。
オーコはBrawl環境を定義する強力なカードだ。
しかし、彼は強すぎるわけではないと私は考えている。
というのもBrawlという遊びは多人数でバトルロワイアル形式の乱闘をする遊びだからだ。
Brawlという英語自体「乱闘」を意味している。
だからオーコという強力なカードを使うことは複数の敵が君を狙う口実になってしまう。
オーコは強力だが複数人を相手に大立ち回りをするには向かない。
結局、数の暴力の前にねじ伏せられるのがオチだ。
だが、しかしそうも言っていられない状況がやってきた。
今月末まで…および毎週水曜に行われるMTGアリーナのブロール・イベントだ!
このイベントは乱闘戦でなく1対1でのブロールの一騎打ちが行われる。
つまり、オーコを倒す側が結託して2対1となるような展開は存在しない。
私はオーコが最強の統率者だとは思わない。
だが、少なくとも…一騎打ちでは最良の選択肢のひとつだろう。
(あるいはそれは最凶最悪の統率者なのかもしれないが…)
では具体的に1対1ブロールというMTGアリーナにおけるブロールで組むべきオーコデッキはどうなるか…
今回はちょっと長くなりすぎたのでその話は また次回…
それまであなたがブロールを楽しく遊べますように…!
次↓
その他 ブロールとオーコの話
*2019/11/06追記
https://forums.mtgarena.com/forums/threads/61382
オーコ はMTGアリーナのブロール限定で禁止カードになりました!