MTGアリーナのブロール、そしてオーコについて
まず初めに言っておきたいことがあるんだけど僕はブロールというフォーマットは好きだということ、それからよく似たフォーマットであるEDHもまた魅力的だと思っている。そしてEDHやブロールを遊ぶ時の僕の基本スタンスは所謂 †真髄†側の人間なのだ。
(真髄という言葉がよく分からない方へ。『弱い上に統一性にも妥協のあるファンデッキ使い』くらいの自虐で言っていると思ってほしい)
正直、スタンダードでオーコを禁止する必要があるか?について満足に語れるほどスパイク(強くなるために自分を磨くプレイヤー)としての研鑽を積んでいない。
Brawlのオーコを禁止する必要があるか? についてはどうだろう?
「その必要はないかもしれない」と僕は言うだろう。
Brawlのオーコは決して弱い統率者ではないが、複数人を敵に回してまで相手を制圧できるほど強いとは思わない。
だがそれでもなお、こうして「お気持ち」記事を挙げてまで「なんとかしてほしい」とオーコに対して思うことがある。
ずばり、「MTGアリーナのブロール」についてだ。
運営側がMTGアリーナおよびBrawlに対するスタンスとして、表明しているキャッチコピーとして
『テーブルなどもはや不要だ』という広告カードの文言や
『「ブロールはウィザーズが支えるべきフォーマットである』というブロールの展望での発言がある。
ウィザーズ社はアリーナを推したいんだ。
そしてアリーナでもBrawlを楽しめるようにしている。
しかし、この2つの間で「小さなねじれ」が発生してしまっている。
テーブルでのブロールとMTGアリーナで遊べるブロールとの間にルールの差は一切ない。
だからWoC社がブロールを推しながらMTGアリーナも一緒に推すことも問題はない。
本当だろうか?
確かにアリーナで行うブロールはテーブルで行うものと変わりない。
しかし、大きな違いがひとつある。
アリーナのブロールは1対1なんだ。
ブロールは1対1でも遊べる多人数での乱闘ゲームである。
いわば任天堂のスマブラなのだ。
プレイヤーはアイテムを使い4人でがやがや遊んだり、終点でアイテムなしの一騎打ちをすることもできる。
だがテーブルで遊ぶ紙のブロールでその両方が楽しめるのに対して、
アリーナではどうか?
アイテムなし終点一騎打ちしか公式で扱っていないんだ。
『ブロールの展望』という公式記事の中で、公式のブロールに対するスタンスは「多人数戦」の方を重視すると表明している。
多人数戦と1対1で求められるものがぶつかる場合、多人数戦が優先されるだろう。ただし、常に多人数戦を第一に考えるわけではない――例えばある伝説のクリーチャーが多人数戦では問題ないものの1対1ではあまりに強すぎる場合、それを禁止するのが妥当だと判断される可能性が高い。多人数戦と1対1のどちらかが少しだけ悪くなる代わりにもう片方が大幅に改善されるなら、大幅に改善されることを優先する。それでも、ふたつのグループで求められるものがどうしても競合する場合、基本的には多人数戦を優先するという話だ。
その理由は? ブロールというフォーマットの存在意義のひとつが、「スタンダードのカードを使ってカジュアルにリラックスした気持ちで多人数戦を楽しめること」だからだ。
引用:ブロールの展望|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイトより
「テーブルよりもアリーナ」
「アリーナではブロールは1対1」
「ブロールでは1対1より多人数戦」
この3つのテーゼがトリレンマとなってしまっているんだ。
1対1と多人数戦で強さが異なるカードをブロールで禁止するかどうか?
その答えは「多人数戦の動きを重視する」という旨の発言もある。
それに従うならオーコは多人数ブロールでは禁止されるほどではないだろう。
しかし1対1ブロールではオーコの強さは深刻だ。
じゃあ1対1ブロールではオーコを禁止して、
多人数戦では使えるようにすればいいじゃないかと思うかもしれない。
ところがそう言った禁止は基本的にしないとウィザーズは宣言している。
ブロールにおいては、どこへ行っても「いつでもこのデッキで遊べる」という安心感を生み出すのがとても重要だ――(よほど1対1に特化したデッキでない限り)統率者戦がそうであるように。こういったフォーマットが盛り上がる理由の大部分は、その「安心感」にある。私たちは多人数戦と1対1を両方サポートするため、厳密に言えばふたつに分けられるが、多人数戦と1対1のどちらか用にデッキを組んでも、どちらでも遊ぶことができるのだ。
では具体的にどうするのか?
ひとつは禁止カード・リストの共有だ。私たちは、1対1のブロールでだけカードを禁止し、多人数戦では引き続き使えるという状況にはしたくない。
引用:ブロールの展望|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイトより
つまり、オーコを1対1のみで排除することは通常はありえない。
ブロールとアリーナとで目指すものに若干のねしれが入ってしまった。
それが現状の問題だ。
文句だけ言っていてもしかたがない。
そこで3つだ。3つの解決方法を提示したい。
解決法 その1
「テーブルへ回帰する」
ブロールをアリーナでなくテーブルでもっと楽しめるようにする。
例えばブロールの構築済みデッキの販売や…
なに? 既にその対応はしている?
いいや、していない。少なくとも日本国内では。
魅力的な多人数戦ブロール向きカードを収録したブロールデッキは英語版のみが存在し、日本語版は存在しない。
プレイヤーは日本語のカードでそれらを使いたければ1つ2500円する特別なパックを買い「運よく」引く必要がある。
英語なら2000円の構築済みに入ってるのに??
それらの日本語カードは値段が吊り上がり、テーブルでのブロールは日本国内で遊ぶハードルが高くなってしまっている。
英語版だけでなく、ブロールの構築済みデッキをもっと他の言語に広めることで、
テーブルへと回帰するんだ!
(これは個人的な「日本語版のアリーラ欲しい」という欲の表れでもある)
解決法 その2
「オーコはアリーナのブロールで禁止とする」
既にアリーナのBO1プレイでのみ《運命のきずな》を禁止した前例がある。
1対1と多人数戦で禁止基準を線引くのでなく、これまで通りテーブルではオーコを多人数でも1対1でも使えるようにしておく。
一方で「多人数ブロール」の選択肢が最初から存在しないMTGアリーナではオーコを排除する。
「同じデッキが相手の人数で使えたり使えなかったりする」という自体が起こすブロール細分化への懸念もこれで解決するだろう。
解決法 その3
「オーコを禁止する」
解決2との違いは?
オーコを徹底的に排除する点だ。
テーブル、アリーナ、1対1そして多人数戦ブロール。
その全てからオーコを徹底的に排除する。
改めてブロールの禁止基準に目を通そう。
ただし、常に多人数戦を第一に考えるわけではない――例えばある伝説のクリーチャーが多人数戦では問題ないものの1対1ではあまりに強すぎる場合、それを禁止するのが妥当だと判断される可能性が高い。多人数戦と1対1のどちらかが少しだけ悪くなる代わりにもう片方が大幅に改善されるなら、大幅に改善されることを優先する。それでも、ふたつのグループで求められるものがどうしても競合する場合、基本的には多人数戦を優先するという話だ。
引用:ブロールの展望|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイトより
オーコの禁止が上記で言う「大幅な改善」であるなら、多人数戦での「悪さをしていないオーコ」には悪いが涙を呑んで禁止されてもらおうというわけだ。
さて、しかしここで改めて問題点をはっきりさせたい。
解決2までの我々はそもそもオーコのあの魅惑的な話術に騙されているのではないか?
ここまで長々書いてきた中で一番のクリティカルなポイントはここだ。
『《王冠泥棒、オーコ》は1対1では問題だが、多人数戦で禁止するほどとは思えない』
本当に?
オーコの存在は「伝説のクリーチャー」か「伝説のプレインズウォーカ―」を統率者とするブロールにおいて「伝説のクリーチャー」側を採用するのをためらわせる要因になっている。
クリーチャーかプレインズウォーカーを選ぶ自由があるよ。
確かにクリーチャーはオーコに鹿にされる危険がつきまとうけど、危険な法を選ぶのは自由だ。
本当に自由なのかそれは?
我々はオーコに惑わされているんじゃないか?
多人数戦であってもオーコは非常に問題のある環境を歪ませたカードなのではないのか?
改めて問いかけたい。
本当に「多人数戦ブロールのオーコ」は無害なのか?と。
とはいえ真髄派の僕が何を言っても「それってお前が嫌いなカードを禁止したいってダダこねてるだけじゃないか?」と言われればそれまでだし、
なによりEDHの妖精さんたちと違って、僕には禁止改訂に関わる一切の権利がない。
だからこうしてネットの片隅でぼやくか…
頑張って英語に訳してウィザーズに送る方法を考えるかしかできないんだ。
僕は英語が苦手なのでこれを拙いながらも翻訳して英語にしようとしていますが、もし記事の内容に思うところがあり英語を書ける方がいましたら
ご自由に英語(およびその他の言語)に本記事を翻訳して下さってかまいません。
むしろできるという方がいればお願いしたいです。
*追記
結局拙いながら自分で書いて訳して送りました。
*11/06追記
👑+ 🦌= 🚫
— MTG Arena (@MTG_Arena) 2019年11月5日
Oko, Thief of Crowns is now banned in Brawl on #MTGArena. More details, right here: https://t.co/Mk1ojGZhTS
無事、解決法2のようにアリーナブロールでのオーコ 禁止となった。
*追記
ついに解決法その3が現実のものとなった。
多人数Brawlでもオーコは禁止された。
2019年11月18日 禁止制限告知|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
悪はついえた!