バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【今日のフォーマット第2回】神河ブロックパウパータイニーリーダーズ【#KBPTL】#MTG

豆猫さんの『今日のフォーマット』第2

【神河ブロックパウパータイニーリーダーズ


MTGには興味深いフォーマット(遊び方)がいくつもある。

そんなカジュアルフォーマットの深みを探る中でとても興味深い海外のフォーマットと出会った。

今回の『今日のフォーマット』では東洋の神秘を感じるこちらを紹介していこう。

 

その名もKBPTL…(Kamigawa Block Pauper Tiny Leaders)
神河ブロック パウパー タイニー リーダーズである!

めちゃくちゃ発音して心地いい響き。
声に出して読みたい日本語である。(神河の読みはカミワ。濁点に注意)


これは余りにも興味深いフォーマットだ。
成立過程が全く分からないように見えてなんとなくわかるような…。


こんな素敵なフォーマットを見たらデッキビルダーの血が騒ぐってものだ。

 

 

この名前は3つのフォーマットの複合で出来ている。
1つずつ確認していこう。

 

神河ブロック構築

 

ブロック構築はMTGのフォーマットの中では比較的よく知られたフォーマットだ。

現在はカジュアルフォーマットであるが、一時期は正式に大会も開かれていた。


MTGの背景ストーリーにおいて、世界には『次元』という複数の異世界があり、
プレインズウォーカ―(次元渡り)達はそれらの異世界を転移できる能力者たちだ。

 

昔のMTGはブロック制と言ってひとつの次元を舞台にするのにブースターパックを3セット使っていた。

物語の上中下のようなものであり、これが世界観を掘り下げる要素となっていたんだ。

 

例えばイニストラードブロック三部作を例に挙げると

 

第1セット 『イニストラード』


舞台となるゴシックホラー世界、イニストラードを紹介。
天使アヴァシンに守られていた人間勢力と吸血鬼や狼男といった闇の住人の戦いを示す。
天使アヴァシンは行方不明となり人間側が不利になる。

 

第2セット 『闇の隆盛』


アヴァシンの影響力が失われた人間はより一層不利になる。
追いつめられた人間勢力のピンチを示すように、新能力「不死」「窮地」といった用語も恐ろしい。
果たして人間たちの未来は…!?
(余談だが実際に闇の隆盛で遊ぶとむしろ白の人間が隆盛して黒が弱いとネタにされる流れがよくある)

 

第3セット 『アヴァシンの帰還』


ついに行方不明であったアヴァシンが復活!
彼女は大悪魔グリセルブランドと共に封印されていたのだ!
プレインズウォーカ―であるリリアナは自身の目的のためにグリセルブランドを復活させようと動いていたが、
グリセルブランドの封印が解けると同時にアヴァシンも封印から解放されたのだ!
世界はアヴァシンの光に照らされ新能力「奇跡」などが登場しハッピーエンドを迎える。


とまあこんな感じだ。


私たちは普段デッキを組むときに別のパックからカードを混ぜることができる。
これがプレインズウォーカ―として次元を超える力を示しているとフレーバーを解釈することもできる。

 

ブロック構築はいうなればその逆だ。
ひとつの世界をテーマにした3セットに絞りデッキを組む。
いわば現地民の気持ちになるデッキ作成法であり、完成するデッキも統一感が高くなる。

 

ブロック構築では舞台とする次元の名前を冠したりブロックの名前で呼ばれることになる。
例えばさきほどのストーリーに焦点を当てたものは「イニストラードブロック構築」と呼ばれるわけだ。

 

KBPTLKB(神河ブロック)は、次元『神河を舞台とする三部作をテーマにした構築と言うわけだ。

ちなみに当時はブロック構築は公式フォーマットだったため公認大会が何度も行われている。

 

さて、では舞台となる次元 神河とはいかなる世界か?
このブロックで新登場した能力や新クリーチャータイプの名前を示すのが何よりも手っ取り早いだろう。

 

「侍」

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武士道です!

 

「忍術」

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ニンジャの…ネズミ!

 

そう。
めっちゃ日本っぽいのだ。

 

それもかなり気合が入っている。
いわゆる「勘違い日本」よりもかなり「日本の民俗学」とかに切り込んでいて
Kami(神)はGodとは違い、身の回りにたくさんいる八百万のスピリットなんだね?という解釈は非常に日本民俗への理解が深く…

深すぎて一周回って、素人にはよくわからないことになっている。

 

また和訳する時に漢字の当て字をカード名に振るなどしているため、固有名詞も…夜露死苦(よろしく)みたいな感じになっているものがある。

《死者の嘆き、崩老卑》

ししゃのなげき、ほろび

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あまりにもマニアックな日本セットであったことから基本的に評判は真っ二つ。
コアなファンもいる一方で全体的なウケは悪く、今でもウィザーズには「忍術と武士道だけ別のパックでメカニズム再録しない?」というメールが届き続けているとかいないとか。

 

いわく『神河ブロックはウィザーズ社が市場調査を始めて以来、最悪の人気の無さを誇る』『神河ブロックには非常に熱心なファンが少数いる』

 

 

そんな神河の物語を紹介しよう。

 

神河の世界は大きく2つに分けられる。
人間たちの住む現し世(うつしよ)
神たちが住まう隠り世(かくりよ)

人間と言っても私たちの世界と同じような姿のものとは限らない。
狐人(きつねびと)鼠人(ねずみびと)という二本足で立つ獣の種族や、
大蛇人(おろちびと)と呼ばれる「二本足で立ち四本の腕を持つ鱗に覆われた人」がいる。
(それは蛇なのか???)

 

神河の空にあるという宮殿、朧宮(おぼろぐう)には空民(そらたみ)と呼ばれる真っ白な肌に白髪の種族が、天上人として住まうという。

(白人と言う意味でなく本当に陶器のように白い肌をしている)

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(月のウサギ伝説の擬人化であり、クリーチャータイプはムーンフォーク=月の種族)

 

 

「これは本当にマジック:ザ・ギャザリングなのか???」という独特の雰囲気は
確かに万人受けしなさそうであると同時に熱心なファンが付きそうである。
というか私は正直、とても気にいった。

 

 

第1セット『神河物語

 

神は人に恩恵を与え、人は神に感謝をささげる。
この世界のそんな日常が崩壊する。
神が人間に害を及ぼし始める『神の乱』が始まる。

永遠原(とわばら)にある永岩城(えいがんじょう)の大名、今田 剛司( こんだ たけし )率いる侍は神と戦う…!
悪忌(あっき)と呼ばれる小鬼や大峨(おおが)(おに)といった怪物も出てきて、騒乱の時代を迎えるのだ。


第2セット『神河謀反』

 

大名である今田は狂気に陥り、彼に対する恐れが広がり始めていた。
永岩城(えいがんじょう)の姫である魅知子(みちこ)もまた、この戦の真相を求め、彼の側を離れる。
人と神の戦いが激しさを増していく中、想像を絶するほどの強大な八ツ首の龍神が現れる!
その名を大口縄(おおかがち)、神河を端から貪らんとする「終わりの始まり」の象徴である。

 

ゲーム的には新システム『忍術』が実装され、JFW(ジャパニーズ・ファッキン・ウェポン)の愛称で知られる《梅澤の十手》などが収録される。

 

第3セット『神河救済

 

ついに明かされる人と神の戦争の真実。
大口縄(おおかがち)は失われた自身の力の一部を求めていたのだ。
そしてその力はなんと永岩城(えいがんじょう)にあった!
それをとりもどすために神は荒ぶっていたのだ。ついにそれを見つけた大口縄永岩城を目指す。
しかし、なぜ城に大口縄の一部があったのか?
それは20年前に今田 剛司( こんだ たけし )現し世(うつしよ)の安寧のために行った儀式が原因だった。
実は全ては、この儀式を教えた空民の策略であったのだ!
地上の者に神の怒りを買わせて地上を神の力で滅ぼし、天上にいる自分たちが神河を手中に収めるための…!

梅澤 俊郎(うめざわとしろう)(先述のJFW《梅澤の十手》の持ち主)は影を渡る力を使い、
城から大口縄の一部を盗み出し、大口縄はそれを追い進路を変える。


梅澤により引き合わされた魅知子(みちこ)大口縄の一部
大口縄から分かれ、20年を経るうちに大口縄の一部は自我を持つ存在となっていた。
いわば大口縄の娘である。

 

今田の娘大口縄の娘
2人の『娘』たちは争いを終わらせるために『親』たちを倒し、力を取り込む。

2つの世界の境界を司る力を手にした2人の娘たちは、これからは2人で協力して世界を調停していくことを誓い合う…。


…うおー!熱い展開じゃん!


この独特の世界観に病みつきになった者たちこそがKBPTLを始めたに違いない。

あらためてKBPTLの説明に戻ろう。
KBの部分が今話したストーリーを舞台にしたパックの三部作であり、
そこに登場するカードだけを使えるルール…というわけだ。

 


パウパー

KBPTLの
このブログでもスタンダードPauperという形で何度か紹介した。
コモンカード限定構築を表す。
レアカード禁止どころの縛りではない。
アンコモンすら使えない。
遊戯王で例えると「字レア」もダメみたいな感覚だ。


その分、普段は見向きもしないようなカードが一線級になったりして、
注目してなかったカードをまじまじと見るこ良い機会になる。
カードイラストなどを見るきっかけになり世界観の理解が深まる側面もある。
カードパワーが抑えられるため「は? なんだそれつっよ。ふざけんな」と言わなくなるように見えるが、
実際はコモンの中でもピンキリあるので「は? なんでそれがコモンなの?ふざけんな」と言い出すようになるとかならないとか。


タイニー リーダーズ

KBPTLのTL
タイニーとは小さいという意味であり、点数で見たマナコストが3以下のカードしか使えない統率者戦である。
もう一度言おう。

 

統率者戦である。

 

そう、ベースは統率者戦なのだ。統率者やその亜種ブロールについては何度か記事にしたことがあるね。
リーダーとなる統率者を指定して、統率者と同じ色のカードだけでデッキを組む!
このとき基本土地以外のすべてのカードは各1枚まで。
同名カードを2枚以上採用することはできない。


つまり世界観を味わえる芳醇な環境を煮詰めたカジュアルプレイヤーの楽園!
あの伝説のクリーチャーが統率者として仲間を率いて神河の地で雌雄を決する!

などと一瞬でも思ったわたしが愚かだった。

KBPTLは恐ろしい場所だった。

次回は実際に私と一緒にKBPTLのデッキを組みながら、
このフォーマットの深淵に沈もう!

 

KBPTL構築ルール

 

デッキはタイニーリーダーズをベースとする。

すなわち統率者を含む50枚のデッキであり、基本土地以外のカードはすべてが別々のカードである必要がある。(同名1枚制限)

神河物語・神河謀反・神河救済のいずれかに収録されたことのあるカードのみがデッキに入れられる。

統率者として神河物語・神河謀反・神河救済のいずれかに含まれるカードから『3マナ以下の伝説のクリーチャーのレアカード』もしくは『3マナ以下のクリーチャーのアンコモンカード』を1枚指定する。

タイニーリーダーズの構築制限に従い、デッキには選んだ統率者と異なる色のカードは入れられなくなる。

統率者以外の49枚はレアリティがコモンのものに限られる。

 

プレイルール

 

構築制限が特殊なタイニー・リーダーズであるため、

ひとたびゲームが始まれば各種ルール処理はタイニー・リーダーズに準拠する。

タイニーリーダーズルール(リンク先は英語)

 

KBPTLデッキ構築シリーズ

 

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今日のフォーマット・シリーズ

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