【 #MTG】脱出で唱えた呪文に精神壊しの罠を撃っても追放されない?【テーロス還魂記】
やあ、バーチャルVtuverの豆猫さんのMTG記事だよ。
新パック「テーロス還魂記」のカードやメカニズムが公式で紹介され始めたね。
今回注目したいのはEscapeというキーワード能力。
日本語訳は「脱出」だ。
墓地から場に出る能力が脱出というのは少し違和感のある名前かもしれないね。
死は労働をやめる理由にならない。
脱出というネーミングにはテーロスの世界設定が関わっている。
テーロスはギリシャ神話を元ネタにマジック:ザ・ギャザリング風のアレンジを加えた次元だ。
オルフェウスの神話はご存知かな?
マジックにもそれを描いたカードがある。
《死の国からの救出》
定命の者と呼ばれる人間やレオニン(猫人)たちは死ぬと『死者の国』へと送られる。
この『死者の国』から逃げ出し現世へと戻る能力であることから『脱出』と名付けられたのだろう。
さて、では未発売であるカードについて発売前に色々適当な考察を投げて、
当たっていたらドヤるタイプのいつもの企画記事をあげよう。
今回は「脱出で唱えた呪文を対象に《精神壊しの罠》を唱えた場合、その脱出カードはどこへ行くのか?」を考えて見よう!
急に何を言い出したのか? って感じだろう。
まずは順を追って理解してもらうために《精神壊しの罠》の挙動を見ていこう。
この呪文は何をするかと言うと解決前の呪文を追放領域へと送る。
(追放領域に送られた呪文は解決されない。)
つまり実質的に「打消し」と同じ効果が発揮されると言ってもいい。
違うのは、その呪文は墓地に行くことがないという点だ。
墓地で効果を発揮するカード(それこそ脱出を持つ《死の国の憤怒犬》のような!)に対して強いのと、「打消し」という言葉を使わないため「打ち消されない呪文」も消すことができる点で優秀な「疑似カウンター呪文」だ。
脱出呪文を手札から普通に唱えた時、それを《精神壊しの罠》で追放してやれば、それが脱出してくることはない。
《精神壊しの罠》は脱出呪文を無力化出来て凄いなー。
と話はここで終わらない。
もし対戦相手が墓地から《死の国の憤怒犬》を脱出コストで唱えたとして、
きみがそれを対象に《精神壊しの罠》で対象に取ったとしよう。
一体それがどうしたというんだろう?
さて、先に僕の予想から述べさせてもらうと…
恐らく《死の国の憤怒犬》は「墓地に送られる」ことになる。
「何言ってんだこいつ、《正気泥棒》にでも襲われたのか?」と思われるかもしれない。安心してほしい私は正気だ。
狂人はみんなそう言う
さて、ではなんでそんな回答が出てくるのだろう?
まずはこいつを読んでほしい。
脱出を持つインスタントやソーサリーが解決されると(あるいは打ち消されたりスタック上を離れたりすると)、それは再びオーナーの墓地に置かれます。
引用:『テーロス還魂記』のメカニズム|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
「スタック上を離れたりすると墓地に置かれる」
ここだけそのまま解釈すると《精神壊しの罠》でスタックから離そうとすると、脱出呪文は墓地に送られるように読める。
なぜこんなことになっているのだろう?
ここで類似の「墓地から呪文を唱えることができるキーワード能力」に注目したい。
フラッシュバックや再活などが該当する。
( )の中を読んで欲しい。
その後、追放するというテキストが書かれている。
こう言った唱えた後で追放する文章は「再利用してほしくないカード」に書かれていることが多い。
《時間への侵入》なんかはこの典型的な例だろう。
そのカード自身を追放する効果を持った呪文を打消すとどうなるだろう?
これらを追放するのは呪文の効果の一部なので、呪文自体を打ち消してしまえば追放されることはない。
ところが、フラッシュバックや再活を持つ呪文では少し異なる。
再活を持つ《薬術師の眼識》を打ち消したとする。
その時、《薬術師の眼識》はゲームから追放されるのだ。
一体、《時間への侵入》の時と何が違うんだろう?
これらの処理はカードに書かれていない。
カードに書かれていないのならどこに書かれているのだろう?
(遊戯王Wikiか?)
それらの処理は総合ルールに書かれているんだ。
MTGではテキストに短く「速攻」「飛行」などと書くだけで機能する効果がある。
これらはキーワード能力と呼ばれる。
キーワード能力は総合ルールにしっかりと効果を書いておくことでテキストに書く文章を省略できるという利点がある。
再活と書くだけで、総合ルールの再活に記された効果として機能するんだ!
では、再活のルールを読んでみよう。
総合ルール702.132a
再活は、一部のインスタントとソーサリーが持つ。
これは2つの常在型能力を表している。
1つはそのカードがプレイヤーの墓地にある間に作用し、もう1つはそのカードがスタック上にある間に作用する。
「再活/Jump-start」は、「あなたは、これを唱えるための追加コストとしてカード1枚を捨てることで、あなたの墓地からこのカードを唱えてもよい。」と「この呪文がこれの再活能力を使用して唱えられたなら、これがスタックを離れるときはいつでも、これを他の領域に置く代わりに 追放する。」を意味する。
(後略)
2つの常在型能力のうち後者の方に注目したい。
「この呪文がこれの再活能力を使用して唱えられたなら、これがスタックを離れるときはいつでも、これを他の領域に置く代わりに 追放する。」
そんなのカードテキストからはわかるわけないだろ!と思うが、わからなくていいのだ。
MTGは総合ルールさえ確認すればちゃんとテキストに書かれていない効果も処理できるのだ。
総合ルール万歳!!
さて、おそらくだが脱出も再活同様に
「脱出コストで墓地から唱えることができる」と「この呪文がこれの脱出能力を使用して唱えられたなら、これが戦場に出る以外でスタックを離れるときはいつでも、これを他の領域に置く代わりに墓地に置く。」という
2つの常在型能力を持っている総合ルールになるのではないだろうか?
テキストからは読み取れないけれど、脱出した呪文はこれにより《精神壊しの罠》で追放されない可能性が高い。
とはいえまだ未発売カード。
案外リリースされてから「別に普通に追放されますけど?」みたいなことになる可能性も0ではない。
果たしてどういう挙動になるのか?
リリースノートを待ちながら心の片隅にとどめておきたい。
【1/11追記】
リリースノートが公開された!
https://media.wizards.com/2019/downloads/THB_Release_Notes/JP_MTGTHB_FAQ_20191125.docx
さあ、答えあわせの時間だ!
あっはい。
普通に考えすぎでしたね。
(Matt Tabakめ、適当なこと書きやがって)
というわけで、
脱出で唱えた呪文に、精神壊しの罠を唱えるとどうなるか?
答え。特に変な動きはなく、普通に追放される。
総合ルール、万歳!
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