アンケートの結果、大絶滅恐竜タイムウォーズの布教記事怪文書を書くことになりました。
【2020/03/13追記】
2020年4月13日まで、この記事で紹介しているハヤカワの本の多くがkindle電子書籍半額キャンペーンのようです。
気になった作品を買うなら今がチャンスですよ!
【追記ココまで】
さて。
ここに1冊の 怪文書 文庫本がある。
タイトルは『大絶滅恐竜タイムウォーズ』という。
さて、この小説に関してちょっと気になるツイートがある。
草野原々さんの狂滅SF『大絶滅恐竜タイムウォーズ』見本が出ました。
— 溝口カ丸 (@marumizog) 2019年12月10日
平成最大の問題作『最後にして最初のアイドル』著者による、史上初の「前作読んでなくてもいい第2作」。とはいえ、何がぶち壊されるのかを知りたい方は『大進化どうぶつデスゲーム』からどうぞ。 pic.twitter.com/IVVppAhxfA
担当編集・溝口力丸氏によるこちらのツイートである。
なんと本作は「前作を読んでいなくてもいい第2作」であるというのだ。
それは本当だろうか?
僕の考えは違う。
確かに。
確かに溝口力丸氏は今年一番、私が信頼できるオタクだと思う。
しかし、盲目的に信奉するのでなく自分の考えが違うときには一歩立ち止まって考えて
必要があれば発信する必要がある。
僕はあなたに『大絶滅恐竜タイムウォーズ』を読む前に前作である『大進化どうぶつデスゲーム』を読んでほしい。
いや、これでは物足りない。
他にも読んでほしいものがたくさんある。
『大絶滅恐竜タイムウォーズ』を読む前に読むべきだと思う本は以下の通り。
『最後にして最初のアイドル』 ハヤカワ文庫JA、2018年1月
『これは学園ラブコメです。』 ガガガ文庫、2019年4月
『大進化どうぶつデスゲーム』 ハヤカワ文庫JA、2019年4月
『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』ハヤカワ文庫JA、2019年6月
『裏世界ピクニック──ふたりの怪異探検ファイル』 ハヤカワ文庫JA、2017年2月
『裏世界ピクニック 2 果ての浜辺のリゾートナイト』 ハヤカワ文庫JA、2017年10月
『裏世界ピクニック 3 ヤマノケハイ』 ハヤカワ文庫JA、2018年11月
『裏世界ピクニック 4 裏世界夜行』ハヤカワ文庫JA、2019年12月
繰り返しになるが単なる一般通過オタクの布教記事でステマではない。
他にも大量にあるけど「入手性」と「カジュアルさ」の面で推したいのはやはりこのリストに収斂される気がする。
さて、ここに挙げたリストをなぜ読んでほしいのか?
あるいは溝口氏の仰るように、なぜ読まなくてもいいのか?
それを説くためにオタク特有の実質○○構文を使わせてほしい。
大絶滅恐竜タイムウォーズは仮面ライダージオウである。
もうお分かりだろう?
仮面ライダージオウは前作の仮面ライダービルドを見なくても楽しめるように作られている。
だから作品を提供する側は言うだろう。
「この作品は前作を知らなくても楽しめます」と。
そして我々オタクは言うのだ。
「確かにそのとおりであり、とりあえずこれだけでも見てほしいんだけど…」
「やっぱり、平成ライダーシリーズを全部見てジオウを全力で味わってほしい」と!
さて、平成ライダーシリーズについて前提知識のように話してしまっているので
一旦クールダウンも兼ねて仮面ライダージオウについて説明しよう。
その中でも平成ライダーシリーズと呼ばれる一連の作品の最終作だ。
いわゆるニチアサと呼ばれる日曜朝の時間帯にやる子供向けの特撮番組。
その中でも平成の終わりという節目において作られた本作は、過去作を横断する記念碑的な作品である。
通常、仮面ライダーシリーズはそれぞれが独立した物語であり映画やコラボ回でゲスト出演することはあるとはいえ、それぞれ世界設定は異なるというのが通例だ。
(オタクは例外の指摘が大好きなのは知っているけどここは知らない人向けの簡易説明なので怒らず流してほしい)
しかし仮面ライダージオウでは過去作の仮面ライダーの要素がバンバン出てくる。
彼らはレジェンドと俗称され、大人の事情に応えられる範囲で当時のライダーの役者さんたちが出てくる。
当然、ジオウだけを見ている子供はそれだけで楽しめるが、それに加えて長年のファンはこのレジェンドたちの出演に沸き上がった。
さて。
話を大絶滅恐竜タイムウォーズに戻そう。
この作品はいわば「平成草野原々シリーズ」の記念作品だ。
数々のレジェンドたちが出演する。
この作品を理解するうえでレジェンドたちを知っているのと知らないのでは大きく異なるだろう。
かくゆう私も平成草野原々シリーズをすべて読んだわけではない。
単行本未収録作品は追い切れていないし、それらの要素もどうやら含まれているらしい。
素晴らしい、それらを読んだ後にまた読めるな。
平成草野原々シリーズからの客演ゲストの数々を知れば知るほど面白いだろう。
特に散々事前に登場を匂わされていたとはいえ、
まさか【読者への挑戦状】が出てくるとは思っていなかったので登場した時には最高に興奮したものだ。
言ってみれば劇場版ジオウに出てきた【佐藤健】みたいなものだ。
うわああ!すごいいい!最高!!
それだけじゃない。
ジオウといえばミライダーにも触れるべきだ。
仮面ライダージオウではこの先の未来に登場する仮面ライダーの客演という設定で出てくるライダーたちがいる。
大絶滅恐竜タイムウォーズにも「未だ存在しない草野原々作品」からの客演として「スーパードーピングバトル」という女の子たちが極限までドーピングしてスポーツで戦うという要素を引いてきたり『天気の親』という没作品から天気の親が出てくるなどファンサービスにあふれている。
なんで恐竜の話なのにスポーツとかって言葉が出てくるのか?
気になる人は帯をみるといいと思います。
とにもかくにも。
大絶滅恐竜タイムウォーズは平成草野原々シリーズの集大成。
総まとめである。
だからあなたは草野原々作品を読んで…
とここで文を閉じようとしてうっかり書き漏らすところだった。
改めてリストを確認しよう。
『最後にして最初のアイドル』
『これは学園ラブコメです。』
『大進化どうぶつデスゲーム』
『アステリズムに花束を 百合SFアンソロジー』
『裏世界ピクニック──ふたりの怪異探検ファイル』
『裏世界ピクニック 2 果ての浜辺のリゾートナイト』
『裏世界ピクニック 3 ヤマノケハイ』
『裏世界ピクニック 4 裏世界夜行』
> 宮 澤 伊 織 <
おわかりいただけただろうか?
半分くらい草野原々の作品じゃないんだな、これが。
まあ、ライダーにたまに○○レンジャーが出るようなものだと思って。
この真意を理解するためには、あなたはさらにひとつ読むべきものがある。
それは本ではない。
ネットに上がっている宮澤伊織先生と草野原々先生の対談記事だ。
百合が俺を人間にしてくれた【2】を読んであなたは大絶滅恐竜タイムウォーズのオリジンを知るだろう。
そしてStrong YuriとWeak Yuriについて知ればこの物語の解像度ははるかに高まる。
あなたは大絶滅恐竜タイムウォーズにWeak Yuri の最先端を見るはずだ。
だからこそ、知っておくべきは最先端のStrong Yuriなのだ。
比較することで両者の存在がより浮き彫りになる!!
おかしいな。
なんか特撮の話から転がって百合の話に転がってしまった。
このまま下手に放置すると草野先生と宮澤先生のカップリングの話をしかねなくて
ナマモノというのは本当にリスキーなジャンルなのでこの怪文書はそろそろ閉じよう。
最後に一つだけ言わせてほしい。
この怪文書なんて大絶滅恐竜タイムウォーズの怪文書さに比べたらはるかに教科書的なテキストだよ。
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