コロナ禍で不要不急のデュエルスペース利用ができない中、いかがお過ごしだろうか?
PCゲーム『MTGアリーナ』なら自宅にいながら世界のプレイヤーと楽しくマジックを遊ぶことができる。
新パック『イコリア:巨獣の棲処』も発売し、『ゴジラ』とのコラボカードも登場。
今、デジタルマジックがアツい!
そんなマジックアリーナでは現在ブロールのイベントがひっそりと行われているのをご存じだろうか?
ホーム画面に表示されないのであまり知られていないが、本来ならリソースを支払って参加する必要があるブロール対戦が無料開放されているのだ!
*通常、毎週水曜日にブロールの無料イベントがある。
この日以外はブロールでのマッチングは行われないようになっているが、
有料のブロールイベント「ブロール好きのためのギルド本拠地」に申し込むことで毎日ブロールを楽しむことができる。現在、この「水曜日→毎日」への変更費用が無料になっているのだ。
なら遊ばない手はないよね?
今回は『イコリア』環境でのブロールについて書いていこう!
イコリアでは多くの怪物が登場し、多数の伝説のクリーチャーサイクルが追加された。
また、ゴジラカードの一部は統率者として使うこともできる。
(個人的にはデストロイアを使いたかったけど、残念ながら非対応)
さて、イコリアのブロールでは統率者以外にも意識するべき伝説のクリーチャーがいる。
10匹の「相棒」サイクルだ!
これらのカードについてスタンダード戦のプレイヤー向けの紹介で
「スタンダード版の統率者だよ」という紹介をよく見る。
僕にとって「スタンダード版の統率者」というフレーズはブロールを指す言葉なので、
割と気になる表現ではあるけど、そんな些細なことに目くじらを立てていても仕方がない。
それよりも相棒を使うことを考えようじゃないか。
「スタンダード版の統率者戦」で「スタンダード版の統率者」を入れてプレイするのはすっごくエキサイティングだとは思わない?
本家の統率者戦には「共闘」という能力がある。
共闘は統率者を2人同時に使うことができるメカニズムだ。
共闘は非常に強力な能力で海外のガチ統率者戦で「Tier1」(環境上位デッキ)を超える環境最強デッキ「Tier0」(オーバーパワー)とまで呼ばれる【トラティム】も共闘統率者だ。
言ってみればブロールで相棒を得ることは共闘統率者を使うようなものだ!
(もちろん厳密には異なる点はいくつかある)
さあ、相棒を使う統率者デッキを組んでみよう!
10匹の相棒クリーチャーたちはデッキ構築に制限をかけることで、
デッキの外から突然現れることができる。
ブロールでのデッキ枚数は59枚+統率者として選んだ伝説のクリーチャーかプレインズウォーカ―1体。
(基本土地以外の同名カードを2枚以上使ってはいけない。)
あわせて60枚のカードでゲームをプレイすることになる。
それ以上の枚数にもそれ以下にもすることができない。…今まではね。
総合ルールが変更され、イコリアが環境に存在するブロールではデッキの61枚目として相棒を利用することができる。
一般的に「デッキ枚数は多いよりも少ない方が良い」とされている。
相棒の中には「デッキ構築制限のデメリット」として「デッキ枚数を多くすること」を指定しているカードまであるくらいだ。
しかし、それらが「デメリット」になるのはドローにおける確率の問題だ。
枚数の多いデッキは魅力的なレアカードをドローできる確率を下げてしまう。
だからデッキ枚数は多いよりも少ない方が良いと言われているんだ。
でもちょっと待って!
相棒が追加されるのはメインのデッキの中ではなく、ゲーム外のカードとして扱われる。
すなわち、相棒を入れてプレイすることはデッキ内のキーカードを引ける確率を下げるわけじゃないんだ。
それどころか「キーカードを引ける確率」という面では相棒カードには非常に強力なアドバンテージが秘められている。
なにせ相棒自身は毎ゲーム必ず初手に用意できる手札なんだから!
相棒は毎ゲーム必ず手に入るカードとして統率者同様に安定するし、統率者と噛みあうものであればなおの事よい!
特に魅力的なのは、この可愛らしいカワウソくんだね!
デッキの構築制限は「土地以外のカードはデッキに各1枚まで」
ブロールの構築制限は「カードはデッキに各1枚まで」
つまり一切のハンデを負うことなく採用できる!
《呪文追い、ルーツリー》は青赤のデッキなら入れない理由が一切ないね。
例えデッキに1枚もインスタントやソーサリーがなくたって瞬速で出てくる3/2は相手の攻撃への抑止力になる。
とはいえ、どうせならデッキと噛みあうものを使いたいよね?
例えば《嵐の伝道者、ラル》を使ってみよう。
統率者戦と違ってスタンダード環境のすべてのプレインズウォーカーを使えるのがブロールの特色であり、プレインズウォーカ―統率者はブロールの華だ!
…《王冠泥棒、オーコ》はブロール禁止カードだから使えないって?
あいつはスタンダードでも禁止だからノーカンだよ。
ラルとルーツリー、そして《風への放流》が揃えば無限コンボになるくらい相性がいい。まあ肝心の《風への放流》がスタン落ちしているのでブロールでは再現できないんだけど、無限以外にも利用法はいくらでもあるからね。
さあ、ラルとルーツリーでブロールのデッキを楽しも…
ブロール
- 《呪文追い、ルーツリー》禁止
2020年4月13日 禁止制限告知 マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
残念ながらルーツリーは発売前に禁止された。
(当たり前だよなあ…)
ルーツリーがブロールで強すぎることに気づいていないほど開発は無能だったわけではない。
開発部内でも「ブロールで禁止するのが目に見えているカードを作ること」自体に疑問があり、協議されたようだ。最終的に、統率者戦以外のフォーマットでハイランダーを作ることの楽しみはブロール禁止カードを作ることの懸念よりも優先されると結論付けたようだ。
可哀想なルーツリー…
でも相棒は他に9匹も残されている!
さっき紹介した奇妙な鳥・海蛇を思い出して!
《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒にするとデッキ枚数は増えてキーカードを引きづらくなる!
でも統率者とヨーリオンの2枚がキーとなるコンボを作れたら?
安定して動かせる強力なデッキになりそうだね?
…まあ、無理なんだけど。
改めてブロールの構築ルールを見ていこう。
デッキ枚数はメインデッキ59枚+統率者1枚(+望むなら相棒1体)
スタンダードと異なり「59枚以上」ではないんだ。
そのため、デッキ枚数超過を条件とするヨーリオンは相棒として使用することができない。
可哀想なヨーリオン…
でも相棒は他に8匹も残されている!
さあ、今度こそ相棒をデッキに加えよう!
どんな相棒ならいいんだろうか?
かわいらしいナイトアの猫ちゃんはいかが?
モダン、レガシー、ヴィンテージ。
幅広いフォーマットで使われるルールスはきっとブロールでも大活躍だろう!
さあ、《夢の巣のルールス》を相棒に使おうか!
ここでも相棒条件に注目してみよう。
ルールスを相棒にするためにはデッキ内のパーマネント・カードすべてのマナコストに気を配る必要がある。
パーマネント・カードというのは、「使い捨て」のカードであるインスタントやソーサリー以外全部のことを指す。
ルールスを使うなら3マナのソーサリーは使えても3マナのクリーチャーは使えない。
ここで注意しないといけないのは「3マナ以下」という条件を守るべき範囲だ。
統率者として選ぶカードは相棒の縛りを守る必要がある。
つまりルールスを相棒にするなら、統率者のマナコストは2マナ以下じゃないといけない。
伝説のクリーチャーやプレインズウォーカ―の多くは3マナ以上のものが多い?
2マナ以下のものはブロールの範囲で見つかるだろうか?
ブロールで使える2マナ以下の統率者として《万面相、ラザーヴ》がいる。
変幻自在の変身能力を持った諜報ギルドの長だ。
この時、統率者が相棒の条件を守ることだけでなく相棒も統率者の縛りを守る必要がある。
統率者の縛りとは何か?
統率者の持つ固有色と同じ固有色のカードしかデッキに入れられないというブロール自体の構築ルールだ。
例えばラザーヴは青黒の多色カードで、ルールスは白黒の混成カードだ。
通常のスタンダードではラザーヴを使うなら青黒の2色を使えるデッキが必要だ。
それに対してルールスは「白または黒」でマナコストを払えるので白マナが出ない青黒デッキでも使うことができる。
だが統率者戦の固有色では「白または黒で使えるカード」というのは、「白も黒も使える統率者」のデッキにしかいれられない。
ラザーヴは白いカードを使えないのでルールスを相棒に選べないのだ。
ルールスを相棒にするなら白黒の統率者が必要だ。
スタンダードには《ドラニスのクードロ将軍》やケイヤなどコストの軽い白黒の統率者がいる。
彼らのデッキにならルールスを入れられるね!
でも待って! マナコストが軽いと言っても3マナだ。
ルールスの条件は「2マナ以下」じゃなかった?
残念ながらルールスを相棒にするデッキは構築不能である。
ただし、これまでの2匹とは決定的な違いがある。
それはルールスを相棒にする望みが断たれてないということだ。
もし「白も黒も使用可能な2マナ以下の伝説のクリーチャー、またはプレインズウォーカ―」がスタンダードに追加されればルールスは使用可能になる。
これからの追加カードに期待だね!
特に次に訪れる次元がゼンディカーだと告知されているのはルールスにとって朗報だろう。前回、ゼンディカー次元を訪れた時には《永代巡礼者、アイリ》という伝説のクリーチャーがいたからだ。
彼女がそのままのカードで再録されることはないかもしれないけど、もしまた白黒2マナのカードになればルールスを使えるようになる。
(加えて生贄ギミックを踏襲していれば何度でも生贄を用意できるルールスとコンボになるね!)
ルールスには是非、他のフォーマットで頑張ってもらうことにして、
今は現状のブロールについて考えよう。
相棒は他に7匹も残されている!
ここまで相棒の縛りに振り回されていたので今回はゆるめの縛りを持つ相棒を選んでみよう。
大鹿のジェガンサ! 出番だよ!
《湧き出る源、ジェガンサ》の縛りは「マナコストに同じシンボルが存在しないこと」だ。
どういうことか?
例えば《乱動の座、オムナス》のマナコストを見て!
1と緑と青と赤。これは全部バラバラだね?
でもこれがもし《怒りの座、オムナス》なら?
3と赤と赤と緑と緑。
赤マナも緑マナも2回出てくるよね。こっちのオムナスだと条件を満たさない。
ジェガンサはこの縛りを避けてデッキを作れば相棒になれる。
簡単そうだよね!
ところがジェガンサは一筋縄ではいかない。
それは「デッキに入れられるかは固有色で決まる」というブロールのルールに起因する。
固有色を考える場合、そのカード自身のマナコストだけでなく、そのカードのテキストのマナシンボルも含めて考える。
これは自身の色だけを見た場合、白のカードだけど緑マナを払って使う能力がある《豊潤の声、シャライ》みたいなカードを統率者にした時、緑マナをデッキに入れられずせっかくの効果を使えなくなる…という事態を避けるためのルールなんだ。
代わりに、シャライをメインのデッキに入れる場合は白と緑の両方を使える統率者にしか入れられない。
そして、この判定は「コスト」だけじゃなくテキスト全体のマナシンボルを見る。
ジェガンサはコストとしては赤か緑だけど、すべてのシンボルのマナを生むド派手な能力を持っている。
これが逆にジェガンサには縛りになっているんだ。
ジェガンサを相棒にするなら、統率者は「5色すべての使用を解禁できるカード」じゃないといけないんだ。
例えば《不屈の巡礼者、ゴロス》のようにね!
このカードもジェガンサ同様に5色のシンボルをテキストに持つ。
都合のいいことにゴロス自身は色マナをマナシンボルに持たないからオムナスの時のようにジェガンサの相棒条件を満たさない心配もない。
さらに、ゴロスの強力な効果を使うためのコストはジェガンサ1体で色マナ部分すべてをまかなえる!
ゴロス&ジェガンサでブロールを遊びつくそう!
ブロール
- 《不屈の巡礼者、ゴロス》禁止
2020年3月9日 禁止制限告知|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト
そうだね。
ゴロスは禁止カードだったね。
相棒は他に6匹も残されている!
…と次のクリーチャーに行く前に、立ち止まろう。
確かにゴロスはダメだったよ。でも他に5色使えるクリーチャーがいるんじゃない?
《大祖始》のように色マナシンボルを2つ持っていたりしてもいけないんだよ。
いるわけないって。
ああ! 見つけた!
我らが二ヴ・ミゼット、今こそ再誕の時!
《二ヴ・ミゼット再誕》は真に5色の伝説のクリーチャーだ。
土地を5枚並べて色マナが上手く揃わなくても、ジェガンサを出せば二ヴ様を召喚するためのマナコストを支払うことができる!
《魔性》のような既存の再誕デッキに入る一部のカードはジェガンサのシンボル縛りの影響を受けてしまうけど、ほとんどのカードはそのまま既存の再誕デッキから流用できる!
よし、アリーナで再誕ジェガンサを遊びつくそう!
それだけじゃない!
《帰還した王、ケンリス》だって使用可能だ!
こちらも各色の色マナ能力を使える。
スタンダードでケンリスと併用されることの多い騎兵サイクルは色マナシンボルが多すぎてジェガンサの縛りに抵触してしまうので注意が必要だけど、
「このターンは青赤と白黒のカードを使いたいからジェガンサの緑マナが1つ余るな」みたいな場面でジェガンサの余りマナの受け口になる。
残り6匹の相棒は条件指定さえ守れば、それぞれ相応しいデッキが見つかる。
《災いの歌姫、ジュディス》の相棒に《獲物貫き、オボシュ》を入れた攻撃的なデッキはどうだろうか?
《孤児守り、カヒーラ》には《死の頂点、ネスロイ》を統率者として組ませれば粘り強い部族ビートダウンを作れそうだ。
《集めるもの、ウモーリ》は、カヒーラと同じく頂点の獣を統率者にして、変容クリーチャーを詰め込んだ《永遠の頂点、ブロコス》の変容スペシャルデッキというのはどうだろう? 変容コストもウモーリは軽減してくれるナイスな組み合わせになる。
《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や《ビヒモスを招く者、キオーラ》の相棒に《巨智、ケルーガ》を連れたファッティデッキはきっとティミーを楽しませてくれるだろう!
《石の嵐、ナヒリ》の装備品デッキでは《黎明起こし、ザーダ》で装備コストをさらに減らすこともできるし、装備先のクリーチャーとしても装備したクリーチャーの戦闘補助としても使えるザ―ダはピッタリだね!
《恐怖を彫る者、アショク》のライブラリアウト+リアニメイトデッキに《深海の破滅、ジャイルーダ》を追加しない手はないだろうね!
相棒というシステムは統率者戦の共闘をブロールで擬似的に楽しむことができるだけでなく、これまでの統率者戦やオースブレイカーにはなかったプレインズウォーカー+クリーチャーのコンボからデッキを組み始めることができる。
君のデッキの統率者にピッタリの相棒は見つかったかな?
ブロールで相棒を使いこなし、他のデッキと差をつけてみよう!
一応、自分が使っているデッキの中から
再誕二ヴ&ジェガンサのデッキを載せておく。
とはいえ「持ってないから使わない」などの妥協もあるリストになっているだろうから、君が持っている自慢のレアはどんどん入れて使いやすいようにいじるべきだろう。
あなたが相棒と共にブロールを楽しめますように!
アリーナインポートリスト
_____
統率者
1 ニヴ=ミゼット再誕 (WAR) 208
相棒
1 湧き出る源、ジェガンサ (IKO) 222
デッキ
1 ギルド魔道士の広場 (GRN) 250
1 時を解す者、テフェリー (WAR) 221
1 思考消去 (GRN) 206
1 鎖を解かれしもの、ポルクラノス (THB) 224
1 奔放の神殿 (THB) 244
1 統率の塔 (ELD) 333
1 啓蒙の神殿 (THB) 246
1 神聖なる泉 (RNA) 251
1 神無き祭殿 (RNA) 248
1 湿った墓 (GRN) 259
1 欺瞞の神殿 (THB) 245
1 静寂の神殿 (M20) 256
1 蒸気孔 (GRN) 257
1 天啓の神殿 (M20) 253
1 悪意の神殿 (THB) 247
1 血の墓所 (RNA) 245
1 草むした墓 (GRN) 253
1 踏み鳴らされる地 (RNA) 259
1 聖なる鋳造所 (GRN) 254
1 寺院の庭 (GRN) 258
1 神秘の神殿 (M20) 255
1 繁殖池 (RNA) 246
1 サヴァイのトライオーム (IKO) 253
1 ケトリアのトライオーム (IKO) 250
1 インダサのトライオーム (IKO) 248
1 ラウグリンのトライオーム (IKO) 251
1 ゼイゴスのトライオーム (IKO) 259
1 ドビンの拒否権 (WAR) 193
1 ケイヤの誓い (WAR) 209
1 屈辱 (RNA) 192
1 屍豹 (IKO) 196
1 湖での水難 (ELD) 188
1 暴君の嘲笑 (WAR) 225
1 王家の跡継ぎ (ELD) 199
1 伝承のドラッキス (IKO) 194
1 アングラスの暴力 (WAR) 185
1 暗殺者の戦利品 (GRN) 152
1 力線をうろつくもの (WAR) 202
1 ゴルガリの女王、ヴラスカ (GRN) GR8
1 骨塚潜み (IKO) 178
1 豊潤の神殿 (THB) 248
1 呪われた狩人、ガラク (ELD) 191
1 燃えがら蔦 (RNA) 161
1 威厳あるレオサウルス (IKO) 202
1 発見 // 発散 (GRN) 223
1 青銅皮ライオン (THB) 210
1 昇華 // 消耗 (RNA) 224
1 成長のらせん (RNA) 178
1 領獣 (IKO) 199
1 嘶くナール (IKO) 213
1 ハイドロイド混成体 (RNA) 183
1 秋の騎士 (GRN) 183
1 灯の燼滅 (WAR) 190
1 陽光の輝き (WAR) 216
1 轟音のクラリオン (GRN) 165
1 疾病の神殿 (M20) 254
1 死者の原野 (M20) 247
1 秘儀の印鑑 (ELD) 331
1 彩色の灯籠 (GRN) 233
サイドボード
1 湧き出る源、ジェガンサ (IKO) 222