バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【#MTG】急にフェイズ・アウトがフェイズ・インしてきたので解説する記事

ついに基本セット2021のカードが公開され始めた。

事前情報ではこのセットは「テフェリーをテーマにしている」とのことだったけど、

それに伴ってとても古いルールがマジックに帰ってきた。

 

そう、フェイジング…もといフェイズ・アウトだ。

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今回の記事ではフェイズ・アウトについて説明していこう。

 

フェイズ・アウトとは?

 

フェイズ・アウトは簡単に言うなら「コントローラーの次のターンまで存在を無視する」という処理だ。

 

戦場に出ているパーマネントをフェイズ・アウトさせる。

 

するとそのパーマネントはどこか虚空へと消え去り、次のターンの初めに帰ってくる。

 

クリーチャーがフェイズ・アウトしている間、

それで攻撃したりブロックしたりすることができない

もし攻撃やブロックの最中にフェイズ・アウトしたなら、それは戦闘から取り除かれ、

ダメージを与えないし、受けることもない。

 

例を挙げよう。

あなたが時の支配者、テフェリー》で相手のアップキープに《ルーン爪の熊》をフェイズ・アウトしたとしよう。

 

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そのターン、熊の存在は無視されるので攻撃することはできない。

そこに存在していないからね。

対戦相手がそのターンを終えてあなたのターンになったならどうなるか?

まだ、どうにもならない。

フェイズ・アウトされ虚空へと消えた熊はコントローラーのターンが来るまでは戻ってこない。

つまりあなたがクリーチャーで対戦相手を攻撃しても、それをフェイズ・アウトされている熊でブロックすることはできない。

あなたがターンを終えて、改めて相手のターンが始まったとき、土地やクリーチャーをアンタップする直前にその熊は戻ってくる。

 

フェイズ・アウトから戻ってきたクリーチャーは召喚酔いを起こさない。

対戦相手は戻ってきた熊で攻撃を行うことができる。

 

 

またクリーチャーがフェイズ・アウトしている間、そのクリーチャーを対象に呪文を唱えることはできないし、能力の対象に取ることもできない。

 

 

ではオーラや装備品はどうなるだろう?

これらを付けたクリーチャーがフェイズ・アウトした時、

それらの「ついているカード」も一緒にフェイズ・アウトされる。

 

一緒にフェイズ・アウトされている間、それらのついているカードもゲームから無視される。

 

例えば、《ルーン爪の熊》に《影槍》を装備しているとしよう。

この時、《時の支配者、テフェリー》で熊をフェイズ・アウトする。

すると熊と一緒に槍も虚空へと消える。

 

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フェイズ・アウトしている間、つまりコントローラーの次のターンが始まるまで、

《影槍》の能力を使うこともできなくなる。

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これは(1)を支払う能力もそうだし、装備(2)も使うことができないことを意味する。

もし相手が《ルーン爪の熊》以外のクリーチャーに《影槍》を付け替えたくても、

それを付け替えることはできない。

 

次の対戦相手のターンが始まると熊は槍を装備した状態で帰ってくる。

あらためて装備しなおす必要はない。

 

 

フェイズ・アウトは「位相」である

 

位相というのは「カードの向き」を表すルールだ。

カードがタップして横向きになっているとか、アンタップして縦向きになっているとか

フェイズ・アウトもそれと同じようなものだ。

 

例えば「タップされているクリーチャーを対象とし、破壊する」カードでは、

アンタップ状態のクリーチャーを破壊できない。

これは当たり前だよね?

 

フェイズ・アウトもそれと似たようなものだ。

ただし、タップやアン・タップと違うのは「フェイズ・アウトしていないクリーチャー」とはわざわざ書いてない…という点だ。

ほぼすべてのカードは「クリーチャー」と書かれている場合、「フェイズ・アウトしていないクリーチャー」を意味している。

 

それさえ理解すれば単純だ。

 

フェイズ・アウトしているクリーチャーは《審判の日》で破壊されるだろうか?

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《審判の日》のテキストには「すべてのクリーチャーを破壊する」とある。

しかし、君は今「クリーチャー」というのは「フェイズ・アウトしていないクリーチャー」という意味だと学んだ。

つまり《審判の日》の効果は「すべてのフェイズ・アウトしていないクリーチャーを破壊する」ということなんだ。

 

《太陽破の天使》がタップされてないクリーチャーを破壊しないのと同じだ。

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フェイズ・アウトしているクリーチャーに対して除去を飛ばしても「そこにいるのにいなかった!」という扱いになる。

 

また、タップやアンタップの仲間だと覚えることで、

フェイズ・アウトしたカードがいつ戻ってくるかを理解しやすくなると思う。

 

例えばあなたのターンに《ルーン爪の熊》がタップされたらどうなるかな?

次の相手ターンにアンタップするかい?しないよね?

次のあなたのターンになったら? アンタップするよね!

 

もし対戦相手のターン中にタップしたなら?

それはあなたのターンが帰ってきたらすぐにアンタップするよね。

 

これはそのままフェイズ・アウトに置き換えられる。

 

例えばあなたのターンに《ルーン爪の熊》がフェイズ・アウトされたらどうなるかな?

次の相手ターンにフェイズ・インしない。

(フェイズ・インはフェイズ・アウトの反対の言葉だ。アンタップみたいなものだね)

次のあなたのターンになったら? フェイズ・インするね!

 

もし対戦相手のターン中にフェイズ・アウトしたなら?

それはあなたのターンが帰ってきたらすぐにフェイズ・インすることになる。

 

タップ・アンタップと同じだと分かれば理解しやすいんじゃないかな。

 

そうそう、アンタップとフェイズ・インのタイミングはほんの少しだけフェイズ・インが早い。

つまりタップされているクリーチャーをフェイズ・アウトさせると、

次のターン、まず(タップされたまま)フェイズ・インし、それが直後にアンタップされる。

 

フェイズ・アウトは場を離れない

 

さて、ここが一番重要な部分だ。

フェイズ・アウトはタップやアンタップと同じ扱いだということは、

フェイズ・アウトすることは場を離れることじゃないし、

フェイズ・インは場に出ることではないんだ。

 

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《スラーグ牙》をフェイズ・アウトした場合、それは戦場を離れた時の効果を誘発させないし、戻ってくるときに戦場に出た時の効果を誘発させることもない。

 

また、戦場をはなれないということは、トークンをフェイズ・アウトしても「トークンが戦場を離れたら消滅する」という処理は適用されないことも意味している。

 

クリーチャーの上に置かれたカウンターはタップやアンタップしても取り除かれないよね?

フェイズ・アウトしたときも、戦場を離れたわけでなくタップやアンタップと同じだ。

カウンターは置かれたままになる。

 

そこにいるのにいなかった!

フェイズ・アウトしている間は、戦場にいないものとして扱う。

戦場を離れてないのに戦場にはいないのかよ!という気持ちになるだろう。

大丈夫、誰もが通った道だ。

 

例えば戦場のクリーチャーの数を参照するカード。

最大のパワーを参照するカード。

戦場に出ている信心のマナ・シンボル。

 

そういったもの もぜーんぶ無視する。

 

どれが無視されるの?とかそういうことは気にしなくていい。

普通に思いつく限りのありとあらゆる全部だと思って問題ない。

 

フェイズ・アウトすると虚空へと消えるのだ。

 

 

 

一見複雑に思えるが

「フェイズ・アウトは、手札や墓地のような領域でなく、タップやアンタップの仲間」

「テキストに書いてある『クリーチャー』=フェイズ・アウトしていないクリーチャーの意味」

この2つを抑えておけば、いくつかの効果が相互作用する複雑な状況でも判断することができるだろう。

 

長い間、マジックからフェイズ・アウトしていたフェイズ・アウトがついにフェイズ・インしてくる。

願わくば、永劫に消えたはずのテフェリーの故郷が帰らんことを…

 

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 "Someday,when the world is safe again, my homeland will return."-Teferi

「いつの日か、再び世界が平和になったとき、私の故郷は戻ってくるだろう」

英語プロモ版フレーバーテキストより