バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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イヌー界隈とは何か?

まずイヌー界隈という言葉を思い浮かべる。

そして、ゆっくりこう唱えるんだ。「存在しない」と。

 

 

イヌー界隈、よくわからない。

 

最近、見る機会の増えた「『イヌー界隈』って何?」というツイート。

 

イヌー界隈。

検索しても、よく分からない言葉である。

 

この「調べてみてもよく分からない」という事態は二段階に分かれている。

ネットミームなどを解説するサイトなどを調べても、まともな記事がないというのが一段階目。

次にTwitterでフォロワーに聞くなどの直接的な手段に出ても、

濁されて全く真相にたどり着けないというのが二段階目だ。

 

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鮫島事件や牛の首かと思うほどに、イヌ―界隈の概観は掴めない。

 

世の中には多くの「イヌー界隈について分からない人」が溢れている。

 

一体、イヌー界隈とはなんなのだろうか?

 

 

イヌーと言う言葉について

 

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まずイヌー界隈について詳しく触れる前にイヌーの話を終わらせておこう。

イヌーという言葉が指すのは漫画「寄生獣」に出てくる名無しの敵キャラだ。

 

Twitterユーザーの一部が、このキャラの話をするに際し、寄生獣本編のネーミングに合わせて命名したニックネームだ。

主人公の相棒となる「右手に寄生したやつ」が右手だからミギーという安直な名前であり、寄生獣には他のネームドキャラも安直な名前のものがいることから、

「犬に寄生した名無しの敵キャラ」を主役のミギーに倣ってイヌーと呼んでいるのだ。

 

この記事はあくまで、イヌー界隈の話なのでイヌーの話はここでおしまい。

イヌ―について気になる人は国内最大のTwitterまとめメディア「Togetter」でまとめ記事を読んでください。

togetter.com

 

 

イヌーとイヌー界隈

 

で、この記事はイヌー界隈についての話なので、イヌーについてはもう理解したものとして話を進めます。

まず、よくある誤解をとくところから始めていきましょうか。

「イヌー界隈とは、ずっとイヌーの話をしている人たちのことである」という解釈はあまり正確ではありません。

 

ソードサムライX界隈が、定期的にソードサムライXの話をするのとは違い、イヌ―そのものについての話を続けている集団というのは存在しません。

(少なくとも私の観測域には)

 

「イヌー界隈とされる何か」とイヌーとの間に直接的な繋がりはないんです。

(間接的にはつながっているとも言えるので後で触れます)

 

イヌ―界隈とイヌー、また別のものなの?

まるでわからん…イヌー界隈とはじゃあ結局のところ何なのか?と思われるでしょう。

 

私はイヌー界隈の謎に「RT言及文化圏」の存在があると考えています。

 

RT言及文化

 

通常、Twitterでの対人コミュニケーションの取り方は主に2つあります。

リプライ(返信)とDM(秘密会話)です。

 

しかし、この2つの会話方式とは別に3つ目のコミュニケーションとして「RT言及」という方法があります。

 

Aさんの発言について直接何かをリプライするのでなく、

Aさんの発言をリツイートして、その後に続けて自分の考えなどを書くことで、

「自分のツイート」がAさんに通知されない前提でツイートを行うことができます。

 

ただ、AさんにはRT通知だけは届くのでTwitter廃人のAさんがRTしたBさんのホームに飛んだりすれば、Bさんの発言を読むこと自体は可能です。

 Bさんの発言を読んだAさんがBさんの発言をRTしつつ更に言及する。

それをBさんがRTして…みたいに【会話】のリレーが繋がる場合があるのです。

 

「えっ? なんでそんな面倒くさいことを?」

 

そうです。こんなことをしなくてもTwitterにはリプライ機能があるのですから、それを使って話せばいいのです。 

 

RT言及による【会話】の利点は「通知が飛ばない」ことです。

完全に通知が飛ばないわけではなく、RT通知そのものは飛びます。

しかし、「Bさんの発言」の通知がAさんに直接飛ぶことはありません。

 

実はさきほど意図的に説明を飛ばした機能がTwitterにはあります。

引用RTの存在です。

 

引用RTは、Bさんの発言をAさんが引用RTして発言することで、BさんのフォロワーのTLに(Aさんをフォローしているかに関わらず)発信されます。

そしてAさんには「Bさんの発言」の内容ごと通知が飛びます。

 

この引用RTに頭を悩ませるTwitterユーザーは少なくありません。

何か面白いことを呟くTwitterユーザーほど、引用RTでのクソみたいな言及に辟易しているのです。

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彼ら・彼女らが悩んでいるのを見た周りのTwitterユーザーが「失礼のないように引用RTやクソリプはやめておこう…」と少し距離を取った結果、面白いユーザーの周囲で

「面倒くさい手間をかけたRT言及」が発生しやすくなります。

 

 

もちろんすべてのRT言及会話にそのような背景があるわけではないんですが、

そういう心の動きでRT言及をするコミュニティもTwitterの中にはあるんですよという話ですね。

 

何の話だっけ?

 

ああ、そうだイヌー界隈の話だった。

 

 「いわゆるイヌー界隈とされる人たち」やその周りにも、こういったRT言及によるコミュニケーションの取り方をする人たちがいる。

 

こうした人たちに、自分以外のTwitterユーザーも「RT言及会話」をしているという思い込みが刷り込まれているのが存在しないイヌー界隈が浮かび上がる原因のひとつだと私は考えています。

 

 

 

*追記*

この辺り、「RT言及文化を要すること」と「イヌー界隈であること」の間に因果関係があるように誤読されているのを見たので改めてはっきり書いておくと

「RT言及文化を要すること」と「イヌー界隈であること」との間に因果関係はなく、

ここでは後者の界隈に前者の文化を要する人が重なっているということのみを書いている。

 

「RT言及を行う人たち」「RT言及で会話する人たち」が出ていることに注意。

 

 

 

隣りの島

 

イヌー界隈について探っていると「隣の島」「別の界隈」という言葉がちらつきます。

多少、意味がブレることを承知でこれらの言葉を翻訳すると

「私はフォローしていないけれど、フォロワーのRTで見かけるアカウント」を指していると考えると飲み込みやすいと思います。

 

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 Twitter上での『友人関係』における「友達の友達」と言ったところでしょうか。

 

比較的RTを多用する人のタイムラインを覗くと、こういった「隣の島」の人たちのRTが出てくるため、直接的な接触のない別の界隈の話題が流れてきます。

 

具体的に例を挙げると…

打ち切りマンガ好きな人をフォローしたら、その人が繋がっているジャンプ実況の民に繋がって、そこからキン肉マン0時実況界隈に接続するとかですね。 

 

 

RT言及会話文化圏の誤謬

 

さて、前述の「RTで会話をする人たち」RT言及する人たちを見た時に無意識にそこに「会話の流れ」を幻視します。

RT言及を会話に使う文化圏の人にとって、連続してTLに流れてくるツイートを見ると、

実際にはフォロワー関係にない2つのアカウント同士を、「この人たちは同じ界隈なんだな!」という錯覚を起こします。

 

こうした錯覚によって、本来は「隣の島」の住人である人たちを「この人たちは交友関係にある!」とRT言及会話文化圏のユーザーが誤解してしまうケースが出てきます。

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しかし、そもそもその括りは誤解です。

RT言及会話文化圏にいない人たちはRT言及を会話として行なっていないので、そもそも界隈としての交流はしていません。

単にそれぞれが同じ話題について別個のツイートをしているだけなのです。

 

しかし、 第三者のRT言及会話文化圏の人々が一連のイヌーに関するツイートの流れを【会話】だと勘違いして、誤解した人によって「イヌー界隈」という存在しない括りでまとめられ、あたかもそこにコミュニティがあるように扱われてしまいます。

 

直接的な繋がりのない人たちを包括する概念としての「イヌー界隈」が立ち現れ始めるわけです。

 

 

 イヌーそのものの話題が一旦おさまった後も、それらの後発で観測した人たちにより時差的に発生するイヌー語り。

そして、そこに【会話】を見出す第三者。 

彼ら彼女らによって、ついに「イヌーまとめに出ていない人たち」にまで「イヌー界隈である」というレッテルが張られだします。

 

しかし、何事もなければそのままイヌー界隈の話題は終息するはずでした。

 

イヌー2位!

 

 

あろうことか、国内最大のTwitterまとめメディア「Togetter」2019年の面白いまとめ総選挙で元凶となった「イヌーのまとめ」が2位を取ってしまいます。

 

この衝撃がイヌーのまとめに出てくる人たちや、その隣の島、さらに外へと波及します。

 

これにより一部のトゥギャッター民の間で、「イヌーと言えば2位」というネットミームの型が生まれます。

 

何らかのランキングが発表されるたびに「○○は1位だからイヌーより上」と言った冗談交じりの比較が流行り、

とある科学の超電磁砲御坂美琴園都市第三位なので2位であるイヌーよりも下」など、もはやそこに順位があれば何の順位にでも関連付けるネットミームとしての型が生まれます。

 

注意してほしいのは「イヌー2位ネタ」を使う人が必ずしも「最初にイヌーの話題をした人たち」と同じではないということです。

 

両方に重なるTwitterユーザーもいますが、最初にイヌーの話題をしていなかった「隣の島」の人たちの方が「イヌー2位ネタ」を擦っていたイメージがあります。

いやまあ、丁寧なリサーチや統計は取ってないのであくまで自分の観測域のイメージに過ぎませんが…。

 

 

概念化していく「イヌー」タグ

 

こうして原義から離れてイヌーという言葉がネットミーム化していく中で、

もうひとつトゥギャッターのタグとして「イヌー」のタグが『機能』しはじめます。

 


初代『イヌ―まとめ』が漫画「寄生獣」の端役に目を付けた与太話だったように、

色々な漫画を変な視点から話題にした与太話Twitterに挙げられるたび、

トゥギャッターのまとめに「イヌー」のタグがつけられるようになります。

 

この「イヌー」タグ、イヌーについて話していた人たちの多く登場するまとめにつけられるタグかと思いきや…

 

togetter.com

 

うえきの法則』のアレッシオを取り上げた話題などは、比較的初代『イヌーまとめ』と似たようなメンバーでの語りになっている一方で…

 

togetter.com

 

『ワンピース』世界における後世の歴史家に視点を当てたまとめでは、

もうかなりのメンバーが入れ替わっていてイヌーまとめとは別の集団がメインになって話しています。

しかし、それでもタグには「イヌー」の文字があります。 

そもそも寄生獣以外の漫画の話題にイヌータグがあるのおかしくないですか?

 

「イヌー」タグ「漫画・小説などについて変な視点で語る人たちのまとめ」をくくるものとして機能するようになり、「イヌー」タグで検索すればいくつもの与太話を目にすることができます。

 

togetter.com

 

「イヌー」という言葉自体が寄生獣のキャラクターの俗称から別の概念へと変遷していく中でイヌー界隈と言う言葉の差す者もよくわからなくなっていきます。

 

イヌーまとめに出てきてないのに、イヌータグのついたワンピースまとめに出てくる人はイヌー界隈なのか?

 

あまりにも漠然とした「友達の友達」のようなものをカテゴライズしていたイヌー界隈という言葉の定義は崩壊していきます。

 

 

編集部がイヌー2位に言及

 

ここで話題は漫画からライトノベルへと移ります。

このライトノベルがすごい!2021』で異修羅という作品が1位になります。

 

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異修羅I 新魔王戦争 (電撃の新文芸)

 

もともと作者の珪素先生自身が、イヌー2位ネタをたしなむ人であったことから、

トゥギャッター編集部の公式アカウントまでこのネタに乗っかります。

 

 

「もはや寄生獣と関係ないところでさえイヌーと結びつける謎のネットミームは更に加速していきます。

 

トゥギャッター編集部からもイヌーとその周りのトゥギャッターユーザーは補足されましたが、

いかんせん「具体的に誰がイヌー界隈」というくくりがあるわけでもなく、

ぼんやりとした「面白い与太話を呟く人たち」を本人たちの交友関係にかかわりなく

大雑把に包括していたイヌー界隈ですから、

トゥギャッター編集部にも正直よくわかっていないと思います。

 

こうして間接的にでもイヌーと繋がりがあればイヌー界隈のレッテルが張られるようになると「自分はイヌー界隈ではないです」という人たちも増えます。

そうすると「イヌー界隈じゃない人」は増えるんですが、イヌー界隈じゃない人にも「じゃあ明確にイヌー界隈って言えるのはどの人たち?」と言われると困ります。

 

なんとなくは分かるんですよ。最初のうちイヌーの話をしてた人とかはイヌー界隈なのかな?って。

 

でも寄生獣でなくワンピース語りをしてた人たちはイヌー界隈なのか?

イヌータグでハリーポッターの話してた人たちは?

それとも最初のイヌーまとめに出ている人たちだけという原理主義的立場を取るべきなのか?

でもその人たち、多分イヌー界隈呼びされるの喜んでないよ。

そもそもイヌー界隈呼びは敬称なのか蔑称なのか。

 

もはやイヌー発祥の時を基準に取るのでなく、イヌー2位をネタにし続ける人の方こそイヌー界隈と呼ばれているのではないか? などなど。

 

 人によって考えも違い、くくりも違い、まとまな答えは帰ってこなくなります。

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だから、この際はっきりと書いておきましょう。

 

イヌー界隈とされる集まりは存在しません。

 

何らかの面白いトゥギャッターまとめが生まれた時に、

そこにイヌ―まとめと間接的にでも接点が見つかったときに「第三者によって」

かってにイヌーのタグとイヌー概念が付与されるのです。

 

イヌー概念を付与された人たち同士に面識があるとは限らず、

それ故に彼ら彼女らに「界隈」としての自覚はありません。

「なんか隣の島で盛り上がってる話題が、いつのまにか自分たちも同じ集まりの仲間ってことにされてる…コワ~」って感じの人もいます。

 

集まっていない人たちを包括して呼ぶせいでその実態は掴めません。

 

実態も何もそこには何もないからね…

 

「面白いトゥギャッターまとめ」とそこにまとめられる「RT言及文化圏の人びと」が、

今日も元気にTwitterで楽しく生きている。

ただ、それだけのことなのです。

 

みんなTwitterでネタを生んできたんだろう?

そしてRT言及に寄りそい生きてきた。

 

なんかそんな風にいい感じに原作寄生獣ネタをいじりつつ記事を書いて…

これ投稿しないで下書きのまま埋めておこうと思ってしばらく…

 

 

 

「イヌーまとめを読んで元気づけられた人の載ったまとめ」がTogetterのアクセス数歴代1位の座を更新し、運営の中の人がそれをイヌー界隈のポテンシャルと称した。

(それもう完全に寄生獣関係ないだろ!!!)

 

 

ここまでくると、何かに寄りそい生きてきたのはトゥギャッター編集部の方である。

 

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イヌー界隈とは、トゥギャッター編集部に寄生され引き換えに「優良記事関係者に贈られる和牛」を もらえる可能性を得た者たちの名前なのかもしれない。

ゆ、癒着…

 

 

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