『時のらせんリマスター』の発売が近づいてきているね。
公開されるプレビューカードには一見「しょぼい」ものもあるのだけど、
僕としてはそちらの「しょぼい」カードに感慨を覚えてしまったので、筆を取ろうと思う。
今回、紹介するのはいつも通り虚無フォーマットのデッキだ。
僕のプレイグループで「予算制限ブロック構築」が流行ったときのデッキの話をしようと思う。
予算制限ブロック構築のルールは以下の通り。
・デッキ総額はMagic the Gathering ONLINE価格で1ドル以内。(基本土地は無料)
・それぞれ自分の好きなブロック(あるいはセット)を選び、好きに組む。
それから暗黙のルールとして僕らのプレイグループではもう一つの隠しルールがあった。
「予算制限構築の時はスライ/Red Deck Winsの使用を避けること」
スライあるいはRed Deck Winsというのは簡単に言えば赤単の速攻デッキである。
低コストのクリーチャーと火力呪文の組み合わせで相手を責め立てるのが
特徴だ。
低予算構築で遊ぶ虚無フォーマットでは普段使わないようなカードを見られる楽しみがある一方で、赤単速攻系デッキは大抵安くつくれて似たようなものが多くなり、
簡単に言えば「おもしろみにかける」ということで、僕らのプレイグループでは避けることが推奨されていた。
どうせ虚無フォーマットをやるならガチでなく楽しさを目指したいというカジュアルな欲求が、僕らのプレイグループをこの形に落ち着けた。
「予算制限ブロック構築」をやった時も、僕らはあくまで赤単速攻を避けるようにしていた。
さて、ではそんな「予算制限ブロック構築」で僕が選んだブロックはどこだろうか?
冒頭で話が出ていたので、もうお分かりかと思う。
「時のらせん」だ。
僕が「予算制限ブロック構築」で使った時のらせんのカードたちが、再録される!
僕はカードプレビューを見て少し懐かしい気持ちになった。
それでは僕が実際に予算制限のついた時のらせんブロック構築でどんなデッキを組んだのか紹介しよう!
青スライ/Blue Deck Winsだ!
【青スライ/Blue Deck Wins】
_ _ _
3 Gossamer Phantasm
4 Drifter il-Dal
4 Flying Men
4 Psionic Blast
4 Unstable Mutation
3 Spiketail Drakeling
4 Looter il-Kor
4 Cancel
4 Maelstrom Djinn
3 Infiltrator il-Kor
4 Pongify
17 Island
2 Zoetic Cavern
サイドボード
4 Dandân
2 Errant Ephemeron
4 Riptide Pilferer
1 Gossamer Phantasm
4 Shaper Parasite
_ _ _
時のらせんブロックでは色の役割、いわゆるカラーパイについて挑戦的なカードが多数存在した。
普段、見なれない効果を持ったカードが何枚も存在する。
スライ/Red Deck Winsに必要な、火力呪文。
それらは「時のらせん」においては青のカードにも存在するのだ。
青の小型クリーチャーと火力呪文《心霊破》で相手を責め立てる、青版のRed Deck Wins、つまりBlue Deck Winsである。
このデッキを支えてくれたカードの多くが新パック『時のらせんリマスター』で再録されることを僕は嬉しく思っている。
《ダル追われの流れ者》は1ターン目から繰り出せる2点クロックで、
シャドー能力はほとんど「ブロックされない」と同じ意味だ。
《霊糸の幻》はデメリット能力のようなものがついているが基本的には気のせいだ。
どの道、タフネスが1では1点火力ですら死んでしまう。
味方側の強化カードで選べない点はデメリットだが、軽い飛行クリーチャーとして有用だ。
このデッキはRed Deck Winsほどには前のめりではないので待機呪文も採用する余地がある。
《遍歴のカゲロウ獣》は相手の全体除去が流した後の盤面に出てきて圧をかける重要な役割がある。
《コー追われの浸透者》は比較的待機ターンが短く、クロックも3点と大きめで頼りになる。
これらのクリーチャーは待機して出すと速攻がつくので、ソーサリー除去を受ける前に攻撃チャンスがあるのが嬉しいね。
Red Deck Winsとの大きな違いのひとつとして、通常の青いデッキ同様に打消しを入れられる点が挙げられる。
《トゲ尾の仔ドレイク》は対戦相手の全体除去を遅らせつつ自身も攻撃に参加できるお気に入りのクリーチャーだった。
青を使うことによる もうひとつの差は赤にはあまりないルーティング・サボタージュ能力の存在だ。
土地を切りつめたデッキでは「土地を引けない」ことも「切りつめたはずの土地を引きすぎる」ことも非常に致命的で、これらが原因でゲームを落とす危険を避けられるカードは非常に重要である。
《コー追われの物あさり》をご覧あれ!
こいつは手札の枚数こそ増えないが、その質を改善する非常に良い能力がついている。
おまけにシャドーによってブロックを回避できるとなれば、どれほど強力か言うまでもないだろう。
それからこのデッキを支える重要なインスタントも『時のらせんリマスター』で再録される。
それは《猿術》の呪文だ。
このカードの使い方は2通り。
まず、相手の強力なクリーチャーに対して使い「無力化」する使い方。
3/3は決して弱いクリーチャーではないが少なくとも5/5よりは大分マシだし、
飛行もシャドーも持たないため、こちらの攻撃クリーチャーの邪魔をすることはない。
もうひとつの使い方は自分の味方に撃つことだ。
自分のクリーチャーに対して相手が単体除去を撃ち込んだとき!
対応して《猿術》を使えば、1マナでパワー3の攻撃クリーチャーを得られる。
これらのカードで青らしく、あるいは青らしからぬ動きで対戦相手を混乱させるのはとても楽しい経験だった。
『時のらせんリマスター』で彼らとまた共に戦えることを、僕はとても嬉しく思う。
広告