どうも、バーチャルVtuverの豆猫さんだよ。
今回の記事はライト文芸布教記事になります。
タイトルは『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』
どんな小説?
いわゆる、お仕事モノと呼ばれるジャンル。
社会人の仕事の様子を通して、自分の知らない業界の話をエンタメ的に消費できるコンテンツですね。
この小説で描かれる『お仕事』はソシャゲ運営。
お仕事モノの作品に触れると、その業界の『商品』に対して見る目が変わってくるんですよね。
(もちろんフィクションとしての誇張はあるにしても)
多分、この記事を読んでくれている読者の方も何がしかのソシャゲをやっていると思うんだけど…きっとソシャゲをプレイする時の見方が少し変わってくると思います。
どんなストーリー?
FGOあたりをプレイしている人には馴染みがあると思うんですが、
ソシャゲで『コラボじゃないコラボ』ってあるじゃないですか。
『絵師が同じ』『声優繋がり』とかで、ユーザーが『実質○○』みたいに盛り上がるやつ。
作中に登場する架空のコンシューマーゲーム『ロード・オブ・エタニティ』のイラストレーターとディレクターとが組んだ『実質コラボイベント』で売り上げを回復した弱小ソシャゲ運営チーム。
しかし、『ロード・オブ・エタニティ』の権利を持っているウロボロス・エンタテイメント社からの『怒られ』が発生し、サービス終了の危機に追い込まれる…!
果たして弱小ソシャゲ運営チームはサービスを継続できるのか!?
…というストーリーを主軸に、キャラクターとして登場する「ゲーム業界で働く社会人」たちの人間関係や仕事への情熱、悔しさ、苦しさ。
そういったものを描いた小説となっています。
実はこの小説、タイトルに巻数が振られていませんが
作者の前作『それでも、あなたは回すのか』の続編となっているので、
未読の方は『実質コラボで業績回復するまで』を描いた前作を先に読んでおくのをオススメします。
高いハードルを越えてきた作品
私は、前作『それでも、あなたは回すのか』の続編を期待する一方で(大変失礼ながら)続編はないものだと思っていました。
前作は物語終盤にもやもやとした歯がゆさを感じさせ、それを打ち破るカタルシスと
『この物語の先』を幻視させることで読者を満足させる一冊でした。
言ってみれば『存在しない続編』への期待感を読後感に含めることで完成度を高めたのが前作であり、続きは出ないと思っていたんです。
続刊の知らせを聞いて僕は驚き、喜び…同時に不安にもなりました。
『存在しない続編』への期待感を背負っていた前作の続きを描く以上、
作者にはそのキラキラと輝く幻想をハードルとして超えていく作品を書くことが求められるわけです。
もし、1巻の読了後に夢見たキラキラとした続きを描くことができなければ、
1巻の完成度も下げてしまうリスクも背負った2巻での大勝負…!
作者は見事にハードルを越えて素敵な続編を送り出してきてくれました。
そのことを本心から喜び、この気持ちに共感してほしい。
そう思って皆さんにオススメします。
『それでも、あなたは回すのか』の続編、『残業のあと、朝焼けに佇む彼女と』
2冊セットで、オススメできる良作です。
仕事への情熱を持って始めたのに、そのきらめきを見失いつつある人に
読んできらめきを取り戻してほしい。
そんな2冊です。
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前作の感想記事
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