今回はあのデジタルカードゲーム「シャドウバース」を紙で遊べると噂の新商品「シャドウバース エボルヴ」を触ってみてのレビューとなります。
紙ャドウバースだとかアナログデジタルめんこだとか色々と既にあだ名がつき始めていますが入力速度を考慮してこの記事では手動バースと呼ばせてもらいます。
バハムートの登場以降、デジタルめんこなどと揶揄されてきたシャドウバースのまさかの紙版。
紙で遊ぶデジタルカードゲームと言えばサ終後も熱心なプレイヤーが紙で遊び続けているウォーブレや、
紙とデジタルを並列していたゼノンザードのサービス終了も記憶に新しい。
そんな中、十分に勢いがまだありそうなシャドウバースを紙で遊ぶとは何事かと思えば…ファンメイドでなく公式の新展開グッズだというのだから驚かされる。
泡沫TCG愛好家などと揶揄される私がこれを逃すはずもなく…
早速構築済みデッキを入手してきた。
スターターデッキは全6種。
7つあったクラスは6つに減り、
「ヴァンプ」と「ネクロ」の2クラスを統合した「ナイトメア」という新クラスが登場。
実質的なギミックが2倍あってつよつよなので構築済みデッキはルナが高いよ。
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このゲームは大筋ではシャドウバースの文脈に沿って作られているがところどころデジタルでは実装しづらく紙でなら行いやすい処理を取り入れるなど工夫が少しだけ取り入れられている。
例えば汎用火力呪文である《エンジェルスナイプ》のSpellカードには紙版ではテキスト欄の一番初めにQuickというキーワードが追加されている。
Quickは自分のメインフェイズのみならず「相手が攻撃した時、または相手ターンの終了時」にも手札から使うことができることを表すキーワード能力だ。
こうした「相手ターンでの行動」は一般的にデジタルでは抑えられ紙では積極的に取り入れる要素であり、
手動バースでもスペルの相手ターン使用をゲームに組み込んだのだろう。
一方で通常、紙のカードゲームでは避けられがちな要素をそのまま残している点も目立つ。
「ダメージの継続またはターン終了時の回復」だ。
シャドウバースではハースストーンの流れを汲むデジタルゲームにありがちな「フォロワーの受けたダメージはターンを超えて持続する」制度を取っていた。
こういう特徴はデジタルゲームではよく使われるが紙のゲームでは煩雑になりやすい要素であることから「ダメージはターン終了時に回復する」という処理のゲームが少なくない。
一方で手動バースではデジタルシャドウバースのルールをそのまま紙に持ち込み、ダメージが継続する処理をとっている。
こういったダメージ蓄積型ゲームシステムの紙のゲームは有名どころではポケモンカードゲームくらいなのでかなり驚かされた要素である。
受けているダメージを記録するためにポケモンカードで使われていた「ダメージカウンター」を手動バースでも取り入れていて、厚紙製のカウンターチップでステータスの加減を示す形になっている。
(正直言うと手間でめんどい)
シャドウバースの目玉システムである「進化」は両面仕様カードではなくなっていて、
進化可能なフォロワーカードと同名の進化後のEVOLVEフォロワーカードを用意して、デッキの脇に10枚のEVOLVEカードの束を置いて使う。
EP(進化権)の概念も無くなり、進化のためには召喚PPコスト(通常のコスト、いわゆるマナ)に加えて追加のPPを支払い、進化可能フォロワーにEVOLVEデッキの進化後カードを重ねて進化させる形式となっている。
この仕様上、「すべてのカードが進化可能」というシャドウバースの進化システムとは全くの別物になっていて…
目玉システムの進化システムが違ったものになっていることが手動バースをシャドウバースではないカードゲームとして大きく変化させていると言っても過言ではない。
加えて一見些細ながら大きな違いとして「アクト、スタンド」…いわゆる「タップ、アンタップ」の概念の追加がある。
これ単体では一見どうでもいいんだけど…
「スタンド(アンタップ)状態のフォロワーは攻撃対象に選ばれない」というデュエル・マスターズなどのカードゲームに見られる挙動の輸入がシャドウバースと異なる戦い方を強いてくる。
想像してほしい。
初期環境のシャドウバースでよくあった「後手プレイヤーがEP(進化権)を使い先手有利な戦況をめくる」と言った盤面は手動バースでは、
「進化可能なフォロワーがいないといけない」
「先手が先置きしたスタンド状態のフォロワーは進化フォロワーにも殴られないため、『召喚酔いを無視してフォロワーを攻撃できる』という進化のメリットを咎めることができる」といった理由で難しくなっている。
…ざっくり見た感じでは先行がかなり有利そうである。
この後手不利を覆すために後攻にはデジタルシャドウバースとは違った形でのEPが与えられる。
PPコストを支払って進化する手動バースで「1ターンに1Pだけ使える進化専用のPP」としてEPが3点付与されるのだ。
進化限定とは言え、この手の「後手に1PP与える」タイプのよくあるハンデを一気に3PPまで盛るという多少過剰にも思える調整で崩しているのが手動バースの絶妙なバランスを産んでいて、
先手と後手では動き方のセオリーが大きく異なるものになることは想像に難くないし、そのどちらの動きもデジタルシャドウバースのセオリーとも違ったものになるだろう。
またこの手動バースではライフやPPを管理するための専用アプリをダウンロードして使うことができる。
いわゆるおサイフケータイ対応のスマホなら構築済みデッキやパックから低確率で出てくるリーダーカードをスキャンすることでエモートの種類を増やすことができる…!
ちゃんと声優さんがエモートに声をあててくれているので、公式の煽りアプリを使って友達とのラブプレイを楽しめるんだ!
…んなぁ、オイラ難しいことはわかんねぇけどよぉ。
専用アプリを起動してまで紙でシャドウバースエボルヴを遊ぶくらいなら、シャドウバースのアプリをDLしたらいーんじゃねぇか?
シャドウバースエボルヴは現役シャドウバースPLよりもかつて遊んでいて今はもうやめてしまったアーリーユーザが「うわ、懐かしい」「これ、紙だとこう調整されてんのか!」「やべ、PP構えてたのにQuick撃つの忘れたわ」などの体験を友人と味わうのに向いているのかもしれない。
あと、現物カードだから飽きたらメンコにして遊べるよ。
アナログデジタルめんこ手動バースで君もリアルの友人とはしゃいでみないか?
なんらかの樹脂製っぽくてやたらしっかりしてるトークンカードがめんことして遊ぶ時の手動バースのTier上位なのでフェアリーエルフとかいい感じです。
使い終えたら《苦花》のトークンにも使えてお得だヨ!
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