私の名前は濃丸 小紋(のうまる こもん)。
好きなカードゲームはマジック:ザ・ギャザリング。
最近の悩みはお財布の薄さ。
そう、マジックという趣味はとてもお金がかかるのです。
でも、そんな私の前に最低レアリティ限定構築戦「Pauper」という救いの手が!
しかし、氷雪フェアリーデッキはなんか思ったよりも難しかったのです。
結局Pauperデビュー戦はストレート負けで終わってしまった。
「…回し方の基本は悪くありませんが、デッキへの理解度が足りていないと思います」
アンコさんには手厳しいことを言われてしまったが反論の余地はない。
強い人の組んだコピーデッキである以上、悪いのはデッキでなく私の回し方なのだ。
これは勉強と練習が必要だ。
ショップから帰り家でデッキを広げ、それぞれのカードの使い方をネットで検索する。
同じデッキの使い手が何を考えて、そのカードを採用しているのかをチェックする。
ブレストの俗称で知られるドローカード、《渦まく知識》。
これが使いやすい一方でかゆいところに手が届かなかった。
とっさの場面で3枚引いて2枚戻すと瞬間的には手札の質が跳ね上がるが、
その後2ターンの間は「その時点の手札で最もいらない2枚」しか引けなくなる。
多分、このブレストを上手く使えるようになる必要がある。
氷雪フェアリーデッキにはブレストで手札から戻した2枚の不要牌を処分する手段が詰め込まれていることが分かった。
これは手厳しいことを言われるわけだ。
デッキの中にはちゃんと必要なものが入っていて自分の回し方が足りていなかったことを実感する。
デッキをシャッフルして一呼吸つくと、上から7枚を引いて確認する。
こういう時は【ペットと対戦する】に限る。
MTGにおけるペットとの対戦は昔の公式記事で紹介された一人回しのやり方だ。
金魚、亀、蛇、インコ、兎、猫、犬。
そう名付けられた「特定の行動をする対戦相手」に対する立ち回りを繰り返す練習法。
金魚との対戦は一番シンプルだ。
金魚はライフ20を持ち…そして何もしない。
金魚テストの目的は自身のデッキの基本的な動きを確認し、何ターンかければ何もしない対戦相手を倒せるかを確認することだ。
集合知から得たブレストの使い方を金魚相手に確認する。
《渦まく知識》を自分のメインで使い3枚引く。
対クリーチャー火力は金魚テストでは使い物にならない。
対クリーチャー火力を2枚、デッキの一番上に戻す。
ここだ!
実戦ではこの後まんぜんと戻したカードを引くばかりだった。
今回はその後に続けて《フェアリーの予見者》を出す。
戦場に出た時に山札の上から2枚を山下に送れる予見者でデッキの上から不要牌を弾く。
他にも《灰のやせ地》でデッキから土地を探す効果を重ねて不要牌の積まれたライブラリーをシャッフルしたり、
ブレスト1枚取ってもその後にどのカードを切るかで取り回しが格段に違う。
デッキ理解度が上がるたびにその前よりずっとデッキが動くようになる。
そのたびに強くなっていくのを感じる。
よし次のテスト段階に移ろう。
……。
…………。
………………。
外から鳥の声が聞こえ、カーテンの隙間から朝のひかりが差し込んでいるのを感じる。
「徹夜でデッキを回してしまった……」
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濃丸こもんシリーズは立ち絵にジュエルセイバーFREE様の素材を使用させていただいています。