さて、君はマジックの公式データベース「GATHERER」を使ったことはあるだろうか?
2022/10/19現在、このデータベースには大きなバグがあるのをご存じだろうか?
一部のパイオニアで使用できないはずのカード群が「GATHERER」上ではパイオニアリーガルカードとして表示されてしまうというバグである。
あの《太陽の指輪》がパイオニアLegalってマジ?
というわけで私の所属するDiscordサーバーでこんな誘いが立つのも時間の問題だった。
・対戦募集
20時ごろmtgのパイオニア対戦募集 構築ルールはマジックイベント規定及び「GATHERER」に従うものとします
そう本来イリーガルなパイオニアLegalバグカード群を解禁した本物パイオニア/True Pioneerの対戦募集である。
この「真のパイオニア」を見に多くのマジックプレイヤーが集まり試合の行く末を見守った。
全員が注目するデッキがこちらの【UBRGCジャンク】だ。
強力無比なパワーカード群を搭載し、《太陽の指輪》からの早期着地を目指すなんともパワフルなデッキだ。
迎え撃つのは伝統的な【青白コントロール】。
果たして勝負を制するのはどちらか?
見学者全員が固唾をのんで見守る中、ゲームは進行する。
1ターン目。
《太陽の指輪》から2枚目の《太陽の指輪》という盤石のスタートを切った【UBRGCジャンク】。
2ターン目には《検閲》をケアしながら《難題の予見者》を強引に着地させホットスタートを切るかと思えば、
手札を減らすことなく《悪意の大梟》を2体展開するなど、とてもパイオニアとは思えない盤面を広げていく。
もはや我々の知るパイオニアではないゲームがそこにはあった。
ゲーム最終盤面、【UBRGCジャンク】の残りライフは5点。
【青白コントロール】の盤面には飛行を持つ5/5の鮫トークン。
鮫の攻撃が通れば【青白コントロール】が勝利できるところまでゲームは詰められている。
しかし、【UBRGCジャンク】側のブロッカーには《長老ガーガロス》と《悪意の大梟》の2面対空戦力が立っている。
9マナまで土地を伸ばした【青白コントロール】がここで少し考えこむ。
【UBRGCジャンク】がタップアウトして妨害の飛んでこない状況。
相手盤面を2体処理できれば勝ちが確定するが、パイオニアのカードでこの状況を打破できる除去は《冥途灯りの行進》くらいだろう。
軽減コストによって1マナで大梟を処理できるとして、残り8マナ。
墓地には《記憶の氾濫》が置かれている。
もしデッキ上から7枚見た中に1マナでガーガロスを除去できる奇跡のようなカードがあれば勝ちが確定する。
フラッシュバックで唱え、7マナ。
果たして上から7枚の中に回答は……
存在した。
本来、パイオニアに存在しない1マナの除去呪文《流刑への道》!
True Pioneerの山札の上7枚の中にそれらはあった。
見学者は歓声に包まれ、この名勝負を称えた。
パイオニアすごい!
本当にすごいんだ!!
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