皆さん、どうも。
今回の記事では小説『かくて謀反の冬は去り』の布教をします。
いや、今さら弱小シナリオライターの僕がこの本の宣伝をする意味ある?
上の帯付き表紙画像を見てもらいたい。
あの武内崇氏が推しているというだけで十分に訴求力がある。
特設サイトには5人の文芸人が名前を連ねてそれぞれの文章力をもってしてこの作品をほめそやしている。
だがそれでも!
今、この弱小シナリオライターである僕はある種の怒りを持ってこの記事を書いている。
この作品の特徴である寡聞にして他に例を見ない魅力的な世界観に関して!
「完成度が高い」「緻密に組まれた」などの称賛こそ並ぶものの一向にどんな世界観なのか未読者になかなかリーチしていない!!!
ライトノベルやWER小説において僕はテクスチャを重視している。
おもしろいエンターテイメントが無数に存在する現代日本において「面白い」などという布教はまず通らない。
「面白い」のは前提条件であり、コンテンツを受け取る側にとってそのテクスチャが「趣味に合う」ことで初めて布教の実行力が出てくる……というのが僕の持論である。
ここでいうテクスチャとはその作品のジャンルや世界観として表面に出てくる諸要素がどのようなビジュアルに表れるかということを意味している。
そこでこの記事ではまだ明確な名前を持たない『かくて謀反の冬は去り』のテクスチャに名前をつけることにする。
この小説の世界観は『大和朝廷近代化』である。
ヒミコさま~!と女王を立てて邪馬台国が発展した少しあと。
古墳とかそういうのが出てきたころの大和朝廷のイメージをしてほしい。
(今は教科書とかに大和朝廷って言い回しは使われていないらしいが、イメージさえできればいいのでここでは一旦おいておく)
主人公たちの祖父の時代がそんな大和朝廷っぽい「王国」の形を取っていたところに、文明的に発展した「帝国」から近代文明のさまざまが押し寄せてくる。
そうして100年ほどたった結果、『かつて謀反の冬は去り』の舞台となる「王国」は大和朝廷とかの古い時代のネーミングで人の名前をつけたり、勾玉やいかにも古代日本の姿をしたキャラクターが出てくる文化を残したまま、王国首都は時間の流れを飛び越えたかのように自動車が走り拳銃が武器として用いられる文明化された日本っぽさを伴っている。
僕は寡聞にしてこのような世界観の作品を知らない。
恐らくライトノベルとしては初めて描かれるテクスチャなのだと思う。
類例がないために多くの人はこの作品の世界観について言及を避ける。
「よくできた独自の世界観」
「緻密に練られた架空の歴史」
そう言った褒める言葉ばかりがコピーとして広まるもののいまいち実態が知られていないように感じる。
だからせめてこの記事だけは伝えたい『かつて謀反の冬は去り』のテクスチャを伝えたいと、タイプしている次第である。
著名人が「うまい!」「うまい!」という飯屋でどんな料理が出るのか?
うまいのは分かったがイタリアンなのか中華なのかフレンチなのか和食なのか分からなくては財布のひもを解く気になれないだろう?
今、ここで僕は名もなきテクスチャを『大和朝廷近代化』であると謳った!
美味しいことは既にいくらでも語られている。
あなたが このテクスチャに、飽和した異世界転生チートやVRMMOと異なる何かを感じ取ったなら是非ともすぐにAmazonで購入すると良い。
そこには王国の権力をめぐる陰謀劇が待っている。
僕はこの作品のテクスチャを語った。
この真新しい踏まれていない雪原を進む古河絶水の足跡を追ってほしい。
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