バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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超次元MTG対戦 TYPE/Zeroいんべいだー 第2話「計略を高らかに読み上げよ!」

前回

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「それじゃあ、侵略次元側からゲームを始めるよ。私は土地をタップインしてエンド」

 

「わたくしは沼を置いてターン終了ですわ」

 

「アタシは森を置いて《ぎらつかせのエルフ》を召喚するぜ」

 

ぎらつかせのエルフ

 

「感染クリーチャー、やっぱり侵略陣営は毒カウンターデッキで揃えてきたみたいだね。でもホームプレーン《ケッシグ》の常在型能力で狼男でないクリーチャーは戦闘ダメージを与えることができないよ!」

 

「感染能力は与える戦闘ダメージを置換する能力だから、仮にアタックが通ってもプレイヤーに毒カウンターを乗せることはできないアル!」

 

「ようし、それじゃあターンをもらうぜ。と言っても俺は土地をタップインしてエンドだな」

 

「ワタシも同じく土地をタップインしてエンド ネ」

 

「私は島を置いて1マナで《太陽の指輪》、《太陽の指輪》をひねって即座に2マナ出して《精神石》を設置、これでターンエンド」

 

「その終了ステップに動きます。インスタント呪文《吸血の教示者》!」

 

 

「ライブラリーからカードを探し、デッキトップへ。侵略陣営の共有ライフから2点失いますわ」

 

「対応なし」

 

「それじゃあ、侵略陣営のターンをもらうよ。と言っても4色デッキは色拘束が厳しくてね。私はこのターンもタップイン土地を置いて終了」

 

「私は土地を置いて《悪魔の教示者》を唱えます。再びデッキからカードをサーチ……」

 

(2枚目のサーチカード、間違いなくクロミちゃんの手札には何らかのコンボが揃ってると見た方がいいね)

 

「アタシは森を置いて《荒廃のマンバ》を召喚。感染は機能しないが毎ターン、再生するブロッカーとしては使えるぜ」

 

荒廃のマンバ (Blight Mamba)

 

「防衛陣営のターン! 私は沼を置いて統率者《流城のルノ》を召喚!」

 

流城のルノ

 

「俺は《ケッシグの自然主義者》を召喚。戦場は昼になり誰も呪文を唱えなかったターンが来れば夜になり、狼男に変身するぜ」

 

ケッシグの自然主義者 (Kessig Naturalist)

 

「ワタシは《ガツタフの羊飼い》を召喚。こちらも誰も呪文を唱えなければ変身する狼男アル」

 

ガツタフの羊飼い (Gatstaf Shepherd)

 

「じゃあ、侵略陣営のターン。私は土地を置いて3マナ構えてエンド」

 

「アタシは《嚢胞抱え》を召喚するぜ」

 

嚢胞抱え (Cystbearer)

 

「わたくしは《亭主の才能》を唱え、残りの1マナで《亭主の才能》をレベルアップしますわ」

 

 

「《亭主の才能》……! レベル3になれば毒カウンターを与える個数が2倍になるクラス・エンチャント!」

 

「そして、厄介なのはクロミちゃんは2度のサーチで間違いなくヴラスカを手札に加えている……あと2ターンで決着をつけないとヴラスカとのコンボで誰かが毒殺される!」

 

「防衛陣営のターン、いくよ! まずはアップキープに《流城のルノ》の誘発型能力でデッキトップをチェック。8マナのクラーケン・クリーチャー、《船砕きの怪物》を公開してルノを《深淵の王、クロサス》に変身!」

 

深遠の王、クロサス

 

(今、変身条件を満たすために公開した《船砕きの怪物》は高い妨害能力を誇るクラーケン。おそらくアオイちゃんのデッキは《深淵の王、クロサス》によって妨害効果を持つクラーケンやリバイアサンを増やし、残り2人の狼男ビートを支援するコントロール・デッキ、ということかな……)

 

「ワタシは統率者《不吉な首領、トヴォラー》を召喚アル!」

 

 

「戦闘フェイズに入るぜ、防衛陣営は狼男2体でアタックだ」

 

嚢胞抱え》で、ミンメイの狼男をブロック。通常なら一方的に倒せるが、《ケッシグ》により《嚢胞抱え》は戦闘ダメージを与えないので狼男は生存」

 

「第2メインフェイズ、《恐れる村人》を召喚」

 

恐れる村人 (Fearful Villager)

 

「勝負を急いでいるようだね、でもこの第4ターンからがプレナー・インヴェイダーの真骨頂だよ!」

 

「アタシは4マナを支払い、計略カードを実行!」

 

 

「計略カードを使うときは高らかにカード名を読み上げるんだよ!」

 

「いつになったら貴様は学ぶのだ?」

 

「デッキトップをチェックし、アオイは島か。ハズレだな。残り二人は狼男か。《灰毛ののけ者》と《ガツタフの放火魔》を踏み倒させてもらうぜ!」

 

「これで、狼男をこちらも使えるようになったね。戦闘ダメージをちゃんと与えられる機会が得られたってわけ。それじゃあ、私は統率者《法務官の声、アトラクサ》を召喚」

 

 

 

法務官の声、アトラクサ

 

「わたくしは《亭主の才能》をレベル3に。これでチェックメイトですわ」

 

「こちらのターン、私は土地を置いて構えるよ」

 

「ミドリに奪われた狼男の方が俺らの狼男よりもパワータフネスが高い。攻撃の手をゆるめて今は横に伸ばすしかない。《牙刃の盗賊》を召喚してエンドだ」

 

牙刃の盗賊 (Fangblade Brigand)

 

「ワタシは《高原の狩りの達人》を召喚、2点回復して2/2の狼トークンを生成するネ」

 

高原の狩りの達人 (Huntmaster of the Fells)

 

「それじゃあ侵略陣営のターンをもらうよ! 私は4マナで計略を実行!」

 

 

「我は一人にあらず」

 

「これで私の場にはアトラクサが2枚。毒カウンターの増加速度が2倍になる」

 

「アタシも続くぜ、4マナで計略を実行!」

 

 

「我が痛烈なる奥義」

 

「このターンの間、《深淵の王、クロサス》とすべての狼男のコントロールを渡してもらおうか」

 

狼男しか戦闘ダメージを与えられないケッシグの前に為すすべなくやられるかと思われた感染デッキ。しかし計略カードの圧倒的な力はそんなハンデをやすやすと乗り越える。

 

次回、超次元MTG対戦 TYPE/Zeroいんべいだー 第3話「完成化の犠牲」に続く……

 

Coming Soon……

超次元MTG対戦 TYPE/Zeroいんべいだー 第1話「イニストラードって凄い、本当に凄いんだ」

MTGには数々のフォーマット(遊び方)が存在する。

新しいカードで常に新鮮なゲームを楽しめるスタンダード

比較的最近のカードのみを扱うイオニア

古いカードから最新の特殊セットのカードまで、幅広く使えるレガシー。

極一部のカードを除いて「一切の禁止カードがない」ヴィンテージ

 

だがMTGの構築フォーマットは奥が深く、他にもいろいろな構築制限がある。

レアリティの低いカードだけが使用可能なパウパー

約1円以下のカードだけしか使えないペニードレッドフル

味のある絵柄のカードが主役の旧枠モダン

電子ゲームに戦場を移したアルケミー

 

そして、ここに未開拓のフォーマットを楽しもうとする1人の少女がいた。

 

 

 

「いやあ、『ダスクモーン:戦慄の館』がいよいよ発売だね!」

 

「そうだね。レイちゃんは注目しているカードなにかある?」

 

「よくぞ聞いてくれました、アオイちゃん。ずばり《我は一人にあらず》だね」

 

「そんな名前のカードあったっけ? ちょっとプレビューで見た覚えがないな」

 

「たぶん、アオイちゃんは見てないんじゃないかな。これは統率者セット『積みあがる死者の山』に収録される計略カードだからね」

 

 

「計略カード?」

 

「計略カードはアーチエネミー、いわゆる魔王戦で使う特殊な大判カードだよ」

 

 

「特徴的なのは従来の魔王戦用の計略と違って統率者戦形式の魔王戦に対応したテキストで刷られてることがあげられるね」

 

「へえ、このカードはタイプ0でも使えるの?」

 

「残念だけど定型のマジックのカードではないから、タイプ0では使えないね」

 

「タイプ0でも使えないカード、かあ……」

 

「そして今回、マジック史上初めて計略カードの日本語版が刷られたことで遊びやすくなったフォーマットがあるんだよ!」

 

「それが、魔王戦?」

 

「ううん。魔王戦も確かに遊びやすくなったけど私が思い描いてるのは別のフォーマット。その名も『プレナー・インヴェイダー』。3対3のチーム戦フォーマットだよ」

 

「3対3の6人ゲームって言うのは今まで遊んだことないな」

 

「でしょでしょ! まだまだ開拓しがいのあるフォーマットだと思うんだよねえ」

 

「6人って言うと……私とレイちゃん、ミドリちゃん、クロミちゃん、ミンメイ、斜九寺(なめくじ)くんで丁度6人だね」

 

「他の皆も誘って今度の週末は『プレナー・インヴェイダー』を楽しもう!」

 

~~~

 

「と言うわけで皆に『プレナー・インヴェイダー』について説明するね」

 

「『プレナー・インヴェイダー』は侵略陣営3人と防衛陣営3人、2つのチームに分かれて遊ぶフォーマットなの。カジュアル・ルールだからプレイグループごとに細かいルールが違うから今日はそれの確認ね」

 

「まず、6人は統率者戦用のデッキを構築して持ち寄ります。それに加えて侵略陣営は3人で10枚の計略デッキを構築、この『計略デッキ』がダスクモーン統率者戦デッキに収録されたことで集めやすくなってるの」

 

「防衛陣営側は計略デッキを使わないのか?」

 

「いい質問だね、ミドリちゃん。防衛陣営には計略デッキの代わりにホームプレインと呼ばれる次元カードを1枚使う権利が与えられます」

 

「次元カード、プレインチェイス戦で使う大判カード アルね」

 

「知っているのか、ミンメイ!」

 

竹沼

 

「プレインチェイス戦も魔王戦と同じく大判カードを扱う変種ルール ネ。通常のプレインチェイスでは複数の次元カードを渡り歩く戦いを楽しむために複数の次元カードを集めた次元デッキを使うアル」

 

「その通り! でも、プレナー・インヴェイダーは侵略者であるファイレクシアから故郷の次元を守るための戦いを遊ぶから、次元デッキのカードは1枚のみを使い、そこからプレインズウォークすることはないの」

 

「各陣営はソーサリー・タイミングで4マナ支払うことで、それぞれの大判カードを使用することができるの。具体的には侵略陣営は4マナ支払うと計略カードを1枚実行することができ、防衛陣営は次元の下段に書かれたカオス能力を誘発させることができる」

 

「ライフの扱いはどうなる? 統率者ってことは各プレイヤーが40点ずつか?」

 

「斜九寺くん、良いところを付いてくれました! ライフはチームで共有。各チームが60点のライフを持っていて、戦闘では味方プレイヤーへの攻撃もブロックすることができるよ」

 

「なるほど。分かりました。他に特筆すべきルールはありまして?」

 

「よく聞いてくれたね、クロミさん。重要なところでは3点。まず、ゲームは必ず侵略陣営のターンから始まる。それと防衛陣営のプレイヤーが毒カウンターを10個得て敗北する場合、ファイレクシアの油によって転生し、即座に毒カウンターをすべて取り除き、侵略陣営にチームが切り替わるの」

 

「3つ目、これは完全な私のわがままでつけるオプション・ルールだけど、統率者は侵略陣営はファイレクシアンを、防衛陣営はホームプレーンの次元に存在するクリーチャーを指定しないといけないことにします。雰囲気作りだね」

 

「そういう訳で、各チーム、統率者デッキや次元カード、計略デッキの準備が必要だと思うから今日はチーム分けだけして実際にプレイするのは週末ってことで。それじゃあチーム分けのくじ引きね」

 

~~~

 

侵略陣営

レイ

ミドリ

クロミ

 

「わたくし達がファイレクシアですのね」

 

「ファイレクシアならやっぱりアタシはヴォリンクレックスを使いてえな。対戦相手に乗せるカウンターを倍増させる効果は毒カウンターの条件を満たすのに有用な気がするぜ」

 

 

 

「いいね、そうしたら私は増殖で毎ターン終了時に毒カウンターを増やせるアトラクサかな」

 

法務官の声、アトラクサ

 

「毒カウンターに注目するなら堕落能力を持つイクセルを私は選びますわ」

 

アトラクサの後継、イクセル

 

「計略カードは適当にダスクモーン統率者デッキの奴から選んでおくね」

 

~~~

防衛陣営

アオイ

ミンメイ

斜九寺

 

「さて、レイちゃんたちはまず間違いなく感染能力での毒殺を狙ってくるよね」

 

「ああ、容易に想像できるな」

 

「それなら良い次元カードがイニストラードにあるアルよ。スマホで検索するからちょいと待つアル」

 

「こ、これは……!?」

 

「こんなカードが許されていいのか!?」

 

「禁止カードとしていくつかの次元が使えないけれど、このカードは規制されてないアル」

 

「それじゃあ、この次元カードに合わせてイニストラードから統率者を決めようか」

 

「俺はウルリッチと『イニストラード:真夜中の狩り』の狼男を合わせたデッキにするぜ」

 

爪の群れのウルリッチ

 

「それなら自分はトヴォラーと昔の狼男を合わせたデッキにするネ」

 

不吉な首領、トヴォラー

 

「私はふたりの狼男デッキをバックアップするために、青黒の……そうだなあ、ルノのデッキにしようかな」

 

流城のルノ

 

「それじゃあ、頑張ってイニストラードからファイレクシアを追い出そう!」

 

~~~

 

週末

 

「それじゃあ、いよいよプレナー・インヴェイダーを遊んでいこう! よろしくお願いします!」

 

「「「「「よろしくお願いします!」」」」」

 

「まずは防衛陣営のホームプレーンの公開から!」

 

「私たちが守る場所はイニストラードのケッシグ!」

 

ケッシグ

 

「ケッシグかあ、厄介な次元カードだね」

 

「狼男以外のあらゆるクリーチャーが戦闘ダメージを与えられなくなるから、私たちのチームの攻撃だけが一方的に届くようになるよ」

 

「そんな横暴が許されていいのか!?」

 

 

いよいよ火ぶたを切ったプレナー・インヴェイダー。

侵略陣営のファイレクシアは感染を封じられ、通常の戦闘ダメージによる勝利も封じられた中で果たしてまともな勝負をできるのか!?

 

次回、超次元MTG対戦 TYPE/Zeroいんべいだー 第2話「計略を高らかに読み上げよ!」

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『ダスクモーン:戦慄の館』統率者デッキ発売に伴う魔王戦のルール改定について

 今回の記事ではMTGの変種ルールである魔王戦に関するルール変更について取り上げる。

 

 

『ダスクモーン:戦慄の館』の統率者戦用構築済みデッキには魔王戦で魔王となるプレイヤーが使用するための10枚の計略カードが含まれている。

 これまでの魔王戦は『アーチエネミー』と呼ばれる専用のセットを買わなければ計略カードは入手できず、『アーチエネミー』製品は英語だけで販売されてきたため、計略カードは日本語版のカードがなく日本人には縁遠いものであった。

 

 今回、日本語版の統率者戦構築済みデッキの付録として魔王戦のための計略カードが封入されるため、日本人でも気軽に魔王戦が楽しめるようになる!

 

魔王となるプレイヤーは10枚(あるいは望むならそれ以上の枚数の……!)計略カードという大判のチート性能のカードを計略デッキとしてゲームに持ち込み、

魔王の戦闘前メインフェイズの開始時に計略デッキの一番上のカードを公開し、その計略を実行することができる。

 

 

英雄プレイヤーは魔王に立ち向かうため3人がかりで1人の魔王と戦い、これを倒すことを目標とするんだ。

 

 

そして、『ダスクモーン:戦慄の館』発売に伴い統率者魔王戦におけるライフのルールが変わることが発表された。

 

これまでは魔王が40点のライフを、挑戦する英雄プレイヤーは各自20点のライフを持ってゲームを行ってきた。

 

新しい統率者アーチエネミーのルールでは魔王と英雄が共に60点のライフを持ち、

英雄は60点のライフを共有する。

 

例えば、これまでの魔王戦では3人の英雄のうち一人を魔王が狙い続けることで、3対1のゲームを2対1のゲームにすることができたし、それが定石だった。

 

しかし、このゲームデザインには大きな誤りがあった。

脱落させられたプレイヤーは決着がつくまでずっと見ていないといけない。

これは非常につまらないプレイ体験を生む。

 

新ルールでは3人の英雄が60点の共有ライフを持つため、誰か一人がライフ0で脱落することはない。20点のダメージを受けても英雄は全員がプレイを続けられる。

 

これはとても良い変更だと思う。

自分は魔王戦を遊んだことがあるけれど、独りで脱落した時はスマホを出してソシャゲの周回をしながら眺めていた。

せっかくマジックを遊ぶために集まっているのにこれではもったいない。

アーチエネミーのルール改定を私は強く支持するよ!

 

そうそう、公式では黒赤の統率者デッキ『終わりなき懲罰』を魔王にすることを推奨している。

もし魔王戦に興味があるなら黒赤のデッキを買うといいんじゃないかな。

 

今回のデッキはどれも魔王側ができるように構築されている。
各デッキに計略カード10枚が同梱されているから、どのデッキが悪役になってもゲームが成り立つんだ。
とはいえ特に黒赤のデッキが館の怖さや不気味さ、そして凶悪さを体験できるから、最高難度を味わいたいならこのデッキを魔王側にして、館を攻略できるか試してみてくれ! 

引用:進化するアーチエネミー|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

それじゃあ、貴方が魔王として計略を実行する日まで!

貴方の邪悪な企みが成就しますように!

 

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【#MTG】黒がエンチャントに触れることをカラー・パイ違反だという人たちへ

目次

 

黒でエンチャントを除去できるのはカラー・パイの破壊だ!

 Twitterでダスクモーンのプレビューについて検索していて、未だに黒がエンチャントを触れることについてカラーパイを破壊していると騒ぐ人たちが見受けられた。

 

画像

 

 カラーパイに関する公式の記事を読むことなく「カラー・パイ違反」「カラー・パイの破壊」などの言葉だけを鳥のようにさえずる人たちのなんと多いことか。

 

カラーパイは不変ではない。

カラーパイに関してよくある勘違いのひとつが、カラー・パイは不変であり、古いカードと現在のカードが同じカラーパイ設定の下にデザインされているということだ。

 

実際にはカラーパイは変化していく。

色ごとに可能な役割を変化させバランスを取ろうという開発努力がされている。

現在のカラーパイにおいて黒はエンチャント破壊の2種色に指定されている。

文章、状態変更:エンチャント破壊

旧:

  • 1種色:白、緑

白や緑は、コモンにエンチャント破壊カードが1枚あるのが通例である。しかし緑はアーティファクトでもエンチャントでも破壊できる呪文であることが通例である。

新:

  • 1種色:白、緑
  • 2種色:黒

白や緑は、コモンにエンチャント破壊カードが1枚あるのが通例である。緑のものはアーティファクトも破壊できるのが通例であり、白もできることがある。(アーティファクト破壊 参照)黒にもエンチャント除去ができるようにし始めた。パワー・レベル的には白や緑より明らかに低く、対戦相手にエンチャントを生け贄に捧げさせたり、追加のコストを支払う必要があったりする。

メカニズム的カラー・パイ 2021年版変更点|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

2種色という用語の意味が分からない人のためにカラー・パイの記事から引用してこよう。

 

2種色 ― ある程度日常的にその能力が存在するが、1種色ほどではなく、1種色ほど低いレアリティに常にあるわけではない色のこと。我々がよく使うような効果であれば、ほとんどのセットで2種色にその能力が存在する。

メカニズム的カラー・パイ 2021年版|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

色の評議会の反応

 マジックのカラー・パイを監視し、カラー・パイに違反するカードをデザインしたチームに警鐘を鳴らす、色の評議会という組織がウィザーズには存在する。

 この色の協議会は、現状の色の能力に問題を感じているデザイナーのための組織でもある。

テーロス還魂紀をデザインしたエリック・ラウアーが、主席デザイナーのマローに黒とエンチャント破壊についての相談を持ちかけ、色の評議会の議題にかけられたときに、黒がエンチャントを除去できることは好意的に受け止められた。

 

セット・デザインが黒について、クリーチャー以外のものを除去する制限が多すぎると懸念した際も、同様のことが行われた。黒には、破壊できないカード・タイプが2つあった。アーティファクトとエンチャントである。色の協議会はこの問題について検討し、黒もエンチャント除去は可能であると見出した。そして黒がエンチャント除去の第3位となる道を作っていったのだった。

色の協議会への再訪|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

デザインの変化への殴り棒にカラー・パイを使う前に公式記事を読んで欲しい

カニズム的カラー・パイという素晴らしい発明について、古い情報だけが独り歩きして、最新のカラー・パイの変化を受け入れられない人たちのなんと多いことか!

彼らは実際にはカラー・パイの公式記事を読むことすらせず、自信がカラー・パイの守護者であるかのように振舞っている。

カラー・パイという言葉をデザインへの殴り棒に使う前に、まずは公式のカラー・パイへの言及をチェックしてほしいと切に願う。

 

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【#MTG】ダスクモーンの新メカニズム「戦慄予示」について

どうも、バーチャルVtuverの豆猫さんだよ。

今回はMTGの新弾『ダスクモーン:戦慄の館』で新たに登場するメカニズムである「戦慄予示」の挙動を見ていくよ!

 

目次

戦慄予示とは?

まずは予示を知る

戦慄予示は『運命再編』で登場したメカニズムである「予示」の亜種だ。

まずは予示と戦慄予示で共通する挙動を見ていこう。

 

 

 予示はカードを裏向きで戦場に出すことを表すキーワード処理だ。

 予示された裏向きのカードは2/2のクリーチャーとして扱う。

 マナ総量は0であり、色や名前、クリーチャー・タイプを持っていない。

 予示されているカードは特別な処理として表にすることができる。

 この特別な処理を行えるのは大きく分けて3つ。

  1. 予示されたカードがクリーチャー・カードである。
  2. 予示されたカードが変異または大変異を持つ。
  3. 予示されたカードが変装を持つ。

それぞれを順に見ていこう。

1.予示されたカードがクリーチャー・カードである。

 予示されているのがクリーチャー・カードである場合、そのクリーチャーのマナ・コストを支払うことで、表にすることができる。

 予示されているのがインスタントやソーサリーなど非クリーチャー・カードである場合、表にすることはできない。

 アーティファクトやエンチャントなどのパーマネント・カードであっても、(この後で紹介する変異を持つ場合を除いて)表向きにすることはできない。

 予示されているクリーチャーが表向きにすることでクリーチャーでないパーマントになる場合でも、マナ・コストを支払い表向きにすることができる。あくまで「クリーチャーになるか」でなく、「クリーチャー・カードであるか」を見る。

2.予示されたカードが変異または大変異を持つ。

 予示されているカードが変異や大変異を持つ場合、その変異コストを支払うことで表向きにすることができる。

 これは1.と異なり、クリーチャー・カードでなくとも行うことができる。

 変異をもつ予示されたクリーチャーでないカードを表向きのパーマネントにした場合、それは即座にクリーチャーでなくなる。

 この場合、クリーチャーを対象にした除去は立ち消え、戦闘からは取り除かれる。

 大変異を持つ場合、表向きになるに際し+1/+1カウンターを1つ置く。

3.予示されたカードが変装を持つ。

 これは前述の変異との相互作用が下環境や統率者戦でのみ起こるのと違いスタンダードでも起きうるので要チェック。

 予示されたカードが変装能力を持つのなら、その変装コストで表にすることができる。

 変装能力で3マナを払い手札から唱えた場合と異なり、
 変装を持つカードが予示されている間、それは護法②を持たない。

 

戦慄予示特有の処理

 

 予示を行う場合、カードは手札や墓地から調達することがあった。

 しかし戦慄予示を行う場合、必ずライブラリーの上にあるカードで予示を行う。

 戦慄予示を行うには、ライブラリーの上から2枚を確認し、1枚を予示して戦場に出し、もう1枚は墓地に置く。

 

予示されたカードを表にする

 予示されたカードを表にするのはルール上、「特別な処理」として扱う。

 簡単に言えば、スタックに乗せることなく処理することができる。

 これは「唱える」「起動する」「戦場に出す」ではない。

 変装能力を持つカードを戦慄予示して、その変装コストで表にする際も同様である。

 また、変装を持つなら必ず変装コストを必要とするわけでなく、マナ・コストで表にすることもできる。そうした場合でも、そのクリーチャーを表にする際の誘発型能力は誘発する。

 

 例えば、《広場の使い魔》のようにマナ・コストの方が変装コストよりも安いクリーチャーを予示した場合、安い方で表にすることができる。

予示は「した人」だけがオモテ面を確認できる。

 一部のカードは対戦相手に戦慄予示を行わせることがある。

 

 

 これらは効果を発生させたプレイヤーでなく、対戦相手が戦慄予示を行う。

 2枚のうち、どちらを戦場に出すかは戦慄予示を実際に行うプレイヤーが決定し、オモテ面を確認できるのもそのプレイヤーだけである。

 

 戦慄予示はこれまでのライブラリーの上から予示するだけのカードよりずっと使い勝手がいい。ダスクモーンのリミテッドでは頻繁に戦慄予示された大型クリーチャーがオモテになるだろう。私も大型クリーチャーをひっくり返してコンバット・トリックの代わりにしたくてしかたがない。

 スタンダードで変装能力と共存することで、何か特殊な挙動をするデッキも生まれるかもしれない。

 デッキビルダーの腕に期待したいね。

 

 それでは今回の記事はここまで。関連記事にスタンダードではぎりぎり共存することのなかった「変身」と「裏向き」の関係を扱った記事を貼っておくのでルールに興味のあるメルヴィンは読んでみてほしい。

 

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【#MTG初心者 向け】戦慄の館の「部屋」を開ける。

どうも、バーチャルVtuverの豆猫さんだよ。

今回の記事ではMTGの新弾『ダスクモーン:戦慄の館』に収録される新しい分割カード「部屋・エンチャント」について解説していきます。

 

目次

 

新エンチャント・タイプ「部屋」

 

 

 「部屋」はダスクモーンから登場する新たなエンチャント・タイプです。

 「部屋」カードは横向きの分割カードになっていて、2つの「ドア」と呼ばれる半分から構成されます。

 

 部屋・エンチャントを呪文として唱える際、あなたは左右どちらかのドアを選び、そのドアの右上に書かれたマナ・コストを支払います。

 

 この時、融合を持つ分割カードのように「両方のコストを支払い、2つのドアを同時に唱える」という挙動を取ることはできません。必ず左右どちらかのドアを選ぶ必要があります。

 

 部屋を唱えてそれがスタック上にある間、選んだドアのマナ・コストのみが参照されます。

 《人形作家の店》(2マナ)と《陶磁器ギャラリー》(6マナ)の内、どちらを唱えたかで《軽蔑的な一撃》などのマナ総量参照打消しの対象になるかが変わります。

 

《軽蔑的な一撃/Disdainful Stroke》[GRN] 青C

 

 すなわち、左側の2マナのドアとして唱えれば《軽蔑的な一撃》で打ち消されませんが右側の6マナのドアを唱えた場合、対戦相手の《軽蔑的な一撃》によって打ち消されるでしょう。

 

ドアの開放

 部屋・エンチャントが戦場にある間、そのエンチャントは「開放」という情報を持ちます。

 基本的に部屋・エンチャントは唱えた側のドアのみが開放されている状態です。

 これはすなわち、解放されているドアの文章のみを持つことを示します。

 

 もし、あなたが部屋の両方のドアを開放したい場合、閉鎖されているドアのマナ・コストを支払うことでそのドアを開放することができます。

 これはソーサリー・タイミングで行う「特別な処理」であり、変異などの他の「特別な処理」同様にスタックに乗ることはありません。

 

 例をあげましょう。

 あなたは3体のクリーチャー《銀毛のライオン》と8枚の《平地》をコントロールしています。

 

 あなたは手札から部屋の左側のドアである《人形作家の店》を唱えました。

 《人形作家の店》が呪文として解決されれば、戦場に2マナのエンチャントとして出ます。

 この後、あなたは優先権を手放さずに右側のドアを開放することを宣言し、6マナ支払います。

 するとスタックに乗ることなく即座に右側のドアの常在型能力が働いている状態になります。

 すなわち、あなたのクリーチャーのP/Tはそれぞれあなたのコントロールするクリーチャーの数(=3)になります。

 部屋の着地後、対戦相手は2/2の《銀毛のライオン》が3/3になる前に《ショック》などの2点火力を挟むことはできません。

 もし、2点火力インスタントでライオンを焼くのなら左側のドアを唱えた時点でスタックして《ショック》を唱える必要があったのです。

ドアの開放と打消し

 ドアの開放は「特別な処理」であり、「唱える」や「起動する」とは異なります。

 

 

 《不許可》を持ってしても、着地している部屋のドアを開放することを打ち消すことはできません。

 

完全に開放する

 さて、部屋・エンチャントの挙動はなんとなく把握できましたか?

 まず、左右どちらかのコストで唱え、戦場に出し、後からソーサリー・タイミングで閉鎖されているもうひとつのドアを開放することができるのです。

 左右のドアが両方とも開放されている状態を「部屋ひとつが完全に開放されている」と表現します。

 ダスクモーンでは部屋に連なる「違和感」という能力語が実装されます。

 例を見てみましょう。

 

 

 《掻き回す頭蓋蟹》は定番のセットのメカニズムで誘発する切削効果を持ったカニ・クリーチャーです。上陸で切削する《遺跡ガニ》や悪事を働くことで切削する《深泥の荒くれ者》の仲間ですね。

 違和感はエンチャントが戦場に出ると誘発します。

 『テーロス』の星座に似ていますね。

 これには部屋の片方のドアを唱え、それを開放した場合も含まれます。

 星座に加えて違和感は「部屋ひとつを完全に開放した時」にも誘発します。

 これはつまり、戦場にある片方のドアを開放してあるエンチャントの反対のドアを特別な処理で開放することで違和感が誘発することを示しています。

 星座の上位互換なので違和感カードは性能次第ではEDHの星座デッキに入れることができそうですね。

完全に開放された部屋のマナ総量

 完全に開放された部屋のマナ総量は左のドアと右のドアの点数で見たマナ・コストの合計を参照するようになります。

 

 

 2マナのドアとして唱えた部屋は対戦相手の《ポータブル・ホール》で除去されてしまいますが、右の6マナのドアを開放した後は2+6=8マナの部屋・パーマネントになるため、《ポータブル・ホール》で除去されることはありません。

 

ドアを唱えていない部屋

 もしあなたが墓地にある部屋・カードを戦場に戻すなどして、唱えることなく戦場に出した場合、その部屋はどちらのドアも閉鎖された状態で出ます。

 マナ総量は0として扱われるでしょう。

 この場合も、各ドアのマナ・コストを支払いドアを開放することができます。

 

コピーと開放状態

 もし、戦場にある部屋・エンチャントをコピーした場合、ドアの開放状態はコピー可能な値です。

 左のドアの開放されたエンチャントをコピーする場合、右のドアが閉鎖された左のドアの特性を持つコピーとなります。

 開放していない閉鎖されたドアも「部屋の持つ閉鎖されたドア」として一緒にコピーされますので、コピーの持つ右のドアを後から開放することができます。

 

 戦慄の館にはさまざまな恐ろしい部屋が待ち受けていることでしょう。

 あなたが間違った部屋を開放しないことを祈っておきます。

 

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【#MTG】《殉教者の理由》で《勇者の季節》を防げるか?

 今回の記事ではもうすぐ発売する新セット『ブルームバロウ』で登場する季節サイクルのソーサリーの1つである《勇者の季節》と古式ゆかしい白のエンチャントである《殉教者の理由》との相互作用について考えることにする。

『ブルームバロウ』ファーストルックまとめ|読み物|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

《勇者の季節》とは?

 《勇者の季節》は次のマジックの本流のセットである『ブルームバロウ』に収録されている5枚の季節サイクルの赤担当である。

 『獣痕』という新メカニズムを使用して選択できるモードに重みづけをしている非常に面白いデザインのソーサリーだ。

 

 

《殉教者の季節》とは?

 今ではすっかり見かけなくなった古いカードである《殉教者の理由》はクリーチャー1体を生贄にすることで発生源1つからのダメージを1ターンの間ふせぐことのできるエンチャントである。

 画像のカードに印刷されているテキストは古いもので、現在のオラクルは『クリーチャーを1体、生贄に捧げる:1つを対象とする。このターン、あなたが選んだ発生源1つが次にそれに与えるすべてのダメージを軽減する。』が正しい。

 

Amazon.co.jp: マジック:ザ・ギャザリング MTG 殉教者の理由 HOIL 日本語 (UL) #030474 (特典付:希少カード ...

 

《殉教者の理由》は《勇者の季節》を防げるのか?

ダメージの発生源は何か?

 《殉教者の理由》は効果の解決時に1つの発生源を選び、その発生源が次に与えるダメージを軽減する。

 《殉教者の理由》で《勇者の季節》の3つ目のモードによる2点のクリーチャー火力を軽減できるかは「《殉教者の理由》の起動型能力の解決に際し、適切な発生源を選択できるか?」という部分にかかっている。

とりあえずMTG wiki を読む。

 ルールの問題で困ったとき、まずはMTG wiki を頼るのは誰もが通る道である。

そういうわけで、ウィキの「発生源」の項目を読んでみることにする。

「このターン、あなたが選んだ発生源1つが次にあなたに与えるダメージを軽減する」といった効果によって発生源を選ぶ場合、好きなパーマネントや呪文を選択できる。

発生源 - MTG Wiki

 《勇者の季節》はパーマネントではないが呪文として唱えられる。

 対戦相手が《勇者の季節》を唱えたとき、その呪文がスタック上にある間にきみが《殉教者の理由》を起動することで、呪文である《勇者の季節》を発生源として選ぶことができる。

 これで対戦相手の《勇者の季節》は、このターンの間、《巡礼者の理由》が対象とした きみのクリーチャーに2点のダメージを与えようとしても、最初の1度目は軽減されることになる。

 

ターンをまたいで……

 そこで対戦相手はそのターンは追加の呪文を唱えることなくターンエンドして、きみのターンになった。

 ここで改めて《勇者の季節》のテキストを読んでみよう。

 

次のあなたのターンの終了時まで、あなたが呪文1つを唱えるたび、クリーチャー最大1体を対象とする。勇者の季節はそれに2点のダメージを与える」

 

 なんてこった! きみが使った《巡礼者の理由》による軽減は1ターンしか持たない! きみのターン中に対戦相手がインスタント呪文を唱えたなら、きみのクリーチャーは2点火力で焼き払われてしまうのではないか!?

 

 慌てた きみは《巡礼者の理由》を起動して、《勇者の季節》からのダメージを軽減しようとする! さあ早く『好きなパーマネントや呪文』を発生源として選ぶんだ!

 

 ちょっと待ってほしい。今、スタックの上には何もない。《勇者の季節》はパーマネントではなく、もはや呪文でもない、墓地に置かれたカードである。

 これは……もしかして発生源として墓地の《勇者の季節》を選ぶことはできない!?

 

  対戦相手が《勇者の季節》を唱えてスタック上に《勇者の季節》の遅延誘発型能力が乗ってから、その誘発型能力にスタックして《巡礼者の理由》を起動するのはどうだろうか?

「このターン、あなたが選んだ発生源1つが次にあなたに与えるダメージを軽減する」といった効果によって発生源を選ぶ場合、好きなパーマネントや呪文を選択できる。

発生源 - MTG Wiki

あれ……?

もしかしてパーマネントでも呪文でもない「墓地にある《勇者の季節》の遅延誘発型能力によって作られた2点のダメージ」は選べないのか?

 

困ったら原文を探す。

 なんか怪しくなってきたのでWikiを鵜呑みにするのをやめてルールの原文を当たってみることにする。

ええっと、遅延誘発とダメージの発生源の総合ルールは……これか。

CR 609. Effects - Rules Resources (magicjudges.org)

 

609.7a If an effect requires a player to choose a source of damage, they may choose a permanent; a spell on the stack (including a permanent spell); any object referred to by an object on the stack, by a replacement or prevention effect that’s waiting to apply, or by a delayed triggered ability that’s waiting to trigger

delayed triggered ability=遅延誘発型能力

that’s waiting to trigger=誘発待ちの

 

 遅延誘発型能力をそれが誘発する前の段階でダメージの発生源として指定することが可能らしい。

 しかし、遅延誘発型能力を生み出した《勇者の季節》はスタックを離れて墓地にある。

 いわば「別のオブジェクト」になってしまったわけだけど、《巡礼者の理由》はそれを追跡できるのだろうか?

 この疑問についてもさきほどのリンク先には答えが示されている。

 

even if that object is no longer in the zone it used to be in

=もとあった領域にそれがなくなっていようとも

 

 というわけで問題はすべて解決した。

《巡礼者の理由》で「誘発を待っている、すでにスタックにはない、効果解決済みの《勇者の季節》の3つ目のモードの効果」を軽減するために、墓地の《勇者の季節》を選ぶことができる!

 納得していただけたでしょうか?

 こういった防御円めいた古めかしい軽減エンチャントについて知らなくともスタンダードは楽しめることをお忘れなく、『ブルームバロウ』でかわいらしいアニマルフォークと共にローテーションの日を迎えるまで、あなたがマジックを楽しめますように……

 

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