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【 #MTG初心者 向け】アーキタイプについて知る その1 速攻アーキタイプ

アーキタイプについて知ろう

 

 

アーキタイプとは

 

Archetypeは原型という訳が充てられる言葉だ。
MTGにおけるアーキタイプという用語が指すのは「デッキの分類」である。

 

近年のマジックでは【色の名前+アーキタイプ】という形でデッキ名がつけられることが多い。

例:赤スライ、ゴルガリミッドレンジ、エスパーコントロール


アーキタイプを知っているれば見知らぬデッキが紹介されている時にデッキ名を読んで、
どういう動きをするデッキか知る助けになるし、
自分の組みたいデッキが何と言うアーキタイプかわかれば参考レシピや情報を検索しやすくなる。

 

それじゃあ今回から何回かに分けて、一般的なアーキタイプについて学んでいこう。

今回扱うアーキタイプ「アグロ」だ。

 

・アグロ
・ビートダウン

いわゆる速攻デッキや攻撃的なデッキと呼ばれるのはこのタイプ。
アグロというのは馴染みのない言葉かもしれないがいわゆる「アグレッシブ」という言葉を縮めたものだ。
ビートダウンは「殴り倒す」という意味の言葉で…まあそのまんまの意味だ。

小型のクリーチャーを中心に並べて序盤から攻勢をかけてゲームの早期決着を目指すのが一般的だ。



派生用語

・白ウィニー
 ウィニー(弱者)の集まりを意味するデッキ。
 白の小型ビートダウンの場合、横に並べて「全体に+1/+1する」などで支援する。

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・バーン

 主に赤、または赤黒。
 攻撃的なデッキと言う点ではアグロと変わらないが、ダメージ源がクリーチャーでなく
 直接火力呪文の場合は火力に合わせてバーン(燃焼)と呼ぶ。
 とはいえアグロデッキにも火力呪文は入るしバーンデッキもクリーチャーが0のものは少ない。
 「クリーチャーが主体ならアグロ」
 「火力主体ならバーン」という傾向があるだけで、明確な線引きはない。

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・赤スライ
 赤のアグロもしくはバーンの中でも特筆すべき速攻特化のものをさす。
スライさんという人が使った逸話が当時有名なのでデッキもスライと呼ばれ、いまだに呼ばれ続けている。
「一番効率よく手札を使い切るための土地配分とマナカーブ」を突き詰める、計算された攻撃的デッキ。
 その分、一度計画が崩れるとジリ貧。

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どれも「早期決着」を目指す攻撃的なデッキだ。

だがアグロという言葉が別の使われ方をすることもある。

 

 

例えばコントロール(妨害系デッキ)が基本となる色(青とか青とか青)のデッキに対して○○アグロと言う場合、速攻デッキというより攻撃的な要素を含むものであることを指す。


青単アグロ(青単テンポ)と言うデッキは「速攻デッキ」ではないが非常に「前のめりな妨害デッキ」なのでアグロと呼ばれる。

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具体的にどんなデッキか?
打消しや呪禁付与を多く含むデッキで相手の呪文を妨害する。
ただし、勝ち手段が前のめりだ。
通常の青いデッキのように「妨害しつづけて相手のデッキ切れを待つ」とか「コストの重い切り札を出せるまで妨害を続ける」のではなく
『1ターン目に1/1の戦力を出してそれを守りながら20ターン妨害しきれば勝つ』という思想がベースになっている。
(実際には2マナや3マナのクリーチャーも入るので20ターンも戦うことはないだろう)

 

つまり「前のめりな妨害デッキ」なのだ。
アグロとは必ずしも「早期決着デッキ」というわけではなく
「早期」の意味の取り方は各アグロデッキによって違う…
というより「○○アグロ」は「○○デッキ」の中では「早い方のデッキ」くらいのニュアンスだ。


○○が遅ければ青単アグロのようにややゆっくりとしたデッキに収まるし
赤単アグロのように○○が早ければそれはかなり早い高速デッキになる。

青単アグロのようなデッキは他のアグロと少し方針が違うので、
「クロックパーミッション」に分類されることがある。
こちらについてはまた次回扱おう。

 

今回のまとめ

アグロとは基本的にクリーチャーの攻撃によって勝利する「比較的早い」アーキタイプ
主に「クリーチャーの攻撃」での勝利を目指す【ビートダウン
「火力呪文」による直接ダメージを主軸にする【バーン】に分かれる。

必ずしも速攻デッキというわけではなく「その色の中では攻撃的な方」という意味

【 #MTG 】永遠神ケフネトと副陽の接近【灯争大戦】

突然ですが問題です。
 
あなたは《副陽の接近》を既に一度唱えている。
《永遠神、ケフネト》の能力で《副陽の接近》をコピーした場合、
《副陽の接近》のコピーが無事に解決されれば、あなたはゲームに勝利することができるだろうか?

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ああ、もちろん《永遠神、ケフネト》はまだ未発売のカードだ。
リリースノートに詳細が書かれない限りジャッジにも「正解」は断定できない。
(極論、リリースノート公開に伴う既存のルールの変更の可能性は0ではないのだ)
 
だがマジックのテキストは非常に緻密に書かれている。
ケフネトのテキストを読み解くことで発売前のこのカードの挙動を探ってみよう!
 
というわけでTwitterに投げてみたところ様々な回答をいただいた。

 
今のところ「できる派」よりも「できない派」が多いようだ。
 
それじゃあ、なぜ「できない」のか理由を考えてみよう!
 
説1.コピーは唱えてないから
 
これは恐らくルールに少し興味を持っていプレイヤーの解答だろう。。
「呪文のコピーは唱えられない」ということを知っているあたり、ルールについて素人と言うわけではないようだ。
 
そう、「呪文のコピー」を「唱える」ことはルール上 不可能なはずだ。
それは正しい。
だが「《副陽の接近》のコピー」は唱えることができるのだ。
どういうことだろう?
 
 
呪文のコピーとカードのコピー
 
呪文のコピーとカードのコピー、それはどちらも同じことだろう…?
違うのだ…!!
この違いを知るためには「呪文」と「カード」の違いについて知る必要がある。
 
ざっくり言うと同じものでもスタックにあるなら呪文と呼ぶし、手札やデッキ・墓地ではカードと呼ぶ。
「唱える」という用語は非常に複雑なルール用語だが簡単に言えばどこか別の場所からスタックに移動させること」を「唱える」と呼んでいる。
「すでにスタックにある呪文」はスタックにあるので「別の場所」から「スタック」に「呪文」を置くことはできない。
(すでにスタックにあるのでスタックに動かすこと自体が不可能)
 
「呪文のコピー」はこの「すでにスタックにある呪文」をスタック領域にコピーする。
「呪文のコピーは唱えることができない」というのは
「呪文のコピーは(既にスタック領域にいるので)(別の場所からスタック領域に動かすことを意味する)唱える ができない」のである。
 
だがケフネトは違う。
ケフネトが作るものは「カードのコピー」だ。
カードはスタック領域にない時の呼び方なので、「カードは唱えられる」
(マナコストが存在しないカードとかを除く)
 
ケフネトにより「《副陽の接近》のコピー」がどこかに作られてそれを唱えることができるのだ。
 
それでは次のポイントに移ろう。
 
説2.手札から唱えていないから
 
さて、さっきの文章を改めて見よう
ケフネトにより「《副陽の接近》のコピー」がどこかに作られてそれを唱えることができるのだ。』
 
どこかってどこだよ…。
ここを特定する(最低でも手札か手札じゃないかを明らかにする)ことができないと、
ケフネト副陽問題の答えが見えてこない。
 
コピーはどこに作られるのか?
ルールを確認してみると「コピー元と同じ領域」に作られるらしい。
つまりケフネトで公開したカードと同じ場所と言うことだ。
はい、問題かいけ…
 
ケフネトの公開カードどこにあるんだ?
 
感覚的にはかなり手札だ。
「手札を引いたときに公開する」って言うならそれはもう手札に違いないだろう。
 
ケフネトは「手札を引くに際して公開する」のだ。
 
引くに際して…?
 
戦場に出るに際して
 
(領域の移動)に際して~という文章でもっともよく見かけるのは
「戦場に出るに際して」だろう。
 
戦場に出るに際して行うことは「戦場に出る直前」、つまり戦場に出ていないタイミングで行われる。
 
いわゆる置換効果という奴だ。

総合ルール614.1c

 「[このパーマネント]は〜状態で戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield with ...」、

「[このパーマネント]が戦場に出るに際し〜/As [this permanent] enters the battlefield ...」、

「[このパーマネント]は〜として戦場に出る/[this permanent] enters the battlefield as ...」という効果は置換効果である。


戦場に 出るに 際し などは どうやら置換効果らしい。

総合ルール614.4 
置換効果はしかるべきイベントが発生するよりも前に存在しなくてはならず、「時間をさかのぼって」既に起きたことを変えることはできない。通常、これらの効果を作る呪文や能力は、そのイベントを作る何かに対応して 唱えられたり起動されたりするので、そのイベントが起こるよりも前に解決される。

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数を選ぶのは戦場に出る前。


えっ?
じゃあ「手札を引くに際して公開する」の場合はカードが公開される場所は手札じゃないってこと…?
 
ここがマジでわっかんねー!!!ってなってあーだこーだ言ってみた。
後半の書式が「再帰誘発型能力」の記述構文になってるとか
いや、なってないwhenじゃなくてwheneverって書いてあるとか
wheneverはwhenとルール上は同じ意味で該当イベントが何回起こるかによって書き分けられてるだけだとか

色々な話が出た中で僕が得た結論、「たぶん公開されたカードが手札にある間に誘発し、コピーは手札にできる」
 
ほんまか?
 
私にもわからない。
だいたい誘発場所が争点なのにそんな答えでいいのかと言う不安もある。
ジャッジの方とかで答えのわかる人がいたら教えてください。
 
というわけで僕のルール解釈、
例として挙げたのが「戦場に出るに際して」だったのがまずかった気がする。
「戦場に出るに際して」というのは「○○するに際して」の中でも督励もとい特例で個別のルールを持つのだ。

先ほどの総合ルール614.1cをよく読むと
「〜に際し」というものすべてでなく、
その中でも「戦場に出るに際し」の時に置換効果として認められるわけだ。

つまり「手札を引くに際し」は置換効果でない。
 
さっき、督励(とくれい)と言う誤字をしたのはなにも偶然ではない。
まさに督励がそうなのだ。
 
「攻撃するに際して督励してもよい」のほうが「戦場に出るに際して」よりも「カードを引くに際して公開してもよい」に近いのだ。
この督励は主に
「攻撃するに際して督励してもよい」という常在型能力と
それに関連した「督励するたびに○○する」という誘発型効果からなる。

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これはルール607.2gの「関連している常在型能力と誘発型能力」である。
 
総合ルール607.2g 
あるオブジェクトの単一の段落内で、常在型能力と誘発型能力が記載されている場合、それらの誘発型能力はそれぞれ常在型能力に関連している。誘発型能力は、その常在型能力の結果行なわれた処理だけを参照する。
 
で、このタイプの能力は○○するに際して、 の部分で○○は既にしているのだ。
 
例:攻撃するに際して督励
督励する時には攻撃している

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例2:ドラフトするに際して公開する
公開した時にはドラフトしている

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つまりケフネトによってカードを公開するときには「カードはすでに引いている」ので手札にある。
 
コピー元が手札にあるので、コピーは手札に作られる。
 
 
説3.手札から唱えているので特殊勝利できる。
 
というのが現状の結論である。
 
もしこれが当たっているなら「特殊勝利できない」と思た相手が打ち消さずにうっかりスルーした時に勝てるかもしれないね。
 
とはいえまだ未発売のカード。
 
【灯争大戦】の発売はプレリリースは4月27日
もうまもなくやってくるぞ。
 
プレリリースに際し、公開されるリリースノートを楽しみにしよう!
 
 
 
 
 

 

【 #MTG 】コンボ ノミコンで分身 ジェイス・無限 ボーラスについて考える【灯争大戦】

皆さんはコンボノミコンという書物をご存じだろうか?

コンボノミコン、それは読むだけでコンボデッキが生まれるとまで言われる怪しげな魔導書である。

 

 前回無限コンボだと言われていたコンボについて無限にならないよ…という話をした。

参照↓

omamesensei2.hatenadiary.jp

 

だが、コンボノミコンの力を借りれば無限コンボを完成させられるのではないか?

 

というわけでコンボノミコン第一章『わぁい、コンボだよー』に従おう。

第一章ではコンボとなるカードを見つけるために「今までしなかったことをするカード」を探すとある。

まあ、これについては前回終わっている。

龍神、二コル・ボーラス》の常在型能力だ。

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「他のプレインズウォーカーの忠誠度能力を使える」という今までにない能力を持っている。

特に「奥義」と呼ばれる大マイナス能力も使えるのが魅力的だ。

 

第二章『「カギのかかったコンボ」をいかに解体するか』

この章ではコンボの相方を見つける。

コンボとは2枚以上のカードの組み合わせで生まれる。

前回はここで《狡猾な漂流者、ジェイス》という相棒を見つけた。

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奥義で分裂するのだ。

ボーラスがこの奥義を使えばジェイスでなくボーラスが増えるのは前回解説した通りだ。

 

 

第三章『世界の中心で愛を叫んだコンボ』

この章にはコンボパーツの代替物を探したり必要な踏み倒し方法を探したりして、中核となるコンボ部分を強化することについて書かれている。

そして時にはここで、そのコンボに見合ったループを見つけたりするのだが…

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前回はここで《灯の分身》を使ったループを検討する中で、そもそもルール的に無理だという結論になった。

さて《灯の分身》ではコンボが成立しなかったが、《灯の分身》をそのように使おうとしたかを考えることで代替物を見つけることができる。

《灯の分身》「忠誠度を+1する」ことで初期忠誠度4のボーラスに「ジェイスの-5をいきなり使わせる」…という役目があった。

 

そこで「忠誠度+1」を実現する代替物を考える。

すると《寛大なる者、アジャニ》というぴったりのカードが次のパックで追加されることが分かった。

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無限コンボが完成した

 

手順はこうだ。

まず場にジェイス・ボーラス・アジャニを揃える。

 

1.アジャニが「アジャニの-2」を使う。

→ボーラスの忠誠度が5になり「ジェイスの奥義」をボーラスが起動可能になる。

2.ボーラスが「ジェイスの奥義」を起動する。

→ボーラスが分裂。以降トークンをボーラス1号、2号と呼ぶ。

3.ボーラス1号が「アジャニの-2」を起動する。

ボーラス2号の忠誠度が5になり「ジェイスの奥義」を2号が起動可能になる。

4.ボーラス2号が「ジェイスの奥義」を起動する。

→ボーラス3号と4号が場に出る。

5.ボーラス3号が「アジャニの-2」を起動する。

→ボーラス4号の忠誠度が5になり「ジェイスの奥義」を4号が起動可能になる。

……

………

 

(N=2nの時、ただしnはn≧2である任意の自然数)

N.ボーラス(N-2)号が「ジェイスの奥義」を起動する。

→ボーラス(N-1)号とボーラスN号が場に出る。

 

(N=2n+1の時、ただしnは任意の自然数)

N.ボーラス(N-2)号が「アジャニの-2」を起動する。

→ボーラス(N-1)号の忠誠度が5になり「ジェイスの奥義」を(N-1)号が起動可能になる。

 

以降これを繰り返すことでボーラスが増え続ける。

Nが奇数の時、

N回目には(N-1)体のボーラス・トークンがいて、

これを繰り返す間にアジャニが全体にカウンターをバラまき続ける。

ボーラス1号にはその間にも忠誠度カウンターが乗りつづけ、忠誠度は(N-2)になる。

 

これで任意の数だけボーラスを並べることができる。

わーい、コンボー!

 

後は次のターンに無限ボーラスの-3能力を起動して相手の伝説のクリーチャーとプレインズウォーカーを皆殺しにしてからボーラスの奥義で勝てるんだ。

 

 

 

第四章『コンボはリソース管理の夢を見るか』

四章には、中核となるコンボに適したマナ加速や手札補充、コンボパーツサーチの手段などを見つけて、実際にコンボがデッキとなるための下地を作る方法が書かれている。

実際ここまでに結局すべての色のカードを使っているため、これらを場にそろえるためにはのべ12マナ5色が必要になる。

流石に悠長だし順番に出して生き残るのを期待するのはリスキーなのでショートカットを考える。

《上古族の栄華な再誕》がそのマスターピースになる。

 

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ここまでのコンボパーツはすべてが伝説のパーマネントなので、《上古族の栄華な再誕》さえ唱えることができたなら、コンボが完成する。

 

この伝説のソーサリーは7マナ2色だけで墓地からすべてのコンボパーツを場に揃えることができる。

(ただし伝説ソーサリーなので場に伝説のクリーチャーかPWが必要だ)

《最後の別れ》は再誕を探しつつ足りないコンボパーツを墓地に送れる。

これらの素敵なアイデアをくれた私の後輩たちに感謝して次の章へ進もう。

 

第五章『純粋コンボ批判』

相手の妨害に耐えられるか、もしくは自分自身が妨害をするカードを入れる余裕があるか、を判断する方法が書かれている章だ。

さて、ではここまでのロマンコンボを組んだものの間に一度相手のターンを挟んでしまっている。

通常の環境なら無限ボーラスの時点でほぼ勝ちなのだが、

灯争大戦環境では、その1ターンで容易に崩される要素がたくさんある。

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これらに耐えられるようするか、妨害の余地なく決められるようにコンボを尖らせるしかない。

というわけで伝説のパーマネントを絡ませることでこのコンボを完成させよう。

最後に加えるのは《テフェリーの誓い》だ。

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このエンチャントは伝説なので再誕で場に出せる。

さらに自分のターンに「追加行動」ができるので相手ターンを待つ必要がない。

それどころかアジャニも必要なくなる。

 

再誕で場にテフェリーの誓いとボーラスとジェイスを並べたらコンボ開始だ。

 

1.ボーラスの+1能力を起動する。

→忠誠度が5になる。

2.誓いにより追加行動させ、ジェイスの奥義をボーラスに使わせる。

→ボーラスが分裂する。

3.増えたボーラスで同様に繰り返す。

(自分のデッキ枚数が足りずライブラリアウトしそうならボーラスにジェイスのプラスを使わせればいい)

 

ボーラスの+1は対象を取らないので相手が呪禁を持っていても呪禁パーマネントがあっても関係なく根こそぎにできる。

奥義も同様に対象を取らないので「このターン、プレイヤーが呪禁を得る」などのパーマネントに依らない呪禁も突破して相手を敗北させられる

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コンボノミコンの恐ろしさ伝わっただろうか?

キミもコンボノミコンの記述に従って「わーい、コンボー!」してみよー。

 

【 #MTG】《灯の分身》は無限ボーラスの夢を見るか?【灯争大戦】

Twitterこんな旨のツイートを見かけた。

「灯争大戦のボーラスと《灯の分身》と《狡猾なる漂流者、ジェイス》の3枚で無限にボーラスのコピーが作れるんじゃないの?」
「コピー可能な値がどうなのか知らんけど」

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どういうことだろうか?

 

想定される動きは恐らくこうだ。

 

場にジェイスとボーラスがいる。

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ここで《灯の分身》を唱え、その能力により「忠誠度カウンターが1つ多く載るボーラス」として場に出す。
これで忠誠度5のボーラスが出る。
(以降、このオブジェクトを【ボーラスの分身】と呼称する)

 

この【ボーラスの分身】はその能力により、ジェイスの奥義を即座に使える。
奥義を使うとまず【ボーラスの分身】からは忠誠度カウンターが5つ取り除かれる。
【ボーラスの分身】の忠誠度能力がスタックに乗り、
その直後の優先権のチェックに合わせて状況起因処理によって【ボーラスの分身】は死亡する。


【ボーラスの分身】の忠誠度能力を解決することで【ボーラスの分身】のコピートークンが2体、忠誠度5で戦場に出る。
これにより出たトークンを【トークンA】【トークンB】とする。
以降、奥義により出るトークンをトークンC,D,E,…とする。

 

トークンA】が奥義を使用し【トークンC】と【トークンD】を生成し、
トークンB】が適当にボーラスの+1能力を使い1枚ドローして相手にカードを追放させる。

 

トークンC】が奥義を使用し【トークンE】と【トークンF】を生成し、
トークンD】が適当にボーラスの+1能力を使い1枚ドローして相手にカードを追放させる。

 

…これを繰り返した後で今度はボーラスの+1の代わりにジェイスの-2を使うようにしていけば、
《残骸の漂着》などを撃つマナや手札を残さずに2/2の群れが相手を攻撃して勝てる…ということであろう。


さて、本当にそんな事が可能なのだろうか?

 

いくつかの「ルール上可能か?」というハードルを越える必要がありそうだ。
それらを検証していこう。

 

Q1.すでに忠誠度能力を使ったプレインズウォーカ―のコピーは忠誠度能力を使えるか?
A1.可能である。

 

忠誠度能力は1ターンに1度までだ。
果たして既に効果を使ってしまったプレインズウォーカーのコピーは能力を使えるか?
コピートークンは忠誠度能力を使えるか?

忠誠度能力は1ターンに1度までという制限はオブジェクト1つあたりにかかるので、
コピーはコピー元が使っているかを参照しない。
加えて言えばコピー元は能力を使っていない本物のボーラスなので、この質問自体がお門違いだ。

ちょっとばかり君たちがちゃんと読んでくれているか試したのである。

 

Q2.【ボーラスの分身】が出すトークンは「狡猾な漂流者、ジェイス」ではないのか?
A2.【ボーラスの分身】が出すトークンはボーラスである。

 

総合ルール 201.4b


そのオブジェクト自身をカード名で参照している能力をカード名の異なるオブジェクトが得た場合、
得られた能力に含まれる、前者のカードを参照するために用いられている前者のカード名はすべて後者のカード名であるとして扱われる。

 

というわけで今回のパターンにあてはめると…
「そのオブジェクト自身をカード名で参照している能力(ジェイスの奥義)」
「カード名の異なるオブジェクト(【ボーラスの分身】や【トークンA】)」が得た場合、
「得られた能力(ジェイスの奥義)」に含まれる、
「前者のカードを参照するために用いられている前者のカード名(狡猾な漂流者、ジェイス)」はすべて
「後者のカード名(Nicol Bolas,Dragon-God)」であるとして扱われる。

 

つまりボーラスの常在型能力によってジェイスの奥義を得た場合、
その能力は「‐5:それが伝説でないことを除きNicol Bolas,Dragon-Godのコピーであるトークンを2体生成する。」となる。

なので出てくるトークンはボーラスのコピーである。

というわけで問題はすべて解決したのでデッキの形にこのコンボを組み立てて…


待った!

我々は重要なところを見落としている。
果たして出てくるボーラス様の上の忠誠度は5つなのだろうか?

すべてのプレインズウォーカ―は「戦場に出るに際し、初期忠誠度に等しい数の忠誠度カウンターを乗せた状態で出る」という能力を持つ。
これを《灯の分身》が場に出るに際し~の能力で上書きした。

 

この「戦場の出るに際し~」の能力が【ボーラスの分身】のコピー可能な値として認められる場合、
忠誠度カウンターは5つ載る。
だが、これがコピー可能でないとしたら【トークンA】および【トークンB】の上には忠誠度カウンターが4つしか乗らないことになる。

 

はたして「それが戦場に出るに際し」という部分はコピー可能な値なのだろうか?

 

総合ルール 706.2

(略)

オブジェクトの「コピー可能な値」とは、オブジェクトに記載されている値(カード名、マナ・コスト、色指標、カード・タイプ、サブタイプ、特殊タイプ、ルール文章、パワー、タフネス、忠誠度)に、他のコピー 効果、裏向きの位相であること、パワーやタフネス(や、場合によってはその他の特性)を定める「戦場に出るに際し/as ... enters the battlefield」「オモテになるに際し/as ... is turned face up」の能力、そのオブジェクトを裏向きにする能力による影響を加味したものである。

(略)

 

なるほど。どうやらそれが戦場に出るに際しての能力はコピー可能な値らしい。

すなわち【トークンA】には5つのカウンターが乗るということか!

 

…と私は考えたのだが該当の文をよく読みなおすとどうも違う。

 

パワーやタフネス(や、場合によってはその他の特性)を定める「戦場に出るに際し/as ... enters the battlefield「オモテになるに際し/as ... is turned face up」の能力

 

その特性を定める…?

 

そうここだ!

 

灯の分身をよく読むと「追加の忠誠度カウンター」を得るようになっている。

これは初期忠誠度という特性を新たに定めるのではなく、

初期忠誠度に加えて1つのカウンターを乗せる。

 

故にコピー可能な値ではないのだ。

 

(仮に《灯の分身》が初期忠誠度という特性そのものを書き換えるものだったなら成立したのだろうか?)

 

というわけで今回の結論。

《灯の分身》《Nicol Bolas,Dragon-God》《狡猾な漂流者、ジェイス》の3枚での無限コンボは成立しない。

 

*注*

未発売カードなのでリリースノートが出るまでは確定でなく私がルールを読んで解釈した内容です。

高レベルのジャッジの方で違うよ!って思う方いたら訂正と謝罪の記事をあげますので連絡下さい

ツイッター(@MAME_NYA)


とはいえ、できないで終わるのも寂しいので

「できる方法」についても考えて…わーい、コンボ―!

 

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TRPGとは何か? その2「ハードとソフト」

この記事はTRPGについて話すシリーズの第二回です。

第一回はこちら↓

 

omamesensei2.hatenadiary.jp

 

 

前回のおさらい

①TRPGは「机を囲んで演じるゲーム」である。
②TRPGには「クリア条件」「ルールブック」「主体的な選択肢」がある。

 

さて前回の話では具体性が欠けていた。
ぼんやりとTRPGの輪郭を知るための話で、
具体的にTRPGとはどのようなものなのかは深めていない。

 

…というのもぼんやりと言うしかないのだ。
「具体的な話」に入ると非常にまとまりない話になってしまう。
そこでまずは外堀からTRPGの輪郭を探っていったのである。

 

さて、具体的にどのように遊ぶかと言う話になると何故まとまりがなくなるのか?
それはTRPGというのが広い範囲の「遊び」を包括するからである。

 

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例えば君がニンテンドー3DSってどうやって遊ぶの?」と誰かに聞かれたとしよう。

ソフトを挿して、電源を入れて…
その後、どうしたらいいのだろう?

 

答えは「入れたソフトによって違う」ということになる。

 

あるゲームが「TRPG」であるということは、
別のあるゲームが「ニンテンドー3DSのソフトである」というくらい中身がない虚無情報なのだ。

 

ああ、でも「ニンテンドー3DSのソフトである」ということは 遊ぶゲームついていくつかのヒントをくれるね。
それはきっとタッチペンを使うだろう。
(使わないなら他のゲームでもいいはずだ。)
それから画面が上と下の2つあることも恐らく重要だ。
あとは…ああ、そうだ。当然3Dで奥行きのある映像が見れるだろう。


…おわかりいただけただろうか?
TRPGってどんなゲームって聞くのはこれと似たような問であり、
故に答えはぼんやりとしたものになってしまうのだ。

 

 

Q.ニンテンドー3DSとはどんなゲームか?
A.ソフトによる。

Q.TRPGとはどんなゲームか?
A.ルールブックによる。

 

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一般的なコンピュータRPGは遊ぶのに2つのアイテムが必要になる。
「ハード」「ソフト」だ。


「本体」「カセット」という呼び方もできる。

具体例を挙げようか。


ニンテンドー3DSプレイステーション4、Switch、PSVita…
これらはゲーム機本体に当たる。


ポケットモンスター・サン、SEKIRO、ブレス オブ ザ ワイルド、サイバースルゥースとかがソフトだ。


あー。電源ゲームに詳しくない人もいるかもしれない。


ここは有名な「コンピュータRPG」であるドラゴンクエストとかファイナルファンタジーの方がわかりやすいか。
ドラクエやFFはソフト
ファミコンとかゲームボーイハードだ。

 

ここまではOK?

コンピュータRPGは本家RPGであるTRPGの新しい形だというのは前回話したね?

コンピュータRPGの「ハード」「ソフト」にあたるものが本家RPGにも存在する。
先ほどのQ&Aからも分かるように、ソフトに対応しているのは「ルールブック」だ。

ではハードは?

 


そもそもなぜ「コンピュータ」RPGか?

 

さてテーブルトークRPGは机を囲んで離しながら遊ぶGameだ。


しかしこの遊びにはいくつか不便なところがあったのだ。
*現在は技術的な進歩により解決された部分も多い*

 

・進行役を担う者の負担が大きい
・判定の計算など頭を使う「作業」が出る
・複数人が予定を合わせて集まる必要がある
・集まれる場所が必要
・まとまった時間が必要

 

これらの問題の解決策として生まれたのがコンピュータRPGなのだ。

 

進行役をコンピュータにやらせることで人間の負担を減らし、
計算作業もコンピュータにやらせることで疲れることなくプレイできる。
他のプレイヤーの代わりもコンピュータにやらせることで1人で遊べるようになり
場所を取らず、予定合わせの必要もなくなり、長い時間続けて遊ばずともよくなり、
プレイ時間を分割することができるようになるのだ。


というわけでTRPGにおけるハード「人間の頭」だ。
参加者の脳みそがTRPGにおける「ハード」になるのだ。

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人間の頭という「ゲーム機」ルールブックという「カセット」を読み込ませる…という比喩は、
そもそもTRPGが本家RPGである以上ゴジラっていうのはメカゴジラの生物版だよ」みたいな話になる。
なので本来あまりよくない例えだが、現代の知名度としてはそう言うしかないだろう。

 


テーブルトークRPGはコンピュータRPGがやっている処理を人間が担当するゲームなのだ。

 

さて、なぜTRPGでは処理を「人間がやっていた」でなく今なお「人間がやりつづけている」のだろう?
機械ではなく人間の「あたたかみ」が大事という手作り信仰の類なのだろうか?
いいや、そうではない。

「あいまいな処理」や「予想外の処理」をするためだ。

 

たとえば君が魔王の城に攻め込む時、開かない扉があって「鍵」というアイテムを取ってこないと先には進めない…

 

これはコンピュータRPGでよくある「処理」だ。
機械的な処理はプレイヤーの所持アイテムリストから「鍵」の有無だけを見る。


でも一度くらい考えたことはないだろうか?


「いや、仲間には爆裂魔法の使い手がいるんだからこんなドア、どかん☆とやっちまえばいいのでは?」と。

 

君が画面の前でそういったところでコンピュータRPGは

「鍵がないと開かない扉だ…」とシステムメッセージを返すだけだ。

 

しかしTRPGでは処理をするのは人間である。

「確かに…魔王の城に挑めるほどの魔法使いの爆裂魔法でも壊れない扉なんて、そんなにないよな…」と納得すれば
扉を吹き飛ばせるかもしれない。
なんなら一部のTRPGはルールブックに「扉を壊すのに必要なのはどれくらいの威力か?」というのが書かれていたりする。

 

あるいは「確かにその通りだけど君たちは今、魔王暗殺のために忍び込んでいることを忘れないで。派手な音がすれば魔王城の衛兵に見つかる可能性が高いよ」
などと「鍵がないと開かない扉だ…」以外の答えが返ってくるかもしれない。


「ぶっちゃけ、鍵を取りに行く途中でゲットするアイテムがないと扉の向こうのボスが倒せないんだよ」という本音トークが聞けるかもしれない。

 

なんだ。やっぱり色々と理由をつけてみたがつまるところ手作りの「あたたかみ」があるって話じゃないか。

 

TRPGは「テーブルトーク(机を囲んで話す)」RPGだ。
積極的に話し合い提案して物語を進められる。


そしてTRPGのプレイヤーをする時、君は「演劇を見る観客」でも「台本通りに動く役者」でもない。
主体的に選択をすることができる人格(キャラクター)なのだ。

そしてそれを受けて劇を動かすのもまた「台本」ではなく、人間なのだ。

これがTRPGを演劇というEventでなくGameにしている部分なんだ。

 

 

今回のまとめ

 

TRPGは「人間の頭」というゲーム機で遊ぶRPGだ。
ソフトにあたるのがルールブックである。
TRPGのウリのひとつは「あたたかみ」のある処理にある。

TRPGとは何か? その1「ちくわ と かまぼこ」

TRPGとは何か?

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「いらすとや」には何でもあるなぁ。

ブログタイトルにTRPGとついてるけどTRPGの話をあんまりしないので何か書こうかな?ってことでネタを募集しました。

 

 

「そもそもTRPGとは何かを書いてはどうか?」という提案があったのでその話題でシリーズ記事を書いてみることにします

 


TRPGのTは「テーブルトーク(机を囲んで話す)という意味です。
それじゃあRとPとGは?

という話をする前にちくわとかまぼこの話をしよう。

 

ちくわとかまぼこ

 

さて、ここで突然だが「ちくわ」と「かまぼこ」の話をしよう。

(OK,OK! 私には画面の前の君が「はぁ?」って顔をしていることを分かってるよ)

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もともと「かまぼこ」と言えば私たちが知っている「ちくわ」を指すものだった。

ところが「新しい かまぼこ の種類」として「板かまぼこ」というものが生まれた。
こちらが今日 「かまぼこ」と呼ばれているものの発祥である。

 

「かまぼこ」が二種類のものを指すのでそれぞれ
「本家かまぼこ である竹輪かまぼこ」と
「新かまぼこ である板かまぼこ」と呼び分けることになった。

 

言葉と言うのは使って人口に膾炙していくうちに短く言いやすくなっていくもので、
「竹輪かまぼこ」は短く「竹輪(ちくわ)」と呼ばれるようになり、
「板かまぼこ」は上が取れて「かまぼこ」になったのである。

 

いや、「本家かまぼこ」が「かまぼこ」じゃなくて「ちくわ」になって名前のっとられてるやん!

という雑学です。


なんで唐突にそんな話をしたかと言えば、
TRPGという言葉にも似たようなことが起こっているからです。

 

もともと「RPG」というものがありまして、
新しく「コンピュータRPG」という親戚が生まれました。

次第に本家の方は「テーブルトークRPG」、
新しいものは「コンピュータRPG」と呼びわけることになりました。
(私が生まれるよりも前、Wikipediaによると1987年ごろだそうです。)

名前は言葉と言うのは使って人口に膾炙していくうちに短く言いやすくなっていくもので…


というわけで現在ではRPGと言えばコンピュータRPG(ドラゴンクエストとかファイナルファンタジー)を指すようになってしまい…


テーブルトークRPGは名前を乗っ取られてしまったのです。

 

「テーブルトーク」の部分が長いので「T」とだけ略してTRPGという言葉になったのです。
(あるいは「竹輪かまぼこ」を「ちくわ」と呼ぶように「テーブルトーク」と呼ぶ人もいるらしいですね)

 

というわけでテーブルトークRPGとは本家RPGなんですね(起源主張)

 


RPGとは何か?

 

というわけでTRPGこそが本家RPGだということをはっきりさせたうえで、
RPGってそもそも何? というところについて書いていこう。
RPは「演技」を表し、Gは「ゲーム」の略だ。


つまりRPGとは「演技をするゲーム」なのだ。

 


おままごとRPG

 

さて、演技と聞いてどのようなものを思い浮かべるだろう?
すぐに出てくるのは映画やドラマ、演劇などじゃないかな。
では「演技をする遊び」というと…
恐らく「おままごと」ごっこ遊び」というものが出てくるんじゃないかな。

 

これらの演技をする遊びとTRPGの違いは何だろう?
ヒントはG、Gameという言葉に隠されている。

 

 

《マークのゲーム定義》

《MARK'S DEFINITION OF A GAME

 

世界初のTRPGである「ダンジョンズ&ドラゴンズ」、
現在その販売などを行っているWoCという会社の有名な社員Mark Rosewater氏が以下のような記事を書いている。
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/what-game-2018-06-04

 

その中で彼が「マークのゲーム定義」として挙げているのは以下のようなものだ。
A game is a thing with a goal (or goals), restrictions, agency, and a lack of real-world relevance.
(ゲームとは、「ゴール」「制限」「主体性」があり、「現実的意味」はないものである。)

 

そして
「ゲームのようだけど『ゴールがない』」ものを toy(おもちゃ)
「ゲームのようだけど『制限がない』」ものをactivity(活動)
「ゲームのようだけど『主体性がない』」ものをevent(イベント)
などのように要素を満たしていないものを区分している。

 

注意:これは「○○はゲームじゃない!」という誹謗でなく、分類的な意味だ。
例えば「マインクラフト」は一般的にはゲームと呼ばれるが、
この記事では「遊ぶモードによる」としている。
例えば「サバイバルモード」はこの定義ではGameであるが、
「クリエイティブモード」だと定義上はToyになる。

 

 

さて、RPGは「演じる遊び」だが「おままごと」や「ごっこ遊び」ではなく「演じるGame」だ。
なのでそれらや演劇に似ているがGameの3要素を持っているんだ。

 

順に説明していこう。

1つ目、RPGにはゴールがある。
これは「クリア」と言い換えてもいい。
おままごとと違って「ゲームクリア」が存在するのだ。

 

基本的には「物語をハッピーエンドにする」のがたいていの場合のクリア条件だ。

RPGはクリアを目指してみんなで遊ぶゲームである。
*ゲーマーはすぐに例外を指摘する生き物なので書いておこう。他のクリアがあるTRPGもあるのはもちろん知っているよ。だから今はちょっとだけ静かにしていてほしい。いい子ならできるね?*

 

2つ目、RPGには制限がある。
これは「ルール」と言い換えることができる。


ごっこ遊びではそれぞれが好き勝手になりきるがRPGには従うべきルールがある。
例えば君が魔法使いを演じる時にどんな魔法が使えるかは大抵の場合ルールに書かれている。ルールブックと呼ばれる本がTRPGには必要なんだ。
魔法はどんな種類のものがあって戦士の使える武器はどんなものがあるのか、そういったことがルールブックには書かれている。

 

3つ目、RPGには主体性がある。
これは「選択肢」と言い換えてもいい。


演劇では筋書きは決まっている。
勇者が剣でドラゴンを切り殺す! そう台本にあれば物語はそのように進む。
君が剣ではなく魔法を使うと決めれば魔法で殺すかもしれない。
あるいはドラゴンと友達になり手を取りあう道もあるかもしれない。
(ああ、そしてゲームにはバットエンドもあるよね!君は負けて食べられるかもしれない)

劇と違ってあなたがどのように行動するかは、あなたに選択権があるんだ。

 

 

TRPGとは「演じるゲームである」

それは「クリアのある おままごと」に近い。

それは「ルールのあるごっこ遊び」に近い。

それは「選択肢を選べる演劇」に近い。

 

まだ多分TRPGとは何かわからないだろうけれど

輪郭は伝わっただろうか?

 

「TRPGとは何か? その2」では、もう少し詳しく迫ってみよう。

それでは今回はここまで。

次回、「ハードとソフト」の記事へ続く。

 

*4/11追記

第二回です↓

omamesensei2.hatenadiary.jp

 

 

 

ゼノンザードをべた褒めする

ゼノンザードというカードゲームを知っていますか?

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https://www.aicarddass.com/zenonzard/

 

「AIと共に、AIと戦う」というキャッチコピーの対戦カードゲームです。
そろそろクローズドβテストが始まるのでアドバンスドプレイヤーの私はとても楽しみにしています。

 

*この記事はゼノンザードの絶賛記事です*
*発売前のデジタルTCGをバカにする殴り棒が欲しいならこの記事は全く逆の結論になるのでブラウザバックしてね*

 

とはいえ、私はこのゲームのアプリリリースに懐疑的でした。

というのもゼノンザードのアプリは「致命的な欠点」があると感じたからです。
ところが昨日、ゼノンザードのアプリにおける対戦システムを知ったとき…
私は手のひらを反すことになりました。

「ゼノンザードのシステム考えた人、神か…?」


私が意見を変えたのはなぜか?
まずは「ゼノンザードが抱えている(と思われた)致命的な欠点」について語るところから始めましょう。

 

 

致命的な2つの欠点

 

さて、私はリリース前のアプリに対して何の情報もなく批判しようと思ったわけではない。
実はゼノンザードでは「紙のカード」を配布したりするなど既に体験できる場を設けている。

そういったキャンペーンの中で私もゼノンザードを実際に遊んでみて、「致命的な欠点」を2つ発見した。

 

・フラッシュタイミングの存在
・敗北の理由が比較的はっきり出ること

 

 

フラッシュタイミング

 

さて、では1つ目の欠点について。

ゼノンザードがウリにする要素のひとつに「フラッシュタイミング」というものがある。
早い話、「対戦相手の手番に自分が行動できるタイミング」だ。

こう言った「相手のターンでの行動」は一般的に「紙のカードゲーム」に多く「デジタルカードゲーム」では少ない。
なので「デジタルゲームをメインのマーケットとして想定しているTCG」で、
フラッシュタイミングを設定するゲームは非常に珍しくウリにしようというのもわかる。

こういった相手のターンでの行動は「駆け引き」を生み勝負を盛り上げる逆転の要素になりカタルシスを生むのだ。


うん、確かにこのフラッシュタイミングの存在はゼノンザードを「珍しい」ものにしているのは事実だ。
だが多くのデジタルゲームがそれを行わないのにはちゃんと理由がある。

 

世界最初のTCGを現在も販売しているWoCが開発コラムとしてこんなことを語っていたことがある。


「失敗をやり直すことはできる。魅力的なことをすることはできる。それまで手がけたことのなかった発想を掘り下げることはできる。成功を繰り返すことはできる。そして、それまで破ったことのないルールを破ることはできる。

しかし、そのどれも、デザインの始点とすべきではない。それらは、個別に精査し、そしてそれにふさわしい場所が来るまでどこかに持っておくべきものなのだ。

これらを使うのは、そのゲームにおいて有機的に収まる方法があるからであって、何かを証明したいから、あるいは挑戦として、ではないのだ。」

 

これはつまり「何か真新しいこと」あるいは「自分なら上手くやれると思った、誰かが失敗していること」をゲームデザインにいれることを咎め
「それがそのゲームにとって必要だ」という時にこそ取り入れるべきだという戒めだ。

 

ゼノンザードのフラッシュタイミングはまさにこれだ。
「対戦相手の手番に動けるデジタルカードゲーム」は少ない。
だが少ないのにはちゃんと理由がある。


デジタルゲームに置いて「相手のターンに動ける」というのはゲームの利点ではなくウリにはならないのだ。
ゲームの方がそのデザインを求めていないのに「我々ならやれる」と組み込むのは大局的に見てゲームを悪くするのだ。

 

なぜ相手のターンに動くDCGは少ないのか

さて、ではなぜ相手のターンに動けるDCGは少ないのか?
それはずばり不快だからである。

相手のターンに行動し相手の計算を崩すのはカードゲームの楽しみや駆け引きを生む。
なのでこれはいわゆる「コントロールデッキは卑怯」という話とは全く異なる。

単純に「待ち時間」が不快だという話なのだ。

アプリ系のゲームでは「あっ、ちょっと待って今のところ巻き戻して」という処理をしづらいのだ。

 

例えば君が遊戯王カードゲームを紙で遊んでいる。
そして君が相手のターンに使いたい伏せカードを構えているとしよう。
相手が処理を進めようとして君がカードを仕えるタイミングを飛ばして戦闘に入ろうとした。
君は「ちょっと待って、これを使うから」と少しだけ処理を巻き戻してメインフェイズに戻ってもらう。

これがデジタルTCGではできない。
「処理を巻き戻す」というようなことができるシステムを僕は寡聞にして知らない。

通常、デジタルTCGで「相手のターンに動ける」場合、いちいちそこで「待ち時間」が挟まる。

この「待ち時間」のストレスは実際に遊ぶとなかなか不快である。
行っていればゲームのプレイ中にローディングが挟まるような感じになるのだ。

「自分の番」なのに「相手が動くか考えて止まる」のは非常に不快なのである。


さらにもう一段階話を進めるとそこまでして「駆け引き」のカタルシスを埋めるか?
という第二の問題が迫る。

不快な時間を短縮するために「相手のターンにできる行動」がない場合、
そこをスキップするタイプのゲームで顕著なことに「待ち時間がない」というデジタル特有の感覚が
「相手が何かの罠をしかけているのか」を読み取れてしまう。

相手が本来行動できるタイミングでラグがなかった?
きっと相手は何も使える行動がないのだろう。

何か構えてるように見えるならそれは9割方見せかけのブラフだ。

この「待ち時間がないのでブラフだと判明する」ことにより駆け引きのカタルシスが失われる。


もし駆け引きを残そうとするなら「動けなくても止める」ようにするぐらいしか現実的な対応はない。

これでは不快な「待ち時間」を増大させることになり本末転倒となる。

 

多くのデジタルTCGで「相手のターンに動ける」要素を入れない理由が、この「待ち時間問題」なのだ。

 

致命的な欠点1
フラッシュタイミングがアプリと相性が悪い」


もうひとつの理由はこのゲームの独自要素「フォース」「移動型マナシステム」だ。

これらについてはまた機会があれば細かく書くとして、
結論から言うとこれらは「ゲームのうまさ」が非常に濃くでるシステムだ。
玄人好みな感じ、とでも言うのだろうか。


ゲーム慣れしていると非常に高感度の高い「運をテクニックでカバーできる」要素なのだが、裏を返すと下手な場合、はっきりとそれが出てしまうのだ。

僕が紙でゼノンザードを初プレイして負けた時に思ったのは
「いやぁ、引きが腐ってたなあ」とかでなく、
「あっ、あそこのプレミまずかったな…」という部分だった。

そう、このゲームは「負けた原因」が己の実力だということが比較的わかりやすいゲームなのだ。

 

例えばじゃんけんというゲームで考えてみよう。
君がグーを出して相手がパーを出したので君は負けた。
君の敗因は「グー」「チョキ」「パー」という選択肢からグーを選んだことだ。

だが実際には多くの人がじゃんけんを「運ゲ―」だと認識する。
それは「相手の手」という自分に干渉できない部分が存在するからだ。

こういった「自分の選択」以外の敗因を見つけられるゲームは実はストレスがたまりにくい。


「自分にどうにもならないこと」で負けるのは一見理不尽だが、
実際のところ長期的なプレイでのストレスは自分以外の何かのせいにできると軽減されるのだ。

 

しかしゼノンザードは敗因が「自分である」ことを認識しやすい。

 

序盤の立ち上がりに問題があった?
多くのゲームではその場合の問題は初手の事故だ。

ゼノンザードの場合は違う。
君が序盤の立ち上がりが原因で負けた場合、フォースの選択ミスの可能性が高い。

 

マナが足りなくて切り札を出せなった?
土地事故だろうか?
いいや、移動型マナシステムを上手く使えていないからだ。

 

フォースと移動型マナシステムは「不運」を実力でフォローできるシステムだ。
それは逆に「フォローできず負けたのはキミが弱いからだ」という事実を浮き彫りにしやすい。

「負けた理由」を押し付ける先がないことは「カジュアルゲ―ム」であるスマホアプリとは非常に相性が悪い。


致命的な欠点2
「フォースと移動型マナシステムはあなたの弱さを思い知らせる」


さて、というわけで以上2点が僕が紙のゼノンザードをプレイして
これらが「アプリゲーム」をメインで展開するという時に抱いた致命的な2つの欠点である。
こんなのぜーったい失敗すると思った。


大きく上げたのがこの2つであり細かい要素は他にも出てくる…
カジュアルゲームっぽいのに初心者にとって難しい要素が多いとか、無色カードの妙な強さとか)

 

さて、でもこの記事はゼノンザードをほめたたえるために書いている
何が私の意識を変えてゼノンザード記事を書くように駆り立てたのだろう?

 

ゼノンザードのキャッチコピーを思い出してほしい。
ゼノンザードは「AIと共に、AIと戦う」ゲームなのだ。


僕の中でゼノンザードの評価が大きく上がったのはファミ通の紹介記事だ。

ゼノンザードのメインとなる対戦システム「AIクロスバトル」について知ったことで僕の評価は逆転する。
このゲームのデザイナーは神か…?

 


AIクロスバトル

 

さて、このゲームでは君はAIをパートナーにして遊ぶ
AIはキミのプレイにアドバイスを与え、君のプレイ傾向を学びプレイスタイルを模倣する。

AIクロスバトルという対人システム…いや対AIシステムはそこに焦点を当てている。
このゲームのランク戦は「君VS他のプレイヤー」ではなく、
「君」VS「他のプレイヤーのAI」
「君のAI」VS「他のプレイヤー」の形で行われる。

具体的にどんな感じでランクが上げ下げされるかは蓋を開けてみるまでわからないが…
この発表は衝撃的だ。

 

それではこれを踏まえて改めて「致命的な欠点」を見ていこう。

 

致命的な欠点1
「フラッシュタイミングがアプリと相性が悪い」

 

この欠点は対人戦では相手もプレイヤーである前提での「待ち時間問題」だった。
だがAIの場合はほとんどその時間が発生しない。
対戦相手のレスポンスは常にノータイムで行われる。
駆け引きが損なわれることもない。
仮に相手が「使える札がある」けど「このタイミングでは使わない」ことを学習したAIであればノータイムで「パス」してくる。

待ち時間によって相手の手を知るような興ざめが起こらない。

致命的な欠点1の前提である「対プレイヤー戦」というものが存在しない。
あなたが他のプレイヤーと戦う時、それは「対AI戦」になるのだ。

 

 

では致命的な欠点2はどうだろうか?

致命的な欠点2
「フォースと移動型マナシステムはあなたの弱さを思い知らせる」

つまるところこの欠点を構成するのは2つの理由だ。

「初心者には難しい部分が出てくる」
「敗因が自分だとわかってしまうストレス」

 

それぞれをAIと共に戦うという視点で考えよう。

AIはキミのプレイに指針を与え補助してくれる。
初心者にアドバイスをくれるよき友になる。

カジュアルアプリゲームっぽいのにシステムが以上にストイックである部分は
キミを支援するAIによってとてもやりやすくなる。

 

君が敗北した時、それはまあ君のせいだという「事実」は変わらない。
だが感覚としては違うだろう。
君は負けを「AIのせいにできる」のだ。

AIはキミのストレスのスケープゴートになりうる。
君が負けたのは「AIのせい」なんだと感じることでストレスが軽減されるのだ。


改めて世界初のTCGの訓戒を思い出そう。
「失敗をやり直すことはできる。魅力的なことをすることはできる。それまで手がけたことのなかった発想を掘り下げることはできる。成功を繰り返すことはできる。そして、それまで破ったことのないルールを破ることはできる。しかし、そのどれも、デザインの始点とすべきではない。それらは、個別に精査し、そしてそれにふさわしい場所が来るまでどこかに持っておくべきものなのだ。これらを使うのは、そのゲームにおいて有機的に収まる方法があるからであって、何かを証明したいから、あるいは挑戦として、ではないのだ。


ゲームのデザインは「珍しいこと」「他の人が失敗したことを自分ならやれると示すこと」でなく「ふさわしい場所」に「有機的に収める」ために行うのだ。

 

ゼノンザードは「AIと共に、AIと戦う」ゲームなのだ。
フラッシュタイミング、フォース、移動型マナシステム。
この3つはどれも真新しかったり珍しかったりして大きな欠点がある。
だが、それらはどれもAIが関わることで解消され短所から利点に変わる。

「AIと共に、AIと戦う」ゲームでこそ採用できるシステムなのだ。
まさに「ふさわしい場所」に「有機的に収まっている」

 

ゲームデザイナーの手腕にただただ感心するばかりだ。

ゼノンザード。
それは「AIと共に、AIと戦う」ゲーム。

βテスト、そして正式リリースが待ち遠しい。

www.youtube.com