超次元MTG対戦 TYPE/Zeroぱうぱー
第2話『スパイ、裏切りのデッキ破壊』
第1話↓
「さて、大見栄を切ったはいいものの…」
「あのデッキはシンプルゆえに隙が少ないですわね…」
「先攻を取られて3枚の《ネズミの群棲》がアンタップしたらその時点で負けか…」
「マナを支払わずに対処するカードか壁にできるカードが必要…」
「1ターンキルを防いだとしても返しのターンに倒せなければ厳しい戦いになるはず」
「こちらも当然策略カードを使うしかないネ…」
「同じような速度で1キルできるデッキ…」
「よし。このデッキなら策略を足せば戦える気がしますわ」
「長田さん、私も何か手伝えるかな? カード、貸そうか?」
「アオイさん。何かカウンターのピッチスペルとかあります?」
*ピッチスペル…マナを支払わずに使える呪文
「えっと、『これ』とか?」
「うっ、それはこのデッキとは微妙にかみ合いませんね…」
「そうなの?」
「メインのギミックと相性が悪いのですわ…」
「そっかあ…残念だね」
(でも、もしかして…だからこそレイさんの意表がつけるのでは?)
「お借りしてもよろしいですか? サイドボードに忍ばせておきます」
「いいよ。ぜひ使って」
「それにしてもアオイさんはレイさんのお友達なのにどうして私の方に手を貸して下さりますの?」
「え?」
「確かに私はレイちゃんの友達だけど長田さんの友達でもあるから」
「…!」
「それに、レイちゃんも別に一方的な戦いがしたいわけじゃなくて本当はしたいはずなんだよ」
「同じ土俵での勝負はレイちゃんも望んでいるはずだから」
「ふふっ。勝ち負けがなければ勝負ではない…」
「結局レイさんのためなんですわね」
「やれやれ。わかりました。しっかり勝負になるところ、見せて差し上げますわ」
「長田さん、準備ができたみたいだね?」
「ええ、今度はまっとうな試合にできますわ」
「2本先取の3本勝負でお願いします」
「OK! さあ、楽しい試合にしよう!」
フォーマット:策略パウパー
デュエル!
「コイントスでいい?」
「ええ。では私は裏を指定します」
くるくる…裏!
「先攻は私から!」
「マリガンチェック…引き直しますわ…」
「私はキープだよ」
「ん…。1枚減った初期手札6枚でキープですの。」
「それでは先攻で…いきます!」
「まずは《水蓮の花びら》を使い、黒1マナを!」
(基本の土地カードである沼じゃなくて…使い捨ての《水蓮の花びら》…?)
「秘策公開!《ブレイゴの好意》を3枚!」
「指定しておいたのは《欄干のスパイ》ですの!」
「そうか…!【 The Spy 】アルか!」
「《欄干のスパイ》が戦場に出たことで、私のデッキを研磨します」
「何か対応は?」
「ないよ。土地が出るまでデッキを墓地に送るんだよね?」
「では…私の山札を…すべて墓地へ…」
「なっ!? デッキを丸ごと墓地へ…!?」
「どういうことだよ!?」
「あれこそが【The Spy】の動き…!」
「知っているのか、ミンメイ!」
「《欄干のスパイ》はプレイヤーのライブラリーを『ランダム』に削る能力…」
「相手の山札から土地が出るまでという条件でのデッキ破壊を操作するのは難しいネ」
「でも自分に向けて使うなら話は別アル」
「デッキに1枚も土地カードを入れなければ発動と同時に『確定』でデッキ全てを墓地に送れる…」
「最高の墓地肥やしカードになるネ」
「土地なしのデッキにするなら《水蓮の花びら》のような使い捨てのマナしか使えない」
「それらだけでスパイのコストである4マナを用意する必要があるからこそ、Pauperの【The Spy】は不安定なデッキ…」
「でも《ブレイゴの好意》3枚でコストが3マナも安くなるなら、用意するのはたった1マナだけでよくなる…!」
「更に秘策公開!《即応行動》と《楽園の秘密》! どちらも指定カードは《欄干のスパイ》!」
「スパイから黒1マナで…! 《忌むべき者の歌》をキャスト!」
「墓地にある20枚を超えるクリーチャーたちから大量のマナを生み…!」
「墓地に落ちている《モルグの窃盗》の効果!」
「フラッシュバック! 5マナ払うことで墓地から《モルグの窃盗》を使用できる! そして、墓地のクリーチャーを1枚選び手札に加える」
「これで墓地から《無政府主義者》を回収!」
「お馴染み《猿人の指導霊》から赤マナ!大量に出した黒マナから4マナを払い」
「《無政府主義者》を戦場に!」
「《無政府主義者》が戦場に出たことで墓地からソーサリー呪文を手札に加える!」
「墓地の《惨劇の記憶》を回収」
「この呪文は墓地に置かれているクリーチャーをコストにして相手にダメージを与える!」
「20体のしもべの魂を捧げ…! 20点ダメージ!」
レイ 0-1 長田
「なかなかやるね…」
「でも、そのデッキには致命的な弱点があるよ」
「結局は先攻1キル特化のデッキ!」
「土地カードをコストに要求する《撃退》のようなピッチカウンターが入っていない!」
「いや、いれられないんだよね?」
「くっ…その通りですの。土地を入れてしまえばスパイコンボの成功率は大きく下がる…」
「それじゃあ今度は私が攻める番だよ!」
サイドチェンジを挟んで2本目!
「マリガンチェック…」
(1キルはできない手札か…スパイには確実に1キルを狙っていかないと…)
「マリガンして引き直すよ…」
「こちらも1回引き直して…」
「6枚でキープだよ」
「同じく6枚でキープですわ」
「それじゃあ行くよ! 沼からネズミ3匹を連打して《ブレイゴの好意》で1マナ軽減した《みなぎる活力》ですべてをアンタップ!」
「これは最初に見た1ターンキルと同じ構成…!」
絶体絶命の長田!
勝敗は3戦目にもつれこむのか!?
次回、超次元MTG対戦
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最終話『友情のネズミ撃退サイドボード』