バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【#MTG】変容について気になったことなどの整理

MTGの新パック『イコリア:巨獣の棲処』がもうすぐ発売ですね。

新たなる能力「変容」が登場し、『ゴジラ』とのコラボカードにもなっている衝撃的なセットです。

 

さて、そんなイコリアのリリースノートが公開されました。

リリースノートは新パックで登場する能力やカードについて、ルール上の扱いをまとめた文書です。

新能力『変容』についてもしっかり書かれているので、

この新能力についてまとめると共に、プレビュー期間で私が疑問に思った状況について挙げて、実際の処理を確認していこうと思います。

 

まずは基本事項を確認していきましょう。

 

変容/mutate

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変容はクリーチャー・カードが持つキーワード能力です。

 

変容を持つカードはそのまま通常通りクリーチャーとして唱えることができます

そうしたなら変容という能力は事実上なんの意味も持ちません。

普段使っているクリーチャーと同じように扱います。

 

しかし、通常のコストの代わりに変容コストを支払うことで自分のクリーチャー1体に重ねて2枚で1体のクリーチャーにする使い方を選ぶこともできます。

(ただし、重ねる先に人間を選ぶことやオーナーの違うカード同士を重ねることはできません)

 

こうして重ねたクリーチャーは「合同パーマネント」として扱われます。

合同パーマネントについての扱いは後述しますので、

ここでは変容コストで唱えた呪文の扱いについてを見ていきましょう。

 

・変容で唱えてもクリーチャー呪文である。

 

《本質の散乱》のようなクリーチャー呪文を打ち消すカードは変容にも有効です。

 

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・変容で唱えた場合、対象をとる呪文として扱われる。

 

変容先を選ぶのは解決時でなく、唱えた時点で対象を選びます。

また対象を取る効果ですので対象に選べない効果を持つカードに変容クリーチャーを重ねることはできません。

例えばプロテクション(赤)を持つクリーチャーに《雲貫き》などの赤い変容クリーチャーを重ねることはできません。

 

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・変容で重ねる行為は「クリーチャーが戦場に出た」とは扱われない。

 

既に戦場に出ているクリーチャーを変容させることは、クリーチャーを新たに戦場に出したものとしては扱われません。

例えば「クリーチャーが戦場に出るたび、~」という誘発型能力は変容でクリーチャーを重ねても誘発しません。

 

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・解決時に対象に重ねることができないなら、戦場に出る。

 

あなたが変容呪文を唱えたのに対応して、対戦相手が重ねる先のクリーチャーを破壊した場合など、重ねる先が適正でなくなることがあります。

その場合、通常の「対象を取る呪文」であれば、その呪文は解決されずに墓地へとおかれますが、変容呪文は対象が不在の場合は通常のクリーチャー呪文と同様に扱い、そのまま戦場に出ることになります。

 

・「変容するたび」能力は重ねる側、重ねられる側の両方が誘発する。

 

「このクリーチャーが変容するたび」という誘発能力が誘発する状況は2種類。

「『このクリーチャー』を戦場のクリーチャーに重ねた時」

「『このクリーチャー』に別の変容クリーチャーを重ねた時」

合同クリーチャーは下敷きにされているカードの能力を持つため、

後者には「変容するたび」能力を持った変容クリーチャーを下敷きにしている場合も含みます。

 

簡単に言えば、重ねるときも重ねられる時も誘発し、複数枚を重ねれば重ねてあるすべての「変容するたび」誘発能力が誘発します。

 

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例えば、《モスラの巨大な繭》の上にアンギラスを重ねて変容した場合、

繭がもつ「+1/+1カウンターを乗せる能力」とアンギラスが持つ「アーティファクトかエンチャントを破壊する能力」の両方が誘発します。

 

・「変容した総回数」にはそれを誘発させた変容も含まれる。

 

先ほどのアンギラスonモスラ繭の下に《古代の守護神、キングシーサー》を差し込んで変容させた場合、モスラの繭とアンギラスキングシーサー、3つの能力が誘発します。

さて、キングシーサーの能力では変容した総回数をXとして全体に+X/+Xの強化を施します。

このXはどう数えるのでしょう?

繭→アンギラスで1回。

アンギラス(繭)→アンギラス(繭、キングシーサー)で2回。

Xは2で+2/+2の修整ということになります。「変容した総回数」=下に敷かれた数と覚えるのがよいでしょう。

 

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合同パーマネント/Merged Permanent

 

変容により複数枚を重ねたクリーチャーは合同パーマネント・合同クリーチャーという新用語で管理されます。

 

これらは「複数枚のカード」ですが「1体のクリーチャー」として扱われます。

 

・一番上のクリーチャーに、下のカードの能力をすべて足したものである。

 

名前やマナコスト、色、タイプ…基本的に一番上のクリーチャーのみを参照する。

能力は下にあるカードすべてのものを持つが、パワーやタフネスは合計ではなく一番上のみを参照する。

 

 

・ただし★のパワーやタフネスがあるなら、その値になる。

 

パワーやタフネスが★で表されるクリーチャーを含んでいる場合、★は一番上にある値よりも優先されます。

スタンダードでは亜神クリーチャーを変容した場合に起こる可能性がありますね。

 

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例えば《太陽に祝福されしダクソス》を下に入れて変容している場合。

合同クリーチャーは白の信心に等しいタフネスを持ち、パワーはダクソスの2ではなく、一番上のクリーチャーの値になります。

 

 

・クリーチャー1体を対象に取る呪文で選べる。

 

2枚のカードを重ねた合同パーマネントは1体分ですので、除去するためにクリーチャー2体を対象に取る除去呪文を使う必要はありません。
また、変容で唱える呪文も対象を1体とる呪文なので変容させたクリーチャーを次の変容呪文の対象に取ることができます。

 

 

・領域を移動するときは同じ領域に移動する。移動先ではバラバラになる。

 

クリーチャーにオーラを付けている場合、そのクリーチャーを手札に戻すとつけていたオーラは墓地に送られます。

合同パーマネントの場合、オーラと異なり移動先は同じく手札です。

つまり4体を重ねた合同クリーチャーを手札に戻したなら、すべてが手札に戻ります。

改めて出しなおす場合、全員を重ねて扱うわけではなくバラバラの4枚のカードとして1枚ずつ唱える必要があります。

 

 

・場を離れるのは1体。移動先に置かれる枚数はバラバラに数える。

 

3体が合体した合同クリーチャー1体を破壊しました。

この場合、「クリーチャーが1体死亡するたび」の能力は1度だけ誘発します。

 

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墓地ではバラバラになるので「カード1枚が墓地に置かれるたび」という能力であれば3回誘発します。

 

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・ブリンクするとバラバラに戻る。

 

ブリンク…つまり「一旦、追放してから後で戦場に戻す」場合はちょっと複雑になります。まず追放した時点でそれらはバラバラになり、戻す場合はバラバラになったそれぞれが戻ってきます。

 

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また+1/+1カウンターを乗せて戻したりする追加の効果があるなら、それらはバラバラになった全員が恩恵を受けます。

 

・「死亡した時、それを戻す」ならバラバラに全員を戻す。

 

ゴジラコラボのモスラが持つ能力がこのパターンです。

 

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飛行を持たない合同クリーチャーが死んだなら、構成するクリーチャーはバラバラになって、全員が飛行カウンターを持って帰ってくることになります。

 

 

・ライブラリーのN番目に戻す場合、好きな順を秘密裏に選ぶ。

 

3枚重ねの合同クリーチャーをライブラリーの一番上に戻す場合、バラバラに好きな順番で3枚を上に戻します。重なっていた順序は関係なく、またどういう順で重ねたかを相手に教える義務はありません。

 

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同一のクリーチャー/same creature

 

変容によって重ねることは新たに戦場に出したのではなく、同一のクリーチャーとして扱われます。

そのために起こるいくつかの挙動について見ていきましょう。

 

 

・召喚酔いは重ねられたクリーチャーに依存する。

 

召喚酔いしているクリーチャーに重ねた場合、引き続き召喚酔いとして扱われます。

召喚酔いの解けたクリーチャーに重ねても、改めて酔うことはありません。

 

 

・タップやアンタップは重ねられたクリーチャーに依存する。

 

タップに関する位相も引き継がれます。

タップしているクリーチャーに重ねてもアンタップされたりはしません。

 

 

・装備品やオーラも引き継ぐ

 

つけられているカードなどは引き続きつけた状態で扱われます。

ただし重ねた結果、特性や能力が変化したことで外れる場合もある点に気を付けましょう。

例えば《塔への閉じ込め》は「飛行を持たないクリーチャー」にのみつけられるため、

飛行を持つ《夢尾の鷺》を重ねることで結果的に外れてしまいます。

 

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・カウンターも引き継ぐ

 

イコリアには様々な種類のカウンターが存在します。

合同クリーチャーは元のクリーチャーに乗せられたすべてのカウンターを引き継ぎます。これは乗せなおす処理ではありません。

 

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コピー可能な値/Copiable Value

 

稀にクリーチャーをコピーするカードなどが存在します。

通常、オーラやソーサリーで飛行を持たせたクリーチャーをコピーしても、

コピーした側には飛行が引き継がれません。

変容ではどうでしょうか?

 

・変容で追加された能力はコピー可能な値

 

変容で重ねたクリーチャーの中に飛行を持つ者がいれば、コピーした側も飛行を得ます。キーワード能力以外の能力もすべてコピー可能です。

 

 

・何かをコピーしたクリーチャーを変容したらコピー能力は有効

 

例えば、あなたの《鏡像》をクリーチャーAのコピーとして出して、

その上に変容クリーチャーを重ねた場合、合同クリーチャーはクリーチャーAの能力を持ちます。

 

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トークン/Token

 

合同クリーチャーの一部にトークンを含む場合の扱い。

 

 

・それがトークンであるかどうかは一番上を見る。

 

トークンを一番上にしている場合、それはトークンです。

一番上がトークンでないなら、それはトークンではありません。

 

コピーとトークンについて合わせて考えると、「居住」能力との組み合わせが面白そうです。

 

居住は「クリーチャー・トークン1つのコピー・トークンを生成する」というシンプルなキーワード処理です。

 

3/3のケンタウルスと1/1の人間・トークンがいる時に居住を行えばケンタウルスか人間、選んだ方のトークンが1体増えるわけですね。

 

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例えば鳥・トークンを一番上にして、変容クリーチャーを重ねた場合、

その合同クリーチャーはトークンとして扱われるので居住で増やすことができます。

 

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変容で得た能力はコピー可能な値であるため、居住で生成されたトークンは変容による追加の能力をすべて引き継ぐことが可能です!

 

居住をテーマにした構築済み統率者デッキ2019【原初の起源/Primal Genesisを買ったという人はイコリアの変容カードをデッキに足してみると、より居住を楽しめるかもしれません。

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統率者2019といえば「変異」能力をテーマにした【匿名の威圧/Faceless Menaceというデッキもありました。

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クリーチャーを裏向きで置く変異についても確認しましょう。

 

 

・合同クリーチャーが裏向きであるかは一番上を見る。

 

変異クリーチャーに変容を重ねた場合、裏向きであるか表向きであるかは一番上を見ます。

 

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一番上が表向きならそれは変異の2/2でなく、一番上のパワー/タフネスを持ちます。もし裏向きのカードを下に敷いていても、一番上が表向きなら合同クリーチャー全体は表向きです。

…ということは表にするための能力は使えないということになりますね。

 

一番上が裏向きであれば合同クリーチャー全体が裏向きということになるので一番上のクリーチャーを変異コストで表にすることもできます。

 

*リリースノートからはわからないこと

 

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変異を下に敷いた合同クリーチャーが《イクシドロン》で裏向きにされたら、一番上だけが裏向きになるの?

すべてのカードが裏向きになるの?

また、一番上が裏向きのとき、下にあるカードの変異コストで表向きにできるの?

 

この辺は発売後の総合ルールを確認しましょう。 

 

そうそう、イコリアでは統率者構築済みも発売されますから、統率者についても確認しておいたほうが良いですね。

統率者戦では統率者に指定した伝説のクリーチャーが戦闘ダメージを与える場合、統率者ダメージとして扱われ、21点与えることで対戦相手を倒すことができます。

 

例えば《伝説怪獣、キングシーサー》を統率者に指定していたらどうなるか見ていきましょう。

 

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・統率者は変容コストでも唱えられる。

 

統率者を変容コストで唱え、上や下に重ねることができます。

 

・統率者税は変容にもかかる。

 

統率者は何度でも出しなおせるかわりにコストは2マナずつ重くなっていきます。

変容で唱えた回数も含まれ、2回目以降に唱えているなら変容で唱えてもコストは加算されます。

 

 

・統率者を下に敷いた合同クリーチャーは統率者である。

 

キングシーサーは二段攻撃を持つので、パワーの高いクリーチャーの下に敷くことで高いパフォーマンスを得られるカードです。下に敷いた場合でも、合同クリーチャーが与えるダメージは統率者ダメージ21点に含まれます。

 

 

自分が気になった部分についてまとめてみたのでヌケやモレはあると思いますが、よくありそうな質問には概ね答えられたのではないでしょうか?

コロナの影響でイコリアのプレリリースが中止され、ディスコードなどでの自宅でプレリリースが推奨されています。

しかし自宅にはジャッジがいないというプレイヤーも少なくないですよね?

自宅プレリリースで変容のルーリングに困ったとき、この記事があなたの助けになれば幸いです。 

 

それではまた他の記事で!

その日までにショップが死のコロナビームに負けず再開できますように!

 

【2020/04/14追記】

 そういえば「一時的にクリーチャーになったアーティファクト」などを変容した時の挙動を書き忘れていたと気づきました。

 

 

・一時的なクリーチャーを変容した場合、戻っても変容は解除されない。

 

「ターン終了時まで、クリーチャーになっているアーティファクト」などの下に変容クリーチャーを差し込んだ場合、ターン終了時にアーティファクトに戻っても合同パーマネントのままになります。

それは引き続き、下に敷かれたすべての効果を持ち続けます。

飛行など持っていても意味をなさない能力も多いですが、接死や絆魂などはクリーチャー以外のパーマネントが持っていても機能します。

ダメージを与えるアーティファクトを一時的にクリーチャーにし、変容した場合…のような複雑な状況はプレリリースで見ることはないけれど覚えておいて損はないでしょう。

 

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