新セット『カルドハイム』の発売が近づいているね。
このセットでは新たな2つの能力が登場しているんだけど、
他にも「氷雪」などの過去に登場したメカニズムが再登場して多数のメカニズムであふれている。
経験者にとって、覚えればいいことは2つだけでも、
新規層にとっては過去に登場したメカニズムも馴染みのない「新メカニズム」だ。
いつも通りの「新メカニズム」紹介や考察だけでなく、今回の『カルドハイム』プレビュー期間では再録メカニズムのルール解説もしていこう。
今回扱うのは『機体』と『搭乗』だ。
まずは機体カードを見てほしい。
単なるアーティファクト・クリーチャーじゃん。
君はそう考えるかもしれない。
しかし、《エシカの戦車》のカードタイプをよく見てみよう。
伝説のアーティファクト ー 機体
あれ…アーティファクト・クリーチャーじゃない?
でも「攻撃するたび」の能力もあるし、右下にパワーもタフネスも記載されている。
とってもクリーチャーっぽいんだけど…。
そう、これが「機体カード」だ。
まず大前提として機体カードはクリーチャーではない。
そのままでは攻撃もブロックもできない。
機体カードが持つ「搭乗」能力を使うことで、機体は真価を発揮するんだ。
搭乗N
搭乗能力はこの「めちゃくちゃクリーチャーに見えるクリーチャーじゃないカード」である機体をクリーチャーとして使うための能力である。
イメージからつかんだ方が分かりやすい。
「自動車」と「運転手」を思い浮かべてほしい。
運転手が乗らない限り、その車は走ることはない。
機体も同じだ。
場に出しただけでは走らない。
機体に乗り込む運転手が必要なのだ。
この運転手として他のクリーチャーを使うのが搭乗能力だ。
機体を戦場に出している場合、自分の場のクリーチャーをタップして機体に乗せることができる。
この時、搭乗の横に書いてある数字以上のパワーが必要になる。
搭乗1なら(パワー0以下でない)適当なクリーチャーを1体タップすれば機体に乗せられる。
搭乗2なら?
例えばパワー2のクリーチャーを1体タップすれば機体はクリーチャーになる。
パワーは過剰でもいいのでパワー3のクリーチャーをタップして登場させるのもOK。
他にも「2人乗り」する方法もある。
パワー1のクリーチャー2体をタップして搭乗2の機体に乗せクリーチャー化することもできる。
《エシカの戦車》は搭乗4を持つ。
パワー4のクリーチャーをタップしたり、パワー2のクリーチャー2体をタップしたり、パワー1のクリーチャーとパワー3のクリーチャーをタップしたり、
とにかく「タップしたクリーチャーのパワーの合計」が搭乗の数字以上になるようにすればいい。
こうしてクリーチャーになったときに、初めて機体は右下に記載されたパワーとタフネスを持つ。
クリーチャー化の期限
機体は一度クリーチャーを搭乗させたら永続的にクリーチャーであり続けるわけではない。
ターンの終了時には機体はクリーチャー化が解けてしまう。
例えば《葬送の長艇》は警戒(攻撃してもタップしない)を持つが、
自分のターンに登場させて攻撃すると、そのターンの終わりにはクリーチャーでなくなる。
ブロックするために長艇を使おうとすれば、また別のクリーチャーをタップして搭乗させないといけない。
言葉や文章にすると複雑だけど、イメージから入ればそれほど理解しづらい能力ではないと思う。
ここからはいくつかルール処理で気になりそうなところを見ていこう。
機体呪文はクリーチャー呪文ではない。
対戦相手の機体呪文を打ち消す場合、《否認》のようにクリーチャーでない呪文の打消しを使うことができる。
逆に《本質の散乱》のようにクリーチャーを打ち消す呪文は使えない。
機体も召喚酔いする。
機体はクリーチャーではないが、召喚酔いを起こす。
場に出した機体にすぐにクリーチャーを載せても攻撃することはできない。
召喚酔いでも搭乗できる。
逆に、機体に乗るクリーチャーが召喚酔いしている場合はどうだろう?
召喚酔いしているクリーチャーも登場することができる。
機体→クリーチャーの順に出すことでスムーズに機体で攻撃できるだろう。
機体はクリーチャー・タイプではない。
カルドハイムには「すべてのクリーチャー・タイプである」という多相能力を持つカードがある。
しかし、機体はクリーチャー・タイプでなくアーティファクト・タイプである。
なので多相クリーチャーは機体ではない。
《飛行士の提督》と多相クリーチャーを並べても、多相クリーチャーが飛行したりはしない。
機体は機体に搭乗できる。
パワー1のクリーチャーで《小綺麗なスクーナー船》に搭乗し、
そのスクーナー船を《アラダラ急行》に搭乗させることができる。
船が列車に搭乗しているってどういうことだよ?というイメージの問題はあるが、ルール上は可能だ。
「搭乗できない」の意味
カルドハイムに収録される《金への捕縛》は機体への搭乗をできなくさせる。
この意味する所は「機体に《金への捕縛》をつけるとクリーチャー化しなくなるよ」という意味ではなく、
「クリーチャーに《金への捕縛》をつけると、そのクリーチャーをタップして搭乗するコストに充てることはできなくなるよ」という意味である。
(それはそれとして、《金への捕縛》の場合、マナ能力でない起動型能力も封じられる。搭乗はマナ能力でない起動型能力なので、実際に使うと機体につけるとクリーチャー化できなくなるというのは正しい挙動になる)
機体はしばらく収録されていなかったのでイコリア以降にMTGを始めたプレイヤーには馴染みがないかもしれない。
しかし、カルドハイムは北欧神話とヴァイキングの次元であり、彼らの乗る船はコモンカードにすら存在し、見かける機会も多いだろう。
この記事がカルドハイムで初めて機体に触れるプレイヤーの助けとなれば幸いだ。
それではまた。
カルドハイムのリミテッドで、あなたが機体を乗りこなす日まで!
広告