さて、元デュエマっ子たちに「現代デュエマってこうなんだよ!」って知ってもらったり、復帰勢の私が現代デュエマに振り回されているところを見て現役デュエマプレイヤーたちが笑う…
そんな記事シリーズももう5回目である。
流石にそろそろ、"あのデッキ"の話をしなければならない頃合いなんじゃあないか?
というわけで現環境の最先端を突っ走るルール悪用の権化のようなTier1コンボデッキ【墓地退化】についての話をしよう。
*追記
「今、墓地退化ってTier1じゃなくない?」と突っ込まれたので言い訳を追記。下書き・構成段階ではTier1!Trer1!って言われてたんですよ。
現代デュエマ、環境の変遷速度が早すぎる。
さて、このコンボデッキはデュエマ特有のルール処理を悪用する。
まず例として次のような状況を考えてみよう。
《アクア・ハルカス》を出して、それを《クリスタル ・ランサー》に進化させる。
この時、《クリスタル ・ランサー》は《アクア・ハルカス》の上に重ねて出る。
ここで《スパイラル・ゲート》の呪文で《クリスタル ・ランサー》を選ぶ。
《アクア・ハルカス》と《クリスタル・ランサー》は2枚のカードが1体のクリーチャーとなっているので、
《スパイラル・ゲート》の効果で手札に戻る場合は2枚とも手札に戻る。
ここまではいいかな?
OK,では先に進もう。
同じ状況で今度は《スパイラル・ゲート》の代わりに《龍脈術 落城の計》を《クリスタル ・ランサー》に使ってみる。
こちらの場合、「クリーチャー1体」でなく「カード1枚」を手札に戻す。
そのため重なっている2枚のうち、《クリスタル ・ランサー》だけが手札に戻り、《アクア・ハルカス》は場に残る。
これが進化クリーチャーとカード指定除去のルールだ。
とは言えこの時点ではあまり悪さはしそうにない。
《アクア・ハルカス》はそもそも一度、場に出しているクリーチャーだからね。
では進化の亜種である墓地進化を見てみよう。
墓地進化クリーチャーは場に出ていないクリーチャー・カードを下敷きに手札から召喚する特殊な進化クリーチャーだ。
こいつの下に「すごく強い闇のクリーチャー」を入れてカード指定除去で上だけを剥がせば安いコストで盤面に「すごく強い闇のクリーチャー」を用意できるんじゃあないか?
そして闇文明を含む複数の文明を持つ多色クリーチャーはルール上、闇のクリーチャーとして扱われる。
そこで目をつけられたのが闇火光の3色クリーチャーであるバルカディアNEXだ。
デュエルマスターズ/DMX-12b/27/竜魔神王バルカディア・NEX/光/闇/火/進化クリーチャー
高いけど強い!
でも進化条件が厳しくて出しにくい!
こいつを墓地進化→退化させることで条件を踏み倒して場に出し、
《デーモン・ハンド》や《ホーリー・スパーク》などのシールド・トリガー呪文による防御も封じた上でシールドを全てブレイクし、攻撃時にデッキからスピードアタッカーを持つクリーチャーを場に出すことでそのターン中にトドメを刺す!
これが現代の墓地退化デッキの基本的なギミックだ。
(昔はクリーチャーの再構成って言うルールでできなかったんだけど最低変更でできるようになった)
とは言え現代デュエマの防御手段はシールド・トリガー呪文だけではない。
例えばシールドから手札に加わった時にクリーチャーの攻撃を1回止めるG・ストライク。
呪文カードのG・ストライク能力を使うのは「呪文を唱える」には含まれない。
もしかすると、対戦相手のG・ストライク呪文で追加で呼んだスピードアタッカーのドラゴンの攻撃を止められるとトドメがさせないかもしれないね。
そこで、呼び出されるのが
この記事で何度も出てきたアイツである。
ボルバル8はスピードアタッカーのドラゴンなので条件に合致している上、
ジャストダイバー能力を持つ。
ジャストダイバーによって対戦相手のカードから選ばれることがないので、G・ストライクで攻撃を止める対象に選ぶことはできないんだ。
と言うわけでシールド・トリガー・クリーチャーを引かれなければほぼ勝ったも同然。
これが環境のコンボデッキ、墓地退化だ!
典型的なデッキの動き
《エマージェンシー・タイフーン》などの「カードを引いて捨てる呪文」でコンボパーツを探しながら、墓地にバルカディアNEXを落とす。
4ターン目に1マナの墓地進化クリーチャーを出して即座にカード指定除去で墓地進化部分だけを剥がす。
あとは前述の通り、殴りながらボルバル8を引っ張ってきて勝ち!
キーパーツを探しつつ墓地にバルカディアNEXを落とすための《エマージェンシー・タイフーン》はツインパクト版も存在する。
前にも言った通り「同名カードは4枚まで」のルールでは本家とツインパクト版は別カウントだ。
これで8枚のエマージェンシー・タイフーンを積めるので安定感も悪くない。
更にコンボの部分以外は割とデッキスペースを自由に埋めていいのがこのデッキの強み。
俗に「受け札」と呼ばれるシールド・トリガーやストライク・バックなどの相手ターンに撃てる妨害を入れられることからコンボデッキでありながらビートダウン相手にも相応の固さを見せることができる。
特によく使われるのが《秩序の意思》。
ストライク・バックは「手札を1枚捨てるコストのあるシールド・トリガー」のようなものであり、本来なら似た効果のシールド・トリガーを入れた方が良さそうに思えるが…このデッキの場合「手札から闇のカードを1枚捨てる」とはすなわち「墓地退化先の大型クリーチャーを墓地に置く」というメリットでもある!
ルールの穴をついてうまぶれる最新のコンボデッキで3~4ターン目の勝利を狙ってみないか?
Next!
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