バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある  最終話「嵐はともに鳴く」

超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある
最終話「嵐はともに鳴く」

 1話

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 前回

 

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これまでのあらすじ
度重なるサブゲームを乗り越えた後攻第2ターン。
アオイの《嵐雲のカラス》23体によりほぼ勝ちが見えている状況だが…

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「私は《狡猾な願い》を唱えるよ」

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「あれはゲームの外部からインスタントを探すウィッシュ・サイクル!」


「私は《神秘の指導》をゲームの内部へ持ちこむよ」

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「神秘の指導? 弱いカードじゃないけれど何故ここで?」

「それこそインスタントが欲しいなら《狡猾な願い》で持って来ればいいのに…」

「いや、《狡猾な願い》はゲームの外部からカードを探せる」
「だが逆にゲームの内部のカードは探せない」
「きっとデッキの中に入っているカードを探すのが目的なんだ」

「私は《神秘の指導》を唱えてライブラリーからインスタント・カードを探すよ」

「手札に《納墓》を加えて唱えるよ」
「これはデッキからクリーチャーを1枚探して墓地へと送る呪文」

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「さあ、準備は整った。最後の手札を使うよ」

「アオイさんに残った最後の手札…!」

「一体何を使うんだろう?」

「《ヨーグモスの意志》!」

「このターン、私は自分の墓地にある呪文を唱えることができる」

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「ただし墓地へ送られるカードは追放されるので、この効果で1度使った呪文を再び使うことはできない」

「あれはアオイさんが《Time Walk》の代わりに入れたカード!」

「墓地から呪文を…?」

「それはつまり手札が切れてもまだ動けるいうこと!」

「私はサファイアから最後の青マナ2つを出す。無色4マナを足して、《納墓》で送った《墓地の世話好き》を墓地から召喚するよ!」

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「あれは!墓地を狙うS.N.E.A.K職員!」

「知っているのか、ミンメイ!」


「S.N.E.A.Kは銀枠世界バブロヴィアに存在する組織!」


「何かを『盗む』能力を持ったカードが多く存在するアル」
「あのクリーチャーは相手の墓地を盗み自分の墓地にする…!」


「ただし《墓地の世話好き》は墓地に『フレーバーテキストを持つカード』がなければ死んでしまうクリーチャー!」

「でも、フレーバーテキストのあるカードなんてここまでに使ったか?」
「再録版でフレーバーテキストのないカードや、効果が長くてフレーバーを書くスペースのないカードばかりじゃなかったか?」

「Storm crow lonely, boon for a birder.」
「Storm crows together, likely a murder. 」
嵐雲のカラスは孤独、鳥狩りの恵み。
嵐はともに鳴く、まるで殺し屋のように。 

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「《カラスの嵐雲》…!」

「ちょっと待てよ! このターンの間、アオイは自分の墓地のカードを好きに使える」
「つまり盗んだレイの墓地からもカードが使える?」

「レイちゃんの墓地から《ブラック・ロータス》!」

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「まずい…!」

「レイちゃん、投了はしないでね?」
「白マナを3つ生み出して、レイちゃんの墓地から《シェヘラザード》!」

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「…!」
「よく見破ったね…」

「どういうこと…? わかるように説明してくれよ」

「レイちゃんの表情、まだ何か隠してそうだったから。」


「サブゲームにダメージを持ち越すコンボは凄いと思った」
「でもそれはギャラリーが言ってるだけでレイちゃんは実行していない。」


「間にサブゲームばかり挟んだからわかりづらいけれど」
「レイちゃんは『《Double Deal》でサブゲームに勝つコンボ』を一番最初に披露できたはずなんだよ」

 

「ああ、確かに…」

 

「一番最初の《ダンジョン突入》の前に《Double Deal》と秘策を使えば…」

「ライフ5点のサブゲームに6点与えて勝てますわね」


「そういう凄いものを見せたがるレイちゃんが実行できるチャンスを逃してるのはおかしいと思った…」


「それに、極論でいえばサブゲームに残した《一石二鳥》をメインゲームから使って《Double Deal》を何回もコピーすればいい」

「6回コピーすれば次にやる『普通のゲーム』でも勝てる」

「実際、レイちゃんは前に似たようなことを試していた」

 

*無印第5話「思いは時を超えて」参照

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「そこで気づいたんだ」

「レイちゃんの狙いは《Double Deal》を蓄積することだって」

 

「蓄積?」

 

「《Double Deal》は『直前のゲーム』で使うと『次のゲーム』にダメージを与えるカード」

「だけど別々のゲームをまとめて『直前のゲーム』にする方法がある」

 

「ああ! そのためのサブゲーム…!」

 

「サブ・サブゲームで《Double Deal》を唱えてからサブゲームに戻る…これは新しいゲームの開始でなく、元のゲームの再開」

 

「だから《Double Deal》のダメージが発生せず、次のゲームに残される…!」

 

「サブ・サブ・サブゲーム、メインゲームを含めた4層構造のゲーム」

「あれは7発の《Double Deal》を蓄積させて21点ダメージ…」

「つまり初期ライフ20点を一瞬で消し飛ばすロマンコンボの下敷きだったんだね」

 

「そんな回りくどいことしなくても『刹那さみだれ撃ち』と同じやり方ですぐに蓄積できるだろ!」

 

「でもそれをやったら相手は確実に効果処理前に投了する」

「それじゃあ、いつまでたってもコンボが通らない」

 

「だから私はサブ・サブゲームを利用することにした」

「これならこっそりと7回積めるから投了もされないと思った」

 

「それだけじゃないでしょ?」

「思いついちゃったら試したくなる」

「子供の頃にお兄さんに7発撃った時と同じだよ」

「そのコンボを披露したかったんだよね?」

 

「アオイちゃんは何でもお見通しだね」

 

「でも実際には…サブゲーム連打の方がすぐ投了されたんでしょ?」

「ギャラリーにも何人かいたよ、勝ってるのは見たけど勝負してるのは見たことないって人」

 

「どうして私たち相手にやらなかったんだよ」

 

「今やってるじゃない」

 

「その前だよ! 他の奴らに付き合ってもらえなかったとき!」

「そもそも最初にあたしやアオイとやれよ…!」

 

「だって…」

 

「もうマジックで遊んでもらえなくなると思った?」

 

「うん…」

 

「バカだなあ」

「確かに始めたばっかのときにやられたら、やめてただろうけどさ」

 

「今はもう、そういう馬鹿なこと思いつくところも含めてレイが好きなんだからさ」

「やめるわけないだろ?」

 

「私たちはレイちゃんと遊びたいんだから、当たり前なのにね」

 

「それにコンボの話して笑ってそれで終わりでいいじゃん」

 

「そこはミドリちゃんはわかってないなあ…」

 

「デッキビルダーっていうのはね、思いついたら動いてるところがみたくなるんだよ」

「私もこのデッキ組んでそれがよく分かったし…」

 

「まったく…どうせ私はコピーデッカーだよ」

「コピーデッカーで、派手な効果が好きなティミー、それから…レイの友達だよ」

 

「ミドリちゃん、アオイちゃん…二人とも…」

 

「それはそれとして勝負は勝負だからね、負けられないよ!」

 

「負けないもなにもないだろう。20点受けてアオイの負けだ」

 

「ううん、それは負けじゃないよ」

「だってサブゲームだもん」

ミニゲームのコイン投げに敗けたり先攻後攻のじゃんけんに敗けてもゲームの負けじゃないでしょ?」

 

「別の試合に持ち越されたらそっちで負けることになるけど」

「サブゲームの負けは負けじゃないよ」

 

「ああ! アオイ、お前! そんなこと考えてたの!?」

「勝ちがほぼ確定してたのにわざわざレイの《シェヘラザード》を盗むために色々使ったのそういうことかよ!」

「…ほんと、負けず嫌いだよな。お前ら」

 

「さあ、結末の見えたサブゲームを始めようか」

 

第3サブゲーム

シェヘラザードによるライフ20点のゲーム

 

「ゲーム開始時!蓄積された《Double Deal》を7つ誘発させるよ!」

「アオイちゃんに21点ダメージ!」

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「うわあああ!」

 

第3サブゲーム

勝者 レイ

 

「もう…わかってるなら次の試合で受けてくれてもよかったのに」

 

「それだと負けちゃうから。私はこのゲームも勝ちたいし、次のゲームも勝ちたい」

 

「やれやれ。参ったな…でも、計画を邪魔されたんだから仕方ないか…」

「このゲームは私が勝つよ!」

 

「は…!?」

 

「《シェヘラザード》のサブゲームに敗けたアオイちゃんのライフは半分になる!」

「ライフ4点じゃ届かなかったけど…ライフ2点なら」

 

「残り2枚、最後の手札から《猿人の指導霊》でマナを出して」

「アオイちゃんを対象に《稲妻》! ブーンズでとどめだよ!

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「負けず嫌いはこっちも同じか…」

「これは一本取られたな、アオイ?」

 

「まったく…レイちゃんは…」

 

「レイちゃんならそういうことするって…」

「…私は読んでたよ!」

 

「ええ!?」

 

「本来挟まなくていい《神秘の指導》を噛ませたのはこのためだよ」

「墓地から《神秘の指導》で《稲妻》にスタックして対応!」

 

「でも青マナがもう出ないから唱えられないよね?」

 

「秘策公開! 《楽園の秘密》。指定は当然《嵐雲のカラス》」

 

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「これでマナが出るね」

 

「こ、このターンに出た《嵐雲のカラス》は召喚酔いだからタップしてマナは出せないんじゃ…?」

 

「知らないの、レイちゃん?」

「《嵐雲のカラス》は『そっこう』なんだよ」

 

「カラスからマナを出して墓地から《神秘の指導》」

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「デッキからインスタント・カードを探すよ」

 

「持ってくるのはどこかのサブゲームでお世話になった《精神壊しの罠》」

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「でも私はこのターンになってからは《稲妻》しか唱えてないから罠にはかからないよ?」

 

「しらじらしいなあ、わかってて言ってるでしょ」

 

「罠はコストが0になる条件であって、発動条件じゃないからね」

「重いコストで普通に唱えるよ」

 

「なにせ、23羽のカラスから1マナずつ出るんだから安いもんだよ」

「解決前の《稲妻》をゲームから追放して、ダメージは0」

 

「人生は迷路だ…行き止まりのひとつがこれだ…」

 

「それじゃあ、コストの支払いでタップされて攻撃できないカラスを補充しようか」

「墓地からもう一回《カラスの嵐雲》を唱えるよ」

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「ええっと…呪文の回数が増えてるから…うーん数えてないや」

「とにかくカラスの群れがいっぱい!」

 

「全員そっこうで攻撃ー!」

 

「うわーん!」

 

メインゲーム決着!

勝者 アオイ

 

 

「まさか最後まで投げ出さずに妹のサブゲームに付き合っただけでなく」

「メインゲームに勝てる子がいるとはな…」

 

「兄である あなたでさえ、優先権を放棄してただ眺めていたのでしょう?」

「勝ち負けがなければ勝負じゃない…」

「サンドバッグとやるのはゲームであっても勝負ではありませんね」

 

「ああ。今のあの子には勝負になる友達がいてくれるんだな…」

 

「長田(おさだ)さん! 私勝ったよー!」

 

「はいはい、見てたからわかりますわよ」

「まったく、《Time Waik》を入れてないなんて言い出した時はどうなることかと思いましたわ」

 

「ふふっ、でも勝てたよ!」

 

「ねえ、長田さんもこっちへ来て!」

「今のカラスデッキを調整するんだ」

 

「もう。そういうのはお友達のレイさんたちとやってなさいな」

「見ていて…正直 妬けましたわ」

 

「何言ってるの、長田さんだって友達じゃない?」

 

「…!」

 

「仕方ないですわね、とことん付き合ってあげますわ」

「まずは《Timewalk》の代わりに抜くカードを決めるところからですのよ!」

 

Storm crow lonely, boon for a birder.
Storm crows together, likely a murder.

 

嵐雲のカラスはひとりぼっち、かっこうの獲物

嵐はともに鳴く、まるで…

 

まるで…カラスが集まり、群れるように。

 

 

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Turn END.

 

 

過去シリーズ1話

 

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超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある 第5話『嵐雲のカラス飛び去り…』

第一話

 

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前回

 

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「マジック? それって手品のこと?」

 

「ううん、カードゲーム。外国の」

 

「カードゲームって男の子たちの遊びだと思ってた」

 

「むしろクラスの男の子たちは遊んでないかな」

 

「そうなの?」

 

「外国のカードだからあんまり流行ってないんだよ」
「私はお兄ちゃんから教えてもらったんだけど」

 

(レイちゃんのお兄ちゃん…)
(そういえば家出しちゃったとかって聞いてるけど…)

(ああ、そうか。だからレイちゃんは今、遊び相手がいないんだ)

「ねえ、レイちゃん。私にも遊び方教えて!」


「……!」
「もちろん!えっとまずはデッキの色…あっ、デッキっていうのはカードの束でね…」

 

寂しそうな顔をしていたレイちゃんの顔が笑顔に変わって、
私も嬉しかった。

こうして私は、MTGを始めた。

 

~~~

 

レイちゃんは私にデッキをくれた。
アオイにちなんで色は青。
だから私は青使いとしてマジックを始めた。
「打消し」とかの難しいカードなしで他の色との違いを出すために、
小型の飛行クリーチャーと壁、「手札に戻す呪文」「カードを引く呪文」だけのデッキだった。

手にしたカードは男の子たちのやってるようなキラキラしたカードとは違って、
なんだが古文書のような感じで、背伸びしたい女の子だった私にはとってもかっこよく見えた。
日本語のカードと英語のカードが混ざっていたけど、
ほとんどは数字だけ分かれば十分だった。
それに動物さんたちも可愛かったし。
(これについてはすぐに間違っていたと気づくことになったけど)

「それじゃあ教えながらやるね…」

土地を置いて、マナを生み出し…
呪文を唱える…

 

「しょうかん呪文?」

 

「そう、仲間になってくれる動物とかを呼び出す呪文だよ」

 

「それじゃあ…えっと水のマークだから島を寝かせて…1ってあるからもう1枚…」

「島2つからマナを出して…この鳥さんを呼び出すよ!」

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それが私が初めて唱えた「呪文」だった。

 

~~~

 

しばらくしてミドリちゃんもマジックを始めた。
外で体を動かすのが好きな子だったから意外だったけど、
仲のいい友達がまた一人マジックを始めたのは嬉しかった。
ミドリちゃんは大きな生き物のカード、象とかなんだかよくわからない生き物とかを気に入っていた。

私はそういう大きなクリーチャーを呪文で手札に戻して、
その間に《嵐雲のカラス》でぺしぺし叩いた。

 

~~~

 

「よし、レイちゃんの残りライフ1点!」

 

「でも、アオイちゃん手札が尽きたみたいだね」
「それじゃあ、《神の怒り》!」

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「ああっ!私の並べた子たちが全部やられちゃった…!」

 

そして経験上、次のターンには《セラの天使》が出て来るに違いなかった。

 

「うう…ドロー。」

「来た!」

「私の《嵐雲のカラス》! 攻撃して私の勝ち!」

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「バカ! 速攻がないクリーチャーは召喚酔いで攻撃できないだろ!」

 

「…! 持ってるもん!速攻持ってるもん!」

こんなにかっこよく空を飛ぶ《嵐雲のカラス》が速攻を持ってないのがなんでかわからなかった。
そして、私はとんでもないことをしでかした。

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マジックで書き込まれたへたくそなひらがなの「そっこう」
これにはレイちゃんも笑い出して、言った。

「わかった、アオイちゃんの《嵐雲のカラス》は速攻があるんだね」

それ以来、私たち3人の間では私の《嵐雲のカラス》は
2マナの1/2で飛行と「そっこう」を持つことになった。

 

~~~

今にして思えばなんてことをしたんだって感じだ。
あの綺麗な英語の詩のフレーバーテキストを隠すなんて…って思うけれど、
当時の私にはゲームに関わらないフレーバーテキストよりも
「そっこう」の方が大事だった。
1人だけだとズルいのでミドリちゃんの《甲鱗のワーム》は「とらんぷる」を持った。
持ってないのが不思議だったのでこれは私もいいことだと思った。
私の弱いクリーチャーでは止められなくなったので、私は「手札に戻す呪文」についてより深く考えるようになった。

レイちゃんの《セラの天使》はパワーが5になった。
能力じゃなくてパワー1で許してくれるレイちゃんは優しいと思った。

(今にして思えば、キルターンが1ターン短くなってることがわかった)

 

~~~

 

英語の歌を習ったので、音楽の先生は英語が読めるんだと思って
何枚かのカードのフレーバーテキストを訳してもらったりした。

《嵐雲のカラス》のフレーバーテキストは先生も感心していた。

口に出した時、歌うようにきれいな韻を踏んでいて、
とてもすてきな詩だった。

 

Storm crow descending, winter unending.

Storm crow departing, summer is starting.

 

嵐雲のカラスが下りてきて、冬が続く。

嵐雲のカラスが飛び去って、夏が始まる。

 

私はカタカナで英語の読みを書いてもらって、

ずっとずうっと口ずさんでいた。

Storm crow descending, winter unending.

Storm crow departing, summer is starting.

 

~~~

超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある 

第5話『嵐雲のカラス飛び去り…』

 

 

「やっとたどり着いた…後攻第1ターン」
「ここまで来ないと使えないカードたちがあった…」
「これが私の反撃ののろし…!」
「秘策公開!」

「秘策カードを仕込んでいたのはレイちゃんだけじゃなかったんだ!」

「でもどうしてここまで使わなかったんだ?」

「使わなかったんじゃない。使えなかったんだ」
「秘策カードは統率領域に伏せておくカード…」

「そして最初に《権力行使》についてレイさんが言ったようにメインゲームの策略はサブゲームに持ち込めない」


「だからこそレイは『秘策をサイドボードに用意して設置しない』というルールの穴をついていたんだ」
「逆にいえばサブゲームが連打されるとは想定していなかったアオイちゃんの秘策カードは…」

「そうか!ずっとあったんだ『一番最初の机の上』にずっと!」

「ようやく…私は戻ってこれた、このテーブルに!」


「秘策《ブレイゴの好意》!指定は《魔力の櫃》」

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「このコンボで《魔力の櫃》は『0マナで無色3マナを生むカード』になる!」
「手札から3枚の《魔力の櫃》を設置!これも呪文なのでストームのカウントが3つ!」

「だが0マナから3マナを生み出すだけならデメリットもない《ブラック・ロータス》でいいはず!」


「《ブラック・ロータス》ならマナにも色がつくし…」

「でも《ブラック・ロータス》は場に残りませんわ」

「…?」

「ここで秘策《予想外の潜在力》指定は《Ancestral Recall》」

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「この秘策は指定した呪文に払うマナの色を無視できる!」
「無色マナ3点を《魔力の櫃》から引き出して、無色1マナから4つめの呪文《Ancestral Recall》」

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「カードを3枚ドローして…、5つめの呪文、再び《Ancestral Recall》!」
「追加の《Ancestral Recall》が引けたよ!6つ目の呪文《Ancestral Recall》!」

「怒涛の《Ancestral Recall》連打!」

「場にカードを並べてるのに手札が初期手札より増えている!」

「7から9枚目の呪文、《モックス・サファイア》を3枚」

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「10から12枚目の呪文、《モックス・ジェット》を3枚」

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「私は場のすべてのアーティファクト・カードからマナを取り出す!」
「合計で12マナ!」
「そのうち青1マナで13枚目の呪文、《撤収》」

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「このカードは私の場のアーティファクト・カードをすべて手札に戻す」

「そうか!これが《ブラック・ロータス》でなく《魔力の櫃》を使う理由!」
「使い終わった《ブラック・ロータス》は墓地へ送られるが、《魔力の櫃》は場に残り続ける…」
「《撤収》で手札に戻せばまたマナを出せるわけか!」

 

「それだけじゃない!もう一度すべてのアーティファクト呪文を場に出すときに《カラスの嵐雲》のストーム・カウントが伸びる!」

「すべてのアーティファクトを唱えなおすよ」
「合計のストーム・カウントは22!マナは26点分!」

Storm crow lonely, boon for a birder.
Storm crows together, likely a murder.


「嵐雲のカラス1羽、鳥殺しには格好の獲物。」
「嵐が叫んで共に来たなら、殺人的なカラスの群れ。」


「《カラスの嵐雲》!」

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「ストームが誘発して、このターンに唱えた呪文の数…22回分コピー!」
「合計23体の《嵐雲のカラス》を呼び出す!」

 



「秘策公開!《即応行動》!」

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「そうか、トークンに速攻を付与し一斉攻撃を…!」

「だけどトークンの名前は策略では指定できない…」
「秘策で指定できるのは『実在するマジックのカードのみ』だろう?」

「例えば《カラスの嵐雲》同様に《巣穴からの総出》というゴブリン・トークンを並べるストーム呪文がある」

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「でも生成されるトークンの名前は《ゴブリン》、《ゴブリンの~~》や《~~ゴブリン》というカードがあっても《ゴブリン》というカードはない」

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「だから《即応行動》で《巣穴からの総出》のゴブリン・トークンを指定することはできないんだ」
「《カラスの嵐雲》でも同じはずだぜ」


「このカードで指定したのは実在するマジックのカード。」

「マーカーとしてスリーブに一緒に入れてあるカードだよ」
「ねえ、レイちゃん。ミドリちゃん覚えてる?」


「《嵐雲のカラス》は『そっこう』持ちなんだよ!」

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「アオイの《嵐雲のカラス》!」


「《カラスの嵐雲》は実在するクリーチャー・カード《嵐雲のカラス》を元ネタにするジョークカード」


「だから生成されるトークンの名前も《嵐雲のカラス》になっている!」

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「ゴブリンと違って《嵐雲のカラス》はクリーチャー・カードの名前だから《即応行動》で指定できる…!」

「そっこうのカラスで一斉攻撃してアオイの勝ちだ!」

(これでやっとゲームが終わる!)
(レイちゃんもしたいことをして、私もしたいことをする、最高に楽しいゲームだった…)
(…本当にそう…?)
(何か見落としていない…?)
(それにレイちゃんのあの顔、あれは計画がうまく行ってる時の顔だ)
(《セラの天使》を手札に持っていて《神の怒り》を撃つ時の…!)

「凄いよ、アオイちゃん」
「これで終わりだね…私の負「待って!」

(そうだ!レイちゃんの『真の狙い』はアレだ!)
(たぶんやらせてあげるのが良いんだろう)
(それで私は『気づかなかったなあ、一本取られたよ』とでも言えば丸く収まる)


(でもね、気づいちゃったんだ)
(勝ち負けがあるから勝負。)
(それなら一度ゲームが始まった以上は勝ちに妥協しちゃいけないんだ!)

「レイちゃん、私はここまでちゃんとゲームに付き合ったよ」
「だからこれから私がすることもちゃんと見届けてくれないと」

「…!」
「それもそうだね。投了は無粋だったよ」
「いいよ、アオイちゃんがこの試合、何をしても私は投了しない」
「アオイちゃんのやりたいことを見せて」

「約束したからね!投了は許さないよ!」

次回、超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある
最終話「嵐はともに鳴く」

 

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超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある 第四話「机上の戦い!先攻第1ターン」

超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある

 第四話「机上の戦い!先攻第1ターン」

 第一話

 

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前回

 

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「うーん!」

アオイは大きく伸びをした。
やっと机の下と言う薄暗いダンジョンを抜け出したのだ。
再び机の上に戻る。

置き去りにされた自分の手札7枚。

それから脇に積まれたカード。

レイの場には《モックス・ジェット》が2枚横たわっている。

元凶である《ダンジョン突入》は墓地ではなくレイのデッキへと戻っていた。

 

「それじゃあ《ダンジョン突入》の効果処理、デッキからカードを2枚探すね」

 

「ねえ…もしかして…ダンジョンの中に持ち込まれた《ダンジョン突入》って…」

 

「あっ、もちろんここで手札に加えられるよ」

 

ふざけるな、という気持ちをぐっとこらえる。
この友人とのゲームでは投了しないと決意したじゃないか…!

 

「それじゃあ、探してきた《ブラック・ロータス》から《シェヘラザード》」
「場所は…さっき2つ目のダンジョンにした机の上にしようか?」

 

「そうきたか…サブ・サブゲームとも違うしこれはなんていうんだろう?」

 

「第2サブゲームじゃないアルか?」

 

「それじゃあ第2サブゲーム、始めようか…」

 

「開始ライフは20点。勝利ボーナスは『対戦相手のメインゲームのライフを半減』だよ」

 

「いわば2マナの10点バーン呪文…!」

 

「いよいよメインゲームに大きな影響が出てくるな…」

 

「勝てば…の話だよ」
「私はこのサブゲーム勝って見せる!」

 

第2サブゲーム

 

「《権力行使》から始めるよ!」

 

「OK.もう慣れてきたね」


マリガンチェック!

 

「私はマリガンを1回」

「同じく1回マリガン」


「《ブラック・ロータス》から赤3マナ!」

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「秘策公開!《ブレイゴの好意》3枚。指定は《カウントダウン残り1》」

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「指定されている《カウントダウン残り1》のコストは赤2マナになるよ」

「《カウントダウン残り1》、超動!」

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「あれは最新の銀枠セット【Unastable】収録のサブゲームカード!」
「開始ライフ1点のサドンデス、敗者には『受けるダメージが2倍になる』ペナルティがかかる!」

 

「ダメージ2倍か!これは重要になるな…!」

 

「とはいえライフ1点。流石に赤いデッキの方が有利なのは明白か?」

 

サブ・第2サブゲーム

 

「《権力行使》《ブラック・ロータス》《ダンジョン突入》!」

 

「このサブ・サブ・第2サブゲーム、負ければ火力呪文とマナソースのセットをサーチされる…!」
「なんとしても…ここは勝つ!」

 

サブ・サブ・第二サブゲーム

 

「よし、ついにここまでたどり着いた…」

 

(…? サブゲームを続けるだけのデッキだと思ったけど…)
(レイちゃんには何か別の狙いが…?)

 

「《ブラック・ロータス》を置くよ」

「秘策公開!《ブレイゴの好意》を2枚。指定は《Double Deal》!」

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「来た…!火力呪文!」

 

「レイちゃんの切り札のひとつ、未来のゲームへダメージを引き継ぐ火力呪文!」

 

「…未来の…?」
「まさかレイさんの狙いは!」

 

「レイの狙いは恐らく『次のサブゲーム』だ!」

 

「…!?」

 

「そうか、サブゲームは独立したゲーム、《ドロスの大長》などのゲーム開始時の効果は有効」


「それならば《Double Deal》の効果も有効なのでは!?」

 

「バレちゃったかあ。このデッキのギミック、『次のサブゲームへの火力』戦略に」
「でも気づいても防げるかな?」
「秘策公開《一石二鳥》!!指定《Double Deal》!」

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「あれは指定した呪文のコピーを生成する策略!」

 

「現在のゲームはライフ5点のダンジョン・サブゲーム!6点は致命傷だ!」

 

「《ブラック・ロータス》から赤赤赤!《Double Deal》!!」

 

「投了だ!アオイ、投了するんだ!」
「このゲームは負けるけれど、次のサブゲームへのダメージは防げる!」

 

「やだ!」
「みんなそうやって投了するから…サブゲームが面倒だからって付き合わないから…」
「レイちゃんはそれでせっかく組んだデッキの戦略を活かすことができなかった」
「私はちゃんと戦うよ、レイちゃんのデッキと」


「私は…ライフで受ける!」

 

サブ・サブ・第二サブゲーム
勝者 レイ

 

サブ・第二サブゲーム


第1ターンの続きから続行される!


「《ダンジョン突入》のボーナス!」
「私は《ブラック・ロータス》と《Double Deal》を探してくるよ」
「秘策公開《ブレイゴの好意》2枚と《一石二鳥》すべて《Double Deal》」
「即座に使用!」

 

「ライフ1点だから即死だね」
「ライフで受けて私の負けだよ」

 

第2サブゲーム

 

シェヘラザードによるサブゲーム!
開始ライフは20点。
先攻のレイが《カウントダウン残り1》を解決した状態から再開

 

「《カウントダウン残り1》の解決によって、アオイちゃんの受けるダメージはこのサブゲームの間、2倍になるよ」

 

「実質ライフ20対ライフ10ってことか…」

 

「さらに!このゲームでも!秘策公開!」
「《ブレイゴの好意》2枚と《一石二鳥》すべて《Double Deal》」

 

「まさか!」

「また引いたというのか…!」

 

「いや、おかしいことじゃない。このゲームはTYPE/Zeroだ、4枚制限はない」
「恐らくあのデッキには大量の《ブラック・ロータス》と《Double Deal》が入っているはずだ!」

 

「いくよ!黒蓮二連!!」

 

「6点ダメージの倍で12点…」

 

「アオイのライフは残り8点か…」

 

「ここだ!私は手札から《誤った指図》を使うよ!」
「《誤った指図》は『単一の対象を取る呪文』のターゲットを変えるピッチ・スペル」
*ピッチ・スペル…代替コストを払うことで0マナで使える呪文

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「ダメです、アオイさん…!」

 

「残念だったね、アオイちゃん」
「《Double deal》のテキストを見て?」
「この呪文は『単一の対象を取る呪文』じゃないんだよ!」

 

「そんな…!」

 

「プレイを巻き戻して《Double Deal》とそのコピーを解決!」
「12点ダメージだよ…!」

 

「それでも、ライフで受けるッ!!」

 

第2サブ・ゲーム
勝者 レイ

 

メインゲーム
第1ターン


「私は《シェヘラザード》のボーナスを得るよ!」
「アオイちゃんのライフは10点まで減少する!」

「そして黒蓮から《Double Deal》!」

「ここでも秘策3枚を同様に使うよ」

 

「残りライフ4点」


「さすがに私も玉切れかな…ターンエンド」


「…!」

「わたしの後攻第1ターンが来た…!」

 

ついに来る…2ターン目!!

ライフ20のレイ VS ライフ4のアオイ

勝負の行方は…!

次回、超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある

第五話「嵐雲のカラス飛び去り…」

 

 

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超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある第三話「青の反撃!嵐を呼ぶ呪文」

超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある

第三話「青の反撃!嵐を呼ぶ呪文」

 

第一話

 

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第二話


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 「ダンジョンを攻略したのは私!」

「クエストクリアの報酬として、私はデッキから2枚のカードを探して手札に加える…」
「これって加えるカードは公開する必要ある?」

 

「《燃え立つ願い》はソーサリーって指定があるから、ちゃんと加えたのがソーサリーだとわかるように公開するけど」
「《ダンジョン突入》の場合はカードタイプの指定がないから、公開せずに好きに2枚を選べるよ」

 

(…さて、追加の《モックス》や《ブラック・ロータス》をまだ握っていなければ、ここでレイちゃんのターンは終わり…)


(でもきっとまだ次の攻め手が残っているはず…)
(ならこの状況で持ってくる2枚は『マナなしで使えるカウンター』と『勝ち手段』)

 

「決めたよ、私はこの2枚を手札に加える」

 

「それじゃあ私は2枚目の《ブラック・ロータス》を唱えてマナを…」

 

「『人生は迷路だ』」

 

「そのフレーバーテキスト詠唱は…!」

 

「『行き止まりのひとつがこれだ』!」

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「《精神壊しの罠》!!」

 

「あれは罠のインスタント…!」

 

「知っているのか、ミンメイ!」

 

「罠は呪文が持つサブタイプ、それぞれの罠は『条件』を持っているアル」
「もし対戦相手が『条件』を満たした場合、罠にかかり…」
「罠呪文のコストは格段に安くなる…!」

 

「私がこのターンに唱えた呪文は《シェヘラザード》《燃え立つ願い》《ダンジョン突入》《モックス・ジェット》2つと《ブラック・ロータス》」

 

「1ターンにカードを連打しすぎたね!」

「それは《精神壊しの罠》の『条件』である『1ターンに3度の呪文を唱える』にひっかかる!」


「対戦相手が《精神壊しの罠》にかかった場合の代替コストは0マナ!」
「後攻である私でも唱えることができる!」
「その《ブラック・ロータス》をゲームから追放する…!」

 

「…!これでもう私にはこのターン、マナを出せるカードがない…!」
「ターンエンドするしかないね…」

 

「《権力行使》複数枚による先攻サブゲーム連打が途切れた…」

 

「ここからはアオイのターンだ…!」

 

「ここからは私のターンだよ!」
「まず1枚目!《モックス・サファイア》」

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「あれはレイちゃんの《モックス・ジェット》と同じ…!」
 
「彼女は青マナを出せる《サファイア》の方を出したか…」
 
「2枚目!《アンリコ》!」
 
 
「あれはブーンズにしてパワー9、《Ancestral Recall》!」
 
「ブーンズ? 知っているのか、ミンメイ?」
 
「ブーンズはMTG初期に作られた5枚のカード」
「マジックの5色の特徴を捉えた1マナで『3つのなにか』を行うカード」
「マジックのサイクル(一連のテーマで作られたシリーズカード)の中でもパワーバランスのばらつきが激しいサイクル」
 
「たとえばどんなカードがブーンズなんだ?」
 
「4枚は有名だからよく知られているネ」

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「赤は3点ダメージの《稲妻》。現代マジックではやや強すぎるけどモダン(近代マジック)では基本的な火力呪文。」
 
「最近は条件を満たしたボーナスとして《稲妻》相当の火力になるカードが多くアルね」

 

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「緑はクリーチャーを3点強化する《巨大化》。これは一番バランスが取れているアル。」
 
少し重たくなる代わりに追加効果のある巨大化のバリエーションは毎セット収録されているといっても過言ではないネ」
 

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「黒はそのターンのみ3マナを得る《暗黒の儀式》。ややオーバースペック気味ではあるものの人気が高いカード ネ」
 
「最近では直系のリメイクこそ出ていないけれど、《暗黒の儀式》を連想されるカードは少なくない…」
 
「そして青があの《Ancestral Recall》ネ」
 
「白は?」
 

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「白は…3点回復の《治癒の軟膏》。最近ほぼ上位互換が出たあたり、他のブーンズに比べるとかなり劣るカードネ」
「でも類似カードとの差別点が多く、明確な上位互換はほぼ存在しないバランスのいいカードね」
 
 
 
「そして青の《Ancestral Recall》は…1マナで…カードを3枚引く…!」

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「1マナでカードを3枚!?」
 
「大会で使われるような《ジェイスの創意》でさえ5マナで3ドローなのに!?」
 
「あれこそブーンズであると同時にパワー9であるカード、《Ancestral Recall》!!」
 
「私は3枚ドローして…3枚目《ブラック・ロータス》!」
「起動して青マナを3つ得る!」

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「4枚目、《Ancestral Recall》!再び3枚ドロー」
「5枚目、《モックス・サファイア》」
「6枚目、《モックス・ジェット》」
「7枚目、《モックス・ジェット》」
「8枚目、サファイアからマナ出して《魔力の櫃》」
「9枚目、サファイアからマナ出して《魔力の櫃》」
「10枚目、ジェットからマナ出して《魔力の櫃》」
 
「凄いカードの連打だ…!」
 
「11枚目…これが私の切り札、《カラスの嵐雲》!」
「これは《嵐雲のカラス》トークンを1匹作るだけのカード」
「ただしこのカードは…ストーム能力を持っている!」

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「あれは…!」
「ストーム値10…! 存在しないはずのカード!」
 
「ストーム能力だと…!」
 
「ストームは『このターンに唱えられたカード』の数だけ自身のコピーを作るカード」
「呪文自体がどれだけ弱くても…複数の呪文を唱えたならそれだけ強くなる…!」
 
「そうか…《Mox》や《ブラック・ロータスはそのまま場に出るから忘れがちだが」
「あれらも立派な『0マナの呪文』…つまりストームカウントが伸びる…!」
 
「直前に唱えた10枚の呪文から…!自身をコピーして増え…
「《嵐雲のカラス》と言う名前のトークンを11体生成する!」

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「さらにもう一枚!《カラスの嵐雲》!」
 
「1枚目の《カラスの嵐雲》の分だけ増えて合計で23羽の《嵐雲のカラス》トークンを呼び出す…!」
 
「そのトークン、雷に撃たれてるんだけど…」
 
「かわいいよね?」
 
「《嵐雲のカラス》23羽で攻撃して私の勝ちだよ」
 
「ああ、アオイさんのバカ!とんだプレイミスですわ」
 
「アオイ…マジックの基本ルールも忘れちゃったのか…?」
 
「《嵐雲のカラス》は速攻を持たないんだよ?」
「速攻がないクリーチャーは召喚酔いって言って、呪文で呼び出されたばかりだと攻撃できないんだよ?」
 
「あっ…これは…」
 
「サブゲームのやりすぎでプレイミスが目立ちましたわね…」
「これはライフ5点のサブゲームなんだから《嵐雲のカラス》5羽で攻撃すれば終わりでしたのよ?」
「ダンジョンから《カラスの嵐雲》なんかじゃなくて《Timewalk》を探せば勝ちでしたのに…」
 
「ごにょごにょ」
 
「まさか…あなた…」
 
「入れてません…《Timewalk》」
 
 
 
アオイ長田のデッキ制作回想~
 
「あら、アオイさん。このデッキレシピには抜けがありますわ」
 
「え?何か入れ忘れたかな…?」
 
「ほら、ここのパワー9のあたり…《Timewalk》がありませんわ」

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「あー。うん。あのさあ長田さん」
「私、《Timewalk》って弱いと思うの」
 
「あなたは何を言っていやがるんですの?」
 
いや、待って!聞いて聞いて!」
 
「まず《Timewalk》は『使っても何も起きない』のが弱いよね」
「追加ターンを得るっていうのは言ってみれば『今はまだ何もしなくて終了ステップまで効果が待機する』わけだよ」
 
「これはもう致命的だよ。タイプ0環境では遅い。遅すぎる。」
「相手の対応がどうこうっていう問題ですらなくてさ」
「自分のターンを1ターンやって相手を倒せないデッキ、その時点でもう弱いよね」
 
「だから《Timewalk》はいらないんだよ」
 
「マジで言ってるんですの?」
 
「半分は冗談かな。」
「でもこのデッキだと致命的なデメリットがあってさ」
 
「致命的なデメリット…?」
 
「ストームカウントが途切れるんだよね」
 
「ストームって『そのターンに唱えた呪文』の回数見るでしょ?」
「追加ターンってターンが切り替わるからさあ」
「ストームの回数がリセットされちゃうの」
「それにマナを出しなおすなら《撤収》で足りるじゃん?ストームとも相性いいし」

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「確かにタップした《Mox》を手札に戻せば大量の呪文回数が稼げてマナも増えますわね…」
「それでも《Timewalk》は1枚は挿しておいて、サーチカードを使った時に持ってこれるようにしておいた方が良いと思いますわ」
 
「ええ~そうかなあ? 私ならその枠に《ヨーグモスの意思》入れるけどなあ」

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「黒い方のウィルですか…」
「確かにヴィンテージ制限カードである《ヨーグモスの意思》でもTYPE/Zeroなら好きなだけ入れられますけど…」
「それこそ手札に2枚来た時に効果がダブって腐る《ヨーグモスの意思》よりも《Timewalk》にしておくべきですわ」
 
「それは確かにそうだね…」
 
「くれぐれも《Timewalk》を抜くなんて馬鹿な真似はやめておきなさいな」
「確かに《Timewalk》は『遅い』ものですが、あなたのデッキも十分『遅いデッキ』なんですからね」
 
~回想終わり~
 
 
「アーオーイーさーん?」
 
「ごめんなさーい!」
 
「えっと…ターンもらっていいのかな?」
 
「いいよ…」
 
「えっと…じゃあ私のターン…」
 
「まあでもこのターンをしのげば勝てるから…!」
 
「ターン終了まで迎えられないから《Timewalk》は弱い…(ボソッ)」
 
「うう…」
 
 
(でも、私の手札にはマナなしで使える妨害カードが3種類あるもの…)
 

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(まずは《意思の力》、これはライフ1点と手札1枚をコストに大抵の『呪文』を止められる)
(ライフは2点あるから1枚までなら使える)
 

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(次に《誤った指図》、『打ち消されない呪文』の場合でもこれは『呪文の対象』を移し替える)
(『対象を選ぶ火力呪文』を撃たれたならダメージを受けるのはレイちゃんの方になる)
 

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(最後に《精神壊しの罠》、先の2つが止められない『大量の呪文』をコピーする場合はこれで打消せる)
(《嵐雲のカラス》みたいなストーム呪文ならストームを稼ぐ段階で引っかかる!)
 
(この布陣を超えられることはそうそうないはず…!)
 
「アンタップフェイズに《モックス・ジェット》を2枚アンタップ」
「アップキープ…ドロー…よし!」

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「《ダンジョン突入》を唱えたいな」
「カウンターある?」
 
「ちょ、ちょっと待って!考える!」
 
(今、《ダンジョン突入》を打ち消せるのは《意思の力》だけ)
(《意思の力》を使った場合、残りライフは1点。2枚目の《意思の力》はもう使えない)
 
(今の手札にカウンターが溜まり過ぎている。手札は持ち込めないから…恐らくこのダンジョンでは勝てない)
(ダンジョンの中で負けた場合、レイちゃんはカードを2枚探す…
 
(1枚目は《ブラック・ロータス》とかのマナ・ソースだとして…2枚目は多分流石に火力呪文…)
(ああ…追加の《ダンジョン突入》の可能性ない?)
(あるでしょ…絶対ある…)
その場合は1マナ残して次の次のダンジョンへ入ることになるよね?)
 
(そこで《ブラック・ロータス》と火力…うーん)
(流石にここは止めないと厳しいかな)
 
「お待たせ、打ち消すよ」
「手札から《意思の力》を唱えるよ」
「この呪文は5マナだけどライフを1点支払って、手札の青い呪文1つをコストに0マナで唱えられる」
「残りライフを1点にして手札から青い呪文である《商人の巻物》を追放」
 
「じゃあ《ダンジョン突入》は打ち消されるね」
「それじゃあ仕方ないや」
「まあ《意思の力》を引き出せれば十分かな?」
「ターンエンド」
 
「良かった…ターンが返ってきた…」
「私のアンタップフェイズ、《魔力の櫃》を…ん?」
 
 
~一人でデッキを考えるアオイの回想~
 
「せっかくなら策略カードでいろいろやりたいよねえ…」

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「《ブレイゴの好意》かあ。コスト軽減はすごいけど不特定マナ限定…色マナは払う必要があるんだね」
「ん? 待てよ。これ無色の1マナならタダで唱えられえるんじゃない?」

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「《太陽の指輪》、これだ!色マナは出せないけど2マナ出る《Mox》になる!」
「いや、もっとすごい!《魔力の櫃》は3マナだせる!」

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「あっ、でもこれデメリットがキツイな…」
「《Timewalk》と相性悪いから一長一短だね…」
 
「《Timewalk》…やっぱり弱いんじゃない…?」
 
「よし、デメリットがキツイけど1ターンで終われば問題ないね」
「これをたくさん入れておこう!」
 
~回想終了~
 
「あっ…あっ…」
 
「アンタップフェイズ、《魔力の櫃》はデメリットがあるのでアンタップしない」
「アップキープ、ドローフェイズ開始時に《魔力の櫃》がタップされてるなら1点のダメージを受ける…」
 
「アンタップするには4マナ必要でそれが出せるのは未使用の《魔力の櫃》だけだから本末転倒…」
「うん、ダメだねコレは…」
「グッドゲーム」
 
サブゲーム終了。
勝者 レイ
 
試合はメインゲームへと戻る。
 
次回、超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある
第四話「机上の戦い!先攻第1ターン!」

 

超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある 第二話『後手の逆襲!0ターンキル再び』

超次元対戦TYPE/Zeroかじゅある

第二話『後手の逆襲!0ターンキル再び』

 

 前回↓

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前回までのあらすじ

マジックのゲーム中に効果処理としてマジックのゲームをやる中で、マジックのゲームをすることになった。

 

「さあ、開始ライフ5点でのサブ・サブゲームを始めるよ!」

「あっ! ちなみにその場合は別の机の下に移動するルールだから、あっちのテーブルに行こうか」

 

「一応、公式もサブゲーム中のサブゲームの想定があるんだね…」

 

「この机の下のサブ・サブゲームにはメイン及びあっちの机の下のサブゲームから《権力行使》は持ち込めない」

「でも私はサイドデッキから3枚目の《権力行使》を持ち込んで先手をもらうよ」

 

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「マリガンチェック…キープ!」

 

「マリガンチェック…マリガンを1回して…」

「まだだ…マリガン…」

「もう一度…マリガンして…」

「よし、キープ」

 

「何か探してるみたいだけど、その少ない手札で勝てるかな…?」

「ゲーム開始時に!《神の導き》を公開してライフを26点に!」

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「あれは長田(おさだ)の《ドロスの大長》デッキを倒したレイの切り札のひとつ!」 

 

「そんな…ライフ5点とライフ26点でのゲームだなんて!」

 

「ライフ20と26の差ならともかく5点と26点では…」

 

「自分はライフ5点でゲームが行われると知っているからこそのカードというわけか」

 

 

「さすがに…アオイの負けだな…26点をマリガンした少ない手札で削れるわけがない…」

 

「確かに、この手札じゃ26点ものライフを削ることはできない…」 

「でも、私の勝ちだよ」

 

「…!?」

 

「私もゲーム開始時に手札からカードを公開!」

 

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「ドロスの大長を2枚公開して効果を発動!」
「レイちゃんから合計6点のライフを吸収!」

 

「あれは…! 長田の切り札…!《ドロスの大長》!」

 

「確かにライフ5点の相手から6点奪えば勝てる…だがライフ26点の相手には…」

 

「そうよ、以前《ドロスの大長》は《神の導き》には勝てなかった…!」

*TYPE/Zero本編第二話「驚異の0ターンキル!黒単の恐怖」のこと

 

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「いいえ…!わたくしがアオイさんに託した《ドロスの大長》は勝ちますわ…!」

 

「え? でも、あの時は先攻をとっても勝てなかったのに…?」

 

「《ドロスの大長》と《神の導き》は効果のタイミングが同じ」

「故に先行後攻が大事になりますの…!」

 

 

「あの時、《神の導き》を使うレイちゃんは後攻を選んだ」

「それが長田さんにヒントをくれたんだ…!」

 

「そうか! APNAPルール!」

 

「知っているのか、ミンメイ!」

 

「APNAP…APとはアクティブ・プレイヤー、つまり行動順が回ってきているプレイヤー」

「NAPとはノン・アクティブ・プレイヤー、行動順がきていないプレイヤーのことアル」

「APNAPルールは『同時に何かが起きる時』の処理順を定義するルール!」

「まずAPが次にNAPが選び…処理は逆にNAPの側から解決していく…!」

 

「つまり、この場合は…?」

 

「ゲーム開始時の効果は『先手から先に誘発し、効果処理は後手から行う』」

「後攻が《神の導き》を使うと先攻は《ドロスの大長》では勝てない…」

「ですが逆に《ドロスの大長》側が後攻の場合、処理順が逆転する!」

「ライフが26になるより早く、《大長》のライフドレインが解決され、後攻の勝ちになるのです!」

 

「必ず先攻が取れる《権力行使》が逆に不利を生んだってことか…!」


「対応なしだよ…」

 

「私のライフがなくなって、ダンジョン内ダンジョンでのサブ・サブゲームはアオイちゃんの勝ちだね」

「さすが、アオイちゃん…!」

私のゲームについてこれる相手…!」

 

「勝ち負けがなければ勝負じゃない…そうでしょ?」

 

「私、今ほんとうにマジックが楽しい!」

「それじゃあサブ・サブゲーム終了時にサブ・サブゲームで使ったカードをサブゲームのデッキに戻すよ」

 

「さっき机の上のメインゲームから持ってきた《ダンジョン突入》は…」

 

「サブゲームのデッキに加えてシャッフル。効果は引き続き解決されるよ」

 

「つまりサブゲームの中で《燃え立つ願い》を唱え続ける限り、デッキへサブゲームカードが無限に再装填され続ける…!」

 

「それどころかメインゲームの墓地にあるサブゲームカードだってゲームの外部だから回収できる…」

 

「これじゃあ永遠にゲームが終わらないよ!」

 

「エターナル・サブゲーム…!」

 

「終わりなき【千夜一夜物語】…!」

 

「それでも私は諦めない!最後までゲームを続けるんだ!」

「サブ・サブゲームに勝利したボーナスによって、私はデッキからカード2枚探し、サブゲームの手札に加える!」

 「勝負は…ここからだよ、レイちゃん!」

 

次回、超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある

第三話「青の反撃!嵐を呼ぶ呪文」

 

 

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君のエスパーコンが弱い理由

 

エスパーコン(青白黒コントロール)は玄人プレイヤーたちが使うと非常に強い。
だが同時にエスパーコンは弱いという人もいる。
君がエスパーコンを使って弱いと感じる時に考えたいポイントがいくつかある。
MTGアリーナでエスパーコンを作り始める上で、それらを検討してみよう。


「プロのリストをコピーして組んでみたけど全然ダメ。エスパーコンは弱い」

 

なるほど。これにはいくつか理由がありそうだ。

 

君のエスパーコンが弱い理由1


本当にリストをコピーしていない。どこかに妥協がある。

 

「何言ってんだ、ちゃんと最新カードの《ケイヤの怒り》も作って積んだしレシピのまんまだぜ」

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果たして本当にそうだろうか?
レシピをもう一度比べてほしい。

 

「何度言っても同じだぜ。このデッキの呪文は枚数まできっちりプロのデッキと同じだ

 

呪文は…、ね。
では土地はどうだろうか?

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「土地? レアの土地作るのには《吸収》を作るのと同じように金色ワイルドカード消費するんだぜ。そんなところに枠は割けないよ

 

バッカも~ん!!!!

 

そんな中途半端なコピーデッキでいいわけがないだろう!!!

 

現代のエスパーコントロールの色マナは滅茶苦茶だ。
先攻の赤単が4ターン目に着地させる再燃するフェニックスを《吸収》で打ち消すための青青と、後攻4ターン目に相手が並べたクリーチャーを全滅させる《ケイヤの怒り》の白白黒黒が要求されたりする。

 

これを満たすためには土地の構成はしっかりやらないといけない。
と言っても難しいことを考えなくていい。
全部だ。

エスパーと色が合うレアの2色土地を全部4枚限界まで使うんだ。
青白黒の3色のうち2色を含むのはの3組だ。
それらについてアンタップインできるものは全て4枚入れればとりあえずのマナベースになる。
ライフ2点が必要なショックランド(ギルドランド)、

基本土地タイプを参照するチェックランド(M10ランド)
2種類の特殊地形それぞれちゃんと3組存在する。
2種3組各4枚。2×3×4=24


なんと特殊地形だけでデッキ60枚のうち、24枚が埋まる。

もちろんそこまでデッキをコピーするのに当然レアのワイルドカードを大量消費することになる。
だからコピーできないという気持ちはわかるが、同時にその「中途半端なコピー」でエスパーを弱いと決めつけるのはやめるんだ。
エスパーが弱いんじゃない、土地の組み方が弱いんだ。

 

エスパーデッキの強さは《吸収》や《ケイヤの怒り》が支えているのでなく
それらを併用できるようにする「24枚の特殊地形」が支えているのだ。

君がエスパーデッキの「不完全な」コピーデッキを創るなら
24枚とは言わないまでも18枚くらいはレア土地から優先した方がいい

 

だがそれでデッキは組めるだろうか?


《吸収》と《悪意ある妨害》は「相互互換」だ。
もちろん一般論としては《吸収》の方が強いとされる。
回復があるため赤単などの速攻デッキに強いからだ。

だがレアワイルドで、《吸収》を交換して実戦で平地…と基本土地しか並ばず、青青のマナが用意できずに
《吸収》を抱え落ちして負けていくよりも、
レアワイルドで《氷河の城砦》、アンコモンワイルドで《悪意ある妨害》を交換し
《悪意ある妨害》で《再燃するフェニックス》を打消した方がはるかに強い。

しかも《悪意ある妨害》の効果は《吸収》の下位互換…ではない。
相互互換でありそれぞれにそれぞれの強みがある。
さすがに《取り消し》を使うのは下位互換だが、それでさえなお撃てない《吸収》より強い。

コピーデッキの《吸収》≧ 土地がしっかりした《悪意ある妨害》>越えられない壁>>《取り消し》>唱えられない《吸収》

コピーデッキを「一部だけ」コピーするなら、派手な呪文でなく土地に目を向けるんだ。


エスパーコンの「核」は呪文でなく24枚の特殊地形2,3枚の基本土地

 

もちろん《ドミナリアの英雄、テフェリー》のようなカードには代用が効かない。
それらは土地よりも優先する必要がある。(そもそもテフェリーは神話レアなのでレア土地とは交換に使うワイルドカードが違うけど)

 

ワイルドカード使用優先度

 

神話レアのワイルド

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《ドミナリアの英雄、テフェリー》→その他
ただし青白を今後使わなくなるかもしれないならカーンという手もある。
カーンは無色なのでどのデッキでも入れようと思えば入れられるからだ。
エスパーはやめるかもしれないが、その後ジェスカイ(青白赤)やアゾリウス(青白)にするつもりなら
やはり数少ない神話レアワイルドカードは《ドミナリアの英雄、テフェリー》を優先するべきだ。

 

レアのワイルド

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代替不可品(アズカンタの探索など)→土地(氷河の城砦とか)→代替可能なレア(吸収など)
似たような役割のカードを持っていないか?
アンコモンで(いくらか性能が落ちるが)真似できないか?
例えば先ほどから言っているように《吸収》の代わりに《悪意ある妨害》が使える。

他には《拘留代理人》は1枚で大型クリーチャーを除去したり、
プレインズウォーカ―やエンチャントのようなクリーチャー以外の切り札への対処にも使え、
同名カードが並んでいるなら一網打尽にできるレアカードだ。
アンコモンの《イクサランの束縛》は1マナ重いが《稲妻の一撃》や全体除去のついでに死ぬことがなく
同名カードの後出しを封じられる。(ただし苗木や飛行機械トークンを対策したりはできない)

それぞれの特性を考えて仮想敵に合う方を選ぼう。
どうしてもレアカードの方でなければ役割がこなせないなら…土地じゃなくレア呪文にワイルドカードを使うべきだということだ。

 

アンコモンのワイルド

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完成形のデッキにあるアンコモン(屈辱とか)→レアの相互互換
《吸収》の代わりの《悪意ある妨害》などから交換したくなるがそれよりも
完成形のデッキで採用されるアンコモンを採用しよう。
アンコモンワイルドはレアワイルドよりは多いがなくなるのはあっという間だ。
超極論、《吸収》の相互互換の《悪意ある妨害》の下位互換のコモン《取り消し》でも
「3マナの打消し呪文」という枠は埋められる。
レアの代用品でない「完成形」でも使うアンコモンから交換しよう。

《屈辱》の「メインで腐らないエンチャント除去」という枠は代替不可能だ。
《致命的な訪問》などのコモンでは代替できない。

アンコモンワイルドはこういったものに使おう。


君のエスパーコンが弱い理由2

 

環境に合っていない。


エスパーコンはサイドチェンジ後が本番」と言われたりする。
だがMTGアリーナで流行っているのはBO1(ベストオブ1=1本勝負)だ。
「本番」であるサイドチェンジ後はやってこない。
なのでアリーナのエスパーコンでは環境に合わせる必要がある。

 

もし君がターボネクサスに対して強いリストをコピーしたけど、
実際には君の実力に合ったランク帯では赤単とばかり当たる。
結果的に元のリストではサイドカードであったライラ(絆魂を持つ天使)などがなく、
ライフ回復体勢が整う前に焼き切られる。

 

これではエスパーコンの意味がない。
《渇望の時》のような軽いライフ回復付き除去を採用しよう。

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コピーデッキは最良のデッキじゃない。

 

プロはプロと戦うためにデッキを組んでいるが、君の相手はプロではない
当然対策すべき相手、環境に多いデッキは異なる。
君の戦う環境、君の対戦相手に合わせてデッキを調整しよう。
それが君オリジナルのエスパーコンになるし、
プロのリストの丸コピよりも「君に適している」

 

サイドチェンジがないのはエスパーコンの弱点だがサイドボードが使えるのはエスパーコンの強みだ。
ジェスカイ(青白赤)とエスパー(青白黒)の違いとして黒の《首謀者の取得》をデッキに入れられるか?という点をエスパーの強みとして挙げたい。

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アリーナではサイドチェンジはできないがサイドデッキは設定できる。
《首謀者の取得》でピンポイントの対策カードを1本勝負の最中に用意できるのは黒絡みのコントロールの特権だ。
環境を読む自信がないなら《首謀者の取得》を入れてみるのもいいかもしれない。


君のエスパーコンが弱い理由3

 

コントロールに向いてない。
もしかすると君のデッキには問題がなくパーフェクトかもしれない。
それでもエスパーコンが弱いなら…君にコントロールデッキが向いていないのかもしれない。
性格的に向いてない…とか、選択肢がおおいと正しく選べない…とか
そういうのはもう仕方ないことだ。エスパーコンに別れを告げよう。
だが君がエスパーコンを好きで…でもコントロールに向いてない…そういうパターンもある。
要はプレイヤースキルの問題だ。
そしてプレイヤースキルの問題であれば練習がそれを改善してくれる


敗北するたびに「手札が悪かった」という前に、なぜ手札が悪いままキープしたかを考える。
次はワンマリガンして勝てるかもしれない。
ダブルマリガンしたときは本当に「手札が悪かった」のだろうか?
構築は間違ってないか?土地枚数は足りているか?
それでも負けたなら「運が悪かった」のだろう。

 

だがしかし、運の悪い敗北などというものはそんなにたくさんは起こらない。
なぜなら「運が悪い」とは「悪い方向のレアケース」だからだ。
「レアケースに当たってしまったから運が悪い」のだ。


でれば、運の悪い敗北と言うのはレアで…
多くの敗北には別の理由がある。君のプレイミスとかだ。
それを「運が悪い」で流してしまうなら、君はコントロールには向いていない。
「あそこで自分が間違えた」と言うのがはっきりしている敗北の積み重ねが、
君のエスパーコンを強くする。
それができず運のせいばかりにするエスパーコンは、弱い。


エスパーコンはきっと強いデッキだ。
エスパーコンは弱い」という時に一歩考えてみてほしい、
「君のエスパーコンが弱い」という可能性を。

負けるのは恥でない。
負けから学ばないのすら恥とは言えない。
弱いのは自分なのに、特定のデッキを弱いと言ってしまう…それがだろう。

さあ、「君のエスパーコンが弱い理由」は見つかったかな?
アリーナはエスパーコンを格安で楽しめる素敵なゲームだ。
ぜひ、楽しんでほしい。

 

超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある第一話『永遠に続く試合! エターナルサブゲーム』

ショップに旋風を巻き起こしたガチTYPE/Zeroの波は落ち着き
強さでなく「おもしろさ」を重視したカジュアルでの対戦が流行りはじめ、
「楽しいマジック」が店内のデュエルスペースを満たしていた。

 

「これこれ。これが私の望んでたプレイ環境だよ…」

 

強さや最適解を求めるよりも「使いたいカード」や「楽しいカード」が優先的にデッキに詰められる。
勝っても負けても楽しくなれるカジュアルデッキ環境…。

 

「それじゃあ私もお気に入りのデッキを使いますかね…」

 

そういってレイが取り出したデッキは千夜一夜物語
一度は【刹那さみだれ撃ち】すら倒した驚異のデッキだ。

 

TYPE/Zero~カジュアル編~

 

「さあ、誰か私の【千夜一夜物語】とやりたい人は?」

 

「そういえばレイちゃんのお気に入りデッキなんだっけ、それ」

 

「そうだよ。私の一番のお気に入り」

 

「でも、そのデッキが戦ってるところって見たことないんだよね」

 

「それなんだよな。勝ってるところは見たけど戦ってるところはないな」

 

「最近使ってないしスねてないかなあ」

 

「デッキってスねるものなの?」

 

「「「当たり前!」」」

 

「ひっ!」

 

「デッキはスねるのですわ。これは常識です」

 

「常識なんだ…」

 

「しばらく使っていない時…」

 

「ロマンカードを見捨ててガチカードに差し替えた時…」

 

「他のデッキで使うからと言って、基本土地をお気に入りの絵柄からその辺の適当なものに差し替えた時…」

 

「デッキはスねるんだよ、アオイちゃん」

 

「スねるとどうなるの?」

 

「「「主に土地が事故る」」」

 

「そっかあ…」

 

「さあ、誰がやる…?私のカジュアルタイプ0デッキと」

 

「よし、じゃあ私がやるよ」

 

「アオイがカジュアルやるのは珍しいな」

 

「青白のコントロール脳だもんね」

 

「私だってレイちゃんたちとカジュアルしたいもん」

 

「デッキはあるのか?」

 

「もちろんですわ。わたくしがアオイさんと一緒に作ったとっておきのデッキですの」

 

「黒単好きの長田が入れ知恵したってことは黒いデッキか?」

 

「それも考えたけど、最終的には青黒にした。やっぱりわたしは青が好きだから」

 

「それじゃあ、始めようか」

 

決闘!

 

「まずは先行後攻を決めようか」

 

コイントスで?」

 

「んー。とりあえず《権力行使》だすけどある?」

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「お揃いだね。はい、《権力行使》」

 

「まあ、この辺は挨拶みたいなものだよね」

 

「それじゃあコイントスしようか」

 

クルクル…カタッ

 

「レイちゃんの先攻だね。」

 

「それじゃあマリガンチェック…キープ」

 

「マリガンチェック…キープ」

 

「とりあえず《モックス・ジェット》」

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「あれは…!パワー9と呼ばれる9種類のぶっ壊れカードの1つ…!」


「タップすると黒の1マナが出せる、0マナのアーティファクト…!」

 

「それって《沼》と何が違うの? 土地だって0マナでマナが出るよ」

 

「細かい違いは色々あるが一番の違いは土地でなくアーティファクトだということ…」

 

「つまり?」

 

「いいか、MTGの基本ルール『土地は1ターンに1枚』までしか出せない」
「このルールがあるから基本的に1ターンに1マナずつ出せるマナを増やしていく」
「だけど《Mox》はアーティファクトだから…」

 

「1ターンに1枚の制限が…ない?」

 

「その通り。」

「土地と《Mox》を同じターンに出せるし、1ターンに《Mox》を複数置くこともできる」

 

「じゃあ2枚目の《モックス・ジェット》を置くね」

 

「なんであのカードは伝説じゃないんだ…」
(伝説の~とつく場合、同名カードは場に1枚しか出せないルール)

 

「黒2マナを払って…超動、《ダンジョン突入》!!」


「カウンター用のマナもないし、通ったと思っていいかな?」

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ガサゴソ

 

「いや、あの何してるの?」

 

「なぜ机の下に…デッキを持って潜ってるんだ?」

 

「彼女は入ったのです、ダンジョンに…!」

 

「は?」

 

「ミンメイ、解説をお願い」

 

「《ダンジョン突入》はサブゲームカード、アル」

 

「サブゲームカード?」

 

「例えばコイン投げをして勝ったら何かをするとか、デッキの上のカードを見せ合ってコストの重い方が勝って何かボーナスがあるとか」

「そういう『ミニゲーム』を遊んで、ミニゲームに勝てばボーナスをもらえるカードが存在するアル」


「基本的にはサブゲームカードもそれと同じ。」

「『あるゲーム』をして勝てばボーナスが得られるカード アル」

 

「やけにもったいぶるじゃねえか。『あるゲーム』ってなんだよ?」

 

「『マジック:ザ・ギャザリング』ネ。」

 

「は?」

 

「MTGのゲーム中に、MTGの試合をして、その試合に勝ったほうがボーナスとしてデッキからカードを2枚手に入れることができる。そういうカード アル」

 

「????」

 

「マジックに勝ったらマジックで有利になるカード??」

 

「それデッキはどうするの?」

 

「それまで遊んでいたゲームの手札や場はそのままにして」
「場所を移して『残っているデッキのカード』で遊ぶアル」

 

「レイが机の下にもぐったのは?」

 

「《ダンジョン突入》の効果アル。」

《ダンジョン突入》のカード名通り、場所を移すときはダンジョン…つまり机の下に潜って遊ぶようにテキストに支持されているアル。」
「ダンジョンでの冒険…机の下でのマジックに勝ったら、宝物を持ち帰る…」

「つまりカードを元のゲームに持ち帰れる…」

「そういうフレーバーを表したカード ネ」

 

「頭おかしいんじゃねーの?」

 

「まあ、この前までTYPE/Zeroしてたのに比べたら遥かにマシだな」

 

「さあ! アオイちゃん! 早く早く! 次のゲームを始めるよ!」

 

「これ、ライフ20点削るまで、机の下でやるの?」

 

「《ダンジョン突入》はライフ5点で開始っていう指定があるから5点で済むよ」

 

「5点減るまでだったら…まあ、いいか」
「潜るよ」
「これ、先攻と後攻はどうやって決めるの?メインの先攻後攻と同じ?」

 

「本来はまたコイントスとかで決めなおすけど、《権力行使》があれば先攻が取れるよ」

 

「じゃあ机の上の《権力行使》使うね」

 

「ううん。それはダメ」

「最初のゲーム開始時に使った《権力行使》はサブゲームには持ち込めないよ」
「机の上のもので持ち込めるのは山札だけ。それ以外のカードは置いてくるの」

 

「あっ、そうなんだ」

 

「《権力行使》はサイドボードから統率領域において使うんだけど、統率領域に置いた状態の策略はサブゲームに持ち込めないからね」
「だから、アオイちゃんの『その《権力行使》』は使えないんだ」

 

「うん?」

「『その《権力行使》』?」

 

「うん。『その《権力行使》』」

 

「それじゃあ私は2枚目の《権力行使》をサブゲームの統率領域に置くよ」


「こっちはまだ未使用で統率領域に置いてないから使えるんだ」
「アオイちゃんは《権力行使》の2枚目は入れてない?」

「じゃあサブゲームの先手は私だね!」

 

「……」

 

サブゲーム…開始!

 

「マリガンチェック…キープ」

 

「マリガンチェック…キープ…でいいのかな?」

 

「私のターン。《ブラック・ロータス》を置くよ」

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「あれもパワー9の一枚! ブラックロータスじゃねえか!」
「《Mox》と違って使い捨てだが、瞬間的に3マナ出せるカードだぜ!」

 

「《ブラック・ロータス》より白マナを生み出し…《シェヘラザード》、超動!!」

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「あれはアラビアンナイトをモチーフにした千夜一夜物語の語り手、シェヘラザード!」

 

「またサブゲームカードだとぉ!!」

 

「このサブゲームに負けるとライフが半分になるネ」

 

「ライフが半分!?」

「つまり20点のライフを半分に!? 2マナで10点ダメージってこと!?」

 

「だが、待てよ。これはダンジョンの中でのサブゲームだよな…?つまり減る前のライフは5点で半分の3点を失うの?」

 

「どういうことだってばよ」

 

「今の状況を整理するとこうです。」

 

メインゲームの先攻1ターン目にサブゲームをプレイし、
そのサブゲームの先攻1ターン目にサブ・サブゲームをプレイする…

 

「ところでレイちゃん。このサブ・サブゲームの開始ライフは?」

 

「20点だよー」

 

「3点のライフを減らすために20点のライフでゲームを?」

 

「そう、また次の楽しいゲームが始まるんだよ

 

「いや、普通にサブ・サブゲームを投了するけど…」

  

 

「そっか…アオイちゃんもそうやって最後まで付き合ってくれないんだね…」

 

(レイちゃん、寂しそうな顔してる…)

 

(レイちゃんはあのデッキがお気に入りだって言ってた)

(でもそれを使うところを見たことがなかったのは…)

(あのデッキを使ってもすぐに投了されて勝負にならないから…)

 

「それじゃあ《Shahrezad》を解決。ライフ5点の切り上げた半分…3点失ってね」

 

「ライフ3点失って、残りライフ2点…」

 

(決めた、私はもう投了して逃げたりはしない…!)

(ちゃんとレイちゃんのデッキと戦いきって見せる…!)

 

「余った1マナと手札の《猿人の指導霊》を追放して赤1マナ…」

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「TYPE/Zeroで散々見たカードだ!手札から捨てて1マナを生む猿!」

 

「2マナで《燃え立つ願い》!!」

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「あれはウィッシュサイクル、赤の『願いカード』!!」

 

「知っているのか、ミンメイ!」

 

「ウィッシュサイクルは今プレイしているゲームの外からカードを1つ手札に加える呪文アル」


「赤の《燃え立つ願い》はソーサリー呪文を手札に加えられる…!」

 

「私が手札に加えるのは…!」

 

「机の上にある《ダンジョン突入》!」

 

「はぁ?」

「え? つまり、このサブゲームを作り出している《ダンジョン突入》を…?」


「そんなことができるのか?」

 

「できますわ…!MTGの総合ルールにもちゃんと書いてありますの…」

 

MTG総合ルール

719.4 メインゲームにある全てのオブジェクトならびにメインゲームの外部にある全てのカードは、(特別にサブゲームに持ち込まれない限り)サブゲームの外部にあるものとして扱う。サブゲームに関係していないプレイヤーは、サブゲームの外部にあるものとして扱う。

 

 

「サブ・サブゲームが再び…!」

 

「待てよ…このサブゲームが終わった時、あの《ダンジョン突入》はどうなるんだ?」

 

「効果は引き続き解決され、カード自体はデッキに加えてシャッフルされるアル」

 

「それじゃあメインゲームのデッキに再びサブゲーム・カードが再装填されるっていうことか…?」

 

「それじゃあサブゲームカードを使い切ることはないの…?」

 

「永遠に終わらないサブゲームの連鎖…それが【千夜一夜物語】…!」

 

「私は《モックス・ジェット》を2枚置いて黒の2マナを用意するよ」

「再び、超動!《ダンジョン突入》!」

「アオイちゃん、また投了する…?」

 

「私は決めたんだ…!投了はしない!最後までとことん付き合ってあげる…!」
「それにこれはチャンスでもある。私がサブ・サブゲームに勝てばデッキからカードを探してサブゲームに勝てる可能性がある…」

 

「それじゃあ新たなるサブゲームを開始するよ。」

 

「受けて立つよ!」

 

超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある

第一話『永遠に続く試合!エターナルサブゲーム』

 

サブゲームの連鎖は…終わらない…!

 

次回、超次元MTG対戦TYPE/Zeroかじゅある

第二話「後手の逆襲!0ターンキル再び」へ続く…

 

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