さて、以前紹介した《しつこい請願者》のデッキを覚えている読者の方はいるだろうか?
今週末にMTGアリーナFNMでは「ヒストリック・ブロール」がフォーマットとして指定された。
今までアリーナのシングルトン(同名カード1枚までというルールのフォーマット)では《しつこい請願者》が禁止されることもしばしばあったが、
今回は禁止リストにその名前がない。
加えてヒストリック・ブロールはデッキ枚数が60枚のフォーマットだ。
対戦相手がデッキ枚数250枚のバベルデッキでライブラリアウト対策をしてくることもない。
さあ、今こそ《しつこい請願者》デッキ復活の時だ!
ヒストリック・ブロールは「統率者」と「同名カード1枚制限」のルールを持つフォーマットだ。
これまで取り扱ってきたブロール系統率者デッキとも違う新しい統率者を紹介しよう。
これがツナバベルブルーの最新の統率者だ!
切削は比較的新しいルール用語だ。
今まではながながと「ライブラリーの上からカード2枚を墓地に送る」などと書かれていた文章を「カードを2枚切削する」と略して呼べるようになったのだ。
つまりプルバックの能力は「《しつこい請願者》を4枚揃えたら12枚デッキを破壊する能力は、代わりに24枚破壊するよ」と言っているのである。
ブロールはデッキ60枚のゲームだ。
まずゲーム開始時に統率者を取り除き残りの59枚をライブラリーにする。
ここから初期手札の7枚を引く。
1ターン目のデッキ枚数は52枚だ。
つまり請願者を複数揃えての能力起動2回で48枚切削したなら、それはもう勝ちと同義である。
(少し足りない分は毎ターンのドローで自然に失われる)
しかし敵も悠長なデッキばかりではない。
ヒストリックのデッキはカードパワーがスタンダードよりも高いので
相手の猛攻をしのぎながら請願者を4人集めることはできるだろうか?
はっきり言うと難しい。
請願者4人をそろえる前にゲームが終わることの方がずっと多い。
大抵はそれより早く試合終了になるのだ。
ああ、所詮ツナバベルブルーはネタデッキだったのだろうか?
いや、そうではない。
改めてしつこい請願者を見てほしい。
このカードにはどこにも請願者を4枚集めろとは書いてないのだ。
アドバイザー…アドバイザーね。
さて、プルバックのテキストが見切れていてクリーチャー・タイプがよく見えないけど
人間・アド…と書かれているね。
アド…アド…アドバイザー!?
つまりどういうこと?
1ターン目 島を置いてエンド
2ターン目 請願者
3ターン目 ブルバック
4ターン目 請願者×2を出して
なんと4ターン目にアドバイザーが4人そろう。
ブルバックは統率者なので「必ず初手に来る」わけだから、請願者の必要人数は3人で足りる。
デッキに狂いそうなほど大量に積まずともよくなり、相手の妨害に枠を使えるようになる。
4ターン目に24枚のデッキを破壊して
5ターン目に24枚のデッキ破壊。
60-1-7-(24×2)-5
=-1
そう、ブルバックの参入で請願者は「ちんたらとデッキ破壊をするネタデッキ」ではなくなっているのだ。
もちろん上記のような流れは狙える時は狙っていきたいけど相手の動向に合わせて
請願者を優先するか妨害を切るかを考えながら動いていくことになる。
そしてそのための妨害スペースはデッキに開かれている!
請願者を3人は引きたいし、相手の除去やブロッカーに回すことも加味して4枚いればなおよい。
そういうわけで調整した枚数が24枚。
だいたい一般的なデッキの土地枚数くらいだ。
現在使っているレシピがこちら!
ブルバックと24人の請願者、ぜひ楽しんでほしい!
ツナバベルブルーver3.2
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統率者
1 文飾衒才のブルバック (JMP) 10
デッキ
1 思考崩壊 (RNA) 57
23 島 (JMP) 53
24 しつこい請願者 (RNA) 44
1 マーフォークの秘守り (ELD) 53
1 ヴァントレス城 (ELD) 242
1 迷える思考の壁 (RNA) 59
1 イプヌの細流 (AKR) 303
1 甘美な忘却 (THB) 70
1 抗えない主張 (AKR) 55
1 叱責の風 (AKR) 90
1 水没した秘密 (GRN) 39
1 物語の終わり (M20) 77
1 荒れ狂う騒音 (ZNR) 67
1 無礼の罰 (ELD) 42
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