バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【#MTG 】《倍増の季節》と新ヴォリンクレックスとプレインズウォーカー【#MTGKaldheim 】

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さて、前回「次のセットが出る時までさよなら」みたいなこと書いたのに、カルドハイム関連で面白いことがあったのでまたルール遊び記事を書くよ。

 

昨晩、カルドハイムの《巨怪な侵略者、ヴォリンクレックスを統率者にしたEDHデッキと戦った。

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その時、ヴォリンクレックスのデッキから《倍増の季節》やPWデッキのニッサが出てきたんだ。

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倍増の季節の後半の効果とヴォリンクレックスの前半の効果はよく似ている。

ちょっとそれぞれ抜き出して並べてみよう。

 

《倍増の季節》

効果が、あなたがコントロールしているパーマネントの上にカウンターを1個以上置くなら、代わりにその効果はそのパーマネントの上にそれらのカウンターをその2倍の数置く。

《巨怪な侵略者、ヴォリンクレックス

あなたがパーマネントやプレイヤーの上にカウンター1個以上を置くなら、代わりに、そのパーマネントやプレイヤーの上にそれぞれその2倍の個数のその各種類のカウンターを置く。

 

この2つのカウンター倍増作用がプレインズウォーカーと並んだ時に、どんなことが起こるか見ていこう!

 

それぞれの違いについて

 

まず、それぞれの置換効果の違いについて確認することから始めよう。

《倍増の季節》は何らかの効果がカウンターを置く場合に、その数を2倍にする。

一方で、《巨怪な侵略者、ヴォリンクレックスはカウンターを置くイベントが効果によるものかどうかを問わない。

 

つまり、効果ではない処理によってカウンターが置かれる場合には《倍増の季節》

は反応しない。

一方で、《巨怪な侵略者、ヴォリンクレックス》(以下、ヴォリンクレックスは効果ではない処理によってカウンターが置かれる場合にもカウンターの数を倍増させる。

 

 

プレインズウォーカーの忠誠度カウンター

 

プレインズウォーカーが持つ『ライフ』を表現するために、忠誠カウンターという種類のカウンターが用いられる。

例えば《自然の職工、ニッサを見ていこう。

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このカードは右下に5と書かれているので、5つの忠誠カウンターが置かれた状態で戦場に出る。

そして、一番上の忠誠度能力を使用すると、忠誠カウンターを3つ置きながら、あなたのライフを3点回復させる。

 

この2つのカウンターに関する処理は「効果」によるものなのか?

言い換えると《倍増の季節》の置換効果が働くのかどうか、それぞれ見ていこう。

(ヴォリンクレックスの場合はそれが効果でもそうでなくても倍増させる)

 

 

忠誠カウンターを置いた状態で出す処理

 

これはもう、効果じゃない匂いがプンプンする。

効果と言うか「そういうルール」っぽいよ、これ。

プレインズウォーカーを出すときは忠誠度に等しいカウンターを置く。

そういうルールだって、マジック教わったときに聞いたし。

 

とりあえず総合ルールを紐解いてみよう。

困ったら総合ルールだ。

 

総合ルール306.5b 

プレインズウォーカーは、「このパーマネントは、記載された忠誠数に等しい数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る」という固有の能力を持つ。この能力は置換効果を生み出す(rule 614.1c 参照)。 

 

アッハイ。

効果でした。

 

プレインズウォーカー・カードには、カードに書かれていない共通能力として、

「このパーマネントは、記載された忠誠数に等しい数の忠誠カウンターが乗った状態で戦場に出る」を持っているのだ。

そして、この能力は戦場に出る処理を置換してその上にカウンターをのせる。

 

置換効果であるため、《倍増の季節》は反応する。

《倍増の季節》を出しているときに《自然の職工、ニッサを唱えると、

それが戦場に出る時に置換効果が働き、5個ではなく10個の忠誠カウンターが置かれた状態で戦場に出る。

 

ヴォリンクレックスを出している時に《自然の職工、ニッサを唱える場合も同様に5個ではなく10個の忠誠カウンターが置かれた状態で戦場に出る。

 

 

忠誠度能力

 

では、忠誠度能力を使用した場合はどうだろうか?

カウンターを増やすのは「効果」だろうか?

 

この問題のヒントはプレインズウォーカー・カードをよ~く見ることで得られる。

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+3のマークと「あなたは3点のライフを得る。」の間にがあるのが見えるかな?

MTGにおいてはルール上の意味がある記号である。

どこかで見たことはないだろうか?

 

ちょっと《ラノワールのエルフ》を見てみよう。

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タップシンボル(矢印のマーク)の横にがついているね。

このは起動型能力を示す記号だ。

 

総合ルール602.1

 起動型能力は、コスト効果を持ち、「[コスト]:[効果。][(あるなら)起動指示。]/[Cost]: [Effect.] [Activation instructions (if any).]」という書式で書かれている。という書式で書かれている。 

 総合ルール602.1a

コロン(:)の前に書かれているものすべてが起動コストである。能力を起動するプレイヤーは、その起動コストを支払わなければならない。 

 

コスト効果は別であり、+3はコロンの前にある。

よって+3は効果ではない。

 

《倍増の季節》は効果ではない処理で置くカウンターは倍にしないんだったね。

コストを支払うためにカウンターを増やすというのは奇妙に聞こえるかもしれないが、

ルールでそう定義されているんだ。

 

よって《倍増の季節》プレインズウォーカーの忠誠度能力を使うために置くカウンターを倍増させない。

 

一方で、ヴォリンクレックスは効果であるかどうかを問わない。

ヴォリンクレックスの能力が生む置換効果はプレインズウォーカーの忠誠度能力を使うために置くカウンターを倍増させる。

 

では、最後に確認問題を出そう。

 

確認問題1

あなたが《倍増の季節》をコントロールしている時に、《自然の職工、ニッサを唱えた。戦場にいくつの忠誠カウンターを置いてでるだろう?

また、その後+3能力を起動した後で、カウンターはいくつになっているだろう?

 

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答え

10個のカウンターが置かれた状態で出て+3を使うと3個だけ増えて13個になる。

 

確認問題2

あなたがヴォリンクレックスをコントロールしている時に、《自然の職工、ニッサを唱えた。戦場にいくつの忠誠カウンターを置いてでるだろう?

また、その後+3能力を起動した後で、カウンターはいくつになっているだろう?

 

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答え

10個のカウンターが置かれた状態で出て+3を使うと倍の6個増えて16個になる。

 

では最終問題。

 

確認問題3

あなたが《倍増の季節》ヴォリンクレックスをコントロールしている時に、《自然の職工、ニッサを唱えた。戦場にいくつの忠誠カウンターを置いてでるだろう?

また、その後+3能力を起動した後で、カウンターは最大いくつにできるだろう?

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さあ、考えてみよう。

 

まず、戦場に出る時。

両方とも置換効果を適用できるんだったね。

5個が2倍の10個になり、それを2倍にした20個が置かれた状態でニッサは出る。

 

なんとも豪快だね。

 

次に+3を使う。

そうするとヴォリンクレックスが3個を倍にするので6個のカウンターが置かれる。

よって、答えは26個…

 

 

ではない。

 

ここまでの話を聞いて、そうじゃないことに驚いているかもしれない。

しかし、ここまで出てきたルールをおさらいすれば「本当の答え」が見えてくる。

 

今、ヴォリンクレックスの能力が3個のカウンターを置く処理を6個に置換したね。

この置換するっていうのはなんだっけ?

 

置換効果だ。 置換「効果」だ…!

 

今、まさに今!

ヴォリンクレックスの能力が生み出した「効果が、あなたがコントロールしているパーマネントの上にカウンターを置こう」としている…!

《倍増の季節》

効果が、あなたがコントロールしているパーマネントの上にカウンターを1個以上置くなら、代わりにその効果はそのパーマネントの上にそれらのカウンターをその2倍の数置く。

 

よって、今置換効果が置こうとしている6個のカウンターの2倍の12個のカウンターが置かれる。

 

20個のカウンターを置いて出てきたニッサに12個のカウンターが置かれる。

 

というわけで、正解は32個となります。

 

 

 

本当ぉ~????

 

なんか、怪しくない?

そもそも最初の置換のタイミングでは置換できないはずの置換効果を別の置換効果の後から処理するのって因果がねじれてない?

 

総合ルール616.2 

置換・軽減効果は、イベントを修整する別の置換・軽減効果の結果として、イベントに適用できるようになることがある。 

 総合ルール614.16 

「効果によりあなたのコントロール下でトークンが1つ以上生成されるなら/if an effect would create one or more tokens」あるいは「効果によりパーマネントの上に1個以上のカウンターが置かれるなら/if an effect would put one or more counters on a permanent」適用される置換効果が存在する。呪文や能力の解決の効果がトークンを生成したりパーマネントにカウンターを置いたりする場合と、他の置換・軽減効果がそうする場合にこれらの置換効果が適用される。置換・軽減効果の影響を受けるイベントそのものが効果でなかった場合にも適用される。 

 

というわけで、総合ルールに記載されている通り。

ヴォリンクレックスの能力を通すことで、結果的に「適用されなかったはず」の《倍増の季節》が置換効果を働かせることができる。

 

まとめ

 

ヴォリンクレックスは効果でないイベントで置かれるカウンターも増やすことができる置換効果を生み出す能力を持つ。

《倍増の季節》効果によって置かれるカウンターのみを増やせる。

2つを並べると、《倍増の季節》だけでは適用できなかった「効果ではないイベント」に対して、ヴォリンクレックスの能力が生み出した置換効果を適用すると、《倍増の季節》を適用できるようになる。

結果として、あなたが置くカウンターは4倍になる。

 

 

理解してもらえただろうか?

新カード《巨怪な侵略者、ヴォリンクレックスを統率者にしてEDHを遊ぶときには、ぜひ《倍増の季節》との相互作用を楽しんでみてほしい。

すごくエキサイティングな体験になるだろう。

 

大量のカウンターが好きなティミーも、相互作用好きのジョニーや、ルールの重箱の隅をつつくのが好きなメルヴィンもきっとこの組み合わせを気に入ると思うよ。

(スパイクはヴォリンクレックスの強さに満足していると思うし、ヴォーソスはファイレクシア語ヴォリンクレックスに興奮していると思う)

 

ではまた次回、ヴォリンクレックスの話題で会おう。

 

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