バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【#MTG】多相の戦士トークンと《ルーンの光輪》【#カルドハイム】

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ついにカルドハイムが発売し、スタンダードにたくさんのカードが追加された。

面白いカードがたくさんあるので、どんなデッキを組むか悩ましいね。

 

さて、今回はそんなカルドハイム期スタンダードで起こりうる奇妙な状況を題材に、

「カードの名前」についてのルールを深掘りして遊んでいくよ。

 

まず、こんな状況を想定してほしい。

君のライフは残り2点。

戦場に君のクリーチャーはいない。

対して対戦相手にはカルドハイムで新登場した《リトヤラの熊々》によって生成された

「多相を持つ青の2/2の多相の戦士・クリーチャー・トークン」がいる。

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このまま相手のターンが始まれば君は敗北してしまうだろう。

最後の望みをかけて、君がドローしたカードは《ルーンの光輪》だった。

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《ルーンの光輪》はカード名を1つ選び、その名前を持つオブジェクトから君を守ってくれる。

今、君は目の前にいるトークンの名前を宣言し、生き延びることができるだろうか?

 

 

問題点を整理する。

 

さて、上記のシチュエーションで問題がありそうなところを整理していこう。

疑問点は大きく2つ。

疑問1.トークンに名前ってあるの?

疑問2.仮にあるとして、指定できるの?

 

では順に見ていこう。

 

疑問1.トークンには名前があるのか?

 

クリーチャーには名前がある。

《ラノワールのエルフ》は「ラノワールのエルフ」という名前があり、

《セラの天使》は「セラの天使」という名前を持ち、

《シヴ山のドラゴン》は当然「シヴ山のドラゴン」だ。

 

だが、トークンはどうだろう?

 

トークンは名前を持つのだろうか?

いや、むしろ逆に名前のないクリーチャーっているのか?

 

MTGの総合ルールを読みこむことでクリーチャーは名前を持たなかったり、

名前を複数持ったりすることがあるのがわかるのだ。

 

じゃあ、先ほどの例で出てきたトークンがその「名前を持たないクリーチャー」であるのだろうか?

 

いや、そうではない。

総合ルール111.4を読んでほしい。

 

総合ルール111.4

トークンを生成する呪文や能力が、そのトークンの名前とサブタイプを定める。特に書かれていない限り、トークンの名前は、そのサブタイプと同じである。例えば、ゴブリン・スカウト・クリーチャー・トークンはゴブリン・スカウトという名前であり、クリーチャー・タイプはゴブリンとスカウトの二つとなる。トークンが戦場に出た後では、名前が変わってもサブタイプは変わらない。その逆も同じである。

 

どうやら、トークンにはそのサブタイプと同じ名前があるらしい。

疑問1の答えは見えた。

トークンには名前があり、その名前はサブタイプと同じである。

 

疑問2.仮にあるとして、指定できるの?

 

もう「仮にあるとして、」ではないね。

トークンにも名前がつくことがある。

後は《ルーンの光輪》でカード名を選ぶときにそれを選ぶことができるかどうかだ。

 

総合ルールはこの疑問にも答えてくれる。

総合ルール201.3を参照あれ!

 

総合ルール201.3

効果によってプレイヤーが名前1つを選ぶ場合、そのプレイヤーはオラクルに存在するカードの名前を選ばなければならない(rule 108.1 参照)。プレイヤーは、カードの名前でないトークンの名前を指定することはできない。

 

プレイヤーはトークンの名前を指定することはできない!

 

疑問2も解決したね。

プレイヤーはトークンの名前を指定することはできない。

例えば君が「ゴブリン」という名前を持つゴブリン・トークンに命を狙われていても、

《ルーンの光輪》は君を助けてはくれない。

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さあ、対戦相手が急かしてくるよ。

君は早く、着地した《ルーンの光輪》の処理を完了させるために何かカードの名前を言わないといけない。

 

なんでもいい。君は存在するカードの名前を言わないといけない。

例えば《多相の戦士》なんかいいんじゃないかな?

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…は?

 

困ったことに、MTGの歴史は長く様々なカードが生まれてきた。

そして20年以上も前の大昔に、あるのだ。

《多相の戦士》という名前のクリーチャーが、いるのだ。

 

つまり君は大昔の《多相の戦士》くんのことを考えながら、

「存在するカードの名前」として《多相の戦士》を宣言することができるはずだ。

 

すると君は目の前の《多相の戦士》からルーンによって守られる。

ええ? 本当ぉ?

 

実はMTGには実際のクリーチャーの名前とトークンの持つサブタイプが合致してしまうケースが稀にある。

例えば統率者戦で《巣ごもりドラゴン》の生成するトークンを見てみよう。

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こいつはサブタイプと同じ「Dragon Egg」という名前を持つわけだ。

マジックには《Dragon Egg》が存在する。

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わーお。

トークンの名前を指定することはできない。

ただし、こういったレアケースの場合だけはある種のバグ的な挙動として、

トークンの名前を間接的に指定することができる。

その場合《ルーンの光輪》によるプロテクションはそのトークンにも及ぶことになる。

 

でもちょっと待って?

新しい疑問がここで1つ生まれる。

 

疑問3.存在するカード?

 

統率者戦での《Dragon Egg》「Dragon Egg」トークンの例では、

トークンを生み出すカードも、名前の被ってしまったカードも両方デッキに入れることができる。

どちらも同じフォーマットに存在するカードだった。

しかし、《多相の戦士》はどうだろう?

20年以上前の古いカードであり、当然スタンダードでは使えない。

「スタンダードに存在しないカード」をカード名指定で宣言することができるだろうか?

 

数年前まで、それはできないことだった。

カード名指定をする効果は、その環境で使用可能なカードから選ばなければならなかった。

今はそうではない。

 

実はひっそりとルールが改訂されているのだ。

 

というわけで、大昔の《多相の戦士》のカードを思い浮かべながら、ルーンの指定を行えば君は「多相の戦士」という名前のあらゆるカードに対してプロテクションの加護が発揮される。

 

うん、「多相の戦士」という名前のカードならね。

 

なんだかちょっと含みのある言い方だね。

まだ、何か問題点があるのだろうか?

 

疑問4.君の名は?

 

さあ、一番最初のケースに戻ろう。

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君の目の前にはこのトークンがいて、君は大昔の《多相の戦士》へ思いを馳せながら《ルーンの光輪》を戦場に出して、「多相の戦士」を宣言した。

 

あらゆる「多相の戦士」という名前のカードは君に手出しできない。

ところで君の前にあるそいつの名前は「多相の戦士」なんだろうか?

 

おいおい、最初に確認したことをもう忘れたのか?と、君は思うかもしれない。

そうだった、そうだった。

トークンには名前があり、その名前はクリーチャータイプと同じである。

 

その名前はクリーチャータイプと同じである。

うんうん。うん?

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このトークンはすべてのクリーチャー・タイプである。

このトークンはすべてのクリーチャー・タイプである??

 

トークンには名前があり、その名前はクリーチャータイプと同じである。

 

も、もしかして…トークン、お前の名は…

「Advisor Aetherborn Ally Angel Antelope Ape Archer Archon Army Artificer Assassin Assembly-Worker Atog Aurochs Avatar Azra Badger Barbarian Basilisk Bat Bear Beast Beeble Berserker Bird Blinkmoth Boar Bringer Brushwagg Camarid Camel Caribou Carrier Cat Centaur Cephalid Chimera Citizen Cleric Cockatrice Construct Coward Crab Crocodile Cyclops Dauthi Demigod Demon Deserter Devil Dinosaur Djinn Dog Dragon Drake Dreadnought Drone Druid Dryad Dwarf Efreet Egg Elder Eldrazi Elemental Elephant Elf Elk Eye Faerie Ferret Fish Flagbearer Fox Frog Fungus Gargoyle Germ Giant Gnome Goat Goblin God Golem Gorgon Graveborn Gremlin Griffin Hag Harpy Hellion Hippo Hippogriff Homarid Homunculus Horror Horse Human Hydra Hyena Illusion Imp Incarnation Insect Jackal Jellyfish Juggernaut Kavu Kirin Kithkin Knight Kobold Kor Kraken Lamia Lammasu Leech Leviathan Lhurgoyf Licid Lizard Manticore Masticore Mercenary Merfolk Metathran Minion Minotaur Mole Monger Mongoose Monk Monkey Moonfolk Mouse Mutant Myr Mystic Naga Nautilus Nephilim Nightmare Nightstalker Ninja Noble Noggle Nomad Nymph Octopus Ogre Ooze Orb Orc Orgg Otter Ouphe Ox Oyster Pangolin Peasant Pegasus Pentavite Pest Phelddagrif Phoenix Phyrexian Pilot Pincher Pirate Plant Praetor Prism Processor Rabbit Rat Rebel Reflection Rhino Rigger Rogue Sable Salamander Samurai Sand Saproling Satyr Scarecrow Scion Scorpion Scout Sculpture Serf Serpent Servo Shade Shaman Shapeshifter Shark Sheep Siren Skeleton Slith Sliver Slug Snake Soldier Soltari Spawn Specter Spellshaper Sphinx Spider Spike Spirit Splinter Sponge Squid Squirrel Starfish Surrakar Survivor Tentacle Tetravite Thalakos Thopter Thrull Treefolk Trilobite Triskelavite Troll Turtle Unicorn Vampire Vedalken Viashino Volver Wall Warlock Warrior Weird Werewolf Whale Wizard Wolf Wolverine Wombat Worm Wraith Wurm Yeti Zombie Zubera」

なのか!?

 

余談だけど書いていて一番気持ちよかったのは「E」の項目。

エルダー・エルドラージ・エレメンタルな象エルフの大鹿の目、好き。

 

さて、トークンカードの名前欄には「多相の戦士」という名前がある。

 

となると、このクリーチャー・トークンの名前については3つの可能性がある。

 

1つ目、「めちゃくちゃ長い名前」である。しかしトークンカードでは省略されている。

2つ目、書いてある通り「多相の戦士」という名前である。

 

…3つの可能性…?

 

3つ目の可能性。

それは「めちゃくちゃ長い名前」と「多相の戦士」という2つの名前を持つ可能性である。

何を言っているんだと思われるかもしれないけど、最初の方で書いたようにマジックのルール上はクリーチャーが名前を持たなかったり、逆に複数持ったりするのだ。

もしかしたらこのトークンの名前が2つあるかもしれないだろ!!

(混乱しないように先にネタばらししておくと、実際には こいつの名前は1つしかないです)

 

さーて、ややこしくなってきたぞ。

 

まあでも、素人がぶつかるような問題の答えと言うのは既に出ているものであることが多い。

少しネットで調べれば、疑問4の答えはどうやら2番。

書いてある通り「多相の戦士」という名前である。が正解らしいと分かる。

しかし、なぜそうなるかは調べてもなかなか出てこない。

「1+1=2は簡単だけど、1+1=2の証明は難しい」みたいな話だね!

君もなぜそうなるか気になるよね?

さあ、総合ルールを読み解き、深淵を一緒に探ろうじゃないか!!

 

 

トークンには名前があり、その名前はクリーチャータイプと同じである。

 

しかし、すべてのクリーチャータイプを持つ多相の戦士トークンの名前は、「クリーチャータイプを連ねた長い名前」ではなく多相の戦士である。

 

なぜだろう。

 

私はこの謎の答えは「種類別」のルールに眠っていると考えた。

種類別の話と言うか、種類別じゃあ話にならないというか。

 

多相についてルールを確認してみよう。

総合ルール702.72a 

多相は特性定義能力である「多相/Changeling」は、「このオブジェクトは全てのクリーチャー・タイプである」を意味する。この能力はゲームの外部も含むあらゆる場所で機能する。

 

特性定義能力は種類別のルールに置いて同種の効果の中では最も早く適用される。

多相はその特性定義能力である。

 

しかし、この「早さ」はあくまで種類別の中での早さ。

ルールにはもう一段階早い適用順がある。

 

総合ルール613.1

 オブジェクトの特性の値は、そのオブジェクトそのものの値から始まって決定される。カードであればそのカードに記載されている特性の値、トークや(呪文やカードの)コピーであればそれを生成した効果によって定められた特性の値を初期値とする。その後、以下の種類別の順番で適用できる継続的効果をすべて適用する。 

 

《リトヤラの熊々》が生成する「多相を持つ青の2/2の多相の戦士・クリーチャー・トークン」初期値として「多相の戦士」のクリーチャータイプを持っている。

それに同期する形で、カード名もまた「多相の戦士」を初期値にとる。

その後でやっと「最速の変更効果」である特性定義能力が反映される。

多相によるクリーチャータイプの変化もここで適用されることになる。

多相が変更できる特性はあくまでサブタイプのみである。

名前と言う特性に直接触る効果は含まれていない。

なのでカード名は初期値のまま、多相がいじれるサブタイプのみ第四種変更効果によって書き換えられる。

 

つまり、「トークンの名前の決定」よりも後で、「トークンのサブタイプの追加」が行われていると考えることで、トークンのカード名が「多相の戦士」1つであることが説明づけられる…はずだ。

 

 

それではまた次回、次なるパックに伴うルールの面白い話があればまた会おう。

それまであなたに知識の神アールンドの加護がありますように…!

 

 

 

今回のまとめ

 

カルドハイム発売時点でのスタンダード対戦中に《リトヤラの熊々》によって生成されたトークンの名前は「多相の戦士」である。

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マジックには同じ名前を持つ《多相の戦士》というカードが大昔に作られている。

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《ルーンの光輪》を使い《多相の戦士》を指定することで目の前の「多相の戦士」トークンからのダメージを軽減することができる。

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