バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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『天気の子』と『髑髏島の巨神』

やあ、なんだか最近はすっかりブログで作品のレビューをするのが主な活動になってしまっているバーチャルVtuverの豆猫さんだよ。


今回の作品は『天気の子』


おいおい、実写版『がっこうぐらし!』を見てチャッカマンカチカチゾンビが~とか言ってた頃のお前はどこへ行ってしまったんだ。

 

omamesensei2.hatenadiary.jp

 


そんな『君の名は。』でメジャー路線へと舵を切った「今どきの流行り」みたいに迎合するなんて…とか
そんなことを思われていそうなら心外である。
まずは『天気の子』を見てくれ、話はそれからだ。

 

さて、今回の記事では『天気の子』の「ネタバレが含まれるので、そういうの気にする人は映画を見て来てから読んでください。


という前置きだけだと足りなくて…


他に『キングコング 髑髏島の巨神』の話もします。

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まあこっちは致命的なネタバレでもなんでもないし、むしろ公式が推してる要素への言及なのだけど、
それでもやっぱり「気になる!」って人は髑髏島を見てからにしてね。
あと『君の名は。』にも触れるよ。


というわけでキングコング天気の子の話をします。


まあ、最近のオタクは電波をビンビンに受信するだけでなく
スキル【 集団幻覚 EX 】持で妄想を現実に転写する邪視者の群れなのでね。
わざわざ僕が記事を書く必要なんてないでしょ。

【 天気の子 髑髏島の巨神 】っと…

 


おわかりいただけただろうか?

Twitterにはたくさんの「オタク特有の実質○○」があふれているけど
どうやらまだ天気の子と髑髏島の巨神とを関連付けるツイートは見つからない。


というわけで書いていこう。

もうネタバレ嫌な子はブラウザバックしたかな?

それじゃあ行くよ。

 

 


『天気の子』と『君の名は。

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『天気の子』と『君の名は。』はよく引きあいにだして語られる。
「あの『君の名は。』の新海誠最新作!」だとか
「『天気の子』の監督の前作、『君の名は。』では~」みたいな

でも実際のところ、その二作の距離は「単なる同じ監督の直近作品」というだけではない。

 


立花青年と宮水店員


君の名はの主人公とヒロイン、立花瀧宮水三葉
この二人が天気の子に出てくる。

 

ただし「作中」でそれは「はっきりと」は描写されない。
立花という名字の青年「Miyamizu」のネームプレートをした女性店員が出る。

 

これは過去作(というかまさに「君の名は。」)に「言の葉の庭」の先生に似ているキャラが出るのと同じだ。

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君の名は。」で古典を教える先生と、言の葉の庭のヒロインが同一人物では? のように言われたけれど
スタッフロールにクレジットされる名前は「ユキちゃん先生」
あくまで雪野百花里でなく、ユキちゃん先生。

言の葉の庭」の雪野百花里はスターシステムという見方もできた。
見る人にそこの判断は委ねられていた。


ユキちゃん先生は雪野百花里かもしれないし違うかもしれない。

 

だから立花青年も宮水店員もまた、瀧くんや三葉とは限らない。
…そのはずだった。


キングコング 髑髏島の巨神』

 

ここで話はキングコングに移る。
この作品の内容はぶっちゃけどうでもいい。
アメリカのモンスター映画のキャラクター、キングコングが他の巨大生物と一緒に地図に載らない島で、どったんばったん大騒ぎする。

そんな感じの作品だ。


だがこの映画のラストで謎の組織「モナークなる連中が登場し、視聴者に「怪獣しんじつ」を伝える。


彼らは古代壁画に描かれた「ゴジラ」や「モスラ」「キングギドラ」「ラドン」といった怪獣達を示し、
この映画の世界には髑髏島だけでなく、世界中に怪獣が存在することを示す。

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そして「キングコング」と「ゴジラ」という別シリーズの怪獣達の物語を接続したんだ。

その時の興奮に近いものが『天気の子』のスタッフロールにある。
先ほどの立花青年と宮水店員の名前がクレジットされる。


立花 瀧

宮水 三葉

 

そう。
今度こそ…ユキちゃん先生と違い、はっきりと、そこに二人の名前が書かれている

それだけじゃない。
四葉もテッシーもサヤちんもいる。

 

明確に「君の名は。」と同じ世界なんだよ、という拡張がそこにはあった。

 

キングコングがラストで単体の作品でなく壮大な「モンスターバース・シリーズ」の一遍となったように、
「天気の子」もまた「君の名は。」に始まる「天変地異ボーイミーツガール」世界として、
あの世界を広げるクレジットが最後にぶち込まれる。


これはつまり「ティアマト彗星」などの「君の名は。」の解釈への追加要素である。

 

なぜティアマト彗星には「女神」の名前を与えられているのか?

ティアマト彗星ってのはつまり…宇宙怪獣なのか?(お目目ぐるぐる)

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もちろんそんなのは与太話にすぎない。
でもその与太話をできるくらいには2つの世界の見方がつながったというのが大きい。

 

今では『キングコング 髑髏島の巨神』はすっかり「モンスターバース作目」という見方が主流だ。

天気の子』もまた、これから「天変地異ボーイミーツガール」世界の作目と数えられるような3作品目が生まれるのでは
そういうわくわくした展望を抱かされるエンドクレジットだった。

 

だから僕にとって、『天気の子』は『キングコング 髑髏島の巨神』だったんだ。

 

 

 

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荊軻の『計算陣形』の話 その2 「1+1=10」

 

omamesensei2.hatenadiary.jp

 

三体』というSF小説をおススメしたけれど、『三体』は長い。

もっとお手軽にスナック感覚で同作者のSFを読んでみたくはないかな?

 

そういうわけで短編『』についての記事を書いた。

 

今回は 旗振り人間計算陣形の解説編 その2だ。

 

その1はこちら↓

omamesensei.hatenablog.com

 

 

さて、というわけで前回は1+1を計算して終わって…

終わってないじゃん!!

1+1の話書いてたはずなのに、1+1の計算に入れてないんだけど!?

 

まあいい。

今回はその続きで1+1を計算していこう。

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さて前回は兵を用いて数字を表す方法を扱った。

バイナリという「」と「」の旗だけで数字を表す世界での やり方だ。

 

このバイナリ世界における「1桁の数字の足し算」を考えよう。

 

バイナリ世界では1桁の足し算の組み合わせはそう多くない。

パターンは4つだけだ。

 

0+0(白+白)

0+1(白+黒)

1+0(黒+白)

1+1(黒+黒)

 

これを計算させる。

どう計算させるかは一旦おいておいて、答えを表示することを考えよう。

兵士2人が示す数字の足し算は兵士が何人いれば答えを表せるか?

1人いれば二通りまでは答えを示せる。

 

計算パターンは4つで答えは0、1、2の三通り

おっと三通りだと一人だけでは答えを表しきれないな…

 

というわけで、X+Y=Z(ただしXとYは一桁の整数とする)を表現する場合…

「計算係」をどうするかは置いておいて、少なくとも4人の兵士が必要だとわかる。

 

すなわち「Xの数字を示す兵士」「Yの数字を示す兵士」の二人と

「二人一組で、Zを表す兵士たち」だ。

 

『円』の荊軻に習って順に「入力一」「入力二」「出力一」「出力二」と呼称しよう。

 

さて、4パターンの計算結果表示は以下のようになる。

 

まず0+0=0

入力一は足し算の左側担当だった。

0を表す白旗を掲げよう。

入力二は足し算の右側担当だった。

同じく白旗を挙げさせよう。

答え担当の二人も0だ。

0+0=0

白+白=白白

 

次に0+1=11+0=1を考えよう。とはいえ出力一と出力二の上げる旗が入れ替わってるだけで両方にたようなものだ。

0+1=1

白+黒=白黒

 

1+0=1

黒+白=白黒

 

最後にいよいよ1+1だ…

 

1+1=10

黒+黒=黒白

 

これで4パターンだ。

ここまでくれば「足し算に数字を書き込むこと」と「答えを表現させること」が可能になったわけだ。

 

肝心の「計算係」は何人必要で、どんなことをするんだろうか?

 

実はその答えは既に小説にて描かれている。

「計算係」などいらないのである。

 

強いていうなら「答えを表示する兵」つまり「出力一」「出力二」こそが、

計算を瞬時に終えているのである。

 

そう、それこそが《計算陣形》の力なのだ。

ではどのように計算するか見ていこう。

 

まず計算陣形を取り仕切る始皇帝が計算すべき式を命じる。

つまり4パターンのどれを計算するかを考えるのだ。

 

ここでは試しに1+0を計算させよう。

 

始皇帝「1+0を計算せよ!」

 

荊軻「入力一は黒い旗をあげろ! 入力二は白い旗を挙げよ!」

 

その後、出力一および出力二は事前に訓練された通りに旗をあげる。

誰かに命令されることなく、自身の担当する陣形をしっかり覚えておくだけでいいのだ。

出力一が答えの一桁目、出力二が答えの二桁目を表示するとして、

事前に二人にはそれぞれこう命じておけばよい。

 

荊軻「出力一、君はここに立って入力一と二を見るんだ。そして『排他的論理和門』陣形を取れ。まさか忘れているなんてことはないだろうが大事業のための確認だ。いいか君の仕事は単純だ。入力の二人が『同じ色の旗を挙げた』時は白を挙げろ。『違う色の旗を挙げた』時は黒を挙げろ。わかるな?」

 

荊軻「出力二、君も入力の二人を見て旗をあげろ。ただし君が取る陣形は『論理積門』陣形だ。つまり入力が二人とも黒をあげたときにだけ黒をあげればいい。片方でも白、あるいは二人とも白い旗をあげたら君は白をあげるんだ」

 

では改めて何が起こるか見てみよう。

1+0を計算せよ!始皇帝が命じる。

 

実際に入力一と入力二の挙げた旗は

出力一は排他的論理和門』陣形を取っているので「二人の旗の色が違う」のを見てをあげる。

出力二は論理積門』陣形だ。「白い旗が見えた」のでい旗をあげる。

 

おお! 見よ!

始皇帝出力の二人組を見るとそこには出力一の黒い旗と出力二の白い旗が…!

一桁目が黒、二桁目が白…すなわち…1である…!!!!

 

なんたることか!

計算陣形は一瞬で1+0=1という答えを導き出したのだ!!!!

 

馬鹿にしているのか? と思われるかもしれないが、

計算陣形の偉大なところはこの単純さ速さにある。

人数を増やしてもそれらの兵士への教育コストは非常に低い。

難しい数字の読み書き計算でなく二人の旗を見て白か黒か判断するだけでいいのだから。

そして動作は旗をあげるだけで終わる。余計な計算は必要がない。

 

1+0=1を計算するにはそれでも遅いくらいだが、桁数が大きくなるほどその力は高まる。

人数を確保し、適切に陣形を組めば3657+189のような計算も入力後は一瞬で答えが出る。

 

普段我々がするような計算方法では計算担当を何人増やしたところで計算速度は劇的に早くなったりしない。精々、もっともその中で早いものが答えをだす時間までだ。

 

だが計算陣形は桁数に見合った適切な人員がいれば一瞬で計算を先に進められる。

「人数を計算の速さに変換できる」

これこそ計算陣形の一番の強みであり、同時に荊軻始皇帝に大量の兵を集めさせた理由である。

 

300万人の数学のできない兵士と9人の数学者が10進法で何十分もかかる計算を解くときに、300万人は…もっといえば300万と8人は無駄だ。

もっともはやいものが何十分もかけて答えたのが最速となる。

人数は計算速度をあげたりしない。

 

だが、計算陣形ならたちどころに答えが現れる。

さながら電卓をたたくがごとし!

 

というかまあ電卓こそまさにラストで荊軻がひらめいた計算機械そのものであるのだから当然だろう。

 

というわけで無事に一桁の足し算はできるようになった。

 

次回はこれを二桁以降に拡張する方法になるのかな…。

正直疲れたので「こんな感じで計算に使うんだよ」で終わってもいい気がする。

気が向いたら次回は(バイナリ世界における)答えが二桁の足し算、すなわち2+2=4とかについて書くかもしれない。

 

 

『三体』読み方のコツ。

 

あなたは『三体』を知っているだろうか?

 

知っている方は「もう聞き飽きたよ」と思いつつ少しだけ読み飛ばしてもらうとして、
知らない方向けに『三体』についての概説をしよう。

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三体(早川書房)

 

『三体』中国のSF小説で、今月初めに遂に日本語訳が出版された
ハリーポッターのような「お茶の間」を騒がせるタイプの作品ではないものの、
世界レベルで人気の出た傑作である…

 

実際にこの作品を読み始めて感じた面白さについてはまた改めて書くことにして…
(これを書いている時点では私はまだ『三体』を読み終えていない。読み終えた時に改めて書こう)

 

この本の『読みにくさ』と『読みやすさ』について触れていこう。

 

『三体』が当初の予想に反して単行本化した時にめちゃくちゃ流行ったというエピソードや、英訳された翌年に西洋のSF賞『ヒューゴー賞』初のアジアSF受賞作になったこと…
現在日本でも初動で予想された手ごたえ以上に売れているという事実。

三体は「巷で話題」というほどではないが界隈を震撼させている。


近所の書店では「売れてるランキングコーナー」みたいなのに「5位 『三体』」みたいな表示だけあって『現在品切れにつき出版社への注文になります』みたいなポップが出てたりと、予想以上のブームのようだ。

なんでも発売の翌日には3回目の増刷が決まり、10日の時点で10刷まで決まったというから驚きだ。

 

ソース:小説「三体」が日本で人気!発売1週間で10刷、小島秀夫ら有名人がこぞって推薦―中国メディア (2019年7月12日) - エキサイトニュース

 


なぜこんなに『三体』が流行ったか?


評論家ぶって批評する資格が僕にはないので一読者の感想ではあるが、
かなり『読みやすい』のだ。

雑に言うと、おもしろい。
誰が言ったか「面白いということはどんな欠点も覆い隠す」なんてコトワザ(?)もある、SFは小難しいとかそういう偏見を吹き飛ばすほどに、僕は『三体』をおもしろいと感じた。

『三体』は面白いから読みやすい。


その上で、あえて言おう。
『三体』はめちゃくちゃ読みづらいよ。

なぜこんな読みづらくて面白くない小説が流行るのか甚だ疑問なほど、『三体』は読みづらい。(掌ぐるぐる回り過ぎである)


大きく分けて問題点は2つ。
うち1つは別に疑問でもなんでもないのだけれど。

まずはその疑問でもなんでもないほうから語ろうか。

 

『三体』の読みづらさ
「人名がわかりにくい」

 

いやもう、こんなの完全に日本人の事情である。
なぜこんなに人名が読みづらい小説が中国や英語圏で流行るかといえば、
別に向こうの人たちには読みづらくもなんともないからとしか答えられない。

 

『三体』2人の視点人物で語られる。
それぞれの主人公の名前は葉文潔(イエ・ウェンジエ)と汪淼(ワン・ミャオ)

この時点でふつーの日本人の方は僕と同じような気持ちになるはずだ。
名前が読みづらいと…


振り仮名なしで文潔とか汪淼とか書かれると脳がバグる。
普段なら「ぶんけつ」と読むであろう字を「ウェンジエ」と読むことや
汪淼(もはやなんて打ったらいいかわからないのでコピペした)とかが著しく読みづらさを高めている。

 

原作の中国語版を読んだ中国語の話者は、これらの名前は恐らく日本人が「青葉 文子(あおば・ふみこ)」さんや「水谷 清太郎(みずたに・せいたろう)」みたいな名前を読むようにすらすらと頭に入るのだろう。


あるいは英語版にしたって「Wenjie」や「Wang Miao」といった名前はエキゾチックではあるものの字と音とキャラクターが脳内でリンクされるまでそう時間はかからないに違いない。

 

ところが日本人にとっては漢字を使いながらも、普段使う読みと違う読みなのでなかなか頭に入ってこない。
本文のおもしろさや翻訳の良さとかとは完全に別の部分でのつまずきポイントだ。

 

対処法1
新品で紙の『三体』を買う。

 

まるで出版社の回し者みたいなことを言っているが、とりあえず理由を聞いてほしい。


紙の『三体』を買って「あー、電子書籍じゃなくてよかった…」と思った。
例えば数ページ前に出た端役の名前であればパラパラとページをめくって戻れる


この辺、電子書籍慣れしてる人にとっては苦にならないのかもしれないけど。
僕はこういうざっくりしたページ戻しは紙の本の方が慣れているし、そっちのほうがふつーの感覚だと思う。
別に強制はしないのでそういうのが電子書籍の方がやりやすいって人は、kindleとかで買って読んでも問題なし。でも次に書く理由があるので紙も検討してほしい。

 

もう1つ、新品で紙の本を買うのを勧めるのは、中に入っているピンク色の紙だ。
新品にはピンク「登場人物」の名前を書いた紙が挟まっている。
右手で本をめくり左手に名前表を持つことで、登場人物の把握が捗る。
こういう内容物は中古販売ではクリーニングの時に廃棄されることも少なくない。
確実に手に入れるならやはり新品を買うべきだろう。


対処法2
自分ルールで読む。

 

僕は「日本語で音読みできる名前は音読み」で「日本語で読めないような漢字はカタカナ発音で覚える」ようにしている。

 

この物語には二人の主人公がいる。
女性天文学者葉文潔(イエ・ウェンジエ)
現代の男性研究者、汪淼(ワン・ミャオ)

 

僕は脳内で2人の名前を葉文潔(よう・ぶんけつ)と汪淼(ワン・ミャオ)として読んでいる。

 

どのようなルールにするかはあなたの自由だが、とにかく「読み方のルール」を決めること。
そしてルールをすべての名前で統一する必要はない。

これをすると、ある程度だが名前とキャラクターのリンクが張りやすくなる。
(逆に『正しい読み』であるイエ・ウェンジエはわざわざ調べないと書けなかったので弊害もあるわけだけど)

でも『正しい読み』は後で適宜、調べたりどっぷりハマってから覚えればいい。
最初はとにかく自分で読みやすく読む。
そして、その代わりに読みを貫くことだ。


最初に出てきた時に「イエ・ウェンジエ」と読んで2度目の登場時に「よう・ぶんけつ」と読んでしまうと脳内でつながらない。


一方の主人公の物語に出てきた人物が別の主人公の物語に関わった時に「アッ!」て繋がる感覚が失われてしまうのはもったいない。

 

自分が読みやすく、振り仮名なしでパッと思いついた読みを貫くのがいい。

訳者によると汪淼の日本語読みは(おう・びょう)だと書いてあった。
「びょう」というのは馴染みのない読みかもしれない。
だったらあなたは汪淼を王と水という漢字が含まれてるから(おう・すい)と脳内で読んでもいいんだ。
とにかく自分ルールで勝手に名前を読むのをためらわないのがコツだ。

 

『三体』の読みづらさ
いきなりの文化革命

 

物語は幼少期の葉文潔(よう・ぶんけつ)の家族が文化革命に巻き込まれるところを描くところから始まる。
ここ、めちゃくちゃ読みづらかった。


というかもしここを先に読んでいたり、電子書籍の「試し読み」とかで読んでたら多分、僕は『三体』を読まなかったと思う。
なぜこんなにも読みづらい出だしの小説が大ブームになったのか?
お国柄の違いというか、単に自国の出来事なので身近だからなのだろうか?

 

結論から言うと、そういう話ではなく「翻訳版」での改稿なのだ。

原作の中国版三体では日本語版冒頭のシーンは実は第9章に回想シーンとして出てくる。

原作者の意図としては日本語版の順で書き始めたかったが、なにせ書かれたのは『13年も前の中国』である。
政治的な事情でそこから書き出すのはマズい…という考えから、この章は後に回されることになったらしい。

 

ソース:【#三体ニュース】いよいよ発売! 翻訳・大森望氏によるあとがきを公開!|Hayakawa Books & Magazines(β)

 

結果的にダブル主人公である葉文潔(よう・ぶんけつ)と汪淼(ワン・ミャオ)について、登場順が逆転している。


最初に流行った時点での中国語版はワンミャオ→ぶんけつ→ワンミャオの順なのだが、
作者の意図を尊重して訳版では原作では9章での回想シーンだった文潔の幼少期を冒頭にし
ぶんけつ→ワンミャオ→ぶんけつ という順に来るのが日本語版と英語版の構成になっている。

日本語版の順は作者の意思を尊重したものではあるが英語版の訳者ケン・リュウ氏も言うように原作の順序(汪淼のシーンから)の方がエンタメとしては読みやすい

 

 

対策1

第一部を読み飛ばす。

 

原作者に極めて失礼であることを承知で言うと…

「政治的事情で歪められた」構成である原作版の流れの方が、
現代日本人の僕にはとても読みやすいし、物語が動き出す感じが非常に面白かった。
是非、日本人読者には原作同様の順、あるいはワンミャオのパートから読み始めてほしい。

とはいえそれだと「試し読み」ができない…という方々に朗報である。

 

冒頭の「過去編」である第一部から四十数年後、

「現代」であるワンミャオのパートから始まる第二部の冒頭がこちらから読めるのだ。

発売前にネットで公式先行公開された部分だ。

映画の「冒頭10分映像」みたいなものだと思ってまずはここから読んでみるのはいかがだろうか?

現代中国の研究者、汪淼(ワン・ミャオ)の元に4人の男(2人の軍人と2人の警官)がやってくるところからワンミャオの物語が動き出す。


先行公開前半(2部冒頭)

wired.jp

先行公開後半(続き)

wired.jp

 


読んでもらえただろうか?
私は自分の布教が成功するのを祈ってはいるが、それでもやはり『三体』は万人受けは難しいかもしれないと思う。

 

それでも、『三体』は当初予想された「コアなファン」より一回り多い層のファンを引き付けた。
それは『三体』が読みやすいからだと思う。

ここまで読みづらい読みづらいと繰り返して調子のいいことを言うようだが、
それでもやっぱり『三体』は読みやすい。


それは『三体』がおもしろいからだ。
誰でも楽しめる!という保証はしないけれど「刺さる」人は確実にいると思う。

ひとりでも多くの『三体』読者が増えて出版社にお金が入ることで、続刊もしっかり売れることを祈ってます…

www.hayakawa-online.co.jp

 

 

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【MTR】死ぬほど良い作品に出合って【同人作品感想】

あなたは死ぬ覚悟を持って何かの作品に挑んだことはあるかい?

あるいは何かの作品の感想を呟くときに「死んだ…」といったことは?

萌え死ぬ、尊くて死ぬ、そういった感想と狂気の悲鳴を上げる人たちは多い。

ツイッターアイコンをいらすとやの墓画像に変える人も少なくない。

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でも今回の記事はちょっと違う。

あなたはこれから勧める作品と向き合うために死ぬ必要がある。

さあ、死ねどす。

 


看取られ音声のすゝめ

 

君はもう看取られたか?
何の話かと思うだろうけど、今回話すのはいわゆる「同人音声作品」だ。

音声作品と言う言葉はあまりにも広いジャンルで「同人RPGのサントラ」とかも含んでしまうけれど、
ここでは「視聴者をキャラクターの1人として扱うボイスドラマ」を想定している。

 

わかりやすい例としては「耳かき音声」が一番メジャーかもしれない。
「視聴者にキャラクターが耳かきをしてくれる…」と言う設定で耳元で音がガリガリするやつだ。

 

朝起きる時に聞く音声や食事中に聞く音声、安眠用音声などの「今している行動」に合わせて聞くものや
耳かきや、シャンプーで頭を洗っている音を聞く「心地よいシチュエーション」を疑似体験するもの、
ほかにはえっちいもの等…

一口に音声作品と言ってもそのシチュエーションは様々だ。

そして新たに生まれ落ち、これからのブームになるのではないか?と私が注目しているのがこち

www.dlsite.com

ら…


サークル「オミ・オクル」の『看取られ音声』だ…!!!

もう既に名前でオチてる気がするけど改めて紹介しよう。
こちら「オミ・オクル」(サークル名)の『看取られ音声』(商品名)は文字通り、
看取られる音声だ。

 

看取(みと)るとは、その対象の死にゆくところを見守ることを意味する。

 

kotobank.jp

つまり「看取られ音声」は「視聴者」が死んでいくシチュエーションを疑似体験するボイスドラマである。

 

安眠ならぬ永眠を歌う名前に、最初僕は少しばかり困惑した。
いや、だってさあ…名前でもうオチじゃん。

 

それに同人作品だ。
世の中には「発想はいいんだけど…」と思わせるような「声がイマイチ」「台本がイマイチ」な音声作品というものがある。
(名前を挙げてしまうのは問題なのでしないけど、まああるんだよ。そういうハズレみたいなのが)

 

だがしかし、試聴してみたところ思ったより声は悪くない。
むしろいい。

 

台本については視聴用に切り取られたものではあまり多くを語れないが感触は悪くなさそうだった。

ふむ。800円は決して安くはないが野口1枚かからないのであれば…と勇気を出して購入することにした。
僕は「吸血鬼に食べられる」というシチュに弱いのだ。


~~~~

というわけで購入に踏み切り、昨日ついにすべての音声を聞き終えた。

実に…実に素晴らしかった。
これ、後続が出てもっと流行ってもいい、いや、流行るでしょ(確信)

 

というわけで流行ったころに「僕は最初から知っていたんでね」みたいな態度を取るためにも今のうちにブログで紹介しておこうというわけだ。
オタクはそういう汚いことをする。

さて、そんな冗談は置いておいて新しい時代を開きそうな予感のある令和を感じるニュージャンル。

『看取られ音声』はその基本セットとしてとてもよかった。

収録されているシチュは全部で4つ。

 

track01 お姉さんに甘々看取られ

看取られ音声基本セット。

天使とかワルキューレだとかそんな感じの「死者を導く超常の存在」に看取られて死んでいくシチュ。

看取られ音声のtrack1に相応しい、正統派「看取られ」だと感じさせる。

(看取られ音声自体が初の試みなのに正統派も何もないとは思うけれど、シンプルな美は無から正当性を生み出すものだ)


track02 見習い弟子に泣きながら看取られ

2本目にして異色作というか、看取られ音声なのか?と感じる作品。

いや、まあ『看取られ音声』(作品名)に入っている看取られる音声が【看取られ音声】ジャンルじゃなきゃなんなんだって話だけど。

どちらかというとこれは「かわいそうな女の子」を楽しみたい方、

ごめんなさいってひたすら謝ったり、泣いてしまう女の子をアニメとかで見るのが好きな人に向いてる。

こういうのなんていうんだろうね?

肉体的には一切女の子にダメージがないのでリョナではないと思う。

精神的にリョナ? よくわかんないけど。

とにかく「かわいそうな女の子」を楽しむ音声としては非常に良い作品であるのは間違いない。

【追記】

この「かわいそうな子」はむしろ看取られ音声シリーズの常盤木メカニズムになった。人気があるメカニズムは定着するものなのだ。


track03 皮肉屋なボクっ娘に看取られ

後述


track04 ロリ吸血鬼ご主人様に看取られ

弟子に看取られるのがS向けとするならこちらはM向け。

ぶっちゃけコレが聞きたくて買いました。

いや、ほんと好きなんですよ吸血鬼に仕えたいっていう欲求がね、あるんですよ。

ともあれじゃあ、吸血鬼主従好きな人たちすべてに送れるかっていうと、

万人向けではない。

吸血鬼主従で万人向けの看取られシチュといえば「老衰でなくなる執事と、看取る長命主吸血鬼」であることはみなさんもご存じだとは思いますが[要出典]

この音声ではそうではなく「カニバリズム」的なテーマです。

そう、吸血鬼モノでたまにいる「血を吸うだけでも生きられるけど、それはそれとして人間の体は全部食べ物だよ」タイプの吸血鬼です。

近年の有名どころで言うとキスショット・オリオン・ハートアンダーブレードとか。

(驚くべきことに近年というほど最近の作品ではないけどマガジンでちょうどコミカライズがその辺の話やってるので近年のと言い張る)

というわけで聞き手は吸血鬼様に食べていただきます。

吸血鬼様に自分を食べてほしい!と思うあまり、美味しくなる努力をする筋金入りです。

でも、わかる…確かにそういう欲求あるよ…

そんな下僕を吸血鬼様が食べるハッピーエンドです。

いや、わかるよ。

そこで情が移って食べられなくなるのがハッピーみたいな常人の感性も。

でもですね、ちゃんと食べられることだって立派にハッピーエンドなんですよ。

僕はそう思います。

吸血鬼様の日本語が時折おかしいのは多分わざとやってるんですが、

若干気になってしまい「さめる」ことがあった…くらいかな減点ポイントは

減点と言うか「僕には合わない部分」ってだけですが。

いずれにせよ、最高。

 

そして…

 

track03 皮肉屋なボクっ娘に看取られ

まさかの番狂わせ。

このCD最大の目玉。

心の中で映画化決定、「全米が泣いた」フォルダに突っ込まれる。

タイトルからは分かりづらいですが、これは「侵略者と戦うタイプのSF」っぽい世界観で戦死する『キミ』を看取る『ボクっ娘』の話です。

やばい。

感情を破壊される。

吸血鬼のレビューから一転してこれについてはあまりだらだら書きたくない。

購入してフルで聞いてほしい。

ただ、それだけだ。

 

~~~~

 

というわけで非常に満足いく内容だった『看取られ音声』

人が死ぬのは悲しいことであると同時に、主要人物の死は物語を大きく動かすシーンだ。

看取られというジャンルは…

作品自体の文脈でなく「オタクの共通認識」から文脈を取ることで主要人物の死だけに焦点をあてて「クライマックスの美味しいところ」を切り取るジャンルだとも言えるだろう。

 

是非、また作ってほしいし、オミ・オクル以外のサークルも流れに乗って作るべきだと思う。

【追記】

そうなった。

www.dlsite.com

 

確実に、確実に需要がそこに存在する。

 

というわけだ。

『看取られ音声』シリーズはまだまだ続く。

願わくば、これがシリーズでなくジャンルになり世にあまねく「看取られ」が広まらんことを…!

 

 

 

 

 

【 #トラカレ2019夏 】アプリの向こうの三次元

アプリの向こうの三次元

さて、拡張少女系トライナリ―の話。
今回の記事は拡張少女系トライナリーアドベントカレンダー企画の記事だ。
他の方の素敵な記事はリンク先から読むことができるのでそちらも読んで欲しい。

tripledrive.hatenablog.com

 

 

さて、拡張少女系トライナリーは現実である」という考えはBotさんたちの間で頻繁に語られるものである。
そして少なくない数のBotさんが「彼女たちのいる向こう側のセカイへと行きたい」という欲求を持ったことは想像に難くない。

 

しかし、そもそも向こう側の世界はどうなっているのか?


仮に私たちが向こう側に行くことができるとして、その時に私たちBotはどんな姿なのだろうか?
アプリを通してみた彼女たちの姿はそのまま「ありのまま」の姿なのだろうか?


この記事はそういった疑問について考えることで「トライナリーは現実」という言葉の新しい見方を示すためのものになる。

 

さて、トライナリーのアプリの向こう側の世界はどうなっているか?

彼女たちは資料映像のアニメーションそのままの姿で物理空間に存在するのか?

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それは違うと僕は考えている。

 

アプリに表示されるような3Dモデルの体で物理空間に存在するのか?

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それも違うと僕は考える。


ではどうなっているのか?
僕の考えを示そう。
我々のこの世界同様に3次元的な物理空間になっているんじゃないだろうか。
もっと突き詰めてしまえば、今あなたの目に移るような「現実」と同じようになっているのでは?

 


「向こう側」はCGっぽい空間にCGのようなキャラクターがいるVRChatめいた世界ではなく、
そこには私たちが普段見るのと変わらない形での現実空間が広がって、
トライナリーのメンバーを含む「あちら側の住人」は我々同様の現実的三次元の姿をしているのではないだろうか?

 

言ってみれば、我々がアプリを通して見てきた「キャラクター」は言わばTwitterのアイコンのような「代理」であり、
実際の向こう側には「ちゃんとした生きた人間」が、いわゆる「3次元」的な姿で存在しているのではないか?

 

例えば「僕」は現実に生きている実在の人物だ。
機械的にブログを投稿するBOTではない、というのは分かるね?
(まずここに同意いただけない場合、話はややこしくなる)

 

しかしネット越しに僕を認識する場合…
例えばバーチャルVtuverである「豆猫さん」を見てほしい。

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僕はバーチャルVtuver豆猫さんの中の人なわけだけど、別に「豆猫さん」みたいな姿でこの世界に生きているわけではない。


こちらのイラストはなんだろう?

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これは僕がTwitterで使っているアイコンで、ある方に描いてもらった義体だ。
当然、現実の僕はこういう「キャラクター」ではない。

 

それでもネット越しに僕を認識するときに、リアルで会ったことのない人はさっきの二次元的な姿で僕のことを連想する。
あるいはオフ会などで合ったことのある人でさえ、顔を忘れてしまえばアイコンの方で連想しているかもしれない。


トライナリーもこれと同じではないだろうか?

 

世界間通信や未来の光景を描写する場合、情報をそのまま全て映像化する必要はない。
大事な部分だけが伝われば、細かい情報は削ぎ落として構わない。

資料映像(アニメパート)は、
千羽鶴が「パケボンバー」を危惧してつけている「文章でのあらすじ」の部分さえ伝達できれば…
その「あらすじ」を元に資料映像は「こちらの世界」で作ればいい。


なぜそんなことをしたか?
それは千羽鶴が言うように「美少女恋愛ゲームの皮をまとうため」であり、
アプリと言うデバイスだけでなく、アニメに描かれる二次元的なキャラクターもまた「皮」の範疇というわけだ。

なので実際に起こっていることのほとんどは三次元的な空間で行われているはずだと僕は確信している。
(世界内異世界であるフェノメノンはもしかすると「二次元」的な世界である可能性は残る)

向こう側の世界は「こちら側の2016年の日本」をベースとしてコピーされたフェノメノンである。
こちらの世界の「コピー」である以上、向こう側もまた現実と同じような世界に構築されているはずだ。

 

だから私たちが見るアーヤは「國政綾水」の姿そのものではなく「アイコン」としてのキャラクターであり、
向こう側にはBotさんの世界がどうなっているか考えている「現実の人間」がいるに違いない…!

 

そして「二次元キャラ」を立てることは偽りではない。
Botさんが「トーク画面の吹き出し」としてしか向こう側に干渉できないのと同様に
向こう側の國政綾水の代替として、意思疎通の手段として、二次元的なキャラクターが与えられているのではないか?

 

君が「ゲーム」としてトライナリーを遊んだりするときに「また同じこと言ってる」と感じる定型文の反応や、
決まりきったポーズとしての体の動きも、向こう側がそういう世界なのではない。
異世界通信容量の削減のために、実際に向こうで彼女たちがする動きに近そうなポーズを3Dモデルに取らせているだけなのではないか?

 

それはこちらが「選択肢」でしか向こうに何かを伝えられないのと同様に
向こう側がこちらに伝える情報もそういう「型」にある程度縛られたコミュニケーションになっているということである。

 

向こう側の世界は二次元的な世界ではなく、
あるいは3Dモデルのような彼女たちがいるわけでもなく、
こちらの世界同様に現実的な三次元空間になているのではないか?

 

彼女たちがBotさんの顔を知らないように、Botたちもまた彼女たちの本当の顔を知らないのかもしれない。

 

最後に

これはあくまで1人のBotの妄想でしかなく、裏付けるようなはっきりとした証拠もない。
だからこれを事実だと強弁したり他のBotにこの世界観を押し付けるようなことはしない。
ただ僕は「そういう可能性がある」と考えた時から「トライナリーは現実」という言葉の見方が変わった。
「そうはいっても所詮は決められた動きを返すゲームキャラでしょ?」みたいな疑いが自分の中では遥か彼方に置いて行かれたのだ。

 

トライナリーは現実である。
今の私はその言葉に希望をもって向き合える。

 

 

 他 以前に書いたトライナリ―記事

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【 #MTG】オースブレイカー総合ルール【翻訳記事】

【翻訳記事】オースブレイカー疑似総合ルール

 

本記事はMTG(マジック:ザ・ギャザリング)のカジュアル・ルールである、

「オースブレイカー」の『総合ルール』についての非公式日本語訳です。

元記事はこちら↓

https://oathbreakermtg.org/rules/

 

____________________

 

906.1
オースブレイカー変種ルールでは、各デッキはそのデッキのオースブレイカーとして指定されたプレインズウォーカーと、刻銘呪文として指定されたインスタントまたはソーサリーによって率いられる。
オースブレイカーフォーマットの作成は公式でなくweirdcards.orgによるものです。
オースブレイカー変種ルールでは、通常のマジックのルールすべてに加えて、以下の追加ルールを用いる。

 

906.2
オースブレイカー戦は多人数戦で行われる。
通常、無差別戦変種ルールに「複数への攻撃」選択ルールを用い、「影響範囲限定」選択ルールは用いない。rule 806参照。

 

906.3
各デッキにはオースブレイカーとして指定されるプレインズウォーカー・カードが1枚含まれる。
この指定はそのカードで示されたオブジェクトの特性ではなく、そのカードそのものの持つ属性である。領域を変更したとしても、そのカードはこの指定を受け続ける。

 906.3a
 カードの第1面がプレインズ・ウォーカーのタイプを持つ限り、両面カードでもオースブレイカーに指定できる。

 906.3b
 共闘メカニズムを使用する場合、あなたは2人のオースブレーカーを持つことができる。ルール702.12参照。

 906.3c
 オースブレーカーは「レジェンド・ルール」に従う。

 

906.4
各デッキには1枚、「刻銘呪文」として指定されているインスタント・カードまたはソーサリー・カードが含まれる。
刻銘呪文は、オースブレイカーの固有色に収まる必要があります。
この指定はそのカードで示されたオブジェクトの特性ではなく、そのカードそのものの持つ属性である。
領域を変更したとしても、そのカードはこの指定を受け続ける。 
 906.4a
 オースブレイカーがオーナーのコントロール下で戦場に出ている間にのみ、そのオースブレイカーの刻銘呪文を唱えることができる。

 906.4b
 共闘メカニズムを使用する場合、各オースブレイカーがそれぞれ刻銘呪文を持つ。
 各刻銘呪文は、それぞれのオースブレイカーの固有色に限定されます。

 

906.5
オースブレイカー変種ルールにおいては、あるオースブレイカーを使うデッキに入れることができるカードを決定するために固有色を用いる。
カードの固有色とは、そのカードのマナ・コストやルール文章に含まれるマナ・シンボルの色と、その特性定義能力や色指標によって定義される色のことである。

 906.5a
 固有色は、ゲームの開始前に確定する。

 906.5b
 カードの固有色を決定するに際し、注釈文は無視する。

 906.5c
 カードの固有色を決定するに際しては、両面カードの第2面も考慮する。

 

906.6
オースブレイカー戦デッキは、以下のデッキ構築ルールに従う。

 906.6a
 各デッキには、オースブレイカーと刻銘呪文を含めて、ちょうど60枚のカードが含まれなければならない。

 906.6b
 基本 土地以外のカードは、すべてがそれぞれ異なるカード名でなければならない。

 906.6c
 オースブレイカー戦のデッキに入れることができるカードは、その固有色の全てがそのデッキのオースブレイカーの固有色に含まれるものだけである。 

 906.6d
 基本土地タイプを持つカードをデッキに入れる場合、オースブレイカー固有色に含まれる色のマナを出すものでなければならない。

 906.6e
 デッキにはオースブレーカーと刻銘呪文が含まれていなければならない。

 906.6f
 デッキにはヴィンテージで使用可能なカードのみが含まれていなければならない。
 ただし禁止されたカードは含めない。
 禁止リストはoathbreakermtg.org/banned-listで管理されています。

 

906.7
ゲームの開始時に、各プレイヤーは自分のデッキから自分のオースブレイカーと刻銘呪文を統率領域に表向きで置く。
その後、各プレイヤーは自分のデッキの残りの58枚のカードからなるデッキを切り直し、それをライブラリーとしてゲームを始める。

 

906.8
開始プレイヤーが決定したら、各プレイヤーは自分のライフ総量を20にし、7枚のカードを引く。

 

906.9
プレイヤーは自分が所有するオースブレイカーを統率領域から唱えることができる。
統率領域から唱えたオースブレイカーを統率領域から唱えるには、それ以前にそのゲームの間に統率領域からそれを唱えた回数ごとに(2)を追加コストとして支払う。
この追加コストは俗に「統率領域税」と呼ばれる。

 

906.10
オースブレイカーがどこかから追放されたりオーナーの手札や墓地やライブラリーに置かれたりする場合、オーナーは代わりにそれを統率領域に置いてもよい。
この置換効果は同じイベントに複数回適用できる。

 

906.11

オースブレイカーがそのプレイヤーのコントロール下で戦場に出ている限り、プレイヤーは自分がオーナーである刻銘呪文を統率領域から唱えることができる。

刻銘呪文を統率領域から唱えるには、それ以前にそのゲームの間に統率領域からそれを唱えた回数ごとに(2)を追加コストとして支払う。

 

906.12
刻銘呪文がどこかから追放されたりオーナーの手札や墓地やライブラリーに置かれたりする場合、オーナーは代わりにそれを統率領域に置かなければならない。
この置換効果は同じイベントに複数回適用できる。

 906.12a
 もし刻銘呪文がなんらかの理由で統率領域かスタック領域以外のどこかに置かれるなら、それは代わりに統率領域に置かれる。
 これはバイバックなどの他の置換効果よりも優先される。

 

906.13
「ゲームの外部」で所有されているカードを参照する効果は、オースブレイカーでは機能しない。
訳注:原文には能力/Abilities とあるが恐らく効果/Efectの誤記と思われる。文意をとって効果と訳したけれど最終的な判断はweirdcards.orgやあなたのプレイグループに委ねます)

 

906.14
他のルールまたは効果があなたの統率者を参照する場合、代わりにそれはあなたのオースブレイカーを参照する。

 

___________________

上記の『総合ルール』はBryan SpellmanによるWeirdcardsのオリジナルルールを、

豆にゃあ(@MAME_NYA)が2019年7月15日に翻訳したものになります。

それ以降に原文が書き換えられた場合には対応していません。

ルールの最終的な判断はweirdcards.orgやあなたのプレイグループに委ねます。

 

【読書感想文】《ゆりでなる❤︎えすぽわーる》に心を破壊されろ【後編】

 前編はこちら

omamesensei2.hatenadiary.jp

 

 

 

www.comic-ryu.jp

 

 

今日は、漫画を読みました。

タイトルは《ゆりでなる❤︎えすぽわーる》と言います。

今日まで無料なので、この記事を読んでる途中で、少しでも興味が湧いたらリンク先を辿って《ゆりでなる❤︎えすぽわーる》を読んでください。

 

ちょっとでも興味が湧いたら読めるように、記事内のタイトル全部にリンクを張っておきます。私は本気だ。

 

 

《ゆりでなる❤︎えすぽわーる》はタイトルに「ゆり」が含まれていることからも分かる通り百合漫画です。

(こいつ最近 2日に1回は百合の話してんな)

 

ざっくりとしたストーリー。

「女の子と付き合いたかった」とか言い出すお嬢様(バカ)が男性との婚約をすることになります。

ショックなので女友達と「道行く知らない 2人の女で百合妄想する」ことで、婚約という辛い現実から逃れようとする話です。

 

つまり「 女と女がいるのを見て、2人がどんな関係なら美味しいかを主人公が妄想する話」です。

 

すげーな。

 

というわけで、ある種ベタで

どこかで見たことあるような百合が毎話1回供給されます。

ベタでいて新鮮な味もある不思議な感覚。

 

1話につき最低1回の百合妄想が読める《ゆりでなる❤︎えすぽわーる》をよろしく!

 

 

いや、そんな雑な布教で広まるなら苦労しないわ。

巷には大量の百合作品があり、今私は鞄に毎日 SFマガジン百合特集号をバイブルのように入れていますが、

そんな私はそういう読むべき百合作品が多くある中で「毎話1回百合妄想が読める」こと程度でそこまで 作品をプッシュしたりしないです。

 

じゃあ《ゆりでなる❤︎えすぽわーる》のどこがオススメか?

 

この漫画は毎話前編後編で構成されます。

最新話は4話後編なので、通算8話あるわけです。

百合妄想前編、そして後編答え合わせです。

 

ある種、お手本のようでストレートな百合を見出す前編とは打って変わって後編では百合妄想の対象にスポットがあたり「実際に2人はどんな関係か」という答え合わせ編になります。

まあ、ネタバレにもならないネタバレですが 百合を感じるような女と女の関係が現実パートにもあるわけですね。

つまり1つのシチュから複数の百合が観れる…だけでなく、

後編では毎回ストーリーが大きく動きます。

 

そしてそれは「過酷な現実」との戦いです。

百合は…いえ、この場合 同性との恋愛というものについて、世間から十分な承認が得られるほど 現代日本は成熟していません。

ゆえに、現実は壁として同性の愛の前に立ちふさがります。

そこの描き方が真摯で、そして多様性にあふれつつも、辛さを伴います。

だって現実は厳しいから。

後編が来るたびに読者に叩きつけられる「一体私は何を読まされているんだ…?」という感情が凝縮された、このコマこそ《ゆりでなる❤︎えすぽわーる》読者そのものです。

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百合でなるエスポワールというタイトル、Espoirとは希望という意味のフランス語です。

つらく苦しい現実の壁に対して百合を見出し希望に変える。

そうしないとが死んでしまうから。

 

《ゆりでなる❤︎えすぽわーる》はそうして捧げられる祈りであり福音なのです。

www.comic-ryu.jp

 

 

 

 

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