バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【MTG】令和の苦花【灯争大戦】

【MTG】令和の苦花【灯争大戦】
 
私の好きなカードのひとつに、《苦花》というカードがある。

 

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一時は禁止カードにも指定されたが現在は解除されたので楽しく使わせてもらっている。
 
さて、そんな《苦花》を引き合いに出されるカードが次のセットで登場する。
《戦慄衆の侵略》だ!

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この「令和の苦花」は確かに2マナの黒のエンチャントで毎ターンライフ1を1/1分のステータスに変換していく。
とはいえこのカードは多分そのままでは苦花にはならないと思う。
 
苦花と違って回避能力がない。
全体‐1/-1修整などには強いが単体除去で沈んでしまうのだ。
このカードの使い方は多分大きく分けて2つ。
 
1つめ目は書いてある通りの使い方だ。
 
・他の動員と合わせることで素早く6/6まで育てて絆魂をつけて支払ったライフを取り戻す。
 
では2つ目は?
 
・毎ターン生贄に用いる
 
 
 
動員のアドバンテージ
 
動員の能力は1回目はトークンを生み、

 

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トークンにカウンターをのせる
2回目以降はそのトークンのサイズを挙げる。

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トークンは追加せずにカウンターを増やす。



1回目は無からクリーチャーが発生するためボードアドバンテージを得られる。
2回目はそうではない。
 
戦場のクリーチャーのサイズが1つ大きくなるのは悪いことではないが、
トークンをもらえるのに比べると多少見劣りする。
もちろん、相手のブロッカーを突破する性能で見れば1/1が3体より3/3が1体の方が嬉しいのでその価値は状況によって変わる。
 
さて、「1回目」でのみ得られるボードアドバンテージを利用してみるために
毎ターン、何かの生贄に充ててみるのはどうだろうか?
 
つまりサイズは関係なく、単に生贄に頭数にするのだ。
ああ、でも単純にそれだけではライフの損失があるね…。
 
生贄ギミックを絡めつつ受けるダメージを抑えられるカードがあるといいんだけど…

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というわけでデッキの形にしていこう。
 
まずは生贄を捧げることで恩恵が得られるカードたち。
《火刃の芸術家》《忘れられた神々の僧侶》
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それから《ゴルガリの女王、ヴラスカ》なんかがいいんじゃないかな。

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これで色はに定まった。
 
さて、生贄を用意するカードを令和の苦花だけにしていては回らない。
他の生贄を見繕おう。
《どぶ骨》《忘れられた神々の僧侶》のいい相棒になる。

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《組み直しの骸骨》も似たように扱える。

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《不気味な修練者》は奇妙なカードだ。
他にクリーチャーがいないなら白にたまにいる1/1トークンを残す1/1クリーチャーのように使える。

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さて、それぞれをデッキに組み込んで…
 
4 《戦慄衆の侵略》
 
4 《どぶ骨》
4 《不気味な修練者》
4 《組みなおしの骸骨》
4 《火刃の芸術家》
4 《忘れられた神々の僧侶》
 
3 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》
 
これで26枚。
僧侶がマナを供給してくれるので土地枚数はある程度絞ってもいいだろう。
土地23枚と言ったところか。
 
合計49枚。
 
残りの11枚でデッキを整えていこう。
新カード《戦慄衆の将軍、リリアナ》はこのデッキにぴったりのカードだ。

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少し重たいが僧侶がいれば十分に扱えるだろう。
 
このカードは「生贄に捧げる」「捧げられた時の恩恵」「生贄の確保」とこのデッキに必要な役割全てを満たせる。
そして奥義が素晴らしい。
この手の効果で珍しく「土地」が例外になっていない。
奥義を使った後に対戦相手の土地は1枚になってしまうのだ。
 
極めて強力なこのカードを切り札に据えよう。
重さと伝説性を考慮して2枚入れよう。
 
息切れ防止の手札確保に《恐怖の劇場》も入れようか。

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こちらは被ったときにもたつくので1枚。
 
ここまで気持ちよくデッキを回すことばかり考えて相手の行動に対して対策を入れていない。
残り8枚のうち、7枚は妨害札に充てようか。
 
クリーチャー除去は僧侶がいれば十分なので
エンチャントやプレインズウォーカーに対処したい。
というわけで万能除去《暗殺者の戦利品》を2枚。

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手札から対処しづらいカードを抜くために《ドリルビット》が3枚。

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後はカジュアルもガチもプレインズウォーカ―が増えるので
プレインズウォーカーの生贄を迫れる《疫病作り師》といったところかな。

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最後に。
僕がデッキを作るときのこだわり「呪文の枠の土地」だ。
呪文のように使える土地を土地にカウントせず入れることでマナスクリューのリスクを減らす。
今回は除去などにより生贄エンジンとなるクリーチャーを失ったときのために《愚蒙の記念像》を加えよう。

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あとは色のバランスを整えて…
 
かなり黒いカードが多いので2色土地は
赤黒、黒緑をそれぞれ2種4枚で合計16枚。
残りの7枚はアンタップインできる黒マナ源として沼を4枚。
3枚は赤緑の多色。1ターン目に《不気味な修練者》から出す場合を考えてショックランドの方にしよう。
 
果たして令和の苦花の実力は…?
続きは君の目で確かめてくれ!
 
【令和の苦花ジャンド】
 
4 《戦慄衆の侵略》
 
4 《どぶ骨》
4 《不気味な修練者》
4 《組みなおしの骸骨》
4 《火刃の芸術家》
4 《忘れられた神々の僧侶》
2 《疫病作り師》
2 《暗殺者の戦利品》
3 《ドリルビット》
3 《ゴルガリの女王、ヴラスカ》
 
土地 24枚
1 《愚蒙の記念像》
4 《沼》
4 《森林の墓地》
4 《竜髑髏の山頂》
4 《草生した墓》
4 《血の墓所
3 《踏み鳴らされる地》
 

帰ってきた増殖と ちょっとした変更

 

「増殖を行う」というキーワード処理は実にワクワクする。
カウンターを用いるカードに大きな革命を起こす効果は多くのプレイヤーの心をつかんで離さない。
いや、プレイヤーだけではない。
開発部にも多くのファンがいることは間違いない。
例えばカラデシュで増殖を再録する動きがあった。
エネルギー・カウンターという特殊なカウンターを使うメカニズムや製造というキーワード能力、それから亢進するサイクルに巻き付き蛇!
たくさんの楽しいカウンターメカニズムがあり…
増殖はそれらを容易にぶっ壊すだろう…という判断を下されセットから消えた。
つづく霊気紛争やアモンケットで調整版のカードが作られた。

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ああ、僕は彼らの能力で《自然に仕えるもの、ニッサ》の忠誠度を増やすのを楽しんだよ。

それでも開発部は満足しなかった。
彼らはラヴニカの献身でシミック連合の能力を考えるにあたり
過去のメカニズムを再録するなら何がいいか考え…増殖を真っ先に検討した。
それは同じセットの暴動とよく噛みあい…よく噛みあい…よく噛みあい過ぎた。

更にこのデザインのタイミングでは青白の優位メカニズム(仮)でも+1/+1カウンターを扱う機会が多かった。

  
暴動 増殖 優位

つまり緑青デッキは緑の暴動クリーチャーと青の優位クリーチャーが乗せた+1/+1カウンターを簡単に増殖で増やせた。
あまりにも完璧で強すぎたので結局は増殖は没になった。

ああ、だが素晴らしいことに遂に!遂に増殖は帰ってきた!

最新の増殖カードがこれだ!

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さて。ではこちらの最新の増殖カードを使ううえで気を付けてほしいことがある。
あなたの場にギデオンがいるとしよう。
そしてそのギデオンにはなんらかの効果で‐1/-1カウンターがのせられているとしよう。
あなたがここで《キオーラの堰破り》を召喚してギデオンの忠誠度を増やそうとする。

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ちょっとストップ!

以前のルールでは、ギデオンの上の忠誠度カウンターだけを増やせた。
だが新しい増殖のルールでは違うんだ。

注釈分を見てほしい。

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ギデオンを選んで、その後に乗っているカウンターを選ぶことができた昔の増殖と違い
新しい増殖ではギデオンを選んだ時点で決定は終わる。
その後、ギデオンの上のカウンターすべてが増える。

つまりマイナスカウンターも増えてしまうんだ。

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どうして変わったんだろう?

恐らくMTGアリーナなどのデジタルマジックで「クリック数を減らす」のが目的の変更だと思う。
ほとんどのカウンターは増やしたいものなので手間を省く目的での変更のはずだ。

だが一部のカウンターは増えることがデメリットになる。
デメリットのあるカウンターに注意して扱おう。


ただし、基本的にはこれは強化されたと言ってもいいかもしれない。

例えばさっきと逆に+1/+1カウンターの乗ったギデオンなら…


増殖によってどちらも増やせるのはいいことだ!




そうそう、これは新しい能力でなく増殖の再録とルール変更なので
過去の増殖カードをモダンで扱う場合も「灯争大戦」発売に伴いこれらも同じ処理になる。
それじゃあ対戦相手の感染に気を付けて楽しい増殖ライフを!



2019/05/28追記


ああ…!

ついに彼が、いやアイツがカード化された。

それも増殖を伴って…!

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ヨーグモスは昔からいるキャラクターだけど、ルールはもちろん最新のものだ。

この鬼畜外道の登場に歓喜して復帰する人は増殖のルール変更を忘れないように…!


【 #MTG初心者 向け】チュートリアルでは教えてくれない基礎用語「ゲームの外部」【サイドボード】

【MTGMTG初心者のためのルール講座

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今回はテキストを読んでもわからないMTGのルール説明。第…5回?
ちょっとカウントを覚えてないけどまあいいや。
今回、解説する用語は2つ。
「サイドボード」「ゲームの外部」だ。

サイドボードとはデッキとセットになる15枚以下のカードの束だ。
2本先取ルールだと、1本目と2本目の試合の間にデッキを改造するためにサイドボードを使える。

たとえばあらかじめサイドボードに「エンチャントを破壊するカード」を入れておけば…
1戦目で相手が切り札としてエンチャントを使ってきた場合、
2戦目の時はサイドボードからデッキにエンチャント破壊を加えることで対策できるのだ。

さて、ここで2つ目の用語解説。
僕のお気に入りの切り札を紹介させてほしい。

《首謀者の収得》だ…!

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うん。まあ上の効果は別に普通だね。
強いけどコストが重いカードだし、それほどでもない。

それよりも下の効果である。
ゲームの…外部…?

ゲームの外部とはつまりそのゲームで使用していないものを指す。
例えば君が自分の部屋で友人と紙のMTGをプレイしていて、このカードを使ったとしよう。

君は「ちょっと待ってて」と言って立ち上がり、引き出しを開けて別のデッキを取り出す。
「あったあった」と言って君はその中から禁止カードである《暴れまわるフェロキドン》を取り出す。
「いやあ、フェロキドンは禁止されてたからこのデッキは使えなかったんだけど、これで使えるね」


…は?

そんな話が合っていいのだろうか?
実はこれは適性なプレイだ。
君自身が法律上の持ち主で(今のゲーム中に使っているカードじゃないなら)どんなマジックのカードだっていい。
引き出しを開けて取り出したデッキケースの中の禁止カードであってもだ。

もちろん、そんなふざけた処理は大会では非現実的だ。

そこで公認大会(およびMTGアリーナ)では、
「ゲームの外部」=「サイドボード」と定義している。
先ほど説明した「組換え用の15枚」のことだ。


このサイドボードからカードを持ち込める…というのがアリーナにおける《首謀者の収得》の効果だ。

もし君が1本勝負を楽しんでいるなら通常サイドボードは用意していないだろう。

だが、もし黒を使うデッキで《首謀者の収得》を入れるなら…1本勝負でもサイドボードを作ろう!

 

というわけで今回はサイドボードを作る時のルールについて書いていこう。

アリーナでは1つのデッキケースには60枚以上の「メインデッキ」と15枚以下の「サイドボード」が詰め込まれる。
もし君がサイドボードを用意したことがない場合、今までずっと「0枚のサイドボード」を用意していたことになる。

メインのデッキは60枚「以上」だが、サイドボードは15枚「以下」なので、
0枚のサイドボードでも問題なく遊べたのだ。

さて15枚のサイドボードにはどんなものが入れられるだろう?


さっきの《暴れまわるフェロキドン》みたいな禁止カードは?
もちろんダメだ。
デッキ構築のルールに従う。
スタンダードで禁止されているカードはスタンダードのサイドボードに入れられないし、
スタンダード落ちしたカードも、サイドボードには入れられない。


《ラノワールのエルフ》は?
大丈夫だ。ただし、デッキに4枚入ってるなら別だ。
デッキ構築のルール、基本土地以外のカードは4枚だけというのはこちらにも適用される。
デッキに4枚入れているなら入れられないし、デッキに3枚だけならサイドボードに1枚入れられる。

PWデッキ限定カードは?
デッキビルダーズ限定カードは?
両方初心者導入用の製品だね。
それをサイドボードに入れる価値があるか、という問題を脇におくとして
ルール上、それらはスタンダード使用可能カードだ。
サイドボードに入れるのもアリだ。


《しつこい請願者》や《ネズミの群棲》は?

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大丈夫だ。好きなだけ入れるといい。
これらのカードのデッキに何枚でも入れていい能力もまたサイドボードで有効だ。
15枚のサイドボードすべてを《しつこい請願者》にすることもできる。

 

・サイドボードとはゲームの間にデッキに加えられるカードである。
・サイドボードには15枚までカードを入れられる。
4枚制限はサイドボードも含む。

「ゲームの外部」とはサイドボードのこと


「ゲームの外部=サイドボード」を用いるカード

MTGアリーナでは《首謀者の収得》の下の効果は
「サイドボードから1枚を手札に加える」能力になる。

そしてこれは非常に凶悪な能力だ。
通常、1本勝負では3本勝負よりも「初見殺しデッキ」が強くなる。
都合のいい対策カードがこちらのデッキに入っていることは稀で、対策カードがデッキにないことの方が多い。
仮にいろんなデッキの対策カードをデッキに入れたとして…ピンポイントの対策カードは効かない相手との試合で引くと事故要素になる。

だから初見殺しは強い。
そして、それに対応できるのが《首謀者の収得》なのだ。
なんならデッキのメインカラーと合わせる必要すらない。


例えば5色出る土地か宝物トークンを生むカードを入れておけば青白コンと戦って、
カウンターの隙を狙い《首謀者の取得》を使う。
赤いカードをメインデッキで使わないデッキでも、
ゲームの外から持ってきた《苦悩火》をX=10で唱えて打消されない直接火力で勝てる可能性がある。

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ああ、そうだ最後に…
紙のマジックでフェロキドンを持ってこれると言ったけどアレは半分嘘だ。


ルール上、公式での対戦でない場合は確かにあなたの所有カードを好きにデッキに加えられるが、
一般的なプレイヤーはアリーナなどと同じようにカジュアルプレイでも「ゲームの外部はサイドボード」だとすることが多いからだ。


もしゲームの外部を参照するカードを使うなら対戦前にサイドボードを指すのか自分のカードならなんでもいいのかの確認を取っておこう。


さあ、君も《首謀者の収得》を使って楽しくゲームの外部から持ち込もう!


相手の場にマーフォークの大群や野茂み歩き、フェロックスが待ち構えている?
《覚醒の太陽の化身》の出番だ。

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《殺戮の暴君》をはじめとする恐竜クリーチャーには無力なのでメインからは使いにくいカードだが、
サイドボードから使えるなら話は別だ。


《飢えた聖騎士》を使った無限コンボのパーツが見えた?
《漂流自我》で《飢えた聖騎士》をデッキから根こそぎ引き抜くのはどうだい?

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相手がデッキ破壊戦略をとってくる?
《ガイアの祝福》を持って来れば手軽にライブラリーを再生できるぞ。

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《ネズミの群棲》などの同名カード積み込みデッキ?
《イクサランの束縛》が非常に強力だ。

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既に並べられてしまっているなら《拘留代理人》なんて手もある。

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相手のライフが残り3点なのに防御用のトークン・クリーチャーを並べられて削り切れない?
《君主の一噛み》で直接ライフを狙うのはどうかな?

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デッキの外からカードを持ち込むなんて ズルい!と言われたら、こう返そう。


「限られたルールの中で勝利条件を満たしただけ」
いにしえのナイトの名言だ。


さあ、君も《首謀者の収得》でゲームの外部から勝利を持ち込もう!

 

【 #MTG初心者 向け】Q.伝説って? A.ああ!

やあ、バーチャルVtuver豆猫さんだよ。
今回の初心者用語講座は「伝説」だ。
 

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伝説って?
 
正確には「伝説の」までで1つの用語だ。
まあ面倒なので伝説でも通じるけど。

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伝説のクリーチャー

 
カードの真ん中に「伝説のクリーチャー…」といった形で書かれている。
この伝説ってなんだろう?
 
伝説とは固有のキャラであることを表すサブタイプだ。
 
伝説はマジックの背景ストーリ―における重要人物や場所、道具…
そういった固有の名前を持つものに付けられる特殊タイプだ。
 
伝説のパーマネントには特殊なルールが存在する。
(パーマネントって何? って人はこちら↓)
 
レジェンド・ルール
 プレイヤー1人が同名の「伝説の/Legendary」パーマネントを複数コントロールしている場合、
そのプレイヤーはその中から1個を選び、それ以外をすべてオーナーの墓地に置く。
 
要は自分の場に同じ名前の伝説のキャラクターとかアイテムは1つだけというイメージだ。
あくまでイメージ、実際にはMTGでは相手の場と自分の場は区別されない
昔は相手の場も含めて1個までというルールだったりした。
相手と自分の場の区別がないので「場に1枚」だと自分が2枚目を出せないだけでなく、
相手も同じ名前のカードを場に出すことができなかった。
 
伝説カードは名前付きキャラなので同一人物が二人いるのはおかしい! というわけだ。
 
次第に設定にこだわるよりゲーム的な面を重視するようになり、相手の場はノーカンということになった。
超強いコンボに使われる伝説カードがあったとき、そのカードを使わないデッキが
「先に出すことで相手のコンボを妨害できる」という理由で同じ伝説カードを使ったりしていたのだ。
こういった「テクニック」をなくすために各プレイヤーが1人だけ使えるということにしたのだ。
 
それから名前が違う場合はこのルールに影響されない。
例えば同じキャラが2回カード化されることがある。
その場合も名前が違えば場に並べても大丈夫だ。
同じキャラかどうかをルールの方ではチェックできないのでカード名が違えば並べてもいいのだ。
 

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名前が違えば同一人物でも並べられる
そうそう、復帰勢が間違えやすいところ。
昔はプレインズウォーカ―には厳しくて、カード名が違っても同じプレインズウォーカ―ならアウトだった。
現在はプレインズウォーカーもカード名が違えばセーフだ。
 
おそらく昔に比べて頻繁に同じキャラのプレインズウォーカ―カードが収録されるようになったことも無関係ではないだろう。
(単純にプレインズウォーカ―の扱いと伝説の扱いが違うのが複雑だったからかもしれない)
 
場に出る伝説カードは同名1枚までしか使えない。
 
出せないわけではなく1枚目があっても2枚目を使えて、その場合は好きな方を墓地に置く。
 
例えば《光明の縛め》を受けた梅澤哲子がいる時に
2体目を出して1体目を墓地に送ることで自由に動ける哲子を出したりできる。
 
逆に後から出た方を墓地に置くこともできる。例えばこんな場合だ。
場に+1/+1カウンターが載ったアイゾーニがいる時に、2体目のアイゾーニを出すと、アイゾーニが場に出た時の効果を使える。
もちろん強化されてる方を場に残したいので、後から出した方を墓地に置けばいい。
 
これが伝説ルールのすべてだ…! とは言えなくなったのが最近のMTG。
 
 
伝説のソーサリーというカードがある。
伝説のソーサリー?
 

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ソーサリーはパーマネントではない。
場に残らないカードの伝説とはなんなのだろう?
 
伝説のソーサリーは「ストーリー上の大きなイベント」を描いたものだ。
これらは「伝説の人物が使った大魔法」という意味で、
伝説パーマネントの場での制限と違い
「場に伝説のクリーチャーかプレインズウォーカ―がいる場合にのみ唱えられる」という唱える時の制限がある。
 
正直な話、僕はこのシステムが嫌いで「違う挙動」のものを同じ用語でくくるのは混乱の元だと思う。
でもルールなんだから仕方ない。
伝説のソーサリーは場に伝説のクリーチャーかプレインズウォーカ―がないと使用できない。
 
そうそう、あくまで呪文をとなえるフレーバーなので「伝説の土地」が場にあることは関係ない。
伝説の土地があっても伝説のアーティファクトがあっても、
それだけでは伝説のソーサリーは唱えられないのだ。
 
そのくせ伝説の生物でさえあれば魔法を使えそうに見えないカエルとかでもよかったりする。
なのでフレーバーと言うよりは「ゲーム的な」縛りなのかもしれない。
土地を出すのにはマナが必要ないのでデッキに十分な量の伝説の土地があれば使えるというのはマズい、
基本的にコストが必要な伝説のクリーチャーやプレインズウォーカを条件に設定することでバランス調整をするという目的なんだろう
 
 
というわけで今回のまとめ
「伝説をデッキに2枚以上積むのはルール上問題ない」
「同じプレイヤーは同名の伝説パーマネント2枚を並べられない」
「2対以上並べた場合、1つを選び残し他を墓地へ置く」
 
伝説のソーサリーは自分が伝説のクリーチャーかプレインズウォーカ―を使っている場合にのみ唱えられる」
 
伝説って? と聞かれて今ならこたえられるようになったかな?
ああ!

【#MTG初心者 向け】テキストに書いてないルール「コピー」


MTGのテキストを読んでもわからない謎の用語を解説するシリーズ。
今回は「コピー」だ。

さて、このコピーという用語には2つの使い方があり、それらが混乱を招いているので
まず最初に2つを分けてしまおう。
「パーマネントのコピー」「呪文のコピー」だ。

(実は他にも「カードのコピー」って言うのがあるんだけどスタンダードにはないので省略…)

*追記*

灯争大戦でスタンダードにもカードのコピーを持つ《永遠神、ケフネト》が登場してしまった。

まあ、でもこの記事では触れないことにする。

そちらについて書いた記事はこちら

https://omamesensei2.hatenadiary.jp/entry/2019/04/18/105155

 

 

 

パーマネントのコピー

何らかのパーマネントを他のパーマネントのコピーとして扱う能力。
《鏡像》とか。

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典型的なクリーチャーのコピー



このコピーはイメージとしてはコピー機にかける感じだ。
コピーしたいカードを印刷機に読み取らせて、《鏡像》の上にコピーしたいクリーチャーを印刷するイメージだ。
(イメージなので絶対にやらないでね)

 

《鏡の行進》のようにコピー・トークンを出す場合もある。

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コピー・トークンを生成するカード



この場合もコピー用紙に印刷したものを「カードもどき」としてトークンにするイメージだ。

 

例えば上に+1/+1カウンターが載ったクリーチャーのコピーを作ってみる。

カウンターは印刷されないので、コピーした《鏡像》にはカウンターは載っていない

 

自身の能力でパワーを上げた《シヴ山のドラゴン》のコピーを作る。

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これもそのまま印刷するのでパワーが6のドラゴンになったりはしない。

コピーされたドラゴンのパワーは5だ。

 

オーラや装備品をつけたクリーチャーをコピーしてみると…。
オーラや装備品は印刷されないのでコピーはそれらをつけていない

 

さて、応用問題。
《シヴ山のドラゴン》をコピーした《鏡像》Aをコピーした《鏡像》Bはどんなカードになるか?

 

さきほどの「イメージの世界」では《鏡像》Aには既にドラゴンが印刷されている。
なのでそれを印刷機にかけると《鏡像》Bにもドラゴンが印刷されて出てくるのだ。

 

さらに応用問題。
君が《魔学コンパス》のような変身するカードをコピーした場合、変身はどう扱われるのだろう。

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答えは変身しない

変身カードは両面印刷されたカードで、オモテ側が変身するとウラ側になる。
コピーは片面印刷なので、ウラ側の変身した面がないことになる。

 

 

《破滅の龍、ニコル・ボーラス》《鏡像》でコピーした場合。

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まずレジェンド・ルールでどちらかを墓地に置く。
例えば「本物」を墓地に置くとボーラスを印刷された《鏡像》が残る。
さて、能力を起動するとどうなるだろう?

 

追放するところまでは「できること」なので行う。
変身させて戦場に出すのは「できないこと」なので無視される、
結果として《鏡像》が追放されたままになって終わる。
かなしい…。

もし《鏡像》でボーラスをコピーしたら、《鏡像》の方を墓地に置いたほうがいいだろう。

 

 

呪文のコピー

 

さて、以前すこし触れたことがある呪文のコピー。
呪文のコピーは少しばかり違う。
こちらは何かに印刷されるわけではないし、印刷できるものだけをコピーするわけじゃない。


簡単に言えば呪文のコピーは「呪文トークン」のようなものを生み出す


それらはトークンのようにカードが存在せず、何かの効果で生み出される存在だ。
クリーチャー・トークンがクリーチャーであるように「ソーサリー呪文のコピー」はソーサリー呪文だ。

 

さて、こちらはパーマネントのトークンとはいくつか違う挙動がある。


《原初の水源》でインスタントやソーサリーを唱えてコピーした場合を考えてみよう!

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・対象


《稲妻の一撃》などの対象をとる呪文をコピーした場合、コピー元が狙っているやつを同じように狙う。

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…というのが基本のルールだ。


ただそれだと使いづらい

(同じクリーチャーに破壊呪文を2度つかっても意味がない)


なので、《原初の水源》にはわざわざ「新しい対象を選んでもよい」という効果があるのだ。


この追加の文が書いてない場合、同じ対象を狙わなくてはいけない。

 

 

・Xマナ

《苦悩火》のようなXマナの呪文をコピーした場合、
コピーにはマナを払っていなくてもXはコピーされる呪文の値と同じになる。

f:id:omamesensei:20190308082147p:plain

水源を含む土地8つから8マナでX=7のコピーが生まれる。
そしてコピーも「Xが5以上」なので打消されない。

 


違いはこんなところだろう。

さて、謎のテキスト「コピー」について少しはわかっただろうか?

助けになれば幸いだ。
感謝の気持ちを表したいならぜひURLを「コピー」して、Twitterなどで広めてほしい

 

*追記*

スタンダードにはないため説明を省略した部分がある。

なんと、灯争大戦で追加されてしまったので、改めて記事にした。

解説記事はこちら 

omamesensei2.hatenadiary.jp

 

*さらに追記*

新パック「イコリア 巨獣の棲処」で登場する新メカニズム『変容』は、

これまでにない特別な処理をするカードでコピー処理とも奇妙な作用をする。

気になる方はこちらの記事で確認してほしい。

omamesensei2.hatenadiary.jp

 

【 #MTG初心者 向け】召喚酔い と 速攻

 

基本的なカードであり昔から何度も再録されているカード、《ラノワールのエルフ》

f:id:omamesensei:20190306073614p:plain

最新版のラノワールのエルフ

さて、このカードの効果はシンプルだ。
だがシンプルゆえに謎もある。

効果のところにある「矢印マーク」は何?

 

f:id:omamesensei:20190306074418p:plain

矢印:緑のマナを加える

タップシンボル

 

ノワールのエルフに書かれた矢印マーク。
これは「タップシンボル」というマークだ。

意味は「このカードをタップする(横向きにする)」
つまり曲がった矢印はカードを傾けることを表しているのだ。

 

通常、クリーチャーは攻撃するときにタップする必要がある。
つまりこの能力は「攻撃する代わりに」使える能力のコストに設定されているのだ。
そしてタップシンボルの説明では欠かせないのが召喚酔いについての話だろう。

 

召喚酔い

 

さて、MTGの基本ルールの1つ召喚酔いは知っているかな?
召喚酔いというのは一般的に「クリーチャーは戦場に出たターンは攻撃できない」と説明されるルールのことだ。
実際にはこの説明にはいくつかの穴がある。


その1つが「タップシンボル」だ。
あなたの場に出たばかりの《ラノワールのエルフ》召喚酔いしているので
マナを生み出すことができない。

 

そう、召喚酔いはタップシンボルつきの能力にも制限を加えるのだ。

 

「場に出たばかりのクリーチャーのタップシンボルがコストの能力は使えない」

 

さて、いくつかの穴と言ったが他にはどんな穴があるのだろう?
それは相手のターンだ。

君は1ターン目に森を出して、ノワールのエルフを召喚した。
エルフは召喚酔いしているのでマナを出すことはできない。
なので君はターンエンドを宣言した。

ここまではいいね?

 

ではエンドを宣言したので相手のターンがやってくる。
さて、ではこのターンに君はラノワールのエルフからマナを出して《巨大化》を唱えることができるだろうか?

答えはできない
そのエルフはまだ召喚酔いしている。


通常相手のターン中に攻撃することはないから忘れられがちだが、
召喚酔いとは「召喚したターン」の間だけでなく、もう少し長い期間続くのだ。

召喚酔いは一番直近の『自分のターン開始時』にそのクリーチャーをコントロールしていたか?」をチェックする。
答えがノーならそれは召喚酔いしている。

 

例えば今の例なら第一ターン開始時にはまだラノワールのエルフは場にいないので答えはノーだ。
そのエルフは召喚酔いしている

 

相手がエンドを宣言して君の第2ターンが回ってくる。
今度こそターン開始時にあなたのコントロール下でエルフがいるので君はエルフで攻撃したり、マナを出せる。

 

コントロール

 

さて、さっき怪しげな言葉が出てきた。コントロール
他の多くのカードバトルゲームとMTGの大きな違いの1つが「戦場は1つ」ということだ。
つまり「あなたの場」「相手の場」という物はなく、
「戦場」という1つのエリアに敵味方関係なくカードが置かれる。


でも実際には君のエルフは相手の物でなく君のものだ。
対戦相手が君のエルフからマナを出したりはできない。
これを「あなたがエルフコントロールしていると表現する。
またコントロールしているプレイヤー」のことを「コントローラー」という。

(ゲーム機のコントローラーとちがい「あなた」がコントローラーなのだ)

 

さて、召喚酔いの定義に「コントローラー」が関わって「場に出たターン」は関係なかった。
となると気になるのがコントロールが移った時」だ。

MTGには相手のカードのコントロールを奪えるカードが存在する。

f:id:omamesensei:20190306075517p:plain

相手のカードを奪えるカード



これらのカードと召喚酔いはどうなっているのか?

 

例えばあなたが対戦相手の《ラノワールのエルフ》コントロールを奪ったとする
奪ったターンには攻撃に使えず、次のあなたのターン開始時を迎えるまではマナも出せない。

 

「直近の自分のターン開始時にコントロールしていなかったクリーチャーは召喚酔いする」
「召喚酔いしていると攻撃したり、タップが必要な効果を使えない」

 

そして召喚酔いの話になれば連鎖して出てくるのが速攻だ。
速攻は一般的に「場に出たターンに攻撃できる」と言うものだが、
実際には召喚酔いを無視できる能力と言った方がいい。

 

つまり《最大速度》により速攻を持った《ラノワールのエルフ》を場に出してすぐにタップしてマナを出すことができる。

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ターン終了まで速攻を与えるカード

 

では最大速度を使ったエルフが相手のターンにマナを出すことはできるか?

 

これはちょっとした引っ掛け問題だ。
速攻は「場に出たターン」に影響するのでなく「速攻を持つ限り召喚酔いを無視できる」
だから速攻を持つクリーチャーは出した直後の相手のターンにタップシンボルの能力を使うことができる。

…なので正解は「マナを出せる」…!

 

 

と思ったあなたは不正解だ。


速攻は「召喚酔いを解除したり、召喚酔いしなくなる」のではなく、
速攻を持つなら召喚酔いを無視できる」のだ。

 

違いは何かというと速攻を失った時」に関わってくる。

 

《最大速度》は「ターン終了時まで」速攻を与えてくれる。
召喚酔いしているカードが速攻を持った後で速攻を失った場合、
それは再び召喚酔いの影響を受けて攻撃とタップ能力の使用ができなくなるのだ。

 

では最終問題。

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招集は味方からマナを引き出す



あなたの召喚酔いしている《ラノワールのエルフ》をタップして招集の助けにすることができる?

 

答えはできる


召喚酔いに制限されるタップ能力はあくまでタップシンボルがついている場合だけ。
それ以外の「タップを要求する支払い」には関わらない。

 

そうそう「攻撃する」という点からもわかると思うけど、
召喚酔いはクリーチャーに関するルールだ。
《アゾリウスのロケット》のようなアーティファクトには関係ない。
こちらは場に出してすぐタップしてマナを出せる。

 

今回のまとめ。
「直近の自分のターン開始時にコントロールしてないクリーチャーは召喚酔いしている」
召喚酔いの間は攻撃できず、タップシンボルの書かれた能力は使えない」
速攻召喚酔いを無視するが解除はしない」

 

 

 

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今アツい少年漫画! マテリアル・パズルとは!

今アツい少年漫画! マテリアル・パズルとは!

さて、今もっとも僕の中でアツい少年漫画マテリアル・パズルについて話すよ。

 

2002年に連載が始まり、掲載紙を変えて未だに連載中の少年漫画だ。
なんで今、熱心に布教するかというと第4章が始まり…

先日、4章1巻の発売日を迎えたからだ。

 *追記(9/22)

先日、4章4巻が発売した。


さて、この記事ではそんな4章単行本化祝賀ムードに呑まれずに1章の話をしよう

何事もきっちり初めからがいいという人の気持ち、僕にはわかるよ。

 

さて、まずはジャンル。
独特のスタイルの漫画だが一般的な表現としては能力バトル系の少年漫画だろう。
ジャンルはハイファンタジー(昔風のファンタジーでなくオリジナル世界のファンタジーの意)

 

マテパはいわゆる「ひとり1能力」系の異能バトルだ。


この世界にはマテリアル・パズルと呼ばれる魔法が存在する。
既存の法則に捕らわれない魔なる法則、魔法。

例えば「炎を変換して氷に作り変える」「笑いを変換したエネルギーの塊を飛ばす」などと言った通常の物理法則ではありえない「A→B」の変化を起こすのが魔法(マテリアル・パズル)だ。

 

基本的に1つの魔法が「何を何に変えるか」が決まってるので、
「ひとり1能力」系の異能バトルになる。
(魔法は習得が非常に大変なので2つ以上の魔法を覚えられるものは普通はいないのだ)


マテパってどんな話?

 

主人公3人組語り部の少年を中心とした物語。
主人公3人組は「不老不死の魔法使い」だと言われていて、
1つの肉体を三人で共有している。
(多重人格のようなものでなく、基本的に精神が変わるときは肉体ごと その人物に変化する)

3人は100年前に起こった「ある出来事」の代償に、そういう謎の不死を得てしまった。
元の体に戻りたいけれど戻れない理由があり、それは自分たちが「罪人」だから…などという。

思わせぶりなことばかり言って物語が進むまで主人公たちの全容は見えないが、
語り部役とも言える少年ミカゼが読者同様に「置いてけぼりにされる」ので、
ミカゼに感情移入する形で物語を楽しめるようになっている。

 

さて本編のメインのストーリーラインはこうだ。
主人公である「不老不死の魔法使い」の3人組は不死を捨てて、元の体に戻りたい。
でも、戻れない理由がある。

それは敵が「不死の力」を狙っているから。
なので主人公たちはまず敵との決着をつけ、

不死の力を狙うものたちがいなくなってからでないと

元の体には戻るわけにはいかない…と思っている。

そういうわけでマテリアル・パズルでは「敵」と主人公たちの戦いが描かれる。

 

さて、敵となる組織は「女神の三十指」と呼ばれる集団で
『「魔王と戦いそれを鎮めた女神様」と30人の仲間たち』という伝説を自分たちになぞらえた集団だ。
(実際に組織がその女神と仲間たちなのではなく、名前を借りてるだけ)

 

敵は不老不死を唯一殺せる手段である「魔法(マテリアル・パズル)」を使ってくる。

本来なら才能あるものが数十年かけて身に着けるような力だが、
女神は『過去に誰かが使った魔法』を、大地の記憶から呼び起こして再現したマジックアイテムを作る。

このアイテムを適性があるものが使うことでインスタントに魔法使いを生み出せるのだ。

 

さて、それでは次は魅力あるキャラクター達を紹介しよう。

主人公たち

ティトォ

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炎の魔法使い。少年の姿のまま成長が止まり100年を生きている。
記憶力や計算力を鍛えた頭脳戦担当。
得意技の「千里算総眼図(せんりざんそうがんず)」は相手の性格や周囲の地形を情報として取り込み、
十数秒だけ行動の先読みをする能力。
(この独特なネーミングセンスもマテリアル・パズルの魅力のひとつだ)
使用する魔法『ホワイト・ホワイト・フレア』は「炎を変換し生命エネルギーに変える」魔法。
ティトォが出ると物語はうっすらジョジョの奇妙な冒険っぽくなる。
たぶん能力バトルに頭脳戦の要素が加わることや、ティトォの立ち位置がジョジョ4部や5部に見られる
「主人公が回復担当」みたいな空気になるからだろう。

 

大魔王アクア

f:id:omamesensei:20190224171123j:plain



破壊の魔法使い。幼女の姿のまま(略)
つまり今風に言えばロリババアってことになるのか…当時はまだそういう用語はなかった気がする。
使用する魔法『スパイシー・ドロップ』は「飴玉→爆破などの破壊エネルギー」の変換という純粋なアタッカー。
ティトォに比べて応用力がなく「破壊することしかできない」魔法だが、
その破壊力は作中トップクラス。
達観したババアのメンタルと肉体年齢相応の幼さが同居する非常に魅力的な暴君。

 

 

プリセラ

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不死の魔法使いの3人目。

セクシーなお姉さん。
彼女の登場は1章の後半なのでネタバレを避けるために多くは語らない。
君の眼で確かめてくれ!


ミカゼ

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第二の主人公とも言える語り部の少年。

ケモ系のキャラではない。
アクアによってかぶせられた「外せないお面」のせいでケモ顔系キャラのように扱われるが実際は単なる人間。
身体能力は非常に高く、魔法は使えないが序盤の魔法戦には彼の存在が欠かせない。
ティトオにエネルギーを供給してもらって前衛をつとめたり、
アクアの魔法攻撃の「タメ」の時間を稼いだり…。
彼は主人公たちの過去に関して知らない状況から物語が始まるので、
読者は思わせぶりなことを言う魔法使いたちに置いてけぼりにされるミカゼに感情移入して読むといい。


物語の魅力

マテリアル・パズルの最大の魅力は物語の構成の上手さだと思う。
非常に熱い少年漫画的な要素とギャグが織り交ぜられ…その奥になにやら伏線や謎がある…
炎の魔法使いVS水の魔法使い」というベタな要素に加わる炎が回復主体で水が攻撃型戦闘員…というヒネリ
バトル中でも挟まるギャグギャグの中に伏線が仕込まれたり…


「先が読めない展開」「ベタな展開」の緩急が読者の予想を裏切り、期待を裏切らない。

 

癖になる独特なネーミングセンス

 

一体何を考えてそのネーミングを思いつくの???っていう独特でインパクトがある魔法の名前の数々。
例えば「炎を変換して白色の生命エネルギーを生み出します!」みたいな魔法。
名前は「ホワイト・ホワイト・フレア」
凄くシンプルだけどシンプルゆえに気になる「なぜ2回言った??」っていうホワイト。
この辺の絶妙な「頭に残る名前」のセンスが光る。

 

音の魔法「ヘルキルデスベル」なんて「地獄」「殺」「死」というありふれた凶悪ワードにベルを合わせただけなのに歌うようなごろの良さが音の魔法っていうのに噛みあってて凄い。
あと多分デシベル(音量の単位)ともかかってるはず。
何食ったらこんなアイデア出てくるんだ…。

 

かと思えば突然「三獅村祭(さんしむらまつり)」とかいう名前からはさっぱり効果もわからないし、初見で読めない魔法が出てきたりする。
まさか村祭が本当にむらまつりって読むとはな…。

 

こういうのがシリアスなシーンでも平然とぶち込まれるのも独特な味を生んでいる。

オタク特有の「○○は実質××」なんて言いまわしがあるけれど、
マテリアルパズルの読み味は他の何かで代替するのが難しい。

 

とにかく伝えたいのはマテパを読んで得られる面白さは他で代替するのが難しいのだ。
そして独特な分、刺さる人と刺さらない人の間で評価が分かれる。

熱心なファンがいる一方で本誌の表紙を飾ったことがないという「人気のなさ」みたいなのが同居しているのだ。

ぜひ2巻までは読んでみて「刺さるか」「刺さらないか」を判断してほしい。
刺さらなければそれ以上押し付けようとは思わない。
ただもしあなたが「刺さる方」の人なら4章1巻の出ている今が旬なのだ。
ぜひ読んでほしいと心から願う。

 

ところでなんとそんなマテパ1章の試し読みがある。

https://www.amazon.co.jp/gp/product/B07918MQPH?ref_=dbs_pwh_calw_0&storeType=ebooks

 

なんと今なら3巻まで無料だ。

*9/22追記

再び3巻無料キャンペーンが始まっている!



3話無料じゃなくて3巻無料という太っ腹っぷり。

刺さるか刺さらないかチェックの2巻から先まで読めちまうんだ!

さあ、こんなブログを読んでいないで早くマテパを読むんだ!

https://twitter.com/studionekot/status/1175670253914705920?s=21