バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【#甲鱗様万歳】コンスピラシードラフトにおける甲鱗のワームの強さについて

今日は7/6。

マジックプレイヤーにとって7/6と言えば、そう。

甲鱗のワーム

 

甲鱗様こと《甲鱗のワーム》のパワータフネスである。

 

私が大好きなパック『コンスピラシー』にも甲鱗様は収録されている。

《ペラッカのワーム》と共に。

ペラッカのワーム

 

『コンスピラシー』はドラフト用の特殊セットであり、収録されたカードがスタンダードに加わることはない。新規カードはレガシー環境などのエターナルフォーマットでのみ使える。

 

とはいえ、とはいえ、だ。

甲鱗様を超えるようなぶっ壊れカードを入れてしまっていいのだろうか?

 

実はこれはウィザーズの仕掛けたある種の罠だと私は思っている。

なぜなら総合的に見て強いのは実は《甲鱗のワーム》の方と言うのがコンスピラシードラフトの良くできたところだからだ。

 

一見するとタフネスが高く、特殊能力3つを持っているぶっ壊れカードに見える《ペラッカのワーム》だが、このカードには大きな弱点がある。

 

マナコストのシンボル数だ。

 

例えば君がコンスピラシー・ドラフトで3色デッキを組んでいるとする。

完成したデッキは基本的に40枚。

土地はだいだい15枚といったところか。

これを3色で分けると一色当たりの土地枚数は5枚。

 

デッキに5枚しかない森を3枚揃えて初めて《ペラッカのワーム》は召喚できる。

 

そう、実はこいつ…非常に出しづらいのだ。

一方で甲鱗様のシンボル数は森ひとつ分。

 

場に出ない壊れカードよりも出せるフィニッシャーの方がずっと強い。

 

それだけではない。

コンスピラシーには『策略』というシステムがあり、同じ名前のクリーチャーを一律強化することができる。

画像1: 秘密の召喚/Secret Summoning 【日本語版】 [CNS-策略U]

 

これを利用すれば、死んだときにドローするなどという悠長な《ペラッカのワーム》と異なり、

「場に出た瞬間に2枚目の甲鱗様をつれてくる甲鱗様」を作ることができる。

 

この「同じ名前のカード」と言うのがミソだ。

実はこれはマジの情報なので極力言いたくはないのだが…

『コンスピラシー』のパックでは甲鱗様の封入率は操作されていて、なんと一般的なスタンダードのパックのコモンよりもずっと出やすくなっているのだ。

 

それ故にドラフトで複数枚の甲鱗様を入れたデッキを組むことが夢ではなくなっているのだ。

 

画像1: 即応行動/Immediate Action 【日本語版】 [CNS-策略C]

 

速攻をつけた甲鱗様で奇襲をしかけるための策略などもあり、

これらは簡単にゲームエンドへと持っていける強力なカードだ。

(しかもコモン策略なので出現しやすい)

 

ここまで書けば後はもう、キミがコンスピラシー・ドラフトでパックから2体のワームが出た時に、どちらをピックするべきか、もう分かったことだろう。

 

深みあるドラフト体験をくれるコンスピラシーをまた遊びたいものだなあ。

 

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【今日のフォーマット第7回】ミドルスクールマジック #MTG

 

 

MTGの虚無フォーマットで遊び続けていたら、マイナーだけど虚無ではないカジュアルフォーマットを勧められました。

その名も「ミドルスクール」

比較的新しいカードが使える「モダン」と古き良きカードのみが使えるオールドスクールの中間に位置することから名前がつけられたカジュアルフォーマットです。

 

だいたい第四版からオンスロートまでのカードが使用可能…と書いても恐らくピンとこないでしょう。

 

1995年から2003年の8年間に刷られたカードだけが使えるというのがミドルスクールの範囲となっていて、使えるカードは基本的に旧枠のものばかりです。

(同名カードが再録された場合、使用可能であるため、新枠の《シヴ山のドラゴン》も使用可能。)

 

有名なところでは『アライアンス』のパックに収録された《意志の力》のようなマナを支払わずに撃てるピッチスペルなどのパワーカードが使える時期であるため、

現代マジックはどのインフレはないものの思ったほど弱くもありません。

 

旧枠モダンなどと同じ旧枠時代を懐かしむフォーマットではありますが、

旧枠モダンとの一番の違いとして「カードプールが固定されて、もう変わらない」という特徴があります。

 

これは旧枠モダンが「古いカードの再録」によってカードプールが変わるのに対して、すでに発売された一定期間のカードのみを使えることからミドルスクールには新カードが環境に加わわらないことを意味しています。

 

そう聞くと環境上位デッキばかりが使われるフォーマットのように感じてしまいますが実態は各々のミドルスクールプレイヤーが自分の使いたいデッキを握るためか、はたまた絶妙な禁止制限リストのおかげか、一強環境ではないとのことで、Twitterなどでその多様な環境を伺うことができます。

 

 

白単レベルデッキの使い手である友人が始めたのに釣られて参戦することにした私ですが、

読者の皆さんはご存知のように自分の好きな色は「青」であり、

貧乏なためこの環境の青を代表する青いカードである《意志の力》は持っていません。

 

なんとか《意志の力》なしでも戦えるデッキはないものでしょうか?

 

こういう時、ミドルスクールはその懐古性から昔のスタンダードフォーマットで活躍したデッキを参考にできます。

 

ミドルスクール範囲内で《意志の力》スタン落ち後に結果を残している青系のデッキ……。

 

ありました!

2002年に日本で開催されたプロツアー。

その優勝デッキがこちらです。

 

このデッキは青緑マッドネスと言って

「このカードを手札から捨てた時、そのマッドネスコストを支払い唱えてよい」というカード群を、手札を捨てることで自身を強化する《野生の雑種犬》などの共鳴者クリーチャーと組み合わせ、共鳴者を強化しながらマッドネスカードを唱えていくビートダウンデッキです。

野生の雑種犬

 

 

相手がフルタップしてがら空きになったターンに、手札をすべて捨ててパワーアップさせた最強雑種犬で攻撃し勝利するととても気持ちが良いです。

 

青がらみのデッキらしく「捨てることで1マナで唱えられる打消し」である《堂々巡り》などのカウンター呪文も採用できるので相手の全体除去に対処できるのも趣味に合います。

 

手元に用意したカードを眺めると旧枠特有の味わい深いカードフレームが心地よい。

皆さんもぜひ、ミドルスクールマジックを遊んでみてください。

その頃には遊んでいなかったはずなのに、なんだか不思議と懐かしい気持ちが湧いてくる不思議なフォーマットになっていますよ。

 

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【虚無フォーマット第6回】シン・トライバルウォーズのプレイレポート【#MTG】

 

やあ! みんなはこの暑い夏をどう過ごしているかな?

虚無フォーマットの伝道者、豆猫さんだよ。

 

今日はクソ暑い中、私と遊びに付き合ってくれた仲間と盛り上がったクソフォーマットの紹介だ。

 

その名も「シン・トライバルウォーズ」

 

 

ルールはざっとこんな感じ。

 

シン・トライバルウォーズ

 

  • 基本土地と「部族」しか入れることができない。
  • デッキは40枚以上。基本以外は同名4枚。
  • 対戦中のルールは通常のマジックと同じ。

 

部族カードとは?

部族はMTGで最もマイナーなカード・タイプのひとつである。

メロウの交易 (Merrow Commerce)

 

これが部族カードだ。

部族を持つカードはすべて非クリーチャー呪文であるが、同時にクリーチャー・タイプを持つ。

例えば「マーフォークをサーチする」というカードがあれば、マーフォークのサブタイプを持つ部族カードを探すことができる。

 

クリーチャーの不在

あらゆる部族カードはそもそも「非クリーチャーでも、そのクリーチャー・タイプと関連するカードとして扱える」ものとしてデザインされている。

 

すなわちこの環境にはあらゆるクリーチャーがデッキに入らない。

しかしそれでもクリーチャーによる戦いは発生する。

そう! トークンを生成する部族カード」の存在だ。

 

三人組の狩り (Hunting Triad)

 

これらを使うことでプレイヤーは通常のマジック同様にクリーチャー戦闘を行うことができる。

 

プレイレポート

 

第一試合、互いのプレイヤーが席に着く。

先行プレイヤーは何かを探すようにダブルマリガンし、先行はテンポの有利を、後攻は手札の枚数有利を得てゲームを開始する。

 

お互いに初動はのカードから…二人ともが黒を選択してのスタート。

 

第2ターン、先行プレイヤーが置いたカードは…

苦花 (Bitterblossom)

 

……《苦花》である。

トークンが起点となるシン・トライバル・ウォーズにおいて1枚のカードが継続的に飛行戦力を生み出し続けるカードは明らかに一線を画している。

 

対する後攻の2ターン目。

これもまた《苦花》。

 

このフォーマットでは当たり前の滑り出し……。

 

後に仲間の一人がこういった。

「苦花・ザ・ギャザリングだろ、これ」

 

というか、苦花は強すぎることがはっきりしていたのでこれを認めるかどうか、禁止にするかどうかで開始前に議論を重ねたのだった。

 

この環境の打ち消し呪文は《妖精の計略》がメインであり……

 

これは肝心の《苦花》がフェアリー・エンチャントであるため打ち消すことができない。

ハンデス 呪文で苦花を捨てさせるのはどうだろう?

ハンデス呪文は ならず者の部族カードで徘徊能力を持つ。

徘徊能力を使うためにはならず者トークンを使わないといけないが、

この環境でならず者を産めるカードと言えば…

フェアリー・ならず者を生成する《苦花》なのだ。

この環境おわってやがる。

 

 

とはいえ、「苦花に何を組み合わせるか」が重要であり腕の見せ所ということで苦花はこのフォーマットの中心的カードとして残ることになったのだ。

 

さまざまな苦花アーキタイプ

 

対戦相手の苦花を処理することで有利を取ろうとする緑苦花

根組み (Rootgrapple)

 

《棘噛みの杖》により対戦相手のフェアリーを除去する苦花コントロール

棘噛みの杖 (Thornbite Staff)

 

 

杖で蓋をし、《欠片盗み》などでライフゲインをして逃げ切る杖コントロールは強力なアーキタイプだ。

 

 

 

 

そして追加の飛行戦力としてエレメンタルを搭載した苦花エレメンタル

雄鹿の蹄の跡 (Hoofprints of the Stag)

 

4/4飛行である上に、エレメンタルであるため この環境の4点火力《破滅的なかがり火》への「除去耐性」も併せ持つ文句なしの環境上位アーキタイプだ。

 

 

苦花を使わざるを得ない環境ゆえに対戦相手のライフも大きく減ることに目を付けた苦花バーンも見逃せない。

タール火 (Tarfire)

 

この火力呪文はゴブリンであるためインスタント呪文でありながら《ボガートの誕生の儀式》により墓地から拾うことができるのもポイントだ。

 

最初は青黒徘徊以外にアーキタイプがないと思った環境であったが、

想像以上に多様な苦花構築が存在した。

 

真夏日の暑さの中、クーラーの利いた部屋で仲間たちとシン・トライバルウォーズで遊んだ時間は想い出として僕らの心に刻まれたことをここに記しておこう。

 

それはそれとして、その後は統率者戦を普通に遊んで盛り上がったことも書き記しておこう。

 

虚無フォーマットは用法容量を守って楽しく遊ぼう!

 

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【#ディメンションゼロ】MTGプレイヤーが近所の玩具屋で発掘してきた伝説のTCGで遊んでみた。

先日のこと。

マジック:ザ・ギャザリングのカードを買いに近所の玩具屋に行ってきたのですが、目当ての商品が売ってなかったのでがっかりしつつ店内の品物を眺めてきました。

そこで掘り出し物を見つけて即購入。

買ったのはあの伝説のTCGディメンション・ゼロ構築済みデッキ


プレミア価格で取引される幻のレアアイテムが定価1300円で売られてるもんだからたいへん驚きました。

参考:Amazon販売ページ

 

勢いで購入したはいいんですが、このカードゲーム……サ終してるんですよね……。

対戦相手が、いない。

持っている知り合いがいないかインターネットパワーを借りて探してみたところ「マジカ仙人」ディメンション・ゼロのコモン・アンコモンカード束を持っているとのことで対戦をお願いしてみることに。

 

↓マジカ仙人って?と疑問に思った人は過去記事参照。

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そういうわけで構築済みデッキvsストレージで組んだデッキとの対戦をしてもらえることに。

伝説のカードゲーム、ディメンション・ゼロがどんなゲームなのか?

マジカ仙人との対戦で教えてもらいましょう。


どんなゲーム?


このゲームは3×3のバトルゾーンにユニットカードを配置して戦うカードゲームです。

スマッシュ(プレイヤーへの直接攻撃)で7点のダメージを与えて対戦相手を倒すことを目指します。


プレイ前に気になった独特のシステム「プラン」


デッキトップのカードを手札のように使用することができるシステム。

エネルギー1点を支払うごとに山札の一番上を墓地に送りデッキトップを更新することができる。

このシステムをうまく乗りこなせるだけで 無からアドバンテージを捻り出すことができるので、

上手いプレイヤーと下手なプレイヤーの差が大きく開きそう。


…開きそうとか言うか本当にプレイヤー間の立ち回りの上手さ下手さが浮き彫りになるゲームだったので滅びたらしい。

 

 

実際にプレイし始めて感じたこと


遊んでみるとユニットとユニットとの直接戦闘形式を取っているため…パワー3000のユニットは実質的に「使い捨ての3000点生物火力」でもあるということに驚かされる。


普通に構築済みデッキに入ってるバニラのカードが実質的な「使い捨て火力とクリーチャーの分割カード」なのだ。


またほぼ全てのクリーチャーがクイック(瞬速)を持っているため、

ゲーム序盤はドローしてエネルギー(マナ)を貯めてエンド。相手ターンの動きを見てからクイックでユニットを展開する…というのがこのゲーム定石であるらしい。


初心者である私は最初の数ターン、そのあたりが理解できずに普通に自分のターンにユニットを展開しようとしていたが、

今になってみれば大きな間違いだと分かる。


わかるけどさぁ!

初心者は普通、自分のターンに動くよ!

ドローゴーから始まるのが最適解なゲーム、デザインが嫌らしいぞ!


(ちなみにデザイナーはデュエマで負けてマジックをやめた男、NACこと中村聡氏。デュエマで負けてマジックをやめてD-0を作った男ってこと?)


ディメンション・ゼロぜんぜん分からん。→完全に理解した→チョットデキル


前評判として難しい実力ゲームだと聞いてはいたが体感してみると、予想より遥かに実力差を感じるゲームだった。

敗因は私が弱かったことでお相手の勝因は強かったこと。

マジカ仙人の実家に放置されていたストレージの紙束から生まれたデッキに解らされる結果とあいなった。


マジで奥深いゲームであると同時に、このゲームの魅力にも気づけた。

実力ゲームであるがゆえに昨日の自分より今日の自分の方が強い。

そうしたレベルアップの経験が味わえるのがこのゲームがサ終してなお、人々を魅了してやまない理由なのだろう。


なおレベル1から2にレベルアップしてもレベル100の対戦相手には勝てないのが、このゲームの真理である。


多くの初心者が心を折られ、残ったスパイク気質のプレイヤーが、サ終した今も牙を研ぎ続けているのだろう。


ディメンション・ゼロ

恐ろしいカードゲームであった。



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【#DX3rd】マーシャルアーツ+キックや魔導書を読んで呪文を覚えたPCに憧れていた君にオススメのサプリ

今回は少し昔のクトゥルフ神話TRPG動画を好んでいた人たちに紹介したいTRPGサプリメントの紹介です。

 

ダブルクロス3rdのステージサプリ『クロウリングケイオス』で遊んでみたんですが、

この本、かなり自分好みでした。

 

流行りとしては少し古いかもしれないんですけど、CoCで戦闘がメインだったころの文かって言えばいいんですかね?

10年位前のCoCって探索者がマーシャルアーツ+キックで神話生物相手に大ダメージだそうとしたり、継続探索者が呪文使ったり、なんかそういうのが流行ってたんですよ。

ああいうの今は体感でだいぶ減りましたね。

自分はあの頃のクトゥルフ神話で伝奇小説ラノベみたいなことしてる空気感がそんなに嫌いじゃなくて、

そういうのの空気を戦闘がメインのダブルクロス3rdに移植した……そんな感じのサプリメントです。

 

君もインスマスの血を引く半魚人になって素手で大ダメージだそう!

クトゥグアの眷属として炎を操ったりしよう!

 

賛否両論分かれているステージサプリみたいだけど……

最近のCoCシーンでは見ることが少なくなったバトル乗りのクトゥルフ神話風味TRPGをのびのびと遊ぶには非常にいいサプリメントです。

10年くらい前にニコ動あたりでCoCのド派手なリプレイ動画に出てくる戦闘系探索者に憧れた少年たち。

大人になった今、あの頃の空気感をまとった戦闘メインのルールで夢を叶えてみてはいかが?

 

 

 

 

 

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イラスト素材:ジュエルセイバーFREE様

【SW2.0】『バルトゥーの屋敷』の思い出

今回はTRPGの話題。

懐かしのソードワールド2.0のルールブックⅠサンプルシナリオ「バルトゥーの屋敷」に思いを馳せてみようと思います。

 

初心者はキャラを作りたがる。

 

ルールブックⅠには「かんたん作成」と「通常作成」の2つのキャラメイクの仕方が載っています。

一般的に、初めてソードワールド2.0を遊ぶ時には「かんたん作成」を使うことが推奨されるものですが……実際のところ多くの初心者はまず「通常作成」をする傾向があるんじゃあないかと私は思っています。

 

ゲーマーの前にEASYとHARDの2コースを置いたときにEASYから入るプレイヤーはあまりいないとも言われていますし、ましてやHARDでなくNORMALがあればなおさらEASYを選ぶ人は減るでしょう。

 

そうして少なくない数の初心者が初めてのソードワールド2.0を通常作成から始めます。

そのゲームのルールも朧気で何が強くて何が弱いのか?も分からずにキャラクターを作り…そして失敗経験を積みます。

 

私たちもまたそうでした。

 

初めてサンプルシナリオ「バルトゥーの屋敷」を遊んだときのパーティを私は今でもはっきりと思い出せます。

 

エルフの二刀剣士

人間の妖精使い剣士に、自称賢者の魔法使い

ドワーフの神官戦士

 

全員がTRPGに不慣れで、

このゲームで判定の+1や-2がどのような意味を持つかも把握しておらず、

そしてルールブックは改定前の版でした。

 

初めての冒険は大失敗に終わりました。

 

それでもTRPGは面白く、私たちは次こそは強いキャラクターを作ろうと決意したものです。

 

今日の記事ではあの時に大失敗した冒険に想いを馳せながらソードワールド2.0のサンプルシナリオ「バルトゥーの屋敷」プレイレポートを書こうと思います。

 

2d6ゲームの修整値の影響になれてない、あの頃。

 

とにもかくにも攻撃が当たらない。

魔法職のレベルを高くすれば使える魔法がぐっと増える。

一方で戦士系のレベルを上げてもせいぜい命中とダメージが+1される”誤差”しかない。

そう思って魔法職2レベルと戦士系1レベルを取る者が多く、

また二刀流のカッコよさに惹かれて命中がー2される《両手利き》を取っていたあの頃。

マジで攻撃がしょっちゅう外れていました。

 

今でこそ命中+1の重要性やー2のペナルティの重さは分かるようになりましたが、当時はその辺りの感覚がぜんぜん身についていませんでした。

 

そんな低命中のキャラクターをあざ笑うかのようにサンプルシナリオ「バルトゥーの屋敷」の名物ボスが立ちはだかったのを今でもはっきり覚えています。

 

名物ボス「2体のガーゴイル

 

ガーゴイルのイラスト・水なし

 

ソードワールド2.0を始めたばかりの冒険者を数多く泣かせてきた伝説のボスです。

改めてステータスの+1修整の重さを知った今みると気がくるっているとしか言えない強力な魔物です。

 

多くのサンプルキャラの命中よりも一段階以上高い回避力を持ち、

さらに「飛行」能力を持つため近接攻撃の命中と回避判定に+1のボーナスを得ています。

 

雑に作られたサンプルよりもさらに命中で劣る「オリジナルな」プレイヤーキャラクターたちでは到底、攻撃を安定して当てることなどできず……。

 

しかも剣のかけら3つによりHPが1.5倍以上に強化されています。

 

弱点は「衝撃属性」魔法ですが、最速で手に入る「衝撃属性」魔法はなんと初めての冒険の後もう1セッションしなければ届かないレベル帯に設定されているため、初期作成では絶対に習得できないという「弱点なし」の耐性もち。

私たちのプレイグループに限らず、「バルトゥーの屋敷」で命中判定+1の大切さを学んだプレイヤーは少なくないことでしょう。

苦々しい敗戦をしつつも笑っていたあの日の事、いまでもしっかり覚えています。

 

もし「体験」を買いたいソードワールド2.5のプレイヤーがいましたら、

古き良き2.0を買ってみて試しに挑んでみてください。

あるいは熟練の2.5プレイヤーであれば2匹のガーゴイルをやすやすと倒せるのかもしれませんね。

 

今週末は久しぶりにソードワールド2.0を遊びたいな……。

そう思った私の書き散らした思い出話につきあってくれてありがとう。

ソードワールド2.0の基本ルールブックはこちらから買えます。

 

           

 

余談

改訂版ではガーゴイルの数は1体に減りました。

 

 



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異世界冒険ガイドと少し似ている2作品の紹介

個人的にお世話になっているグループSNE北沢慶先生の新刊が発売したので布教記事を書かせていただきます。

 

異世界冒険ガイド 君ならどうする?はじめての冒険』(以下、異世界冒険ガイド)はファンタジー世界の冒険でのあるあるシチュエーションについてクイズ形式で楽しく学べる令和の新作だ。

 

ただし、こういったクイズ形式の作品は令和になって新たに生まれたものではない。

私の場合は予告を読んだときに、平成のファンタジークイズ本「ここは冒険者の酒場」(以下、ここ酒)などを連想した。

 

そして、昭和64年刊行の「ファンタジーRPGクイズ 五竜亭の一夜」(以下、五竜亭)も同じく脳裏をよぎった。

 

元号を越えた2作品のファンタジークイズ本が存在している。

 

今回の記事では最新のファンタジークイズ本異世界冒険ガイド」「ここ酒」五竜亭」について紹介していこう!

 

これらの本に共通しているのはファンタジー世界を舞台に、クイズ形式でつづられている点だ。

逆に言うと、それ以上の共通点はないかもしれない。

 

ああ、いやもうひとつ。

そのどれもがTRPGの存在を下敷きにしていることだろう。

 

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異世界冒険ガイド」の場合はゲームブック風に、

五竜亭」「ここ酒」では酒場でベテランが出す問いとして、

様々なシチュエーションについて自分で考えながら本を読み進めていく形式を取っているが、それぞれの元号ごとにその物語のありようは異なる感触がする。

 

五竜亭」は3作品の中で一番、古くクイズで扱われる問題は「地に足の着いた問題」が多めになっている。

例えば五竜亭」では最初の問いは「冒険に出る前に買うべき武器は何か?」から始まる。

オールドタイプなTRPGを遊ぶ上では現代TRPGでありがちな「データ優先での武器取得」でなく、五竜亭」の回答のようなものが好まれていたのだろう。

 

一方、異世界冒険ガイド」「ここ酒」では武器に関する問いは目立たない。

キャラクターに相応しい物、戦闘ゲームとしてのデータ的に強いものをとりあえず買えば用が足りる最近のTRPGのプレイスタイルでは五竜亭」のころには「不正解」とされた騎士のランスが正解となることもあるからだろう。

 

「ここ酒」は平成の作品で、五竜亭」よりもファンタジー世界の在り方が少しだけ緩くライトノベル的に寄っている。

一番わかりやすいところで言えば英雄的な選択を好み不正解を連発する騎士フンバルト・ヘーデルホッヘの役回りが女性である女騎士シルヴィアへと移っている点が挙げられる。

 

シチュエーションとしてもヒロイックで大掛かりなものが増えてきて、ダンジョン作成側の魔王の視点で考える…なんて問題もあるくらいだ。

 

「ここ酒」にはいくつかのファンタジー世界で頻出の概念や道具などの解説がついていて五竜亭」よりも事前知識を軽めに読める本に仕上がっていると感じた。

 

令和最新の異世界冒険ガイド」では問題の出し方は「なぞかけ」ではなく、

実際にその選択を目の前にした様子が描かれ、選択肢ごとにその先のシチュエーションが描かれ、ゲームブックへのリスペクトを感じられる造りになっている。

 

クイズが基本的に選択肢式というのも今どきのマスタリングだなあ…と思わされた。

この本は内容予告の時点では明確に五竜亭」からの流れを汲む本だと思っていたが、

どちらかと言えばファンタジーTRPGを遊ぶ上でのアドバイス本としての側面をより強めている。

 

特に世界設定面でそのポイントはある意味露骨なほどであり、「ここ酒」は様々なTRPG世界の冒険者が時代やシステムを超えて酒場で交流しているという設定があるのに対して、異世界冒険ガイド」では世界観は現行のTRPGシステム「ソード・ワールド2.5」の世界観をベースとしていて、この本から実際にソードワールドへと手を伸ばす導線となるように書かれている。

 

 

 

このように、一見似ているようで想定される読者層は全くと言っていいほど異なっている。

(だが、それぞれの重なり合う部分も当然あるだろう)

 

どれを読むのが自分にとって良いのか悩ましいという場合には、いっそのことすべてを読む事をオススメする。

 

まずは、発売日の近い令和の異世界冒険ガイド」から予約してみるのも手だろう。

一番、入手にかかるコストが安い*し同時期に読む読者も少なくない分、Twitterなどで語り合うのに向いているからだ。

こちらのAmazonリンクから予約できる。

 

 

 

*五竜亭の方が単価は安いがシリーズ作品であるためすべて電書でそろえるとなると五竜亭の方がコストがかさむのだ。

 

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