バーチャルVtuver豆猫さんの与太話

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【#MTG】ヒストリック・ブロール・プレインチェイス体験記その2【#ヒブロプ】

さて、というわけで今回は予告通りヒブロプことヒストリック・ブロール・プレインチェイス/Historic Brawl Planechaseをした時の話をするよ。

 

まず最初にざっくりとヒブロプのルールを説明するよ。

 

・使用可能なカードプールはMTGアリーナ実装済みのカードすべて

(*当然ながらヒストリック・ブロール禁止リストにもの含まれるカードを除く)

・デッキはリーダーとなる統率者カードを含む60枚

(*61枚目として相棒能力を持つクリーチャーの使用が可能)

・統率者として指定できるカードは『伝説のクリーチャーorプレインズウォーカー

 

・ランダムに選ばれた『次元』を舞台に戦う。

・ターンプレイヤーは毎ターン『次元ダイス』を振る権利を1回分持つ。

・上記の権利はマナを支払うことで追加できる。

(追加のN回目につきN点の不特定マナを支払う)

 

・開始ライフは4人プレイでは30点

(*いわゆる統率者ダメージの特殊勝利ルールはない)

 

 

今回のヒブロプ統率者紹介

 

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1人目

《死の頂点、ネスロイ》

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次元『イコリア』に棲息する怪物たち、ネスロイはその頂点の一角。

墓地利用デッキで大活躍の統率者。

墓地のカードを場に出す、いわゆる『リアニメイト戦術』を中心としたデッキ。

展開したクリーチャー群が全体除去で流されても、ネスロイの変容を起点に一気に蘇るため非常に粘り強い。

強力かつやることがはっきりしているので初心者にもオススメの粘り強いクリーチャーコントロール

 

2人目

《太陽の化身、ギシャス》

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次元『イクサラン』で恐竜と共に生きる戦士たちの国、太陽帝国。

その象徴として太陽の創造・育成・破壊の側面を体現するのがギシャスだ。

性能は分かりやすい【恐竜デッキ】向けの豪快な切札。

踏み倒しを意識して大物恐竜を入れたファンデッキに見えて、恐竜テーマ自体がイクサランのパックで大きく扱われていたため、デッキ自体の地力がかなり高め。

こちらも初心者から上級者まで幅広くオススメできる豪快なトライバルビートダウン

 

3人目

薄暮薔薇の棘、ヴィト》

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ギシャスと同じく次元『イクサラン』の別大陸にいる吸血鬼のコンキスタドール薄暮の軍団』の使徒

太陽帝国の敵である彼らの中でもヴィトは飛び切り危険な吸血鬼である。

この手の効果では珍しく「回復1回につき1点」ではなく「回復した点数分」のダメージを与える強烈な効果。

単色クリーチャーであるため、統率者として使用する場合は黒単縛りでの構築となるが、それに値する凶悪な無限ループを秘めたコンボデッキ

 

4人目

《ギトラグの怪物》

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次元『イニストラード』から参戦した人食い蛙。

土地に関連する2つのメリット能力と1つのデメリット能力を持つ。

メリット能力がデメリット能力を克服し、またデメリットをトリガーとして誘発するという特徴から『回っている間は強く、止まってしまうとそのままジリ貧』というピーキーな1枚。

『デッキの半分以上を土地カードで埋めたい』というランドジャンキー向け。

…というかブログを読んでくれている読者ならもう分かっているかもしれないけど『デッキの半分を土地カードで埋めたい』のが誰かと言えば当然、筆者である。

 

 

 この4人の統率者でのヒストリック環境での対戦となった。

対戦時点ではアモンケット・リマスターのスポイラー公開前だったため、

その時点でのヒストリック+アモンケットのカードすべてという形式で行った。

 

 

対戦開始、波乱の1ターン目。

 

さて、全員がマリガンかキープを行い手札を整えたところでゲーム開始。

このタイミングで殴り合い/Brawl の舞台となる次元カードが公開される。

公開された次元カードは《無限への階段/Stairs to Infinity》

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ゼレックスと言う次元にある「無限への階段」を描いた次元カードだ。

(ちなみにゼレックスと言う次元についての情報は「無限への階段がある場所」以外にはない。)

 

というわけでプレインチェイス発売記念プロモカードからのスタートとなった。

次元ダイスには「何も起きない」という出目もあるが、この次元ではその場合でも1枚カードを引ける。

1マナのカードが引けないプレイヤーもダイスを振って手札を増やすゲームになり盛り上がるだろう。

順調な走り出しにプレイヤーの心が高鳴った。

 

プレイ順はネスロイギシャスギトラグヴィト

さあ、果たしてこの戦いの行方は?

 

まずは第1ターンの様子から見ていこう。

まず土地をタップインしたネスロイが1ドローを狙って次元ダイスを振り…

出た目はプレインズウォーク!

 

ネスロイだけが手札を1枚得したまま次の次元を訪れるという走り出しに他のプレイヤーからの「は?」が飛び交い次なる次元へ。

行きついた先はあの『ボーラスの瞑想領土』!!

 

《生達の池/Pools of Becoming》

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瞑想領土にある生達の池では、各プレイヤーは自分のターンの終わりに手札をすべてライブラリーの下に戻し、その枚数分のカードを引き直す。

 

第1ターンのネスロイはカードを引き直して、溢れた手札1枚を捨てる。

 

困ったのは残り3人のプレイヤーである。

ターンがやってくる前にゲームは大きく展開した。

自分のターンに次元ダイスを振ってこの次元から逃れなくてはマリガン(キープ)した初手が消し飛んでランダムな手札に作り替えられてしまう。

 

第2ターンのギシャスは次元を離れることができず終了。

 

そして第3ターン、ギトラグ使いの筆者の番だ。

まずはとにもかくにもプレインズウォーク…失敗。

 

仕方がないので0マナで《むかしむかし》

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5枚見た中から黒緑の占術土地《疾病の神殿》を置いて占術…

土地ではないカードだったので下へ送り、ターン終了。

次元の効果で手札はがらりと入れ替わった。

 

とはいえ、デッキの半分が土地だけあってなんとか土地事故は起こらずに引けている。

なんとか立て直していきたいところだ。

 

続くヴィトがプレインズウォークに成功し、舞台は次の次元へ。

 

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この次元では攻撃やタップ能力を使ったクリーチャーはアンタップしなくなる。

代わりに力を蓄えて成長しカオスシンボルの目を出してアンタップするか、この次元を去るとそれらのクリーチャーが盤面を荒らし出す。

 

一巡したネスロイの2ターン目…。

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2体の1マナクリーチャーを展開していく。

彼らをタップして成長させられても厄介だし、この次元を離れてもデッキの動きに噛み合う良カードたちだ。

 

これは苦戦を強いられそうだぞ。

 

ギシャスもマナクリーチャーを出して筆者の番。

ここでつい笑顔になってしまうカードを叩きつけた。

 

「じゃあ2マナで《荒廃甲虫》を出すよ」

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次元カード《マラコールの際》とのコンボ!

 

これで他の対戦相手がクリーチャーをタップすると「アンタップしない上にカウンターも得られない」という状況に持ち込めた。

おまけにプロテクション(緑)がネスロイギシャスそれぞれに対して効いている!

 

当然、ここに居座りたいので次元ダイスは振らない。

 

こういう次元カードとデッキの噛み合う瞬間がプレインチェイスの面白い瞬間で、

ブロールと言う「同名カードを2枚以上使ってはいけないルール」との組み合わせで、

そういう「最高の組み合わせ」が偶然訪れた時の興奮はさらに高まるんだ。

 

もちろん次元とデッキがかみ合ったのは僕だけではない。

この後、次々に次元とデッキの噛み合う瞬間のラッシュが重なる。

 

《イゼットの蒸気迷路/Izzet Steam Maze》へとプレインズウォークしてからは怒涛の展開が続く。

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この次元ではインスタントやソーサリー呪文が2倍になる。

ギシャスは4マナで《移動経路》をキャスト!

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土地を2枚出す…が2倍で一気に4マナ追加!

8マナ=ギシャスを出せる状況へ王手をかける。

 

そうかと思えばヴィトも負けていない。

ここまで大きな動きもなくヘイトを下げた立ち回りをしてきたところで《不気味な教示者》

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「ライフの喪失も2倍だから6点痛いなー」なんて…いや、待て待て!

コンボデッキで「デッキから好きなカードを2枚持ってくる」がどれだけヤバイか説明が必要かい?

 

とはいえライフが痛いのも全くの嘘ではないはずだ。

ブロールは統率者戦に似ているところもあるがライフが40点もある統率者戦に比べるとライフの余裕はあまり多くない。

 

ならばそこをついてこちらも攻めていくことにしよう。

王神様のご帰還であるぞ!

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このカードを例えばX=4で唱えたなら、《イゼットの蒸気迷路》から生まれるコピーの方もX=4になる。

詳しくはコピーのルールを参照。

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 《霰炎の責め苦》はプレイヤーを対象に取らずすべての対戦相手に広範囲で影響を与えるソーサリー呪文なので、これをコピーで増やせたのは幸運だった。

(当然、撃たれた側にとってはたまったものじゃ無かったろうけど)

 

この呪文はEDHでもデッキに無限マナからフィニッシャーになる「プレイヤーを対象に取らない黒のX点火力」として採用しているけど、無限マナコンボのないヒブロプでも活躍するチャンスがある。

 

EDHでは無限マナのコンボと組み合わせずに撃つと大抵の場合ライフペイを選ばれカード枚数のアドバンテージにつながることは稀である。

EDHの開始ライフが1人40点と高めに配られる点もその選択を後押ししている。

 

しかしヒブロプでは初期ライフがEDHほど高くないためライフへの圧力を嫌って手札を捨てるプレイヤーも出てくるし、逆にライフで払った相手を他のプレイヤーと協力して叩くことで倒しやすくなる。

 

オススメのカードなので黒使いにはぜひ検討してほしい1枚だ。

 

さて、こうしてライフに圧をかけられても怯むことなくライフを切っていく黒使いの鑑となるようなプレイヤーもいる。

ネスロイ《戦慄衆の指揮》を唱えて墓地からクリーチャーとプレインズウォーカーを展開、さらにライフを切りつめていく!

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そして墓地から釣り上げたアジャニの能力でそれらすべてに+1/+1カウンターをばらまいた…いや、ばらまこうとした。

 

「ストップ、《荒廃甲虫》がいるからそのカウンターは乗らないよ!」

「あっ…。」

「さすがに今のはやり直しを許してもいいんじゃない?」

 

「えっと、じゃあ《戦慄衆の指揮》を唱えるとこまでは同じで、対象をもう一体増やしてリリアナも釣り上げて、リリアナの能力で《荒廃甲虫》を除去してから、改めてアジャニでカウンターを撒きたいな」

「リリアナの分で更にライフ切りつめるねー。OK、認めるよ」

 

こういったデジタルではできない温かみのある処理も紙でヒブロを遊ぶ利点のひとつかもしれないね。

 

とはいえ流石にライフを切りつめすぎたことでネスロイはプレインズウォーカーを無視して本体を攻められゲームから脱落。

 

ヴィトも《移動経路》のマナ加速から出てきて二段攻撃を付与されたギシャスに轢かれて敗北。

 

「一撃目ではまだ敗北してないから、二段攻撃の分でギシャスがダメージを与えた時の能力も2回だよ」

 

というわけで統率者であるギシャスがデッキから大量に恐竜を連れてきて盤面はジュラシックパークと化した。

 

「さすがにそんな盤面を返せなくない?」

 

と半ばあきらめ気味のギトラグ。しばし、思考して出した答えがこれ。

 

「ダメだ。どう動いても返せそうにない」

「だから、次元カードに解決してもらおう」

 

そう言って振ったダイスは不発…しかしここで追加マナを支払いダイスを振り足す…!

プレインズウォーク成功!

そして出た次元に全員が息をのんだ。

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《セラの聖所》
次元 ― セラの領土(Serra's Realm)
あなたがセラの聖所からプレインズウォークしたとき、すべての土地でないパーマネントを破壊する。
あなたがカオス・シンボルを出すたび、あなたはあなたのライフの総量を20点にしてもよい

 

本当に恐竜を全滅させられる次元へとやってきた!

とはいえ、これで解決ではない。

条件は「セラの聖所にプレインズウォークした時」ではなく、

「セラの聖所からプレインズウォークした時」である。

 

もう一度、ダイスを振ってプレインズウォークしなければならない。

 

固唾をのんで全員が見守る中出たのは…

 

 

 

 

「カオス・シンボルですね。」

「えっと…19点のライフを20点まで回復して、マナがもうないからこれ以上は次元ダイスを触れないのでターンエンドです」

 

20点のライフなど10頭を優に超える恐竜軍団の前には手も足も出ず。

1ターンの延命もできずにここでゲームセット!

 

勝者は恐竜さんデッキの《太陽の化身、ギシャス》となった。

おめでとう!

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次元カードの存在によって最後の最後までハラハラドキドキするいいゲーム展開だった。

やはりヒブロプは最高にクールなフォーマットだと思う。

 

ぜひ皆も、ヒストリック環境から統率者を選んで君のデッキでプレインズウォークしてみてほしい!

 

 

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【#MTG】ヒストリック・ブロール・プレインチェイス体験記2020/8/15【#ヒブロプ】

さて、というわけで今回は予告通りヒブロプことヒストリック・ブロール・プレインチェイス/Historic Brawl Planechaseをした時の話をしますわね。

 

まず最初にざっくりとヒブロプのルールをおさらいですわ。

 

・使用可能なカードプールはMTGアリーナ実装済みのカードすべて

(*当然ながらヒストリック・ブロール禁止リストに含まれるカードを除く)

・デッキは統率者カードを含む60枚

(*61枚目として相棒能力を持つクリーチャーの使用が可能)

・統率者として指定できるカードは『伝説のクリーチャーorプレインズウォーカー

 

・ランダムに選ばれた『次元』を舞台に戦う。

・ターンプレイヤーは毎ターン『次元ダイス』を振る権利を1回分持つ。

・上記の権利はマナを支払うことで追加できる。

(追加のN回目につきN点の不特定マナを支払う)

 

・開始ライフは4人プレイでは30点

(*いわゆる統率者ダメージの特殊勝利ルールはない)

 

 

今回のヒブロプ統率者紹介

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《宇宙の帝王、キングギドラ

次元を超えた戦いをするからと言ってゴジラコラボでMTGの世界にやってきたキングギドラから始まるの、凄いゲームですわね。

能力はランダム要素が強いものの重いカードのコスト踏み倒しが決まるとゲームがめちゃくちゃになってしまう凶悪宇宙怪獣。

「踏み倒して強い重くてデカいカードがデッキの中にある」ということ自体が、

ヒブロプでは強みとなるのでヒブロプ向きのカードだと言えると思いますわ。

 

 

薄暮薔薇の棘、ヴィト》

次元『イクサラン』の害悪侵略者吸血鬼コンキスタドール勢力の使徒

「ブロールでは多色が強い」という前提を踏まえた上でなお、使う価値のある単色統率者をあげるように言われたら私は真っ先にヴィトの名前を出しますわね。

デッキ構造自体が回復・ドレイン能力を持つカードを多く採用したデッキになりやすいため、多人数を敵に回してもライフを高めに保てることことから生存力が高めなのもいいですわね。

総じて「Tier1(環境最強デッキ)であるとヒブロプ布教委員会ではまことしやかにささやかれている統率者ですわ。

 

 

《冒涜されたもの、ヤロク》

次元『ゼンディカー』にいる伝説のエレメンタル。

Etb(場に出た時の能力)」が2倍になるという強力なクリーチャー。

雑に「○○が戦場に出た時、~~する」というカードを多く積むだけでもデッキの形にできるため初心者でも組みやすく、上級者の仕様にも耐える奥深さのあるクリーチャーコントロール

色も悪くなく黒がクリーチャーやプレインズウォーカーを除去し、緑がそれ以外を除去できて、青がそもそも場に出ないタイプの呪文を打ち消せる…と妨害に隙がないのが強み。本来なら妨害系デッキは多人数戦ではコスパが悪いところをEtb能力のコピーで緩和できるのも噛み合ってて優秀な統率者といったところかしら。

 

《ギトラグの怪物》

次元『イニストラード』に潜む人間食べ食べ蛙。

 土地に関する能力を3つも搭載したランドジャンキー向けの統率者。

余り他人が使わないような土地を使いたい?

デッキの半分以上を土地で埋めたい?

それならギトラグを選ぶべきでしょう。

 

このブログの読者の方なら多分、筆者のデッキがどれかはすぐにわかりますわね?

 ↓関連しそうな過去記事

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そうですわね。

ギトラグのデッキの半分を土地で埋めたい土地ジャンキー、それは私のことでしてよ。

 

今回のハイライトシーン

 

次元ローウィンにあるキスキン小人の村《ゴールドメドウ》でのこと。

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《ゴールドメドウ》
次元 ― ローウィン(Lorwyn)


土地が1つ戦場に出るたび、その土地のコントローラーは、白の0/1のヤギ・クリーチャー・トークンを3体生成する。
あなたがカオス・シンボルを出すたび、白の0/1のヤギ・クリーチャー・トークンを1体生成する。

 

ここではキスキン小人たちがスプリングジャック山羊を放牧していまわすわ。

ブサ可愛らしい顔をした山羊たちですわね。

ここでは新しく土地カードを戦場に出すたびにスプリングジャック山羊が集まってきやがりますわ。

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そんな《ゴールドメドウ》の能力は「土地が戦場に出た時」が誘発条件になっている。

この意味が分かりまして?

 

土地を1ターンに2回置ける統率者や、戦場に出た時の効果を2倍にする統率者がいる中で、この次元は盤面にたくさんのトークンを生むことが予想されるのですわ。

 

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筆者の《むら気な長剣歯》が土地2枚と山羊6体、合計8枚のパーマネントを盤面に追加して一気に都市の承認を得た時など非常にテンションが上がったものですわ。

 

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ヴィトのプレイヤーも、《魔女のかまど》に山羊をぶち込んで山羊の缶詰量産工場を経営していましたわね。

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ヴィトデッキの食物トークはいわば「プレイヤー狙い限定の無色の《稲妻のらせん》」である。

そんなものを量産されてはたまったものじゃなくてよ。

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そうこうしている間にプレインズウォークして次元は切り替わり…

決戦の場は あの「コルバハン」次元の名所、《天界闘技場》へ!

 

 

他に一切の情報がない謎の次元コルバハンの闘技場が次なる舞台ですのよ。

 

…これ大量のスプリングジャック山羊がいるせいでブロック回避能力のないクリーチャーの攻撃はほぼ止まってしまいました。お前らの山羊のせいです。あーあ。

 

1体しか攻撃できない→山羊1体でブロック…のむなしい戦いが待ち受けていることでしょう…。

と、ここで事態は急変いたします。

 キングギドラのプレイヤーが呼んだプレインズウォーカービビアン・リード》の奥義がやばいと私の中で話題に!

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紋章を獲得すれば山羊たちは獰猛な野生を取り戻し暴れだすに違いないですわね。

そして奥義を撃とうとするビビアンを妨害するにはビビアンを攻撃する必要があります。1体ずつ山羊を超えながら…

 

ヘイトは一気にビビアンを出したギドラへと集中!

ギドラのプレイヤーが『《ビビアン・リード》ってそんなヘイト高いカードじゃないだろ!』と叫んでもお構いなし!

ヘイトはカードの価格でなく盤面で決まるのですわよ!

 

筆者は《イフニルの魔神》を召喚。

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これはサイクリングをすれば盤面の山羊を一掃できる強力なサイクリングシナジー持ちのデーモン!

そして《むら気な長剣歯》でビビアンを攻撃!

 

ギドラPL「長剣歯にトランプルないでしょ? 山羊でブロック。」

 

いいや、つくんだよ今から!ナウ!

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手札の《タイタノス・レックス》をサイクリングしたことで《イフニルの魔神》のサイクリング誘発で敵陣の山羊が全滅!

さらにトランプル・カウンターにより長剣歯の攻撃がビビアンにクリーンヒットし、奥義にリーチしていた忠誠度を大きく減らしましたわ!

 

アモンケット次元のサイクリング誘発クリーチャーとイコリア次元のカウンター付きサイクリング・クリーチャーを併用するとき、最高に「うおお!私は今ヒブロをやっている!」と感じる。

こういう瞬間のためにこのフォーマットをやっていると言っても過言ではないのですわね。

 

とはいえビビアンをまだ倒せたわけではありません。

なんとギドラが変容して呼んできた《灯の分身》により2体に増えたビビアン!

 

ビビアンの能力による「飛行クリーチャーの破壊」で《イフニルの魔神》を粉砕、

実際のところこの時点でビビアンのヘイトは下がっていてもよさそうだったのに、

(紋章を得ても強くなる山羊も残ってないし)一度高まったヘイトは過剰な攻撃をギドラに集め続けて袋叩き。

 

ヤロクのプレイヤーと筆者が二人がかりでビビアンを2体とも倒しきったとき、

それは起こったのです。

 

ヴィト「《極上の血》を置くけど何かありますか?」

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一見、ヴィトと同じことが書いてあるように見えるカード。

でも、良く見比べてほしいですわね。

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お気づきになられて?

誘発条件が逆で効果が逆になっているのですわ。

すなわちこの状態で食物トークンを食べて3点回復すると…

「3点を回復したのでヴィトが3点を与え、3点を与えたので極上の血が3点回復し、

3点を回復したのでヴィトが3点を与え、3点を与えたので極上の血が3点回復し、

3点を回復したのでヴィトが3点を与え、3点を与えたので極上の血が3点回復し、

 …」

 

そう、終わりなき無限ループによりヴィト以外全員のライフが3点のダメージを無限に受けて消し飛ぶのです。もう全部めちゃくちゃですわ。おファック。

 ウィザーズはとんでもないカードをJumpstartにぶち込んでくれました。

 

 

とはいえ、このヴィトをTier1たらしめるコンボは案外隙が多く

・クリーチャー除去

・エンチャント除去

どちらか片方があれば阻止できましてよ。

 

しかしヤロクのプレイヤーは除去札をギドラに使い、

筆者はエンチャント除去を手札に握っていながら、安易にフルタップしてしまった。

 

多人数戦は「政治」のゲームでもある。

交渉、駆け引き、水面下で己の勝利プランを進め暗躍する、それらをバランスよくこなす立ち回りが求められる。

目先の盤面ばかりに気を取られていてはならない。

 

そう考えさせる一試合でした。

 

インスタントのエンチャント除去を構えなかった私が悪い。

インスタントのエンチャント除去を構えなかった私が悪い。

本当に私が悪いんですの?

 

このコンボの存在を知っててJunmpstartにカードを入れたウィザーズも悪いのではなくて? 知らずに入れていたりしたらなおのこと御排泄物ですわ。

 

ゴホン

とにかく、ヒブロプ(ヒストリック・ブロール・プレインチェイス)は今まさに熱々のフォーマットなので皆様も周りのお仲間を誘ってはいかが?

 

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【今日のフォーマット第3回】ヒブロ・プレインチェイス/Historic Brawl Planechase【#HBPcMTG】#MTG

MTGには興味深いフォーマット(遊び方)がいくつもある。

そんなカジュアルフォーマットの深みを探る中で、非常に興味深いフォーマットが流行の兆しを見せ始めたので紹介するよ。

『今夜やります』と突然ディスコードで告知して7人のプレイヤーが集まるようなフォーマットは流行の兆しがあると言っていいでしょう。

 

というわけで『今日のフォーマット』シリーズの第3回はこちら!

ヒブロ・プレインチェイス

 

これは…本当に頭のおかしいフォーマットだ。

 

それでは無のフォーマットの深淵にあなたを招待しよう!

 

まずはこのフォーマットのイカれている部分を簡単に説明していきましょう。

このフォーマットは2つあるいは3つのフォーマットの存在を前提にしています。

 

それらのフォーマットのうち1つは公式からデジタルゲームであるMTGアリーナ専用』とアナウンスされているフォーマットだ。

そして別の1つはMTGアリーナでは遊べないフォーマット』だ。

 

…?

 

それらは両立しないのではないか?

そう疑問に思うのは当然だ。

 

しかし、それらを両立させる方法はある。

なぜなら前者は『公式が紙のマジックでのサポートしていない』というだけで、

何かデジタル特有の処理があるというわけではない。

つまり『公式が紙でのプレイを推奨していないフォーマット』のデッキを紙で組んだ狂人が集まれば、このフォーマットで遊ぶことができるのだ。

 

というわけで遊んでみたところめちゃくちゃエキサイティングなフォーマットだったのでプレイヤ―人口を増やすために布教記事を書くことにしたんだ。

 

どんなフォーマット?

 

ヒブロ・プレインチェイスプレインチェイス戦の変種ルールだ。

選択ルールである単一次元デッキを採用している。

(ただし我々はローカル・ルールとして総合ルール901.3にある『次元デッキには現象・カードは2枚までしか入れることができない。』という記述を無視することにしている。このルールを採用した場合、デッキにどの現象カードを入れるかでプレイヤー間の格差が生まれる恐れがあるためだ。このルールを撤廃し、所持している全ての次元・現象カードを各種1枚ずつ入れた単一次元デッキを使えるようにしているのだ)

 

それ以外の次元カード周りのルールはプレインチェイス戦のルールに準じるので、

詳しくは公式のプレインチェイス紹介記事を参照してほしい。

プレインチェイスの内幕|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

簡単に言えば「ゲームに追加のルールを加える『次元カード』を用いる」

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みんな《倍増の季節》

次元カードは非常に個性的であり、通常のデッキに入れられるカードなら、デッキのコンセプトになる効果を持っているものも少なくない。

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マローも大好きなダブル(2倍)カード

こうした強力な・派手な…あるいはフレーバーに富んだ何種類もの次元カードから、ランダムに公開された次元を舞台に戦うことで通常のマジックでは想像もしないような相互作用が巻き起こる。

 

とはいえ、必ずしも同じ次元に留まり続けたいプレイヤーばかりではない。

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自分の上に乗せると即死してしまう。

例えば君が自分自身のクリーチャーに-1/-1カウンターを載せるデッキを使っているのなら《セレズニアの屋根庭》があるラヴニカ次元には留まっていたいだろうか?

私ならこんな次元からは早くおさらばしたいものだね。

 

普段、プレイヤーが意識することは少ないがMTGを遊ぶプレイヤーはプレインズウォーカー(次元渡りの魔法使い)だ。

プレインチェイス戦では「次元ダイス」という特殊な6面ダイスを振って、プレインズウォーカーシンボルの出目が出せれば、ランダムに選ばれた次の次元へと戦場を移し替えることができる。

 

 

このダイスには次元移動の他に「混沌」を表すカオスシンボルというマークがついていて、次元カードにはカオスシンボルが出た時に働く効果も書かれている。

次元を移動するつもりで振ったダイスが思わぬ結果を生んだり、カオス能力目当てに振ったダイスが全く別の次元へと導いてゲームの展開が思わぬ方へと転がることもあるだろう。

 

こうして戦う次元を次に次に乗り換えながら遊ぶ特殊なフォーマット、それこそがプレインチェイス!

どうだい? 興味は湧いてきたかな? 

 

ただ『次元カード』MTGアリーナでは実装されていない。
なので遊ぶならデジタルマジックの最先端を行くMTGアリーナではなく紙のマジックと言うことになる。

デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ2013…? 知らない子ですね)

 

テーブルは必要だ!

 

さて、ではヒブロ・プレインチェイスでは一体どんなデッキを使ってプレインチェイスを遊ぶんだろう?

 

ヒブロという部分がそうなんだろうけど、

聞いたことがないという人も多いんじゃないだろうか?

 

ヒブロというのはヒストリック・ブロールの略称だ。

 

MTGアリーナ更新情報(2020年8月)マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 ヒストリック・ブロールの禁止リストに《ルーンの光輪》と《ギデオンの介入》を追加します。こちらも8月13日(PDT)に発効されます。

 

こちらの記事での禁止制限告知で初めて耳にしたという人も少なくないと思う。

このヒストリック・ブロールというフォーマットはヒストリックともブロールとも異なる独自の禁止制限リストを持ったフォーマットになっているのだが、いかんせん知名度が低い。

 

禁止カード以外の使用カードは「アリーナに実装されているあらゆるカード」という広いカードプールで行うブロール戦、それがヒストリック・ブロールだ。

 

(ブロール戦については公式の紹介を見てほしい)

mtg-jp.com

 

この「アリーナに実装されているあらゆるカード」という謎の基準がヒブロを独特なフォーマットにして、紙で遊ぶプレイヤーを著しく少なくしている。

(というか公式は紙でヒブロを遊ぶ狂人を想定していないと思う)

 

ヒストリックと言うフォーマットはそもそもMTGアリーナにおける「何でもあり」なフォーマットとして産み落とされた。

最初から紙のマジックでやることを想定していないフォーマットをなぜ紙でやろうとするのか?

 

そのヒントとなるのが「統率者プレインチェイス」である。

統率者戦ブロールの基となったフォーマットであり、多くの類似点がある。

大きな違いとして…

「デッキが100枚必要」

「カードプールが広い」

「初期ライフが40点」

などが挙げられる。

 

カジュアルフォーマットであるプレインチェイス統率者は自然な流れで一緒に遊ぶ人たちが生まれた。

しかしそれをわざわざもう一捻りしてヒブロなどという紙で想定していないフォーマットでやる必要はあるのだろうか?

 

正直な話を言えば「必要」はない。

ただし、統率者戦と言うフォーマットが抱える「デッキパワー問題」との兼ね合いとして私はヒブロ・プレインチェイスには価値があると考えている。

 

統率者戦というフォーマットはそのカジュアルな出自と裏腹にカードプールの広さから「とても強いデッキ」を作れてしまう。

 

結果的にカジュアルフォーマットでありながら「デッキを強くしよう」と思ったときに過激な軍拡に陥りやすい危険性もある。

この辺り、一般論は無意味な世界であり、「統率者戦を遊ぶプレイグループごとに、適切な匙加減は異なる」ので一概には語れない。

ただ、そんな「ちょうどよい強さの統率者戦」として「狭いカードプールで」「より低いライフ」「より枚数の少ないデッキ」でのヒブロは叩き出せるデッキパワーの最大値が低いのが魅力となる。

 

デッキパワーの高い統率者戦をやりこんだプレイヤーたちにとって「単一次元デッキでのプレインチェイス統率者戦」というのはランダムな次元カードを無視して、

そのデッキに組み込まれた強い動きを押し付けあい妨害しあったほうが駆け引きになる場面も少なくない。

 

 

ヒブロというプチ統率者戦でならデッキパワーの上限を抑えながら、時に不利な次元カードの影響を跳ねのけて勝利を目指したり、有利な次元カードを味方につけて通常のヒブロではできないような派手な動きを楽しんだりできるプレイヤーもいるだろう。

 

もちろんそれらはヒブロがガチデッカー向きのフォーマットではないということを意味しない。

ヒブロでも無限コンボを組むことはできる。

半ば身内ジョークとしてTier1と呼ばれている薄暮薔薇の棘、ヴィト》を統率者とするデッキは統率者ともう一枚のキーカードだけで容易に無限コンボに入れるうえに揃えるためのサーチカードも黒には何枚か存在するなど、かなり突出した強さがある。

 

しかしヒブロ・プレインチェイスでは単純なデッキパワーではヴィトに対抗できないカジュアルデッキが次元カードと噛み合って大暴れするケースも少なくない。

 

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怪獣が突然現れてゲームを大きく動かすかも?


統率者戦ではガチなプレイヤーがデッキに組み込むようなコンボの「片割れ」を次元カードが担うことで、ヒブロでもそれらのコンボの再現が起こることがある。

 

統率者戦でのパワーレベル論争につかれたとか、身内の統率者戦パワーレベルが上がってしまったので適度なパワーレベルでのプレインチェイス統率者を遊びたい!

そういった気持ちが高まった仲間が集まった時、ヒブロ・プレインチェイスはきっと流行る。

いや、その兆しは既に生まれ始めている。

 

あと5日ほどで『アモンケット・リマスター』がリリースされヒブロで多くのアモンケットのカードが追加される。

 

『アモンケット』辺りでスタンダードを遊んでいたカジュアルプレイヤーの方がいれば、眠れるカードコレクションに手を付けてヒストリック追加カードとのシナジーを夢想しながら、このフォーマットに足を踏み出すチャンスなのかもしれない。

 

例えばサイクリングを軸にしたデッキは『アモンケット』のサイクリングと『イコリア』のサイクリングと『ヒストリック・アンソロジー』シリーズのサイクリングを盛り合わせたデッキを楽しめるだろう。

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画像はイメージです。実際のデッキとは異なる可能性があります。

(まあ私なら3マナあったら相棒を手札に加えるより次元ダイスを3回振りたいからザーダはメインな気がするけど…)

 

とにかくこのフォーマットは味がするタイプのカジュアルフォーマットなので、虚無フォーマットを趣味とする人たちにはぜひ一度遊んでみてほしい。

 

次回の記事はヒブロ・プレインチェイスのプレイレポートになります。

お楽しみに!

 

これまでの『今日のフォーマット』

 

omamesensei2.hatenadiary.jp

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【#MTG】新たなる6種類の2色地形…待って、6種類?【#ゼンディカーの夜明け】

コロナでショップに通えない日々が続く中、皆さんはどんなマジック生活を送っているかな?

 

僕は紙のマジックの利点のひとつに気軽に仲間内でリミテッドをやれる楽しさがあると思っているんだけど、どうにもコロナ禍でのソーシャル・ディスタンスで紙のマジックの購買欲が減ってしまった。

 

そのため、しばらく紙から離れてMTGアリーナやMOでカジュアルに遊ぶことにした。

 

しかし、そんな僕が久しぶりに紙のパックを買いたい気持ちが昂るような告知が、マジック公式サイトにやってきたんだ!

 f:id:omamesensei:20200727085210p:plain

 

『新しいタイプのブースター』とわざわざブースターパックに書いて売られるセット・パックは、

ブースター・パックを開けてその場で戦うリミテッド戦ではなく、パック開封自体に楽しさを持たせようとする新しい試みとして示されていた。

僕は非常にワクワクして久しぶりに紙のパックを買いたくなったんだ。

 

それに『ゼンディカーの夜明け』の発売に伴いスタンダードで使用可能なカードプールに変化が起こる。

カードプールが大きく動けば今まで目立たなかったデッキにも光が当たるかもしれないね。早く買いたい!

 

この『新しいパック』については今日の本題ではないので、そちらについて詳しく知りたい方は公式記事へ! ↓

mtg-jp.com

 

 

で、今回の本題はそんな紙のパックを久しぶりに買いたくなるパック『ゼンディカーの夜明け』に収録される土地カードについての話題になる。

 

そう土地!

僕がマジックで一番好きなカードタイプが土地だという話は、このブログで何度もしてきたよね?

そしてMTGにおいて「物語の舞台がゼンディカー次元である」ということは「土地がテーマとして扱われる」こととイコールであると言っても過言ではないんだ!

 

ゼンディカー次元は豊富な色マナの力に満たされた次元だが、エルドラージと言う怪物の侵略を受けてきた。

「無色の怪物」であるエルドラージたちはゼンディカー世界を荒廃させ色マナを失わせていった。しかし、数年前にゼンディカーを舞台にしたパック『ゲートウォッチの誓い』で これらの怪物は倒された。

 

新弾『ゼンディカーの夜明け』ではエルドラージによる世界破壊の傷跡は残りつつも、侵略者の脅威から解き放たれたセンディカーが描かれる!

 

そんな色マナ満ちるゼンディカーで収録される土地について、非常に興味深い予告がされたのを知っているかな?

 

www.youtube.com

 

 

9分50秒あたりで、初代ゼンディカー・リードデザイナーを務めた我らがMark Rosewater はこう言っている!

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何年も前に6枚のデュアルランド(二色地形)を作った。

私訳:「私は何年も前に6枚のクールな二色地形を作った。それらは本当にクールで、私は誇りに思っている。それらを入れるべき場所を探し、ついに『ゼンディカーの夜明け』でこの6枚の二色地形は居場所を見つけた!」

 

なるほどこれは朗報だね!

あのMark Rosewaterが…つまりゼンディカーを「土地が主役」のパックとして作ることに興奮していたマローが、本当に興奮しながら語る6枚の二色地形がついに日の目を見ることになるんだ!!

 

新たなる6枚の二色地形を早く見たいけど、この動画ではまだそれらは明かせないとのことでした。

 

ああ、気になるね。

一体どんな6枚の二色土地が…

 

ん?

 

6枚の二色地形っておかしくないか?

 

ごく稀な例外を除いて二色地形サイクルは5枚(または10枚)収録されるのが一般的だ。

 

これはマジック:ザ・ギャザリングが5つの色からなるゲームだからである。

 

 

これらの5組は「友好色」と呼ばれている。

いくつかのセットでは二色地形をこれらの組み合わせで5枚1サイクルとして収録している。

例えば『テーロス還魂記』というセットを思い出してほしい。

このセットには友好色の組み合わせの「神殿サイクル」があった。

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友好色の神殿サイクル

これらは共通の命名ルール「○○の神殿」を持った二色地形となっている。

 

 

ところで、5色から2つを組み合わせるパターンはこの5つだけではないよね?

 

裏側のパターンとも言えるもう5つの組も存在する。

 

 

こちらの組み合わせは「対抗色」と呼ばれ、パックによっては対抗色の色マナを出せる5枚の二色地形サイクルが入ることもある。

例えば『基本セット2020』には上記のテーロスのものと同じ神殿サイクルが対抗色バージョンで5枚収録されている。

 

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対抗色の神殿サイクル

 

このように、強力な二色地形のサイクルは1セットに5枚ずつ収録されるが一般的だ。

 

あるいはひとつのパックに10枚からなる二色地形サイクルが封入される場合もある。

『タルキール覇王譚』というパックを覚えているかな?

このパックにはゲインランドと呼ばれる「場に出た時に1点のライフを得る10枚の二色地形」がコモンとして収録されていた。

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10枚からなるゲインランド・サイクル

タルキールのカード・デザインについて語られた記事ではゲインランドについてこう書かれている。

このセットにはコモンの2色土地が必要だということである。3色土地はアンコモンに存在していたので、エリックはコモンに相応しい何かを探すことになった。しばらく考えて、エリックは必要なものが何なのか気がついた。『ゼンディカー』の隠れ家である。

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問題が1つ残った。カード名を見てみると、セジーリ、ジュワー島、アクーム、カザンドゥ、灰色革、どれもゼンディカー世界の場所なのだ。この土地サイクルを作る時に、将来再録することになるとは誰も思わず、世界内の名前をつけたのだった。つまり、クリエイティブ・チームは新しくサイクルを、今回はどの世界が必要としたときにも使える名前を付けて作る必要があるということである。2色土地にはあまりデザイン空間がないので、将来再利用することが予想されるため、汎用的な名前を付けるべきだという重要な教訓を得ることになった。

 引用:カン否両論 その2|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト

 

ゼンディカーの地名がついていたがために再利用できない5枚の隠れ家ランドのリメイクとして、どこの世界が舞台でも再録できるように10枚のゲインランドは作成された。

 

この試みは大ヒットした。

ゲインランドは強すぎず弱すぎない。

カジュアルプレイヤーにとっての助けやリミテッド戦でのデッキ作成を助けるものとして、そして時にはトッププレイヤーが構築デッキにいれ、広く愛される土地になったのだ。

 

最新のパック『基本セット2021』にもその前の『イコリア:巨獣の棲処』でもゲインランドは収録された。

 

ゼンディカーの地名を付けないことで、これらのゲインランド・サイクルは他の次元を舞台にしたパックでも再録できるようになったことが活きている。

 

今ではすっかりなじみの二色コモン土地となっている。

 

 

さて話をこれから発売される『ゼンディカーの夜明け』へと戻そう。

『ゼンディカーの夜明け』に収録される新たな土地は6種類。

これらは何年も前にマローが考えたクールな二色地形だという。

 

しかし枚数がおかしいとは思わないかい?

 

5枚でも10枚でもなく6枚というのは…非常に偏っている。

 

だからこそマローは予告として「6種類の二色地形」の話をちらつかせたのだろう。

ネットのマジック・コミュニティではこの6枚の二色地形についての話題が盛り上がっている。

 

このブログがこういう時に何をするかみんなはもう知っているよね?

そう、どんなカードが収録されるかを予想するのだ!

 

一体どんなカードなら「新規の二色地形が6種類」という特殊な収録方法になるだろうか?

 

さあ考えてみよう!

 

 

重要なヒントは既に出そろっている。

 

まずひとつ目のヒントとなるのは「ローテーション」だ。

『ゼンディカーの夜明け』の発売に伴い4つのパックのカードが使用できなくなる。

 

特にショックランドがスタンダードから去ることに注目して、「6枚の二色地形」について考察する人も少なくない。

 

しかし、僕はそちらではなく別の要素に注目したい。

それはギルド門のスタンダード落ちだ。

 

近年のスタンダードではほぼ常にタップインの二色地形がコモンに各組2枚存在した。

先述のゲインランドと「ギルド門」だ。

 

ラヴニカを舞台にしたパックに入れられたコモンの二色地形がギルド門だ。

門もまたゲインランド同様に10種類が存在していた。

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10枚からなるギルド門サイクル



しかし、『ゼンディカーの夜明け』の発売に伴い10枚全てが一気にスタン落ちとなり、

ギルド門はスタンダード構築では1枚も使用できなくなってしまう。

 

 

これらを大会レベルで使うデッキは ほどんど無いものの、

カジュアルに遊ぶプレイヤーにとっては手軽に入手できる二色地形として親しまれていただけに、ギルド門が失われるのは大きな変化となるだろう。

 

いや、そんな大きな変化…起こしてもいいのか?

 

これらのコモン二色地形はぶっちゃけて言えば弱いカードである。

そしてその弱さ故に安さと流通の点でリミテッドやカジュアルを支えてきた。

 

果たしてギルド門を失っていいんだろうか?

とはいえ、ギルド門はラヴニカ という次元にある10のギルドに紐ついている。

 

ゲインランドと違ってゼンディカー に門を入れるというわけにはいかない。

 

なんとかして『ゼンディカー の夜明け』にギルド門やゲインランドくらいの強さの二色地形を10枚収録することはできないだろうか?

 

しかし、これらのようにバランスの取れた人気の低レアリティ二色地形があまり多くないことも事実である。

 

ゼンディカーに入れられる『ゲインランドくらいの強さの土地』

そんなものが果たして本当にあるだろうか?

 

もちろん、あるよね!

 

そう「隠れ家ランド」だ!

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ゲインランドのリメイク前である「隠れ家ランド」はゲインランドと全く同じ性能でありながら、名前が違う。

 

もし隠れ家が再録されたなら、同じ色の二色地形をデッキに5枚以上入れた安価なデッキのためにゲインランドとギルド門を併用していたカジュアルプレイヤーは、

『ゼンディカーの夜明け』発売後はゲインランドと隠れ家ランドを併用することができる!

 

とはいえは隠れ家ランドは長いことスタンダードに収録されることはなかった。

そこには何か理由があるはずだ。

 

一体、どうして再録されなかったんだろう?

 

答えは簡単。

ゼンディカーの地名がカード名に含まれているため、ゼンディカーが舞台のパックでしか使えなかったからだ。

 

ええっと次のパックの名前は…そう、ご存知の通り。

次のパックは『ゼンディカーの夜明け』である。

 

『ゼンディカーの夜明け』にゼンディカー の地名を冠した隠れ家を入れることになんの問題があるだろうか? いやない。(反語)

 

初代ゼンディカーの隠れ家ランドは当時まだ適切な強さか判別がつかなかったことや、単色推奨環境だった影響もあり、10種類でなく5種類のみ存在した。

 

そうなればマローが数年前にゼンディカーを2度目に訪れたときに当然こう考えたはずだ。

「そうだ! 隠れ家ランドを再録しよう! それも5種類だけじゃない! あの時はなかった対抗色の隠れ家ランドも作って10枚の隠れ家ランドを入れるんだ!」

 

そう考えることに不自然さはない。

不自然さはないが、問題が2つだけあった。

 

ひとつ目の問題はまたしても地名である。

既に存在さるゼンディカー の隠れ家ランドには《セジーリの隠れ家》というカードがあった。

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ゼンディカーでありながら地名に問題あり



 

この土地、実はちょっとした問題を抱えている。

ゼンディカーならゼンディカー の地名を使うことに不自然さはない。

 

しかし、それはエルドラージに襲われる前のゼンディカーの話だ。

 

なんと背景ストーリーではこのセジーリという土地はエルドラージ によって完膚なきまでに滅ぼされてしまっている。

 

エルドラージ は無色の侵略者で、奴らが暴れた土地は荒廃し色マナを出せなくなる。

 

実際に「エルドラージ が暴れたゼンディカー」を舞台にした『戦乱のゼンディカー 』では、色

マナが出ていた土地がエルドラージ によって無色化された様子を表す《荒廃した〇〇》という土地サイクルがあったほどだ。

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かつては青マナが出ていたであろう滝の成れの果て



 

順当に考えればセジーリもまた青白の二色を出す力は失われてしまったと考えるべきだろう。

 

こうしてストーリー上の理由から再録できない隠れ家が1枚生まれた。

ここを補填するゼンディカーの別の地名を冠した青白土地を新たに作り滅びたセジーリの代わりに収録することで6枚の二色地形(対抗色隠れ家5枚+青白の新しい隠れ家)4枚の友好色隠れ家を含む10枚の低レアリティ二色地形を収録できる!

 

マローは6枚のクールな二色地形を何年も前に考えていたという。

その何年も前というのはまさに『戦乱のゼンディカー 』および『ゲートウォッチの誓い』でこれらを入れることだったのではないだろうか?

 

今でこそすっかり「あって当たり前」になるほど親しまれたゲインランドと性能は全く同じなのだから十分にクールで、マローが誇りに思う作品だったはずだ。

 

さて、しかしそれらは長いこと日の目を見ることなく出番を待ち続けていた。

なぜマローが初代ゼンディカーの時に「いつかまたゼンディカー を訪れるなら5枚の対抗色隠れ家を使いつつ、隠れ家の一つが既に滅ぼされたというエルドラージ の脅威を表すことができる!」というクールなアイデアは実現しなかったのだろう?

 

その理由を探る上で見て欲しいカードが『ゲートウォッチの誓い』に収録されている。

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ジーリの隠れ家の下位互換…?



《曲がりくねる川》というゲインランドの劣化版のようなカードである。

 

一体なぜ?

どうしてマローが考えた(と僕が予想する) 6種類の隠れ家を収録する計画は潰れたのだろう?

 

その理由はマジックの開発体制にある。

これから発売される未来のパックの中身を作る工程が今なお開発部によって行われ続けている。

それも並行作業として複数の未来のパックが作られているんだ。

 

「もしよく似た2つのカード・デザインを使う必要があった時、発売日の近い側が優先して使うことができる。」という決まりが開発チームには存在する。

 

『ゲートウォッチの誓い』と並行して作られていた、発売日が早いパックとは何か…?

 

なんとタルキール・ブロックである。

繰り返し述べてきたようにタルキールでは隠れ家ランドをリメイクしたゲインランドを使う計画があった。

 

発売日の早いタルキール側がゲインランドを使うことになり、

そのために『ゲートウォッチの誓い』での隠れ家収録が見送られたのではないだろうか?

 

(この開発時点では世間でこんなにもゲインランドが愛されるようになることはまだわかっていないことに注意してほしい。ただでさえ2連続でタルキールにリメイクが収録された後にリメイク前の方まで入れるのはウケるかわかっていない時点では、手を出しにくかったことだろう)

 

マローは「何年も前にデザインした新しい6枚のクールな土地」のことを誇りに思っていると発言している。

 

まだ使われてもいないカードの出来を誇るには少し早くないだろうか?

 

しかし名前を変えゲインランドとなったコモン二色地形はこんなにも人々に好意的に扱われる素晴らしい傑作となっている。

その原点となる隠れ家ランドの作成は彼にとって成果が既に上がっている誇らしい仕事であるに違いない!

 

というわけで、

今回の豆猫さんの新弾カード予想は以下のとおり!

 

『10枚の隠れ家ランドが収録される』

 

『それらのうち4枚はかつての5枚の隠れ家から、ストーリー上の縛りから使えなくなった《セジーリの隠れ家》を除いた再録である』

 

『長年、出番を待っていてついに居場所を見つけた6枚の二色地形とは、対抗色の隠れ家5枚とセジーリに変わる新たな青白の隠れ家である』

 

新たな青白の土地は

《タジームの隠れ家》

《ハリマーの隠れ家》

海門の隠れ家》になるんじゃないだろうか。

 

これは適当に名前をいくつも挙げているわけでなく海門という場所はタジームのハリマ―にあるのだ。

 

ジーム大陸には内側に海がある。

ここは陸地に平地要素が、内海に島要素があるため青白の土地にはぴったりだろう。

 

ハリマーというのはタジームにある内海の名前なので、こっちになる可能性も十分あるだろう。

 

海門というのはハリマー沿岸の地名でここもかつてのセジーリ同様にエルドラージ に破壊されてしまった場所だ。

ただし、完全に崩壊したセジーリの時と違ってその後エルドラージ が討伐されたことでこの地は復興を遂げている可能性がある。

 

また海の名を冠し、今は亡き白きプレインズウォーカー、ギデオンがゲートウォッチとしての違いを立てる時にその名を挙げていることからも青白に縁がある場所でもある。

 

「エルドラージだけではない、ゼンディカーだけでもない。決して繰り返させはしない、どのような世界にも。私は誓おう。海門のため、ゼンディカーとそのあらゆる人々のため、正義と平和のため、私はゲートウォッチとなる。そして新たな危険が多元宇宙を脅かした時には、私はそこに向かおう、君達三人とともに」

引用:ゲートウォッチの誓い|マジック:ザ・ギャザリング 日本公式ウェブサイト


この象徴的な地が、キオーラの海の群とギデオンを指揮官とした同盟者軍の結集したものの、エルドラージ に敗れたこの地が…エルドラージ を倒し復興した証としてカードになるかもしれない。

 

そう妄想するだけで、土地カードが大好きな私はとても、とてもワクワクしてしまう。

 

もちろんこれらは予想に過ぎない。

いざ蓋を開けたら全然違う答えが待っているかもしれない。

 

『ゼンディカー の夜明け』のプレビューを今はただ見守り続けよう。

 

 

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【胡乱な無料TRPG】『ダンジョンズアンドなんだって?/World & What did you Say?』【#TRPG】

ようこそ、W&Wの世界へ。

 

この記事では無料で遊べるフリーのTRPGルールW&Wについて紹介します。

 

このゲームではあなたたちはファンタジー世界の種族としてキャラクターを作ります。

例えばバンブーエルフや芋煮ドワーフ、合法ハーブリングなどの…なんだって?

 

ええ。あなた方のうち、何人かはこれらの奇妙な種族に既になじみあるかもしれません。しかし、多くの人たちにとってはこれらの種族は非常におかしな存在に思えるでしょう。

 

バンブーエルフとはご存じの通り、竹林に棲息しパンダに騎乗する戦闘民族です。弓はエルフにかかせないアイテムで、しなる竹は弓の素材に都合がいい。つまりエルフが竹林に棲んでいることに何もおかしなところはありません。

 

脱法ハーリングはいわゆるホビット系の小型種族で、いつでも気持ちよくなれるハーブをキメているため、陽気でお調子者。短絡的で考えなしですが隠れたり隠したりするのが得意なようです。

 

芋煮ドワーフドワーフらしい金属鋳造技術の賜物である巨大な鉄鍋で芋煮会を開く種族です。芋の取り扱いへのスタンスの違いからポテサラエルフとは非常に仲が悪く…なんだって?

ポテサラエルフっていうのは万物をマッシュするポテサラ魔法を使うエルフだよ。何?そんな変な種族なんて知らないって? 口答えする異種族はポテサラの中のハムにすゆ)

 

そう「なんだって?」こそがW&Wの本質なんだ!

 

このTRPGでは君たちが良く知る既存のファンタジー種族(エルフやドワーフホビット系小型種族やライカンスロープなど)に何か他の概念を掛け合わせるなどして変な種族を生み出し、それらを持ち寄ってプレイすることで化学反応を起こそうというものだ。

 

君たちは奇妙な種族を生み出すべきだが、完全な無から小学生の落書きのようなオリジナル種族を作るよりは既存の概念に何かを付け加える(あるいは差し引く)ことで他のプレイヤーや進行役であるゲームマスターに理解してもらいやすいだろう。

 

そう。あくまでこのゲームは「ぼくのかんがえたさいきょうの種族」を競うものでなく、奇妙な種族が集まってパーティを組むことで生まれるセッションを楽しむための遊びなんだ。

 

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胡乱な種族を作って与太語りしよう!


 

それではこのゲームの趣旨を理解してもらえただろうか?

それでは以下からルールパートになる。

 

 

ルールセクション

1.用語の説明

この項では用語を定義していく。

特に定義されていない用語に遭遇した場合、なにか深い目的があるわけではなく、

単に書き落としているか定義がいらないような常識的な言葉だと思っているかのどちらかなので各自なんか適当に解釈してほしい。

 

GM(ゲームマスター)

このゲームを遊ぶためには最低1人のゲームマスターが必要。

プレイヤーはゲームマスターを兼ねることはできない。

 

注意! 「他のTRPGでGMとPLを一緒にやったことあるから平気さ!」というような人はこのゲームではその実績を忘れて大人しくゲームマスターに専念すべきである。

このゲームでGMをすることはあなたの脳みそに多大な負荷をかける。

 

PL(プレイヤー)

2人以上。人数の上限はこちら側からは設けないが4人を超え始めると多分収集がつかなくなり始めるぞ。

このゲームではGMとPL以外にもゲームに参加する方法がある。

もし人がたくさん集まったならそちら側に回した方がいいだろう。

 

外野(ガヤ)

外野はこのゲームにおいてプレイヤーに準ずる存在だ。

英語の略称が欲しいならGY(GaiYaの略)とかOF(OutFieldの略)とか好きに呼べばいい。

しかし直観的な理解の助けになる外野という日本語表記をここでは勧める。

プレイヤーと一緒に奇妙な種族について考えてガヤガヤするのが外野の役目である。

外野はプレイヤーに準ずる存在だ。(いわゆる見学者とは異なる)

 

2つを除きプレイヤーが行うあらゆることを外野も行うことができる。

2つのこととは「キャラクターシートへの記入」と「キャラクターの操作である」

外野は0または2人以上が望ましい。

つまり外野が1人であることを避けるべし。

例えば5人が集まったならGM1・PL2・外野2とするのがいいだろう。

 

GM1・PL3・外野1だとその外野は自分が他の参加者に比べて劣っていると感じてしまう危険がある。しかし実際には外野はこのゲームの立派な参加者の1人なのだ。

 

 

PC(プレイヤーキャラクター)

PLが生み出し、外野と共に育てる胡乱な存在。それがPCだ。

PCは参加者みんなのおもちゃとなって君たちを楽しませてくれる。

ただし、そのおもちゃの持ち主はPLに紐づいている。

PCはみんなで共有して遊ぶための道具だけれど、それをどう使うかを決め、おうちに持ち帰り、また持ってくるのはPLなのだ。

 

例えばボールを想像してほしい。

そのボールでどう遊ぶかを決めるのは君たち全員だ。

そしてサッカーをするかドッチボールをするか決めてみんなで遊ぶ。

この時、ボールはみんなのものだ。蹴ったり投げたりして楽しんでほしい。

だが、悪意を持ってそのボールが破裂するような使い方をしてはいけない。

そのボールには持ち主の子がいるんだからね。

 

セッション

1回のゲームプレイをセッションと呼ぶ。

プレイヤーたちが集まって1つのセッションを行う。

 

セッションは4つのフェイズに分かれる。

詳しくはこれから説明しよう。

 

2.セッションの進行

この項目では実際にセッションがどのような手順で進められるかを説明する。

 セッションは大きく4段階に分けられる。

 

①世界創造フェイズ

PLは自分のPCを1人持ち込み、その胡乱な種族の名前を明かし、混乱する他の参加者にそれがどんな種族なのかを説明する。

それを聞いたGMや外野、他のPLは思ったことを率直に述べる。

例えば「顔がよさそう」とか「コワイ!」とか「(背景に宇宙の写真がある猫の画像を張る)とかだ。

 

次第に話は膨らみ、その種族全体に及ぶだろう。

そう、PCは単なる1個体に過ぎず、これから生み出す世界にはそのやべえ種族がたくさん住み着いているのだ。当然、それらの奇妙な種族の生態も話すうちに実体化し、複数の種族につながりの線が見えてくるはずだ。

 

外野はいわゆる見学とは違う。参加者である自覚をもってここで与太話にどんどん加わろう。

ただし、最終的にそれらの世界形成がどの程度までPCに反映されるかは、そのPCを持ち込んだPLにあるということを忘れてはならない。

 

②課題提示フェイズ

GMは今回のセッションでどのような困難に挑戦するのかを提示する。

(レッドドラゴンの巣穴から宝物を盗ってくるとか、ゴブリン退治とかそういうのだ)

 

 既に参加者の脳みそは変なドラッグでもキメたかのようにぐるぐるしているので、

できるだけシンプルな課題を提示するべきだ。

 

GMは事前に敵となる存在などを決めておく必要があるが、世界創造フェイズで話が膨らむうちに「倒すべき真の敵」が見つかることもあるだろう。

そういう時、GMは悪ノリして課題をそちらに変更することを推奨する。

そうした臨機応変の対応をするために、このゲームにはエネミーデータがないのだから。

 

プレイの例:
GMはゴブリンの巣穴にもぐって中にいるゴブリンを全滅させる課題を考えていた。

しかし、PLたちがバンブーエルフ合法ハーブリングという胡乱な種族を持ち込んできた。

話に花が咲き、

ハーブリングの吸っている薬草が合法なのは小人族の法であって人間の生活圏で所持していると普通に罰せられる」

「それ脱法じゃなくて違法じゃん」

バンブーエルフは毒耐性が強いのでほどほどにキマるからバンブーエルフの間ではハーブは合法」

という流れが生まれた。

GMは「いや、こんな種族は滅ぼされるべきだろ」と思ったので

『近くの人間国家の討伐隊がバンブーエルフ違法ハーブリングの共生する村を焼きに来る』という内容を課題にすることに変更し、ここで参加者にその旨を伝えた。

 

③課題挑戦フェイズ

GMの課題に対してどのように対処するかをPLや外野で楽しく話す。

この時に実際にPCがどう動くかの最終決定権はPLにあることだけ忘れず外野も積極的にアイデアを出していくこと。

GMはそれらのアイデアが有効かどうかを判断しながら返答する。

 

ただし、GMが即答できないような問題もあるだろう。

GMも「いや、これもうわかんねえな」となった場合に『判定』を行う。

判定システムについては後述する。

課題の達成もしくは、達成の不可能っぽさが明らかになったところで最後のフェイズへ進む。

 

キャラクターシート記入フェイズ

驚いただろ。

そうだ。このゲームは最後にキャラクターシートの記入を行う。

『判定』を5回以上行っていない各PLはキャラクターシートの能力欄が空欄になっているはずなので、セッション中の与太話に思いを馳せながら能力名を記入していく。

その後、それらの各能力値について、判定を行い能力値を埋めていく。

5つの能力と能力値をグラフ化したら既に埋まっている項目も適宜修整していく。

 

プレイの例:

脱法ハーブリングのプレイヤーはセッション中にハーブリングのハーブが人間の生活圏では禁止薬物に指定されていることを受けて種族名欄の「脱法ハーブリング」という記述を修正し、「違法ハーブリング」にした。

 

セッション終了後は各自がTwitterなどで出来上がった胡乱な種族のキャラクターシートをTLに放流して概念侵略を行おう。

 

 3.判定ルール

このゲームにおける「判定」とはキャラクターの能力値をその場で設定し、課題を達成しうるかを判断する過程を指す。

 

プレイヤーが課題に対して何らかのアクションを起こすことを宣言した(あるいはアクションを提案した外野の意見を採用した)場合に、GMは判定を行わずに、それらのアクションが可能かどうか成功するかどうかを決めることができる。

 

しかし、時にGMが判断できないこともあるだろう。

その場合、判定によって成否を決めることができる。

GMは自分で判断できない状況になれば判定を行うことを宣言しよう。

 

判定を行う場合、まずGMは「どのうような能力があれば、その判定に成功しうるか?」を提示する。

それに対してPLや外野は代案があれば提示する。

GMが認めればその代案を採用し能力欄に名前を書き込む。

 

プレイの例:

PL1「じゃあ僕のダイナマイトゴーレムは兵士を見張りの兵士を色仕掛けで誘惑して切り抜けることにするよ」

GMダイナマイトゴーレムの色仕掛け?(Space Cat)」

GM「ちょっと私には判断できないわね。ここは『判定』で決めることにしましょう」

外野s「Year!」

GM「私は『魅力』とか『顔の良さ』とかを用いるのが適切だと思うけど…」

PL2「ゴーレムだから形は製作者が決めれるわけだしそれにむいた形になっているはずだよね?」

外野1「こういうのはどうだろう?ボディチェックをされるとダイナマイトゴーレムは気づかれてしまうから、ボディチェックを避けられるような形で作られるんじゃないかな?」

PL1「それはそうだろうな。じゃあ僕のゴーレムは潜入に向いた姿なんだろう」

外野1「ボディチェックを避けられる身分…すなわち貴族令嬢…!」

GM爆薬令嬢じゃん!!」

外野2「繋がったな…」

PL1「わたくしのダイナマイトゴーレムはボディチェックを避けるために高貴な身分の女性を模して造られていますわ!GM、能力値は『高貴さ』を使ってもよろしくて?」

GM「『高貴さ』なら仕方ありませんわね…それで判定を行うのを許可しますわ」

 

さて、では判定はどのように行われるのか実際に見ていこう。

使う能力値の名前を決めたらキャラクターシートの能力欄の空欄に書き込む。

その後、GM、PL、外野の全員でその種族のその能力値が「高い」のか「低い」のかを投票する。「どちらでもない」「普通」という判断もあるだろう。

参加者が3人以上であるならその中で最も高いと判断した票1つと最も低いと判断した票1つを取り除く。(3人以下の場合この処理は行わない)

 

残った票について「高い=5点」「普通・どちらでもない=3点」「低い=1点」として平均を計算し、最も近い整数がその能力値の値となる。(0.5の時は上に寄せる)

 

プレイの例:

GM「それじゃあダイナマイトゴーレムの『高貴さ』を判定するよ。各自『高い』『低い』『普通』で投票して…」

GM「集計結果は…『高い』が4票と『普通』が2票、『低い』が0票だね」

GM「最高値である『高い』と最低値である『普通』から1票ずつ取り除くから…」

GM「『高い』が3票と『普通』が1票になるね。

高い(5点)×3票=15
普通(3点)×1票=3

15+3=18…これを投票者6人から2人除いた4人で割るから…

18÷4=4.5か。

整数に直すから四捨五入して5点。

ダイナマイトゴーレムの高貴さ』は5になるよ。」

PL1「それじゃあ僕のキャラクターシートに高貴さ5と書いておくよ」

 

判定のクリティカルファンブル

もし上端と下端を取り除く前に『高い』で全員一致した場合クリティカル

同じく『低い』で全員一致した場合はファンブルとなる。

その場合、能力値はクリティカルならファンブルならとなる。

 

GMはこの能力値の決定を見てから「この値なら成功するor失敗するだろう」というジャッジをくだす。

重要なのは投票よりも前に目標値を定めるわけではなく、単に投票の結果を見てから決めるということだ。

数字の大きさはある種の指標であり大きいほど素晴らしいが「明確な基準」としての数字データは存在しない。この判定は能力値が4以上なら成功…などとGMが言うことは自由だが、GMは後出しでその場のノリを見てから判断してもいいのだ。

 

キャラクターシート記入フェイズでもこれらの処理は同様である。

ただし、投票なしでGMが「できる」と即答したり「できない」と即答した場面を元にPCは判定を省略して直接、能力値に数値を記入してもよい。

ただし、最低1つは判定を行って能力値を埋めること。

 

PL人数が多いと課題挑戦フェイズやキャラクターシート記入フェイズでの判定の回数も一気に多くなってしまう。

PLが多い場合にはGMは以下の選択ルールの使用を検討すること。

 

選択ルール「判定省略時の能力決定」

課題挑戦フェイズでのPCのアクションについてGMが成否を即答したケースでは判定を省略するのが基本のルールだ。

この時に判定は省略しつつも判定を行ったかのようにキャラクターシートを埋めることで判定処理の時間を大幅に減らすことができる。

GMはここのアクションについて「できる」「できない」だけではなく、能力名と数値をPLに提案してもよい。PLは望むならそのPCのキャラクターシートに言われたように能力値を記入できる。

 

プレイの例:

GM「確かにバンブーエルフの『噛合力』は非常に高いから、青竹を食いちぎって威嚇すればツキノワグマも逃げ出すだろうね。OK。『青竹をかじり威嚇してツキノワグマを追い払う』のは成功だ。キャラクターシートに『噛合力:5』と記入してもいいよ」

 

 

ここで示すルールは以上です。

ローカルルールとしてやりやすいように適宜ルールを捻じ曲げながら遊んでください。

なおこの記事はバンブーエルフの話題が約1ヶ月つづいた記念に作成されました。

バンブーエルフ生誕1ヶ月記念に遊んだりしたらいいんじゃないでしょうか。

 

キャラクターシートはエクセルとかで使いやすいように作ればいいと思いますが、

何もないと困ると思うのでサンプルを置いておきます。

誰か代わりにもっといいの作ってくれると嬉しいな。

キャラクターシートのサンプル

W&Wキャラクターシート - Google スプレッドシート

 一応サンプルシートの記入項目について…

種族名

胡乱な種族の名前です。

性別

オスのドワーフとメスのドワーフで外見が異なるとかそういう設定がつくときにPCがどちらか判断できると便利ですね。

種族の外見

胡乱樹はファンアートが描かれると一気に伸びるので、アートを描きやすいように外見の情報があるといいんじゃないかな。

種族の特徴

行動や社会性など外見以外の特徴を書き込んで幻覚の解像度を高めよう。

 

キャラクター自身の名前欄がないことについて

このゲームW&Wではあくまで種族について考えることを軸にすすめるため、

PC個体についての解像度をあまり高める必要はありません。

あなたのキャラクターは「バンブーエルフのガブリエル」とかでなく「バンブーエルフA」です。

最古のTRPGであるD&Dではキャラクターはすぐ死ぬので名前を付けずに遊んで、しばらく生き残ってから設定を固めたという都市伝説的なうわさもあります。

W&Wではキャラクターに名前は振らず、PC間の呼びかけも種族名を使うようにするとよいでしょう。

世界観レベルではこれらの種族名呼びは「胡乱種族爆発」によって多様な種族が生まれた世界において、複数種族からなる冒険者パーティでは慣例的に種族呼びするのが定番となっているとか、実際には名前を呼んでいるけどメタ視点では進行の都合上ほんやくしているとか、適当に縛ってください。

キャラクターシートを作成してくださる方がいましたら製作者側からの数少ない要望として「PCの名前欄はいれず、種族欄を大きく作る」ことに配慮していただけると嬉しいです。

 

 

参考文献

togetter.com

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【期間限定無料漫画の布教】がっこうぐらし!【6/27~29】

 

Kindleで今日だけ無料。

2020年6月28日22:00までの期間限定無料お試し版です。

2020年6月29日以降はご利用できなくなります。

 とのことなので今日買っておいて明日読むとかでもいいみたい。

つまり実質的には「今週末無料」ということ。

だから「今日だけで11巻分も読み終わるの無理でしょ」と尻込みせずに読めるとこまで読んでハマってもらいたい作品なので、気になると思っていただけたら、

この記事を読むのをやめて「がっこうぐらし!」を読みに行ってほしいですね。

 

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さて、というわけで今回は漫画布教記事を書いていこうと思います。

先ほどタイトルを挙げた通り今回あつかう漫画は「がっこうぐらし!」です。

 

割と「衝撃的な1話!」と話題になった作品なので、

記事ではその辺の「1話のネタバレ」はもう知っているということで進めていこうと思います。

知らないという人はまずは1話を読んでください。

 

 

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そして面白かったならこの記事に戻らずそのまま先へ先へと読めばいいと思います。

 

というわけで、ここからは「がっこうぐらし!」の1話はもう読んだor1話の内容はすでに知っている…という方向けに書いていこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

もうネタバレ嫌な人は1話を読みに行きましたか?

まだならこの記事より1話を読みに行った方がいいですよ?

 

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では1話のネタバレありでここからは進めていこうと思います。

 

本作はかわいらしいキャラクターのほのぼの学園生活漫画…の皮をかぶせてスタートを切ったゾンビサバイバルものとなっています。

 

精神的に病んでしまっている主人公の視点では、いまだ学園生活はいつもどおり、

荒れ果てた学校の様子もゾンビとなった生徒たちもちゃんと見えておらず、

幻にむかって話、本当はすでに失われてしまった在りし日の景色だけが主人公ゆきにだけ見えています。

 

本作はそんな「きらら系の萌え漫画」「ホラー」のギャップから、アニメ放送のあたりで一気に話題になった作品です。

 

しかし、アニメだけしか見ていないから原作の先がどうなったか知らない読者も多いのでは?

 

今回の期間限定無料でがっこうぐらし!は11巻まで無料で読めます。

漫画原作は12巻完結ですので、「最終巻以外全部無料」なわけですから、

この機会に11巻無料最終12巻を買って「がっこうぐらし!」原作を全巻読んでみるのはいかがでしょうか?

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がっこうぐらし12巻【Amazon-co-jp限定描き下ろし特典付】

 

 

とまあこんな感じで書いておけば読んでもらえる…ほど世の中あまくはないですよね。

時間のない現代人にとって、コンテンツ接取のための可処分時間の奪い合いは熾烈な争いです。

「今なら無料です!」という宣伝だけで読んでもらえるほど簡単な話じゃなくて…

人は何か新しいものに手をだし、時間を使うときに、何かの保障が欲しくなるものです。

 

つまるところ、「ここがオススメです」というウリがなければ手を出すことをためらうことになります。

 

そういうわけで、私は「がっこうぐらし!」の良いと思ったところを書きましょう。

 

この作品は「都合のいい助け」がないところが良いと思います。

そう書くと「リアリティ」だとか「シビアさ」とかをイメージするかもしれません。

ご都合主義の排除というのに良さを見出す人は少なからずいます。

 

しかし、そういう意味ではありません。

そういう意味での「都合のいい助け」は差し伸べられます。

 

というかそもそも。

冷静に考えてください。

愛らしい「きらら系」の美少女たちがゾンビもののホラーでどの程度のことができるでしょう?

ゾンビハザード全体の解決のためにどれほどのことができるでしょうか?

 

みんなで生き延びることだけで十分大変で、それ以上の解決を彼女たち自身の手で行えないとしたら…

最終的な解決や要所要所での生存に「都合のいい助け」はどうしても現れてきます。

 

実際にこの話の最終的な「オチ」もかなり「都合のいい助け」だったということもできる展開でした。

しかし、私はそこにむしろ「都合のいい助け」を廃した物語構造のうまさを見ました。

 

ゾンビハザードの脅威の中で少女たちにできるのはただひたすら「一緒に生き抜くこと」であり、それを最後まで貫こうとし続けます。

そして最後には「一緒に生き抜こうとした」これまでの努力が実を結んだ結果として。

「助け」がやってくるのです。

その助けは確かに彼女たちが頑張ってきたこれまでの行為の集大成であり、

それ故に「突然いままでの展開に関係なく与えられた物語都合の救済」ではなく、

「一緒に生き抜こう」とする強い意志、そして実際に生き抜いてきたその積み重ねが生んだ助けでした。

 

ストーリー構成担当の海法紀光先生の紡いだ「少女たちが一緒に生き抜いてきたからその得られる助け」という物語を、最大限魅力的に描く千葉サドル先生の絵。

 

ぜひその物語を最後まで読んでほしいと思います。

 

 

 

 

 

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【#MTG】《長老ガーガロス》は「除去耐性」があって強い。

ガーガロスの話で盛り上がってて楽しそうなのでガーガロスはいいカードなんだと思う。

「今のスタンダード環境に合わない」などの理由で弱い弱いと言われがちなガーガロス。

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除去耐性がないから弱い?

今回は《長老ガーガロス》はM21環境のいくつかの除去に対する『耐性』があって結構強いよね」っていう話をしていきましょう。

 

めちゃくちゃ逆張りのオタクっぽいけど、カードプールを眺めて「あれ?ガーガロス除去耐性あって強いな」って思ったんですよ。ほんとだよ。

 

というわけで今回はガーガロスが持つ「除去耐性」となりうる性質を見ながら環境における立ち位置を見ていきましょう。

 

ガーガロスの除去耐性 その1

4を超えるタフネス

 

《長老ガーガロス》のタフネスは6点あり環境のほぼすべてのマイナス修整除去から逃れることができます。

(‐X/-Xがあるのですべてではない)

 

わかりやすいところで言えばゼンディカー再訪時にはアンコモンとして収録されていた《闇の掌握》コモンとして収録され環境にばらまかれている点に注目すべきでしょう。

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コモンの優良除去

黒の敵対色である白が《闇の掌握》に耐えられる天使として《悪斬の天使》に再びの出番を用意したように、緑に新たなる武器として《長老ガーガロス》が与えられたのです

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あの悪斬に並び立つ強力ード…!?


《闇の掌握》対策ビーストはガーガロスだけでなく、タフネス3ながらも黒からの呪禁を持つ《ガラクの先触れ》なんかもいますね)

 

もちろんマイナス修整除去にはそれ単独で殺しきらずとも他のカードを組み合わせることでクリーチャーを殺せる利点があります。

 

しかしそのために2枚のカードを消費した、あるいはマイナス修正を入れて戦闘を行った…この時点で《長老ガーガロス》は十分にカード枚数のアドバンテージを生み出しています。

 

戦闘を行えば能力が誘発できるガーガロスをマイナス修整+戦闘で落としても盤面に3/3のビーストが残るためガーガロスはその役割を果たしています。

 

1枚のマイナス修整除去で殺しきれない疑似耐性は完全な除去耐性とは言えませんが、カードの強みとしては十分でしょう。

 

 

ガーガロスの除去耐性 その2

5を超えるタフネス

 

「さっき聞いたよ」と思われるかもしれませんが、タフネスが5を超えていることは4を超えていることとは別カウントするべき除去耐性です。

 

コモンの火力である《金屑化》はかなり信頼性が高めの除去呪文で、あの《悪斬の天使》すら葬れる点数の火力を出せます。

同様に《魂焦がし》も使いやすい5点火力アンコモンであり、対黒でのタフネス5と同様に対赤のタフネス6は重要な基準になります。

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赤を支える低レアリティの5点火力たち

 

この環境に《シヴ山のドラゴン》という定番レアカードが採用されず《ヘルカイトの懲罰者》という新規のアンコモンが環境入りしているのはまず間違いなく《金屑化》の5点ラインを意識しているに違いありません。

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重くなった分、パワー/タフネスが上がった派生カード

 

そして意外に思われるかもしれませんが、素のタフネスが《金屑化》ラインを超える緑のレア・クリーチャー存在しません

 

(一応ジョルレイルは「自身の手札枚数」に等しいパワー・タフネスを得られますが、手札枚数6枚以上という条件は現実的ではありません。《漁る軟泥》を4回起動するのはそれに比べると若干ありえそうな状況ですね。)

 

これは緑のクリーチャーが弱くなったというわけではなく、緑のレアが「対抗色への呪禁クリーチャー」としてデザインされた結果として、友好色である赤へのガードが下がっているのが理由のような気がします。

 

単純にタフネス6を超えるだけなら異常な再録頻度を誇る《巨大な戦慄大口》くんが申し訳ばかりに基本セットを1度休んで、もう十分に期間は開いたとばかりに基本セット2019以来の再録をされているのですが、こちらは相手にかける圧としてはコモン相応におさまっています。

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いつの間にかスタンをひっそり消えていたヤツが返ってきた。

神話レアであるガーガロスだからこそレアリティにふさわしい爆弾性能と「除去耐性」を得ているのだと言えます。

 

《長老ガーガロス》《金屑化》1枚では処理されない高いタフネスを耐性として持っています。

いちいち名前を挙げることはしませんが《金屑化》よりも火力の低い赤の除去すべてに対しても同様です。

 

X火力に8マナ注ぎこむか《一斉噴火》を撃ち込む他に赤がカード1枚でガーガロスを処理することはできません。

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互いに地上クリーチャーの並んだ膠着状態などで有効な一枚

繰り返しになりますがタフネス6はこの基本セット21環境のリミテッドにおける「除去耐性」なのです。

 

ガーガロスの除去耐性 その3

警戒

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警戒は攻撃時にタップしない能力



「注釈文がないからと言って呪禁警戒を間違えてはいないだろうか?」と思われるかもしれません。

しかし、この環境では警戒はある種の耐性能力として働きます。

 

例えば白には定番の「タップされているクリーチャーへの除去」の変種としてコモンの除去に《素早い反応》が与えられています。

f:id:omamesensei:20200625212830p:plain

強い(確信)

あー。《返報》の亜種ね。って感じの除去ではありますが、

このカードはレアリティもマナ・コストも据え置きのままで、カードタイプだけがインスタントになっているという破格の1枚となっています。

ほとんどのケースにおいてインスタントはソーサリーの上位互換なのでこれは大きな強化です。

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忍び寄るインフレ

基本的に《返報》は一度殴られなければ使えなかったのに対して、

インスタントになったことで「まさに一度目の攻撃をしているクリーチャー」を除去できるようになっている点で《素早い反応》は凄まじい進化だと言えます。

地味なカードかもしれませんがプレビューでこのカードを見た時、私はかなりの衝撃を受けました。

 

さて、しかし《素早い反応》は厳密には「攻撃したクリーチャー」への除去でなく「タップ状態のクリーチャー」への除去です。

これはつまりタップしない限りは攻撃しているクリーチャーであっても《素早い反応》によって破壊されないということを意味しています。

 

「この環境の警戒が耐性能力である」という言葉の意味がこれで分かったと思います。

同様に青には《心酔させる掌握》という強力な除去…というかコントロール奪取カードがあります。

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タップされているクリーチャーを奪う呪文



テキストにはっきりと書かれているようにこちらもアンタップ状態のクリーチャーを選べません。

ここでも警戒が耐性能力として働いています。

 

M21環境においては、

《悪斬の天使》には《セラの天使》と警戒がついてないから弱い」

みたいな定番のネタが実際に問題となるのです。

 

 

同様に「コントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない」という制限に対しても警戒は有効に思えます。

 

しかし、現代マジックのカードパワーは《脱水》《水銀の縛め》の時代からはかなり上がっていて、瞬速を持つだけでなく、つけたときにタップする誘発型能力までついています。

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付けた時にタップさせる上位互換

流石にこれらへの耐性を持っていると言ってしまえば、それはもうブログ記事に嘘を変えいていることになってしまいます。

だからそうは書きません。

 

ただ、これらの効果はクリーチャーをアンタップさせること自体を禁止していない点は覚えておくといいでしょう。

 

あなたのクリーチャーをアンタップさせる《トレイリアのクラーケン》のようなカードで《長老ガーガロス》をアンタップすることで「アンタップ・ステップにアンタップしないペナルティ」を無視するトリックは一度は決めてみたいものですね。

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驚くほど制圧力の高いタッパー

赤では《反逆の行動》系のカードを「相手ではなく自分のクリーチャーに撃つことでアンタップできる」という小技が使えますね。

この環境にはこのタイプのカードとして《裏切りの強欲》があるので記憶の片隅に残しておけば、うまぶれるタイミングがあるかもしれませんね。

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対象は相手のクリーチャーとは限らない

 

ガーガロスには《取り除き》を受けないマナ・コストであるなど、他にもいくつかの除去への『耐性』があります。

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軽いが範囲が厳しめの除去

さすがにこのあたりを上げだすと「飛行していないから飛行対策カードを受け付けない」だの「アーティファクト・クリーチャーではないためアーティファクト除去で破壊されない」だの完全に言ったもの勝ちの難癖になってしまいそうです。

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ここまで来ると耐性があるというより、そもそも狙われてない。

それにガーガロスを除去する手段が完全にないわけではありません。

クリーチャー除去の色である黒には《とどめの一撃》というシンプルな除去呪文があるのですから。

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プレインズウォーカーを殺すことはレアじゃないのが令和

 

ただ《殺害》のレアリティがアンコモンからコモンへと戻ったのを皮切りに、《パイ包み》《血液凝固》といった4マナ以下のインスタント除去が安売りされていた近年のリミテッドから、追加効果の代わりに除去範囲を広げた5マナの《とどめの一撃》を黒の除去カードの基準とするM 21環境へと流れが切り替わったのは《長老ガーガロス》にとって追い風と言えるでしょう。

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コモン除去の質が妙に高かった最近のリミテ

 

《耕作》《ラノワールの幻想家》のような緑らしいマナ加速がレア以下に存在するので、これらを3ターン目に使い4ターン目に召喚できた《長老ガーガロス》は黒いデッキが《とどめの一撃》を使う前に一度だけ攻撃のチャンスを得られます。

 

たった一度。しかし一度の攻撃で大きな成果をあげられるのが《長老ガーガロス》の強みなのです。

 

というわけで基本セット2021のリミテッド環境における《長老ガーガロス》がコモンの除去に対してかなり固い方だということがわかっていただけたでしょうか? 

 

ガーガロス悪斬のような『除去されなければ勝てるカード』」という事前評は多くありました。しかし、こうして見ていくとガーガロス悪斬と比べてもかなり除去されづらい「除去耐性持ちクリーチャー」だったわけです。

 

 

《長老ガーガロス》は「除去耐性」があって強い。

 

さて、いよいよ明日からは基本セット2021のプレリリースがスタートします。

いままでは週末の2日間限定のイベントだったプレリリースですが、コロナの影響を受けて1週間の長期開催となっています。

病気療養中のため、行かれない私の分も楽しんできてほしいですね。

(なんだか前にも病気でプレリリースを逃しながらリミテッドの記事を書いた気がする)

 

それではまた次回。
あなたが《長老ガーガロス》を除去できずに苦しむよりも、《長老ガーガロス》で暴れられますように!

 

ガーガロス悪斬M21リミテッド除去耐性表(一部) 

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プロテクション(ドラゴン)も関係ないウギン酷いね

 

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